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民主党市会議員への手紙 ひと晩でも日本農業について語り明かしたい

_edited1 望月様。
貴兄のおっしゃることは非常によく理解できます。
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>小泉・竹中・ホリエモン路線(篠原代議士命名)の新自由主義に断固反対の立場をとり、地方・農業・中山間地を活性化することを自らの使命とする政治家です。有権者が一人もいない車中で秘書相手に独り言のように、その思いを痛切に語る姿を見た私としては、たった一度会っただけのあなたに「篠原孝」を語っていただきたくない、というのが正直なところです。
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まさにこのようなことを議員から聞いたのならば、私はまったく違う「篠原孝」観をもったことだと思います。
私も貴兄も似ているなと思うことは、現場で苦悩する農業者の体温を知っていることです。私はいちおう70余人の有機農業の組合法人の創設をして代表を努めました。
ちなみに歳は58です。就農して25年もたっちまいました。最近村の農政課に新規就農ですぅ~と言ったら、あんたはもう中古就農ですよ、って笑われてしまいました(涙)。
貴兄もまた農協という地域農業の要の役職についていらっしゃる。私の友人に同じことをしているやつがいますが、よくやってらっしゃる。得なことなどゼンゼンないでしょう。忙しくて、責任ばかりがあって。まして新規就農なら尚更だ。その上に市会議員か・・・。
いや、すげぇな。自分の畑仕事できないんじゃないですか。いつもカミさんに怒られているでしょう(笑)。あんたなんのために田舎に就農したの、って。
私も代表理事生活の時は年がら年中言われてましたもん。女房から言われるのがいちばん効くよね。自分が「崇高な仕事」に行っている時にその分仕事をしているのが彼女ですから。
さて、私が議員にカチンとなったのは「加温するような農業はCO2削減的に問題なので、止めてしまえ」とか、「外国飼料でやっている畜産はフードマイレージで問題だ」という空疎なエコインテリ的たわごとをしゃべったからです。逆な立場になってこらんなさい。茨城から一日の仕事をカミさんに任せて上京した座談会で、かようなことを一方的に言われたら。
確かに議員は長野1区の人ですが、国会議員は長野1区のためだけにあるわけじゃない。まして「篠原孝」は、オータナティブな生産-流通-消費まで見通すイデオローグでもあったわけです。期待感が大きかっただけに、失望感が大きかったのです。
_edited 私はフードマイレージとか、CO2がどうじゃらというような概念で、現在の日本農業を裁断することは反対です。というか、はっきり言えば、嫌悪感すら覚えます。冗談ではない、そんな輸入概念より生きている人のほうがよほど大切です。
それは私の商務上のパートナーのパルとか大地を守る会などが言っていればいいのであって、現実の農業の現場の言葉ではありません。つまり「都会人の言葉」なのです。私はそのような議員の言葉を聞いて、失望しました。しょせん机上の人なのか、と。
しかし、そのイメージも貴兄のコメントでやや修正されつつあります。
現実の農業は、貴兄もよく知っておられるように矛盾の塊です。石油も炊けば、外国飼料も買い込む。
理想は現実の上位概念ではありません。あくまで現実があって、その中でもがく人々がいて、その人たちをなんとかしたいと思う人がいて、それを支える地域を作っていこうという意志で、私は地域有機農業という難物に取り組んでいます。その芯のようなものが私の思う「理想」であって、他者を切るための道具ではありません。
私は今や、もう「有機農業」というジャンル自体が意味をなさないのではと考え始めています。ましてや有機JASなど、なにおかいわんやです。しかし、有機農業がこの地域で受け入れられて、根付くためには、いったん「有機農業」という衣を自ら剥いで「素の農業」にならないといけないのかもしれません。
25年もやってると、たまにそんなことをボーっと考えます。
                     ~~~~~
_edited_2 >欧米の農業者は、政府からの補助金で生計を立てています。先進国の農業は、政府の直接支払なくしては成り立たないのが現実です(一部の成功した農業者を除いては)。
一部の成功した農業者の生産量だけでは国内需給を賄えない以上、生産農家が暮らしていける方策を考えるのが国家の農政だと考えますし、我が国より条件が良い欧米諸国ですら既に実行しています。
それは奴隷根性ではなく、農業者の当然の権利であり、国家のあるべき姿だと、私は考えます。実際、土地利用型作物の場合、先進国では採算が採れないことは周知の事実です。
私の地元では、一番新しい新規就農者は私です。故に現在も農協の青壮年部長の職にありますが(若手も既に複数回部長を経験しているため)、その私が政治家になり、日頃農作業を出来ない状況になってしまいました。
新たな就農者を待望する状況ですが、現状一人もいません。農協青壮年部最年少は37歳の青年で未婚です。
今こそ、農業者戸別所得法を実現し、全ての農業者が安心して農業に従事し、跡取りを得られる状況を作り、我が国の食料安全保障を実現すべきと考えます。

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さて最後に、私は貴兄が言われる西欧のように「政府からの補助金で生きているような農民」になるのはまっぴらですし、それを「農民の当然の権利」などは思いません。
これだけははっきりと言っておきます。農民はそんな政府の金にすがって生きていくべきではない。そのような体質が、先だって私のブログのコメント書き込みにあったような都市住民の「農家特権階級」論を生むのではないでしょうか。「特権階級」といわわれればこちらは腹も立ちますが、決して痛くない腹ではないのです。農民以外に、自分の家業が立ち行かなくなったといって生活補償を求めることが「当然の権利」だと言う階層があるでしょうか。
私は補助金はもらったことがないし、仮にもらったとしても3年間でその補助事業がモノにならなかったら、ごめんなさいと諦めます。あくまでも事業に対しての補助金であり、その事業計画=ソフトに対する国家支援です。
しかし、これがいきなり懐に金を突っ込んでくれるとなると、とんでもない毒団子です。これは確実に農家を腐らせます。汗をかかない金をもらってどうなる。
自立のための資金援助はいいでしょう。しかし、恒常的に懐に金を入れるというのは、農家が国家に寄り掛かり、それなくしては生きていけない依存体質を生みます。
私はこれを否定します。
山間地と私のような茨城南部とは比べられないかもしれないことはわかっていますが、山間地対策も兼ねた長野1区としてならともかく、純農村部の茨城3区の農業政策としては誤っています。それは兼業の固定化であり、兼業という日本農業の弱点を解決するのではなく、いっそう永遠化することにつながります。
                     ~~~~~~~            
議員とお話するより貴兄とお話したいですね。ひと晩でも日本農業について語り明かしたい。
こちらは寒風が吹き始めました。長野はもう初冬でしょう。なにとぞご自愛ください。
濱田拝

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コメント

いつも楽しく読ませて頂いています。現場目線でありながら、同時に広い視野を持って記事を展開されていて、とても参考になります。

今回印象的だったのは、

>私は貴兄が言われる西欧のように「政府からの補助金で生きているような農民」になるのはまっぴらですし、それを「農民の当然の権利」などは思いません。

の部分です。実際に地方に行くと、どれだけ多くの農業者が「補助金ありき」でモノを考えているか、が良く分かります。そんな中、こういう意思を持って農業に取り組まれている様子に感銘を受けました。

思えば、現在農業大国と呼ばれる国々はすべからく補助金をバラ撒いています。(参考:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=207776)この現実を前にして、補助金無しで農業は成立するのか?それとも、補助金の出し方を変えればいいのか?という点について議論が必要かなぁと感じました。

投稿: Yoshi | 2009年11月13日 (金) 17時15分

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