究極の玉子かけご飯
上の写真は、うちのグループがフェスタ・、オルガニカ用に作ったかまどです。
今年の祭には私は関わらなかったのですが、若いスタッフたちが何でおもてなしがいちばん素敵かと議論して、「究極の玉子かけご飯」となったと聞きました。
「究極の玉子かけご飯」。よく私たちにも消費者から「何が玉子のいちばんおいしい食べ方でしょう?」と聞かれることがあります。私、躊躇ためらいもなく、玉子かけご飯ですね、と答えるでしょう。
手はかけない、しかし素材の味がキッチリわかってしまうとなれば、こりゃ玉子かけご飯しかないですよ。
あるいはそうだな、半熟のゆで卵をスプーンで掬ってハフハフ言いながら食べるのもいいですね。時間は沸騰したお湯に入れて7分で黄身が半熟、外はやや固いていどかですか。もっと半熟がいいなら、5分~6分。タイマーでちゃんと計ってね。 ともかくいじりまわさない。余計な味をつけない。玉子とご飯と醤油、あるいは塩一本で勝負。ストイックだねぇ!
ただし、よくある市販のたまごかけご飯用醤油なるものはおやめになるほうが無難です。甘ったるくて味の素くさくて、かえって素材を殺します
このシンプルな食べたかは全国共通なようで、前に同業者で酒飲みながら、この話題になったら、やっぱり皆声をば揃えて、「決まっているだろう。玉子かけご飯だよ!」と言っていましたっけ。
バターご飯。パターをひとかけホカホカごはんに置いて、ひとたらしのお醤油。これもうんまい!おーと、もうひとつあった。トキワの石沢さんは目玉焼きのターンオーバーなんて言ってましたっけ。目玉焼きをひっくり返して、頃合いを見てスプーンで黄身をしゃくうんだそうです。これもなかなか。
ともかく、プロフェショナル(←クイクイと胸を張る)の食べ方は、素材に自信があるので、すこぶるシンプルなのです。というのは、生産者は毎日、自分の農場の品質をベロメーターで計っているところがあって、余分な味を使うとわけわからなくなってしまうでしょう。
で、究極の「玉子かけご飯」ですが、うちのグループの田んぼで作った有機栽培の新米を天日干しにしました。天日干しにすると、石油で一気に火力乾燥させるより、心持ちしっとりと乾燥します。そしてなによりお天道様のビタミンDと滋養をたんと芯まで吸い込むのです。
これを贅沢にも、かまどで薪で炊いてしまう。当然水はわが村の自然水。あんがい、うちの村の水はクセがなくておいしいのです。
これでまずかったらウソ。もうこれだけで自己完結するよなぁ。
カマドにお釜というのもスゴイんですよ。電器がまはそうとうによくなってきてはいても、あの薪の強火が出ないのです。お釜の厚い鉄で、分厚い5、6センチはあろうかというぶ厚い木の蓋で圧力をかけるようにして一気に炊く!
この手作りのかまどは、昨年私たちの村にやって来て、今うちの直販所の責任者をしていただいている老練のログビルダーさんが作ってくれました。
木の屋根もついていて、横には食事の合図を、カンカンと知らせるアンティークの重厚な鐘まで付いています。
そしてこの究極の新米に、ガッチリ拮抗するは、私たち平飼生産者自慢の文字通りその朝採れた玉子。
ポンと割ると黄身がもっこり、白身も黄身を持ち上げています。殻はあくまでも堅く、美しい茶色。
これをホカホカのご飯の先をちょっとだけ崩して、割り入れます。そして、これまた有機栽培の大豆と自然塩と麹だけで、おまけに木の樽で仕込んだ醤油をひとたらし。
今回はこのかまどでのご飯炊きを消費者のみなさんに作ってもらいました。パパが懸命に火を起こす。子供が吹く。グツグツ釜が煮えてくる。さぁ火を落として蒸らすんです。皆、この初体験を面白そうにやっていましたっけ。
ただひとつの心残りは、お焦げがうまく出来なかったのです。最後にむりむり作ってようやくお焦げが出来てホッとしました。
あ~、書きながらよだれが湧いてきました。今日は玉子かけご飯にしようかな。
■「フェスタ・オルガニカ」とはオルガニカはスペイン語で有機のこと。つまり有機農業の祭ていどの意味です。初代実行委員長であらせられた私が、キューバ帰りの熱気で命名してしまい、今でも舌を噛むと不評です。反省。
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コメント
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投稿: 余情 半 | 2009年11月22日 (日) 20時11分
あなたの所属するグループとはここでしょうか?
http://www.mizuhonomuraichiba.com/
投稿: 柳生大佐 | 2009年11月23日 (月) 14時24分