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民主党現役市会議員様のコメントをいただきました

009_edited 2日ばかりお休みをいただきました。正直言って少々くたびれております。私、こうみえてもナイーブなんですよね。ホント、ですって!
しかし、誤解も解けたようでよかった。ご心配いただきました皆様、ありがとうございました。

さて、このところ今までお知り合いになれなかった方からの投稿をいくつかいただいております。ほんとうにありがとうございます。

今回篠原孝議員の秘書をされていた長野市市会議員の望月義寿様からコメントをいただきました。心から感謝いたします。氏は新規就農者という私と同じ農業への参入の仕方をしており、現在も農協の青壮年部長をされております。望月様のコメント全文は長文ですので、右の「最近のコメント」欄からお読みください。

望月氏のコメントの中心をなしている農家戸別所得保障制度については、じっくり腰を落ち着けて考えていきたいと思っております。とりあえず、下の返答をしたためさせていただきました。

拝復。
望月様、貴重なお返事を賜り感謝に耐えません。
仰せの篠原孝氏についての記事は、私の筆が走ったかと反省しております。申し訳ないですが、それほど議員の「感じが悪かった」というのが強烈な印象で、その印象に支配されていたかもしれません。身近で接しておられる望月様はまた違った氏の人となりを見られているのだと考えさせられました。
さて、政権発足以降、民主党農政中枢と、篠原氏とはかなり異なった軌道をたどっているように思われます。
私は篠原氏のブログは毎回見させてもらっておりますが、最近の記事を拝見しますと、氏をして農政中枢からはずされているのかと慨嘆せざるを得ません。
民主党農政の舵は誰が握っておられるのか?赤松氏か、山田氏か?いずれにせよ、選挙中の日米FTA締結というショッキングなマニフェストは、篠原氏も山田氏もまったく関与していなかったことは、当時の「日本農業新聞」記事からも察せられます。
現在この日米FTAは到底提案できる段階ではなく、ムニャムニャといった感じですが、かかる重大な方針決定に篠原氏や山田氏のようなシャドーキャビネット農水大臣2名ががまったく関与していないとなると、民主党の党内民主主義に大きな疑問を持たざるを得ません。
選挙後、山田氏は政権に副大臣として迎え入れられ、一方篠原氏は今の民主党内では単なる「挙手要員」となってしまったのでしょうか。残念なことです。
Img_0006_editedその悔しさは篠原氏のブログ記事の行間からにじんでくるようです。
ところで、今回の農家所得補償制度は「米を先行させるモデル事業」です。私は唖然といたしました。
これではなんのことはない、自民党の選択的減反と五十歩百歩ではありませんか!前農水大臣石破氏が「民主農政はおおむね合理的な政策だ」と「日本農業新聞」で言うことがかえって理解できます。
篠原氏は最新ブログでふたつのことを述べておられます。
ひとつは、ほかならぬ所得保障制度の生みの親である篠原氏が考えた方向とまったく別な方向に舵を切ったことです。篠原氏はたぶん「米の生産調整分として、麦、大豆、菜種、そばなどの土地利用型作物を作り、それに米並の所得を補償することで、米の生産過剰と自給率の向上、そして農家所得の安定の3ツを意図する政策」だったと思われます。
ところが、これが「米のみから始まってしまう!」と篠原氏は批判しておられます。そしてこれに「1兆円の予算をつぎ込んでしまう」とも書かれています。まことに篠原氏にとってやんぬるかなです。
石破農政の減反選択制はそれなりによくできていて、「減反を半強制から、選択制度にし、同時に米の買い支えもやめる。減反に参加した農家には、奨励金のかわりに所得保証金を出す」といったものです。自民党案としては出色でしょう。
しかし、この選択的減反と現行の民主案とほとんど変わらないですね。直接に金が農家の懐に行くというのも、石破農政がもう少し続いていたのならば浮上したオプションかもしれません。
石破氏が得たりとうなずくのも道理です。しかし、これでは民主党独自の総合的な農政変革はできるはずもないではないですか。しかも今回の民主党政策では共済制度を使うとか、地方農政事務所を使うとか、まぁ今までの農政の尻尾をそのまま大きく取り込んでしまっています。
まったく新味がなく、むしろ農家に対して「どんな分野でもどんなに赤字を出しても、政府が赤字をみんな補てんしてくれる」といった誤った幻想を跋扈させてしまいました。
冗談ではなく、村の一般レベルではそう理解しています。私が「まったく違うって」と言っても、「いやぁ、候補者がそういったぞ。これから国が農業を全面的に応援するのが民主党だ」といいます。
実際、そのような誤解を招きかねない言い方をしていた候補者もいたようです。この誤った期待が裏切られた時には農民はどう思うでしょう。まぁ小沢氏からすれば、来年参院選までこの幻想が持てばいいだけでしょうが。
それはさておき、私のいまひとつの驚きは、このような民主党政権のあらぬ方向への逸脱に対して、民主党随一の農政政策プランナーである篠原氏が農政中枢から排除されて、「すでに政府内で決められており、我々は関与しようがないのだ」と自らの無力を痛々しく告白していることです。
篠原氏のような農政プロパーが事実上排除される現状は、民主党政権にとっても大きなマイナスでしょう。このような
自党の専門家すら排した小沢氏の政府と党の分離、政策決定に対しての党内議論の事実上の禁止策は、まったく異常です。党内でこのありさまですから、一般農民はどのようにして意見をいえばよいのでしょうか。
Img_0004たとえば従来からあった、国民から中央政府に向けてのパイプであった国会議員への「陳情」も、幹事長室一元化政策といった小沢氏の一人独裁政治の下、閉じられてしまいました。
仮に長野1区の農民が陳情をしたいと篠原議員を訪ねても、議員は「私には中央に声を届ける術がないのです」と言わざるをえないことになります。
これならば、かつての自民党の部会→政調→政府→国会委員会といった流れのほうがよほど民主的に思えるほどです。淀んだ族議員政治から、最終的にはひとりにすべての権力が集中するスターリン型独裁政治へと日本は変化しつつあるのでしょうか。
私は今やむしろ篠原氏のような「農政の玄人」が、政権中枢に戻るべきだと思っております。
今の日本農業の現状は素人考えの施策でどうにかなるほど簡単でもなければ、安直でもありません。民主党の魅力は清新さでしたが、その賞味期限も3カ月まで。今後はほんとうに農政を設計できる篠原氏のような人材が必要です。このまま行けば、自民党の二番煎じに大きな国家予算を投入したあげく、手ひどい失敗となることは必定です。
私は篠原氏を個人攻撃する意志は毛頭ありません。むしろ、農政施策に返り咲いていただきたいほどです。私は自民党の農政への批判を続けてきたことと同様に、政権与党となった民主党に、農業者の立場で手加減することなく検証していくつもりです。
望月様、長文失礼いたしました。今後の日本農業についてともに新規就農者として忌憚のない意見交換ができればこれに勝る喜びはありません。
濱田拝

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コメント

私も、昨日の篠原孝さんのブログを拝見しまして、えっ?と思ってしまった一人です。
偶然、同じようなことを、昨日のブログ記事
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/?p=1200
に書かせていただいた次第です。
要は、石破さんの「減反選択制プラス直接支払い」が、妙な形で、『直接支払いモドキ』で復活してしまった、ということなのでしょう。
しかし、この直接支払いは、あくまで、モドキであって、生産に対してニュートラルな直接支払いではありません。
おそらく、篠原さんのブログ記事から察せられるのは、戸別所得補償によって、マイナーな作物にも生きながらえられる条件が与えられ、この農業内での作物のダイバーシフィケーションが、ひいては、篠原さんが以前から主張される地産地消への兼業ダイバーシフィケーションにつながっていく、というビジョンを示されたのでしょう。
つまり、農業内ダイバーシフィケーションを、地産地消という換金回路を通じて、兼業ダイバーシフィケーションにつなげていく、という構想ですね。
それと、『日本においても、EU並みの直接補償を』との掛け声はいいのですが、その当のEUは、巨額の財政負担を伴う直接支払いから、2003年のFischer reformによって、撤退しているのに、どうも、日本での直接支払いの議論は、その旧来スキームである1992年のMacSharry reformsを前提にしているようですね。
WTO非適合型の直接支払いスキームではなく、WTO適合型の直接支払いスキームを目指さないと、永続的なスキームにはなりえないのではないかとも、懸念しております。

投稿: Sas | 2009年11月12日 (木) 10時11分

人が斜(はす)に構えるのは身を守りたいからです、ジャブ。そしたらブログ主の立ち向かうストレートは真向かいから飛ぶ。「闘技場」かなと思ったら、「討議場」になりましたね。しかも波紋のように輪が広がり始めたrock

投稿: 余情 半 | 2009年11月12日 (木) 22時57分

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