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2009年12月

2009年12月30日 (水)

本年も大変にお世話になりました。よいお年をお迎えください。

017_edited1 今年もほんとうに押し迫ってきました。
本年中お世話になりました皆様、そしてコメントをいただきました未だお顔も存じ上げていない皆様に心から感謝を致します。

この小さなブログは、私の村内の雑談のようなものから始まり、私の家業である有機農業、そしてそれらを囲む農政やグローバリズム、果ては思いつくままに地球環境問題にまで手を伸ばしてきました。というか、手を伸ばしてしまいました。まったくオッチョコチョイであります。

この数回やっている地球温暖化問題は、私にとって始めて経験するとまどいに満ちた分野でした。今まで、自分の経験した農業関係ではかなり明確に主張を言い切ってきたのですが、この問題に関する限り答えが見い出せないままの越年となります。
私の非理科系的脳味噌の構造とあいまって、地球温暖化疑惑ではなく、地球温暖化疑問です。ただ引っかかることは、引っかかる、喉から小骨を吐き出さないと気分よく生きられないという生来の損な性分のために、来年もこのテーマをよろけながら続けることいたします。

ところで、本来の私のフィールドである有機農業についても少々。実は私は十年に一度の曲がり角がまた来たのか、という気がしてなりません。かつて1997年頃でしたか、有機認証制度の流れが、好むと好まざるとに関わらず来るという時代に感じた怯えとも期待ともつかない気分に似ています。

そのうちじっくりとお話しますが、今までいい意味でも悪い意味でもあった有機農業の独立的性格が失われていくような時代に差しかかってきたような気がします。
それが一般農業との敷居をなくし、地域の中で生きる有機農業という本来あるべき展開を作るのか、あるいは、一般農業の単なる一分野に組み込まれてしまうのでしょうか。

一年の最後ということでやや回顧的になることをお許しいただきたいのですが、私が就農した1980年の頃を第一世代だとすると、来る2010年はちょうど30年めとなります。どこから飛んで来たのかわからないような有機農業の変わり種がこの村に飛んで来て芽を吹き、がむしゃらに根を張ってしまいました。そして二十歳の年に有機JASの洗礼を潜って成人となり、そこからまた10年の歩みでした。

よく村では三十年一世代と言います。三十年前後で、次の世代にタッチするってわけです。かつて青年だった私たちも60の声を目の前にする年頃になってしまいました。身体も無理が効かなくなり、かつて平気で持ち上げた30㌔半俵がズシッと腰にくるわけです。
出来ることと、現実的判断が出来る歳になってしまいました。かつて夢を喰っていた私のような者が言うのもなんなのですが。

いずれにせよ、次の世代に渡すべき有機農業のスタイルをしっかりと世に問うていかねばならない正念場の頃のようです。あまり気張らずにいきましょうか。

皆様の新たなる年のご多幸をお祈りしております。

2009年12月29日 (火)

クライメイトゲート事件 第8回  ジョーンズ教授らが査読をねじまげた手法について

_edited クライメートゲート事件で流出した別のメールを見てみましょう。フィル・ジョーンズ教授たちは、自分と異なる地球温暖化懐疑説を排除するために、科学雑誌「クライメイト・リサーチ」誌に圧力をかけ、気に入らない編集者を退職に追い込み、科学者間の査読を自分たちの主導する方向へ、つまりは地球温暖化・CO2説のみが掲載されるような妨害工作をしました。


また50人以上の科学者に、CRE(サウスアングリア大学気象研究ユニット)と同調することを求める工作をしています。つまり、フィル・ジョーンズ教授の地球温暖化・CO2説を気象学会の主流とすべく、マフィアを作り、学会誌から不都合な編集者を排除し、自分たち以外の説が外部に出ないような動きをしてきたと推測されます。

まずはこのようなジョーンズ教授らを告発し続けている「パジャマ メディア」サイトから見ていきましょう。
http://pajamasmedia.com/blog/three-things-you-absolutely-must-know-about-climategate/

scientists on several occasions discussed methods of subverting the scientific peer review process to ensure that skeptical papers had no access to publication. In 2003, Tom Wigley of the University Corporation for Atmospheric Research in Boulder, Colorado, complained that paleoclimatologist Hans von Storch was responsible for “the publication of crap science ‘in order to stimulate debate’” and that they “must get rid of von Storch” (1051190249) as an editor of the journal Climate Research (he indeed subsequently resigned).

科学者は時折、懐疑的論文が公開されないことを確実なものにするため、科学者同僚間の査読プロセスを妨害する方法を議論した。 (略)2003年にボウルダーでの大気調査のためのUniversity Corporation のTom Wigleyが、古気候学者のHans von Storch ハンス・フォン・シュトルヒには責任があると不平を言った。 科学雑誌「Climate Research」の編集者のフォン・シュトルヒを除去せなければならない。本当に、彼は辞職した。

これに対応する流出メールの全文はこちらからご覧いただけます。なお、このサイトには膨大な量の地球温暖化説の学者の流出メールが掲載されています。
East Anglia Confirmed Emails from the Climate Research Unit - 1051190249.txt
http://www.eastangliaemails.com/emails.php?eid=307&filename=1051190249.txt

PS Re CR, I do not know the best way to handle the specifics of the
editoring. Hans von Storch is partly to blame -- he encourages the
publication of crap science 'in order to stimulate debate'. One approach
is to go direct to the publishers and point out the fact that their
journal is perceived as being a medium for disseminating misinformation
under the guise of refereed work. I use the word 'perceived' here, since
whether it is true or not is not what the publishers care about -- it is
how the journal is seen by the community that counts.

I think we could get a large group of highly credentialed scientists to
sign such a letter -- 50+ people.

Note that I am copying this view only to Mike Hulme and Phil Jones.
Mike's idea to get editorial board members to resign will probably not
work -- must get rid of von Storch too, otherwise holes will eventually
fill up with people like Legates, Balling, Lindzen, Michaels, Singer,
etc. I have heard that the publishers are not happy with von Storch, so
the above approach might remove that hurdle too.

(略) ハンス・フォン・シュトルヒは部分的に悪い。彼は、討論を刺激する'ようなクソのような科学(学説)の公表を奨励している。 中立の外観の下で誤った学説を広めるために、それら科学雑誌(*「クライメート・リサーチ」誌を指す)があると私は認識する。 私はここで'認識'という単語を使用したが、真偽のほどを出版社は心配せず、(出版社にとって)大事なことは科学雑誌が科学者のコミュニティの中でどのように見られるかということだけだ。

私たちは非常に信用された科学者の大きいグループに文書にサインさせることができたと思う。50人以上の人々だ。

私がマイク・ヒュームとフィル・ジョーンズだけにこの視点をcopying コピーしていることに注意してほしい。
(略)フォン・シュトルヒも取り除かなければならない、さもなければ、その(科学雑誌の編集局の欠員は)結局、Legates、Balling、Lindzen, Michaels、Singerなどのような人々で埋まってしまうだろう。出版社がフォン・シュトルヒには満足していないと聞いたので、上のアプローチはその障害もなくすかもしれない。

2009年12月28日 (月)

クライメイトゲート事件第7回  前回記事についてのお詫びと訂正・ フィル・ジョーンズ教授メール原文

002_edited1 m様から貴重なコメントをいただきました。ありがとうございます。

>サウジアラビアのサイトなどど閲覧者に誤解をあえてあたえるような情報は
真理を求めるとあるわりに杜撰かつ作為的であります。
また最近では表だって使用されなくなったFTPサーバーにおいては同時に世界中に公開されております

申し訳ございません。ご指摘のように、インターネットの性格上複数のサイトで暴露されたのが正しいと思われます。私自身ギャルマト・ボクタン氏(ハンガリー人)のコラムに拠って、確認を怠っており、流出した背景に国際石油資本があるかのように記してしまいました。
ご指摘の前回当該部分、
そしてこのクライメイトゲート事件によって大量に持ち出されたメール、データ類は、なんとサウジアラビアのサイトで公開されました。これまた、実に分かりやすい図式です」の2行全体を削除いたしました。

私自身がそのような図式を信じていないことは、記事全体をお読みいただければお分かりいただけるかと思います。
また、ご指摘の「杜撰さ」は私の脳味噌と性格そのものですから否定いたしませんが、「意図的」になれるほど私はどちらかに肩入れしておりません。
今後ともこのような杜撰さによるデータや学説の読み間違いなど多々あると思われますので、その都度ご教示いただけましたら幸いです。

さて、現在私が読んでおりますのは、「パジャマ・メディア」(英文)です。これはかなり衝撃的なフィル・ジョーンズ教授のメール内容が暴露されています。
これを読む限り、原データが気温の下降を示しているのに対して、それに虚偽の気温を加算した「トリック」を使って、あからさまな改竄をしたと思わざるを得ません。
例えばこのような記事があります。2段目のセンテンスの最後にある一連の数字が、当該の流出したメール部分と対応していますので、非常に信憑性が高いと思われます。

First, the scientists discuss manipulating data to get their preferred results. The most prominently featured scientists are paleoclimatologists, who reconstruct historical temperatures and who were responsible for a series of reconstructions that seemed to show a sharp rise in temperatures well above historical variation in recent decades
.http://www.eastangliaemails.com/emails.php?eid=319&filename=1054736277.txt

In 1999, Phil Jones, the head of CRU, wrote to activist scientist Michael “Mike” Mann that he has just “completed Mike’s Nature trick of adding in the real temps … to hide the decline”(0942777075).

This refers to a decline in temperatures in recent years revealed by the data he had been reconstructing that conflicted with the observed temperature record. The inconvenient data was therefore hidden under a completely different set of data. Some “trick.”

まず最初に科学者は、彼らの都合のよい結果を得るためにデータを操作することを議論する。 最も顕著に編集した科学者はpaleoclimatologists古気候学者たちである。(彼らは)歴史的な温度をreconstructing再構築して、歴史的な変化を超えた最近数十年における温度の急激な上昇を示すようにみえる一連の再構築についての責任があった。

1999年に、フィル・ジョーンズ(CRUの責任者*筆者注・IPCC評価報告書作成者のひとり)は、彼が「マイクの(温度の)decline下降を隠すために本当の気温を加えるNature trick ネイチャートリックを完成した」と活動家科学者マイクル・マンに書き送った。

これは近年観測された温度記録と衝突をした、彼が再構築し続けていたデータによって明らかにされた温度の下降を示めす。 したがって、不利なデータは完全に異なったデータの下に隠されたいくつかの trickトリックである。
http://pajamasmedia.com/blog/three-things-you-absolutely-must-know-about-climategate/

そしてこのフィル・ジョーンズ教授の流出メールは(0942777075).で実物を見ることができます。
East Anglia Confirmed Emails from the Climate Research Unit - 1051190249.txt

Dear Ray, Mike and Malcolm,
(略)
I've just completed Mike's Nature trick of adding in the real temps
to each series for the last 20 years (ie from 1981 onwards) amd from
1961 for Keith's to hide the decline. Mike's series got the annual
land and marine values while the other two got April-Sept for NH land
N of 20N. The latter two are real for 1999, while the estimate for 1999
for NH combined is +0.44C wrt 61-90. The Global estimate for 1999 with
data through Oct is +0.35C cf. 0.57 for 1998.
Thanks for the comments, Ray

Cheers
Phil

親愛なるレイ、マイク、およびマルコム
(略)
私はちょうどマイクのキースのものが(気温の)下降を隠すようにここ20年間(1981年から、前方へieする)1961年から各シリーズに本当の臨時をamdに加えるネイチャートリックを完成したところです。 他の2はN NH陸の20Nに4月-9月を得ましたが、マイクのシリーズは年に一度の土地と海洋の値を得ました。 + 1999に、後者の2は本当ですが、NHが結合したので、1999年の見積りは0.44C wrt61-90です。 10月までのデータがある1999年のGlobal地球規模の見積りは+ 0.35CのCfです。 0.57 1998年のために。
レイ、コメントをありがとうございます。

敬具フィル

2009年12月27日 (日)

素人の地球温暖化に対する疑問 第1回 いくつか心がけておきたいこと

009_edited1

私は権威に寄り掛かって「国連が出している決論が既にあるじゃないか」という立場をとりません。あくまで「わからない」という素朴な疑問を大事にしていきたいと思っています。

というのは、少なくともわが国では、地球温暖化CO2説が疑問を呈することすらはばかられるような常識と化しているからです。この説に疑問を持つ者は、地球平面説論者であるような扱いを受けます。

そうかと思うと、この説に反対することを通俗化したというと失礼ですが、いや、やはりそう言っていいのかな、大量の地球温暖化詐欺本をお出しになっている例えば武田邦彦教授のように、当たるを幸い環境運動を総否定する言質をする方もいます。
正直、困った人ですなぁ。レジ袋をウン万枚なくしても、ヨーロッパまで飛行機で行けばその何万倍もCO2を排出するんだとか、それは次元が違う議論だろって。どうして航空機のエネルギー問題と、日常の消費活動がゴッチャになるんでしょうか。おまけに有機農業まで批判してくる方までがいるので弱ります。

さてそうなると、地球環境を守る側vs地球環境を破壊する側という実に分かりやすい図式が出来てしまって、前者は地球温暖化・CO2説、後者は地球温暖化・CO2疑惑説ということになってしまいます。事実そうなっているようです。

かてて加えて、この地球防衛軍vs地球破壊連合軍という図式を強化するような情報が、今回のクライメイトゲート疑惑にもつきまとっています。それは、イーストアングリア大学CRUのサーバーに侵入したハッカーが、どうやら内部の者ではなく、ロシアのIPアドレスを残していったらしいのです。

これまた、実に分かりやすい図式です。石油こそが最大の輸出産業であり、それによって大いに潤っている石油産油国であり、そしてかつて京都議定書に米国を参加させなかったブシュ政権は石油業界のバックがついていた、という広瀬隆さんが好きそうな構図です。

こうまで分かりやすいと、ひねくれ者の私はかえってそれを検証したくなるのです。ですから私の第二の立場は、「安易な図式には乗らない」です。この世はそんなに善と悪の二元対立というほど簡単じゃありません。

そして第三に、「仮に目的が正しくとも嘘を言ってはならない」という立場を大事にします。あくまで私のたいしたことのない頭が理解できる範囲で、是々非々を貫くつもりです。

その意味で、今回のクライメイトゲート事件は、「ほら裏側には国際石油資本がいるじゃないか」という批判で終わり、その流出した内容の吟味もせずに否定することを、私はしません。この流出したメールについてはジョーンズ教授自身が認めているわけですし、結果としてイギリス気象庁はイギリス各地の気象データを生データで出すことを認めざるを得なかったからです。またIPCCも調査を約束しました。これは一歩の前進ではありませんか。

何度も繰り返しますが、私は気象の専門家でもなんでもありません。しかし、口はばったいもの言いになりますが、真理を愛することにかけては人後に落ちないつもりでいます。
これから不定期で掲載するつもりですが、ご指摘があれば、その都度立ち止まって一緒に考えていくつもりでおります。素人の農業者の勉強ノートていどと御受取下されば幸いです。

2009年12月26日 (土)

有機農業支援予算は復活したけれど

013_edited1 今日の午後に中島紀一先生から電話を頂いて、有機農業支援予算が通ったそうです。
なんともかとも、ふ~っ、いったいこの1カ月はなんだったんだい・・・!

しかし、簡単には吉報とは言えないのですよ。というのは、事業仕分けでバッサリやられた「有機有業モデルタウン事業」とはまったく別枠だからです。

まず、事業枠自体は多少大きくなりそうな気配です。また、今までの受託地域もやや拡大するとのことでした。ただ、肝心要の事業予算の骨子が「有機農業(経営)の効率化支援」というお題となりました。

今、自分で「お題」と書いて苦笑いをしてしまったのですが、そうかこれが農家のいう「オカミから、なにさ作れって言われれば作るッペ。どんな補助金が出ているかで決めるしかなかっぺよ」ということなのであるか、そうであるかと膝を打ちました。なんか、始めて「農業本流」に一歩近づいたような。ああ、営農歴25年にして始めて知る農民の心!(苦笑)

それはさておき「お題」は、「有機農業効率化支援事業」だそうです。効率という言葉ともっとも遠いのが、わしらの有機の世界なんだがね。それにしても、今まで苦労して作ってきたモデルタウン事業の青写真、事業計画は白紙ということになるんでしょうかね。

しかし、これも農水省の環境保全型農業室の熱血官僚がリベンジに燃えて作ってくれたのだと思います。今回、非常にお世話になったツルネン先生にも感謝いたします。ツルネンさん、この1カ月の間、きっとやきもきしたことでしょう。
あのまま有機農業支援予算が潰されていたら、いくらツルネンさんが「トラスト・ミー」と言っても、「ネバートラスト・ミンシュトー」でしたからね。

モデル事業で受託した団体の扱いがどうなるのか、そのまま延長なのか、まったくチャラで仕切り直しなのか、はたまた、09年度に使った予算の清算はどうするのか、現時点ではまったくわからないことだらけです。

それにしても、右手で切って、左手で別枠復活する・・・これを意図的にやっていたとするならそうとうなワル、もとい高等戦術ですな。だって、一回切られた私たちはやはり感謝して、ありがたや民主党サマという気分になりますからねぇ。

現在、土地改良予算が大もめです。戸別農家所得保障も赤松大臣がはっきりと減反廃止と宣言してしまいましたので、これまた上に下への大騒ぎです。たった100日の民主党政権、大変な波乱、動乱、狂乱の渦を作ったことだけはたしかです。


ただ問題はなんのためにこんな壮大な無駄をやっているのか、現場の百姓にはさっぱりわからないということだけですが。これが「カクメイ」ってもんだっぺか、民主党様。

2009年12月25日 (金)

クライメイトゲート事件第7回  コペンハーゲン会議の失敗と京都議定書の延命

010_edited1 先だってのコペンハーゲンでのCOP15は不調でした。意図されたコペンハーゲン合意はできなかったわけです。

"The conference decides to take note of the Copenhagen Accord of December 18, 2009"(2009年12月18日のコペンハーゲン協定に留意すると決定した)

  "take note "とは、直訳で「ノートする」、つまりは「聞きおいた」、「留意する」という決裂を回避するための外交的な表現です。このコペンハーゲンにおけるCOP15に期待された役割が、2012年に期限を迎える京都議定書以降の枠組み作りでしたから、その失敗によって京都議定書はそのまま温存されたということと考えていいようです。

日本は2008年から下図のように削減義務を負うこととなります。

Tky200911120004_3「 ただ、原発の稼働率が低下している電力業界が自主的に定めた削減目標を達成するため、08年度分として海外から購入した約6400万トン(約5%分)の排出枠を政府に提供。これにより、2.5%の不足分を穴埋めするメドが立ち、初年度は何とか目標達成できそうだ。」 
朝日新聞電子版2009年11月12日http://www.asahi.com/national/update/1112/TKY200911120002.html

日本は2008年から20012年の間で、8%という大きな削減をすると京都議定書で締結してしまいました。ところが2007年までに9%増大してしまった結果、苦しい立場にあります。

2008年度は「幸いにも」、経済の低迷で排出量が1990年比で1.9%と低く抑えさえられていますので、原発の再稼働、他国からの排出権枠の買い取り、そしてなにより経済不況の二番底への本格突入という「好条件」に支えられてなんとか初年度は行くようです。

もちろん、この日本の経済不況の恒常化、原発の再稼働、そして他国から「空気を買う」という仰天ものの巨額の国富の流出を犠牲にしてもなお、米国、中国という主要排出国が、京都議定書に参加していない以上、地球全体のCO2排出総量にはほとんどなんの変化もありません。

地球温暖化・CO2説が妥当だとしても、この京都議定書すら実行困難である現状にもかかわらず、さらにこのコペンハーゲン会議で1990年比25%削減を掲げるという鳩山政権の意図はなんなのでしょうか。

幸か不幸か、その会議の前段を狙って流出したと思われるクライメイトゲート疑惑により、会議自体が大きく揺らいだことは間違いありません。それは会議冒頭、IPCCのバウチャリ議長が「ジョーンズ教授のメール流出疑惑を調査する」と確約せざるをえなくなったことでも明らかです。

結果、クライメイトゲート事件は日本を救ったのでしょうか?

2009年12月24日 (木)

野鳥とともに作るレンコン第2回

017_edited1 今、Yさんが握っているウォータージェットの筒先には約5キロの圧力がかかっています。出荷の繁忙期の今は時々この倍の10キロをかけるそうです。

筒先をにぎってた手がカチカチに凍ってホースから指が離れなくなるような時もあるそうです。

彼は消防団の経験もあるのですが、10キロとは、消防のホースと変わらないんじゃないかなと苦笑。仕事に消防団が役だっているのは、オレくらいだね、と大笑い。

007_edited1_2 親父の時代にはこんなウェータージェットなんかなかったので、大変だったそうです。これになってから、レンコンの傷つきやすい肌が守れて大進歩だったそうです。昔は鍬の一種で掘っていたので、どうしても肌に傷がついたそうです。商品化率は大きく上がったのだそうです。

着ているのはレンコンやセリ用の農業ウェットスーツです。霞ヶ浦の漁師さんも冬の漁には着ることもあるそうです。あんがい温かいもんよ、漁師さんのほうが田んぼに漬かっていないぶん大変でしょう、とYさん。

この時期の田んぼは、朝など薄氷をパリパリ割って田んぼに漬かるのだそうです。しっかり朝飯喰っておかねぇと冷えてしかたがないのだとか。
やはりベテランの彼でも、小雨まじりで風が強い朝は、寝ていたいなと思うとか。鉄人もやはり人の子であったのだよ。

オレのほうはホース握ったり、田んぼを動き回っているからあんがい汗かくけど、しんどいのはあいつのほうじゃねぇかと、田んぼの淵で寒風に吹かれながらシコシコと選別作業をしているスタッフの方を指さしました。
余談ですが、下の写真のスタッフの後ろにある赤いものが、舟といって掘ったレンコンを乗せて運ぶものです。

002_edited1 彼は、芽を摘んだり、良くない形のものを選別しています。持って帰って納屋でやりゃいいじゃないですか、と言うと、掘り出したのを、ここでどんどんやっていかないと、溜まってしまうのだそうです。

この第1次選別の段階で2割、そして品作りの段階でまた1割、都合3割は規格外として捨てなければならないと言っていました。

というのはこれは1次選別にすぎず、これを持って帰って、本格的な品づくりにするのです。そのときにはおっかあ、おばぁまで出てやるそうで、その時にはYさんは出番がないそうです。このような、いいものなのに市場の規格で出荷できなかった農産物を無駄にしない場所としても、私たちのグループの直販所はあるのです。

今が盛りのレンコン出荷、田んぼから掘り起こして第1次選別をかけたものをせっせと農場の納屋で待っている女性軍団に渡し、またとって返して堀り続け、夜の遅くまで品作りを家族総出でするそうです。

2009年12月23日 (水)

野鳥とともに作るレンコン

020 田んぼの粘土が美しいレンコンを生む秘密です

Yさんのレンコン田んぼは国道から入った谷津(やつ)にあります。ああ、そうでした。谷津というのはわかりますか?里山の森の下に沿うようにしてある田んぼのことです。

谷津の田んぼだから谷津田(やつだ)と言います。このような田んぼは私たちの住む北浦ではよくみられます。森からの豊かなミネラル分が豊かな地下水として田んぼを潤すので美味しい米やレンコン、セリなどを収穫することができます。しかし、その一方、狭い地形が多く、日照に制限がある上、作業性が悪いのでだんだん手が入らなくなりつつあります。

Yさんの田んぼの土の特徴は家屋の壁土にできるような柔らかい美しい粘土です。このような粘土は鉄分が少ないので、レンコンが汚い茶色になりません。また、土が柔らかいのできれいな丸い形になります。レンコンにもっとも適した土地で作るYさんのレンコンは、「漂白しているんじゃないか」と心ないことを言われたこともあるほど美しい陶磁器のような肌の乳白色をしています。

野鳥は正直、困り者だが、来ないような田んぼはもっと困る

 さて、私たち有機栽培の田んぼを訪問された人が皆、驚くことがひとつあります。それは有機栽培の田んぼがもっている生き物の多さです。まず、ツバメは虫を食べに来る常連さんです。

そういえば、いつの年でしたか、除草のためにコイを入れたら村中のサギがわらわらと集合し、わずか3日で私たちが投入した除草軍団300匹ものコイをペロリとたいらげてくれましたっけね。マガモのつがいもよく訪れました。マガモは苗をふみつぶして頂ける、殴ってやりたいほど可愛いヤツです。

有機農業の大親友であるクモ類(*コナガやカメムシなどの害虫をモリモリ食べてくれます)の種類の多さも有機の田んぼでしか見られない風景です。クモはいいのですが、お子さんが喜ぶザリガニなど、田んぼの壁の部分である畔(くろ)に穴をあけて漏水の原因を作ってくれます。

特にレンコン栽培では、レンコンの地下茎と地下茎の間から出る芽が野鳥の好物であるために大きな被害をうけるそうです。そこでYさんなどの有機農業者は細いテープを田んぼの縦横に張って野鳥の害から田んぼを守っているのです。それでも賢い野鳥は、張ってないとなりの田んぼから歩いてくぐり抜けてくるとのことでした。

(続く)

2009年12月22日 (火)

旧友 村上もとかのこと

_edited 寒いですね。暖冬、暖冬と行っているうちに本格的な冬になってしまいました。今年ももうおしまいですか。

私の高校の後輩の野口さんが(といっても、ぜんぜん重なってないけど)宇宙に行き、私の小学校の一番の友達だった村上もとかが「JIN」で大ヒットを飛ばし、これまたゼンゼン私の手柄でもないのになぜか嬉しい。

村上もとか、もっチャン、ガキの頃から暇さえあれば、教科書にでも、ノートにでも絵を描いていました。いつも。暇さえあればあきることなく。私たちガキ仲間は、彼に戦艦大和や零戦を描いてもらって、あまりのうまさに私など机の前にズッと貼っておいたほどです。
細密なメカを描かせると、美術の教師も唖然とするほど上手でした。いわゆる展覧会向きではないのですが、子供ばなれしていました。

夢中になると、口を半開きにして、舌をちょっと横に出して描き始めるんですが、子供にしてトランスしちゃうんですね。彼のお父さんは、神主にして、新東宝の美術の人で、彼はたいそう父親を尊敬していました。彼はまた、描くだけじゃなくて、描いた絵にお話をつけるんですが、これがまた面白いんです。

ただし運動神経ときたらゼロで、後に剣道漫画の「ムサシ」や「龍」などを読んだ時はびっくりしました。言っときますけど、主人公にはまったく似てませんよ。

私もウソ話は得意でしたので、彼とは毎日、学校の帰りにあることないことお話をデッチあげながら帰っていました。彼と私は高校が違ってからあまり出会うチャンスがなくなったのですが、高校を卒業した頃、そうですね19ぐらいだったかしら、駅で彼とひょっこり出会いました。

今、石森章太郎先生のところでアシスタントをしている、大変なんだって言っていましたが、すぐに電車が来てしまい、またなと言いながら、それっきり30余年です。私も地元を去ってしまい、いつでも会えると思っていても、会えないものです。

いつのことですかね、30歳代だったでしょうか、偶然、書店で村上もとかという名を見て、よもや、いや絶対に彼だと思って手にとり、大きく成長した彼の絵に再会しました。もう私が農業の道に入った頃です。

かつての繊細で丁寧な画風は変わらず、大昔苦手だといっていた女性像がなんとも愛らしく、生き生きとしていて、なにかそれだけで、鼻の奥がつーんとしたことを覚えています。新作の「JIN」の咲さんや野風は、実にたくましくも美しい。彼は強い女性が好きだと見えます。なんせ当時、小学6年ですから、そこまでは知らなかった。

女の子の絵といえば、かつて私たち小6の色気づき始めたバカガキどもは鼻の穴をブヒブヒとおっぴろげては彼にヤマト、ゼロセン、そして可愛い女の子を描いてもらうことを懇願していたものです。あの5組のエリちゃんお願いってなものです。ええい、巨匠村上もとか先生になんたることを。

「JIN」が空前の大ヒットで、新聞や雑誌で彼の写真をよく見るようになりました。私の知っている絵を取り上げたら死んでしまいそうな痩せた少年は、自信をもってカメラに少し照れくさそうに微笑んでいました。

2009年12月20日 (日)

なめがた有機農業協議会の記事が出ました!

_edited1 私たちのなめがた有機農業推進協議会が「日本農業新聞」12月16日に掲載されました。

この写真の人が代表の磯山さんです。前にご紹介しましたね。有機トマトの達人です。なにをしているのかわからないでしょうが、ザーサイの有機栽培をしているところです。いや、私も初めて見ました。漬け物にするのは根ですが、野沢菜のような味の葉っぱだそうです。

さて、今回痛烈なパンチを頂戴した推進協議会ですが、ともかく陣容を建て直さないとなりません。

役員体制、事務局体制、そして事業計画の抜本的な見直し、財源の確保、会員の拡大、いったん失墜した諸方面との関係の修復等々やるべきことは山積しています。よく考えれば、予算事業ではなくなったぶんだけフリーハンドとなりました。農水省関係の予算はほんとうにガンジガラメで使いにくいとも言えますので。

この記事にも出てくる「有機の学校」構想は、新規就農者や消費者に対して、私たちが30年間蓄積してきた有機農業技術を伝えて拡げていくことを目指しています。できるならば、1~2年単位での研修生も何人か引き受けて、技術、生活、販売まで含んだ研修システムを作りたいと思っています。

そのためにも財源が要ります。さて、これをどうするのか。しかし、まぁ切ってくれた以上は、その対案があるのでしょうから、いやないといったら怒るよ。
民主党政権の農業政策、なかでも有機農業政策を問いただし、議論を重ねていく必要があるでしょう。

さぁ、いったんは敗地にまみれた我々ですが、来年は反撃の年にします!まぁ見てて下さい。

2009年12月19日 (土)

クライメイトゲート事件第6回 観測ステーション設置場所疑惑

012_edited1 昨夜はなめがた有機農業推進協議会のメンツでの忘年会でした。中島紀一先生にもご参加を願い、非常に盛り上がりました。ま、金はないが、意地でもやるぞってなもんです。

従いまし て、本日午前はしっかりと二日酔いであります。いかんなぁ。

さて、コペンハーゲンは予想どおり地域気温を上昇させるバトルの末に、なにも決まらないということになりました。わが国にとっては超軽量級首相が調子に乗って口走ってしまった「CO225%削減」なんて言うアブナイ言質を、「排出主要国の同調」の一点でしのぎ切ったようです。

地球温暖化・CO2説を追いかけています。素朴な疑問ですが、私には、「ほんとうにホント、温暖化しているの?」という疑問が常にまとわりついていました。こんなことを言おうもんなら、アル・ゴアさんあたりから「もう科学の出番は終わったのだよ。これからは政治の出番だ」なんて言われるし、IPCCからは「世界中の科学者すべてが疑問に思っていないよ」とダメを押される始末でした。少なくとも、このクライメイトゲート事件までは。

日本のまったくのスルーぶりにひきかえ、欧米、特に米国では「ホントに地球は温暖化しているのか」という声が大きくなってきてしまいました。というのは、米国では、田舎はちっとも暑くはねぇぞ、むしろ,年々再々寒くなってきたくらいだ、そりゃ都市部の話だろう、という声が高くなってきたのです。

_edited1_2 こんな左図ようなデーターもあります。だいたい気象観測地点というのは、大都 市の気象台にあるもので、まともにヒートアイランド現象を受けてしまいます。一方、田園地帯は樹木が豊富なために、植物が余分な水分を葉から蒸散させて、気化熱を奪っているために涼しいことは知られています。

都市部は自動車が一台50Wのヒーターとして換算できるといわれるほど、自動車もビルも人もひしめき合っています。ビルが放射しているエアコンの放熱現象は、局地気象を変えてしまうとすら言われているそうです。

このテキサスとアーカンソー州の気温変化をみるかぎり、米国でも田園地帯はやはり気温が横ばいか、むしろ低下しているのがわかります。

Rei22_2このような国民大衆の素朴な疑問に火を注いだのが、米国の気象観測ポイントについての調査でした。

アメリカ海洋大気圏局(NOAA)は全米各地に気温観測ステーションを設置していますが、アンソニー・ワッツ氏の調査によると、本来は年のヒートアイランド現象を避けるために田園地帯や平原に設置されていなければならないはずの気象観測ステーションが、なんとこともあろうに上の写真のようにアスファルトの路上や、あるいはびっくりすることにはエアコンの排熱ダクトの下にあったりした例が続出したそうです。そしてワッツ氏によれば、このような不適切な設置箇所は、全米の観測ステーションの実に89%にも及んだそうですから、大部分の測定値の信憑性すら疑われることとなりました。ワッツ調査は下記のサイトからPDFでご覧になれます。
「Is the U.S. Temperature Record Reliable?」By AnthonyWatts, SurfaceStations.org,・ Chicago, IL: The Heartland Institute, 2009.

_edited1_3 NASAのゴダード宇宙研究所(GISS)は、都市化はその周辺の地域のデータも勘案しているので考慮済みだと主張しますが、上の写真を見る限り、はなはだ眉唾モノでしょう。そもそも都市部での観測データを初めから排除すればいいだけの話ではないですか。

この観測ステーションに対する疑惑は、米国のみならずわが国にもあります。東京の気温は大手町にある気象庁で採りますが、この気象庁の観測ポイントがビル群の中にあるのは有名な話です。大手町と三宅島の気温を比べたデータからも、それがうかがえます。

そして、この観測地点疑惑に、今回のクライムメート疑惑がそれを増幅しました。それは観測当局が、都市部のヒートアイランド現象を補正するとして、フィル・ジョーンズ教授のCSUようなデーター改竄をやっていたのではないかというものです。

■本記事は東京大学教授渡辺正先生の座談と図表を参考にさせていただきました。ありがとうございます。

2009年12月17日 (木)

誰も聞いていなかった!農家戸別所得補償の代わりに土地改良事業半減!

008_edited1_2 昨日、全国有機農業協議会は、農水省に舟山政務官を訪れて、有機農業モデルタウン事業の復活を申し入れました。さて、どうなりますでしょうか。

また、昨日の民主党の政府への申し入れでは、なんと農家個別補償制度を削減しない代わりに、土地改良事業をバサッとぶった切るという荒技を仕掛けてきました。

当然のこととして改良事業は複数年ですし、現在途中の事業も多々あるわけですから、もう知らないっと。私たちが関わっている有機モデルタウンはしょせん、1事業に対して年間400万ていどの農業予算としては鼻くそのようなものですが、土地改良事業はケタが違う。約5000億円規模です。まさに農水補助事業の中核とも言えるものです。これを半分にしちゃおうというのだから、たぶんこれに関わって来た関係者は真っ青なはずです。

Img_0003_edited_edited_edited_edite 農業者だけでなく、営農団体、JA、受託組合、受注土木企業まで広範に巻き込んできます。簡単に「半減」と言うは易くですが、実際どうするつもりなんでしょうか。私はあまりの規模と影響の大きさにかえってうまく感想をいえないほどです。

わが農政の師である笹山先生が「朝三暮四」という中国の諺を引いていらっしゃいました。言い得て妙なので、ちょっとご紹介しましょう。

「もともと、この戸別所得補償の話は、農家にとっての、朝三暮四の話。中国、宋の狙公が、飼っている猿にトチの実を与えるのに、朝に三つ、暮れに四つやると言うと猿が少ないと怒ったため、朝に四つ、暮れに三つやると言うと、たいそう喜んだという、なんではなかったんだろうか、ということである」
(2009/08/26「笹山ブログ)
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/?p=1107

朝、農家に補助金というトチの実を朝三つ、夕方に四つやろうと言ったが、農家が少ねぇべぇと怒ったので、朝四つ、夕方に三つやろうと言うと喜んだ、と。ジャンジャン♩

まったくやんなるねぇ、民主党さん、何考えてるのよ。農家所得個別補償をやるとガオっと吠えて農家層から票をトロール漁していったのは、いったい何年前の話でしたか。わずか3カ月前ですぜ。

政権の蓋を開けてみりゃ、公約の自給率50%、CO2削減25%達成なんてどこの星の話かです。かんじん要の農家所得補償なんて、実は前石破農水大臣のシミュレーション2のパクリじゃないか、さっさと自前のビジョンを出せ!と「日本農業新聞」の社説にまで怒られている始末です。

そして今回の土地改良事業の半減。農家所得補償はマニフェストどおりするよ安心してね、しかし、土地改良事業、耕作放棄地対策、有機農業支援は、この戸別補償金をひねり出すために切るよ、ということです。とうぜんこんなことはキレイゴトでしかないマニフェストには一行も書いてありません。
まさに朝三暮四。民主党の農業マニフェストは、フェロモン・トラップだったということのようです。 

民主党は、いったいなにをやりたいのでしょうか?もはや、農業者は怒るというより、民主党政権を精神分析の対象に考え始めています。さて、明日の村の忘年会で何が話されるんでしょうか。

■地球温暖化については次回から掲載します。ご了承下さい。

2009年12月16日 (水)

COP15 コペンハーゲンの非友愛的光景と、なぜ「1990年比削減率」なのかについて考える

_edited_4 葦原微風様、いつも温かい励ましをありがとうございます。
東様、ありがとうございます。ご指摘の図表の中心点線は、仰せのとおり0℃で、欄の一番上の線が1.0℃です。今後ともお気づきの点をお教えください。

さて、今日もCO2と地球温暖化問題をやろうと思ったところ、ニュースを見るともうコペンハーゲンは大変なありさまのようです。

途上国全体の削減割合明記へ COP15政治合意案判明 
 【コペンハーゲン=山口智久、石井徹】国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)で議長国デンマークがめざす政治合意案が8日判明した。温室効果ガス排出を減らす長期目標として、2050年までに世界全体で「1990年比で半減」と明記。途上国全体についても削減割合を決め、総排出量が減少に転じる年を盛り込むとした。京都議定書で削減義務を負わない途上国が反発を強め、交渉が難航するのは必至だ。

議長国案は「コペンハーゲン合意」と名付けられた。冒頭、締約国が共有するビジョンとして、産業革命以来の気温上昇を2度以内に抑えることをめざし、野心的行動をとることを約束すると提示。2013年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組み(ポスト京都議定書)の柱となる削減目標については、2050年までの長期目標とした世界全体で「90年比で半減」を達成するため、先進国全体で「80%以上削減」をめざすとしている。(朝日新聞 2009年12月9日)

http://www.asahi.com/international/update/1209/TKY200912090150.htm 

●「削減目標25%」中国が批判、EUも応酬 

 【コペンハーゲン=河野博子】国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で、中国が8日、記者会見を開き、日本など先進国が発表した2020年までの削減目標をバッサリと切り捨てた。

 欧州連合(EU)も会見で中国の目標を「不十分」と批判。会議は2日目を迎え、激しい舌戦が始まった。

 20050305_2_2 中国の国家発展改革委員会の蘇偉・気候変動司長は詰めかけた報道陣を前に、日本の「1990年比で25%削減」が「すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意」などの前提条件付きである点を指し、「実現不可能な条件であり、何も約束していないに等しい」と批判。さらに、国内削減(真水)分などの内訳が不明だと疑問を投げかけた。

 EUについては「20%という削減目標は、自画自賛するほど野心的でも実があるわけでもない」。米国の「05年比で17%削減」(日本の環境省の換算では90年比で5%削減)についても、「90年比だと1%減」と独自の換算値を示した上で「著しい削減とはとても言えない」と非難。会見では、現在の温暖化は先進国の責任だと重ねて強調した。

 一方、EUも会見で、中国の「国内総生産(GDP)当たりの二酸化炭素排出量を05年比で40~45%削減」について、「今の高い経済成長が続くとしたら十分とは言えない」と指摘。デブア条約事務局長は「各国がテーブルの上に出した削減目標を巡り、厳しい交渉が始まっている」と話した。( 読売新聞 12月9日)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091209-00000643-yom-soci

いや、なんとも「弾の飛んでこない戦争」ですな。
鳩山イニシャチブとやらが前提条件としていた「他の排出主要国」という部分に、ガブリと中国が噛みついてきたようです。
それはそうでしょうとも。自分の国の決意を述べるに際して、「他の主要排出国」、つまりは米国と中国、あるいはブラジルあたりを指しているのでしょうが、それを前提にしてしまえば、そりゃ枕にされたほうはたまらん。カッコだけつけて、なんだオレの国がやらんのを見越しているだろう、というわけです。

ついでに中国は返す刀で、EUも「90年比で1%にすぎない」と文句をつけています。自分が世界一の排出国で、このしぶとさはあきれて見事。変に感心してしまいました。

_edited_6 もちろん、中国が提案した「GDP05年対比で40~45%」ということはそれ自体爆笑モノで、人を馬鹿にするのもいいかげんにせぇやという類です。40~45%という数字だけみれば、すごいのですが、なんのことはないたかだか4年前の、しかも自分で勝手に決めたルールのGDP比です。


そんな数字のトリックとも言えんことをチャラっと言って来るのが、面憎いと見えて、こんどはEUから逆襲されて噛みつかれています。とうぜん、基準はあくまで「1990年比」での削減率ですから。

会場の表では、「もっとガッポリCO2を削減しろぉ!」と環境団体が叫び、会場内は、都合のいいときだけ発展途上国に成り下がる中国と、EUが胸ぐらをつかみ合わんばかり、発展途上国は、「先進国のツケをはらわされてなるものか」と言い張り、まぁこりゃバトルロワイヤル状態。
たぶん、幸か不幸か、なんにも決まらんだろうな。

そりゃまとまるはずがないのです。いくつか理由はありますが、この「1990年比CO2削減」という枠組みそのものが、本質的にヨーロッパ、EUが人為的に作り出したものだからです。

なぜ「1990年比」なのでしょうか。それは共産主義東欧圏が崩壊し、新たなヨーロッパの枠組みが出来た年だからです。東欧圏は、ルーマニアに典型なように国内の工場廃液、産業廃棄物などの環境問題が山積していました。そして国内インフラは東独のような共産主義の優等生と言われた国ですら、もう崩壊寸前でした。共産主義はイデオロギーで崩壊したのではなく、自らの生産活動と生活基盤の崩壊により消滅したのです。

ですから「1990年比」という、旧東欧圏まで含むヨーロッパ圏全体を基準値にしてしまえば、これ以上悪くなりようがないわけです。
たとえばドイツをとれば、西独人は統一して初めて旧東独のすさまじいばかりの環境とインフラの崩壊を目の当たりにしました。工場は19世紀に作ったままボロボロ、廃液排気ガス処理などないに等しい、道路や鉄道はこの十年以上まともに手が入っておらず、自動車ときたらトラバント。性能がどうとかいうより燃費や排気が話にならない。真っ黒な黒煙を上げてブスブスと走る。ついでに言えば、本多勝一も嘆いていましたが、ビールまでまずい。

だから、この時点でCO2排出基準を定めてしまえば、ここから這い上がって行くしかないわけです。つまり、ヨーロッパ地域にとって「ここより悪くなりようがない時点」、それが1990年だったのです。だからこそ、彼らはこの時点を国際基準にしたのでした。

この変にハンパな印象を与える「1990年比削減率」という数字は、EUブロックのみにとって、圧倒的に有利な力関係で他の地域と交渉ができることを意味しました。
まさにWTO交渉においても、軍事交渉においても、常にしぶとく、したたかであり、いやらしいまでに自分勝手でありながら、かつ、崇高な理想を掲げているかにポーズを決められるヨーロッパ人らしいことです。
彼らは伊達に数百年間、支配人種をしてきたわけではありません。その新たな手管のひとつが、このCO2削減・地球温暖化阻止という「人類共通の危機に対する戦い」だったと私は考えています。

2009年12月15日 (火)

クライメイト事件 第5回  ホッケースティック曲線の疑似科学とは

_edited_edited 迷いながら書いて行こうと思います。

私は農業については専門家のはしくれではありますが、狭い意味での、気象に関してはただの門外漢にすぎません。
ですから、私の記述に誤りがあれば、遠慮なくご指摘ください。その都度、誠意をもって訂正させていただきます。

さて、このクライメイトゲート事件の中心人物であるフィル・ジョーズ教授(イギリスCRU所長・IPCCの中心的な指導者のひとり)と、マイクル・マン教授(米国マサチューセッツ大学)のラインが浮かび上がってきました。

マイクル・マンは、この地球温暖化・CO2説の卸元のような人物です。後世、この地球温暖化・CO2説がどのように審判されるか私には皆目わかりませんが、いずれにせよ、ゴチック大文字で刻印されるべき人であるのは間違いありません。

_edited1 彼はこの左図のグラフにより世界を揺るがしました。私たち素人には何やら心電図のようですが、西暦1000年から2000年にかけての千年単位の気象変化を記録したものです。
グレイに塗った部分は無視してくださってかまいません。濃い青線を左から追っていくと20世紀後半から、ロケット花火よろしくそ~れドーンとばかりに温度が急上昇することが赤線で示されています。これがホッケースティックに似ているので、ホッケースティック曲線と言います。

これぞ、揺るがぬ地球温暖化の人為的な証拠というわけで、この図はIPCCの「気象変化2001」にデカデカと掲載されました。マンは若手の気象学者で、主に気象代替指標といって年輪などを使って1000年~1980年代までの気象変化を調べていた人でした。

このホッケースティック曲線は1998年に発表されたのですが、これが2001年のIPCCという国連機関の公式文書に登場するやいなや、大騒動に発展しました。

まず、米国のクリントン大統領、というよりゴア副大統領というべきでしょうが、米国政権の公認の資料となりました。当時の「クリントン政権と、IPCCが気象変動に関してほしがっていたお手軽な答え」(S・フレッド・シンガー元米国海洋・気象諮問評議会副委員長)を与えてしまったからです。

ま、言っちゃあなんだが、いかにも素人受けしそうな曲線ですなぁ。昨日の記事でも書きましたが、専門家が自分の知見を分かりやすく書くというのは、あんがい大変なものなのです。
この私も何度も大学に引っ張りだされては有機農業についてゲスト講義をしてきましたが、「え~、そもそも土壌の団粒構造は、化学肥料や農薬の多投により、微生物相が失われ、また物理的にも押しつぶされたようになった結果、空気がかよわなくなりますぅ~」なんてくっちゃべるより、元気一発「みんな、CO2増大こわくねぇ」と脅かせばよろしい。コホン、私はやりませんよ。

だから、このときのIPCCの諸君の気持ちがわからないでもありません。地球に対して警鐘を鳴らしたい人々にとって抗いがたい誘惑があったのでしょう。国民大衆が一発で納得する「決め手」を欲していたのです。それがいかに疑似科学であろうとも。お察しします。

_edited1_2もちろん専門家集団のIPCCは、このマイクル・マンの曲線がデタラメだということは重々承知していたはずです。
知らなかったなどということは言わせません。だって、1995年にIPCC自身が作成した「気象変動1995」の図22にはこのようなグラフがしかと掲載されているからです。

上図をマンのフッケースティック曲線のグラフと比べて下さい。これは気象学の素人でも分かりますね。マンのグラフでは1000年からの気象変動がほとんどなく異様に安定しています。しかしこれはデタラメで、実は、下のIPCC自らが採用した上図のほうが本物なのです。

マンは意図的に、中世の農業発展を支えたといわれる中世温暖期と、その後にやって来るテムズ河も凍ったという小氷河期をあえて無視しました。中世温暖期に至っては、現代より温度が高いのです!

今、思わず文末にビックリマークを付けてしまいましたが、これこそがIPCCがもっとも悩ましい問題としていたことなのです。そりゃそうでしょうとも。中世が現代より温度が高かったらシャレにもなりません。中世に石油内燃機関はありましたか?二酸化炭素をボンボン出す工場は?火力発電所は?牛のゲップは?

中世にも牛のゲップくらいはあったでしょうが、中世温暖期、さらにはローマ温暖期といわれる紀元前200~期限600年の古代ローマ時代の温暖期も、現代といい勝負の気温上昇なのです。だとすれば、地球は温暖化しているかもしれないが、それは人為的なCO2増大とはまったく関係がないということになりはしませんか

そしてもう一点のマイクル・マンの学説の弱点、それこそが、気温測定する場所に対する疑惑でした。それについては次回。

■写真北浦の朝。湖の漁師たちが網を引いて走ります。

2009年12月14日 (月)

クライメイト事件 第4回  目的は手段を合理化するものなのでしょうか?

Img_0020_2ィル・ジョーンズ教授の流出メールのうちのこの部分を読んだ時、私はああやっぱりな~と嘆息してしまいました。

それは、「40人以上の著名な科学者で学会誌の査読班を作り、主要ジャーナルを乗っ取り、温暖化を否定する論文を却下していた」という部分です。
これは大きな問題になり、欧米、特に米国のテレビで大きくとりあげられたそうです。ジョーンズ教授のメール原文の存在も明らかになっています。

私のような門外漢がこのように思うのは理由があります。あまりに世の中、地球温暖化阻止、CO2削減の一色でありすぎませんか。普段は犬猿の仲の朝日から産経まで、同一の歩調を取っています。私は青年の頃からこんな不気味な光景は見たことがありません。地球温暖化CO2説に疑問を唱えれば、「人類の敵」呼ばわりされてしまいそうな空気です。

実際、地球温暖化CO2説を唱えた研究者をそう呼んだヨーロッパの環境団体もあったそうです。私自身、エコロジスト宣言を発して30年、職業は有機の百姓ですし、各種の環境保護運動もしてきました。way of lifeと世界観というとオーバーですが、生きる哲学みたいなものが、そうとうに一致しているほうだと自負しています。
しかし、今回の地球温暖化CO2「説」、というよりもはやこの現実世界の力学そのものと化していますが、これにはなじめないのです。ところが、このCO2削減努力の結果としてのエネルギー多消費型社会からの転換などは、まさに私の意とするところなのです。これが私の悶々とするところです。

_edited_edited1 CO2削減という軸を社会を、より人類がこの惑星と調和的に生きるための一種の方向指示器として考えれば、たしかに実に説明しやすい概念です。

私は長年、口酸っぱく環境保全だ、有機農業だと叫んできましたが、ところが今は、地球温暖化阻止のためにと言えば、一言で用が足りてしまう。化石燃料である油を炊いたり、石油由来の化学肥料・化学農薬に頼る農業を止めましょうね、と一言いえば済んでしまうのです。

にもかかわらず・・・、私がこの地球温暖化CO2説に疑問を持つようになったのは、個別にひとつひとつのCO2説の論拠を自分なりに調べていった時のことです。
ホッキョクグマの減少、海水面の上昇、ツバルの沈下、キリマンジェロの冠雪の減少、北極海の融解・・・私が調べる限り、地球温暖化CO2説を裏付けるものはなにひとつありませんでした。むしろそれらの危機を叫ぶ言説は、実証的にはプロパガンダの域を抜けませんでした。

たとえば過酷な北極をライフワークとする極点観測者は、「ホッキョクグマは減少していない、北極の氷の減少はCO2の増加によるものではない」と断言し、あるいはまた、南太平洋の海面上昇を調べている観測者も、「海水面は上昇していない。ツバルの地盤のほうが沈んだのだ」と明快に言い切りました。

そして彼ら現場観測者に共通の認識は、地球温暖化CO2説は科学的根拠が非常に危ういということでした。
それを裏付けるデータは豊富にありました。むしろ、「ある種の力」によって隠蔽されているのではないかと思えるほどです。なぜこのような知見やデータが、私たちに知らされていないのか。なぜマスメディアは、一方の学説のみをしか取り上げないのか、調べながら大いに不思議に思ったものです。

今回のクライメイトゲート事件によって、その隠された一端がわかりました。わが国においては知るよしもありませんが、欧米においては「ある種の力」が組織され、それがぶ厚い科学の扉の向こうで地球温暖化CO2マフィアと化していたようでに思われます。

今日、むしろ私はこの自分の中の迷いを皆さんにお聞きしたいのです。
目的は手段を合理化するものなのでしょうか?

2009年12月13日 (日)

クライメイトゲート事件 第3回    ジョーンズ教授は証拠隠滅工作に走った

Img_0001_edited_edited この2009年11月に起きたクラメイトゲート事件は、イギリスにあるイースト・アングリア大学気候研究ユニット(CRU:Climate Research Unit)という、IPCC( Intergovernmental Panel on Climate Change)直結の研究組織であったために大騒動になりました。

まず、何度も念を押しておかねばならないことは、これがたぶん内部の人間によるハッキングという犯罪行為により暴露されたこと、そして内容の精査はその流出した量がハンパでないために、イギリス気象庁が調査をしていますが、未だ調査の段階であることです。
つまり現段階では、このクライメイトゲート事件は結論が確定した疑惑ではないことを念頭に置いて下さい。
しかし一方、このような大規模なデータ改竄疑惑が出るような地球温暖化・CO2主犯説には異論が多く存在し、磐石な科学的定説に至っていないのです。

そしてもう一点私が付け加えたいことは、仮にこのようなデーター改竄疑惑が正しいとしてなお、現在行われているエコロジー的なさまざまな取り組みが決して間違っておらず、それをも武田邦彦中部大学教授のように近視眼的に全否定するのは間違いだということです。

さて、この情報流出を受け、フィル・ジョーンズ教授がなにをしたのでしょうか。なんとそれは原データの全削除でした。これがIPCCを代表する高名な科学者であり、社会的地位のある人がするとはにわかに信じられない愚行です。

つまり第三者機関が調査しようにも原データが存在せず、流出した情報と突き合わせようがないわけです。科学者にとって、しかも観測データこそが命の次に大事なはずの気象学者がやることとは思えません。
このようなジョーンズ教授の行為は、あきらかな証拠隠滅工作と受け取られました。彼はハッキングされた流出情報を、逆説的に自ら肯定してしまった異になります。IPCCの狼狽ぶりがわかるようです。

そしてこのハッキツグされたメールの中に、データ改竄以外にも驚くべき内容のものがあったことがわかったのです。

■ CRUが行った世界各地の気温観測の結果を多数の科学者で不正操作し、温暖化を演出した。

■ 40人以上の著名な科学者で学会誌の査読班を作り、主要ジャーナルを乗っ取り、温暖化を否定する論文を却下していた。

■ イギリス気象庁やBBCを味方に付け、IPCCすらコントロールしていた。

*以上3点の要約は、「化学者のつぶやき」ブログを引用させていただきました。ありがとうございました。

■写真 わが家の恒例のたくあんの仕込みが始まりました。20日間しっかりと干したたくあん用の大根です。もう手で曲がります。

2009年12月12日 (土)

クライメイトゲート事件 第2回  データー改竄で使われた方法

Img_0006 さて、この事件の重さは、ジョーンズ教授の率いるCRU(東アングリア大学気象研究所)の観測結果が、IPCCで地球温暖化を示す最も重要なデータとして採用されてしまったことです。
つまり、全人類が地球温暖化阻止の方向に走ったきっかけであるもっとも基礎データそのものに対する疑惑にまで発展していったのです。

では、どのうような改竄がされていたのかをみていきましょう。
ジョーンズ教授のデータの流出と同時に、同じCRUの副所長であるキース・ブリッファ教授のデータまでもが流出してしまいました。

彼のデーターの流出により、CRUが 使った1世紀の気温をグラフ化する際の核心部分のプログラムがさらけ出されてしまいました。

これが改竄プログラムです。

yrloc=[1400,findgen(19)*5.+1904]
 valadj=[0.,0.,0.,0.,0.,-0.1,-0.25,-0.3,0.,-0.1,0.3,0.8,1.2,1.7,2.5,2.6,2.6,2.6,2.6,2.6]*0.75

これを解読した科学者はこう解説します。


1行目で1904~94年を5年ずつに区切り、各区間の気温(実測値)に2行目の数字を加算しています。即ち1904~24年は加算なし、1929~49年は(温暖期なので)温度を引いて低く見せ、その後は徐々に気温を底上げし1979年以降は1.95度2.6×0.75)も加算しています。 
(化学者のつぶやき」)

そして、データー改竄がこれだけにとどまっていなかったことが徐々にわかっていきました。

2009年12月11日 (金)

クライメイトゲート事件 第1回  地球温暖化説に重大スキャンダル発生!

018_edited1事業仕分けをされてから、どうもやや疲れぎみです。

で、というわけではないですが、ちょっと話題を変えます。

日本の全国紙や電波媒体ではほぼ報道がされていないようですが、欧米の報道の世界では上や下への大騒ぎ的事件が勃発しています。

科学史上最大のスキャンダルに成長しようとしているクライメイトゲート事件です。Climategate、つまりクライム・気象版ウォーターゲート事件というわけが、これが今コペンハーゲンで開かれているCOP15(国連気候変動枠組条約会議)を直撃しているようなのです。

このクライメイト事件が、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の提出してきた基本データーに改竄疑惑が出たというのですから、これはおだやかではない。

ことの発端は、地球温暖化の世界的な権威者であるフィリップ・ジョーンズPhilip Jones教授(英国イースト・アングリア大学・気象研究所・CRU所長)のPCがハッキングされたことから始まります。

ジョーンズ教授のPCデーターから、千通に登るeメールと研究データーが流出し、BBCやNYタイムスなどのメディアが大きくそれを報道しました。現段階で日本のメディアの奇妙な沈黙は、旧態依然たる記者クラブ制度の情報統制下にあるのでしょうか、不思議なことです。

そのジョーンズ教授の流出したメールがここにあります。なお、このメールはハッキングという明らかな違法行為により持ち出されたものですが、ジョーンズ教授や大学当局も、メディアの追求の前にそれが本物であると認めています。

From: Phil Jones
To: ray bradley ,mann@virginia.edu, mhughes@ltrr.arizona.edu
Subject: Diagram for WMO Statement
Date: Tue, 16 Nov 1999 13:31:15 +0000
Cc: k.briffa@uea.ac.uk,t.osborn@uea.ac.uk

Dear Ray, Mike and Malcolm,
Once Tim's got a diagram here we'll send that either later today or first thing tomorrow. I've just completed Mike's Nature trick of adding in the real temps to each series for the last 20 years (ie from 1981 onwards) amd from 1961 for Keith's to hide the decline. Mike's series got the annual land and marine values while the other two got April-Sept for NH land N of 20N. The latter two are real for 1999, while the estimate for 1999 for NH combined is +0.44C wrt 61-90. The Global estimate for 1999 with data through Oct is +0.35C cf. 0.57 for 1998. Thanks for the comments, Ray.

Cheers
Phil

このメールで登場する下線部のマイクとは、マイクル・マンMichael Mannという地球温暖化を主張し、IPCCを動かし、今や世界全体を地球温暖化・CO2抑制へと走らせた先駆けとも呼ばれる人物です。

_edited1 彼の主張するいわゆるホッケースティク曲線は、彼が1998年にネーチャー誌に寄稿した有名な気象データー図からきています(*左図は赤祖父俊一博士の「正しく知る地球温暖化」による)

ホッケースティク曲線とは、ホッケーのスティクのような急激な上昇カーブを言います。

マイクル・マンの主張は、1900年頃から急激な温度上昇が見られ、これの原因を温室効果ガスとされるCO2の人為的な増大にあるとしています。これが、もはや人類規模でその阻止に走り出してしまった地球温暖化説の科学的根拠です。

そして今回流出したジョーンズ教授のメールではこれを"Mike's Nature trick"という身も蓋もない言い方をしています。これはマイクル・マンが1980年代からの上昇を最大に見せかけるために、1960年からの温度の下降を隠すデーターの改竄疑惑を裏付けています。

また、この改竄疑惑を調査した全米科学アカデミーにより、このマイケル・マンの世界に衝撃を与えたこのホッケースティック曲線図は、IPCC第4次評価報告書からは削除されてしまいました。

そしてジョーンズ教授自身が、この地球温暖化データーの改竄に加担した方法も明らかになってしまいました。それは次回ということで。

■本稿は、複数の科学者によって運営されている「化学者のつぶやき」ブログを参考にさせていただきました。ありがとうございます。

2009年12月10日 (木)

有機の地域協議会をなんとか翔ばそうとしている 予算などつかなくとも!

Img_0004 なめがた有機農業推進会議の代表をしているIさんとは、知り合って25年にはなる。彼がまだ若手農業者という売り出しの頃、私がまだ研修生という売り出し前の玉子の殻を頭に付けているような時だ。

有機のトマト作りという、当時最難関の分野に毎年突撃しては玉砕していた。私もやったが、ほんのひと畝。彼はそれをハウスで2反歩はあろうかという大面積でやるのだから、当たったらノーベル有機農業賞だが、だいたい外した。

それでもめげずに毎年突撃を敢行し、ある年、とうとう黄金のトマト理論を発見してしまった。それが無水栽培だ。今はどこのトマト農家も似たようなことをするようになったが、なんせ25年、四半世紀前の話だ。知って出来るのと、まったくの荒野を開拓するのとでは1光年は違う。

緑健農法がほぼ同じ無水栽培と、液体肥料で大々的に無農薬トマトを販売して、世に有名になったが、Iさんはそれより10年以上も早い。ただまったく理論が苦手という体質と、口下手な性格なので、世に知られることが少なかった。緑健の永田照喜さんのような理論性と、商売がうまかったら、彼の人生もかなり違ったものになったであろう。

その彼が、持ち前の猪突猛進、支離滅裂で作ってしまったのが、この推進協議会だった。地元の有機農家の誰にも声をかけないでやらかしたものだから、この私を含めて「な~にやってんだか」と反発も各所から出たようだ。せめて声をかけて、合議納得の上で立ち上げるべきではないか。
まぁしかし、有機農業歴30年などという古漬けがゴロゴロしているこの地域で、それをやっていたらいつまでたっても、まとまらなかったとはいえる。

とまれ、有機農業の地域協議会という画期的なものは外枠だけだが出来た。そして農水省のモデルタウン事業も受託した。さぁ、これからだ!というところでガラガラと事業仕分けのシャッターがおりてきてしまったというわけだ。

事業仕分けで廃止と判定されたのを聞いた私は、彼の事務所に一升瓶をぶら下げて話に飛んで行った。ただひとつのことを聞きたかったのだ。
予算は降りないだろう。そこであなたは、この地域協議会をそれでも続ける気があるのか、どうなのか。止めるのなら理由は立つ。恥ではない。しかし、それでも続けるというのならば、私も力を貸す。気持ちを聞かせてほしい。

Iさんは迷わずに続けると言い切った。私は右手を出し、彼の分厚い農作業で荒れた手と握手した。離陸できるかどうかわからないこの有機の地域協議会だが、なんとか飛ばそうという意志を持つ者は揃いつつある。

2009年12月 8日 (火)

30年間の地域有機農業の集大成としてのモデルタウン事業

008_edited2 昨日、「日本農業新聞」の取材をうけた。
気さくで熱心な記者を、行方台地を東西に走る開拓道路から霞ヶ浦に抜けて、私たちのなめがた有機農業推進協議会の仲間が待つ事務所へと案内をした。代表のIさん、アイガモ農法で気を吐くTさんも一緒だ。行方市農業振興センターのセンター長のMさんにも行政側として同席願った。

とうぜん取材対象は、今回の事業仕分けによって廃止となった有機農業モデルタウン事業だ。
まず冒頭、農業振興センターのMさんから、この有機モデルタウン事業は「なめがた農園フロンティア計画」という総合的な行方地域の農業振興政策の中に位置づけられるのだということを明確にしてもらった。そしてこの総合計画と、この私やTさんなどがその1年間にわたるロングランの討議に加わる中での、「有機農業による街づくり」というテーマが見えてきた結果、Iさんを代表とするこの有機農業推進協議会があるのだという説明をした。

005_edited1 よく理解を受けていないうらみがあるのだが、農業補助金といってもこの有機農業モデルタウン事業は営農団体に与えられる畑や設備の整備、あるいは転作奨励などとはまったく次元を異にしている。

なによりも通常の補助金と違うのは、ひとつの「地域」に対して与えられるという点だ。受託者は営農団体であってもいいのだが、それとの協同が各方面に求められるわけだ。まず、地方行政機関、そして各方面の地域農業者、団体、そして消費者や流通団体などが挙げられるだろう。

有機農業が、自分の生産する地域の中で、行政とコラボしながら、いかに地域の農業者や消費者、流通と、農業を核とした街づくりが出来るのかにチャレンジする事業なのである。

これは、誕生してから30有余年、ちょうど一世代分の経験を積んだ行方の有機農業者にとって新たな次元へ向かうチャンスであった。
この経験をどのようにして次の世代に引き渡すのか、どのように地域で定着させていくのか、どのような仲間のネットワークを作り出していくのか、消費者や流通とのつながりはどのようにしていったらいいのか、環境保護運動とどのような関わりができるのか、ほんとうに多くのテーマを抱えてわくわくするような試みの開始の合図であったはずだった。

今まで作ってきた経験とテーマの集大成とでもいおうか。

農業は国単位で考えない。これがこのところの私の考え方だ。国単位の農政も、前提として関わりを持つし、意見もある。しかし、実際に自分が行動できるのは、この自分が生きている半径5キロほどのわが村の中でしかない。

もう少し、この話を続けようと思う。

■ひさしぶりで、ですます調をやめたら、なんか変だな。ま、いいか。

■写真 今は夕暮が年で一番早い。4時ごろにはこんな巣へ戻るカラスと月が見られる。

2009年12月 7日 (月)

人生は渋柿

007 干し柿、今、わが家の軒下にぶらぶら下がっています。

ときに、カミさんのパンツや靴下と一緒に。

ちょっと見えるでしょう。写真の上にクリップが。

不思議なことに、この干し柿は、甘い柿ではできません。こりゃ参ったな、というようなシブイ、シブイ奴こそが、甘い干し柿になるのです。

そう考えると、少しうれしい。
僕たちみたいなおかしな生き方をした渋柿も、お天道様に照らされて、揺られて、人生の最後のほうでようやく干し柿のような甘さに変われるのかもしれないですね。

2009年12月 6日 (日)

ツルネンさんと川田龍平さん

005_2 ツルネン・マルティさんの「日刊ツルネン」から転載します。

今週初めにメルマガで「有機支援は廃止」 と発信しましたが、その反響は大きく、有機農業関連団体や消費者団体、流通関係団体などから「有機農業推進政策支援の継続」を求める要望が届いています。
 ツルネンは、昨日行われた農林水産省政策会議で有機農業推進政策について支援の継続を求めましたが、山田副大臣から「ツルネンさんの思いはよく分かる。私も一緒にキューバに視察に行った。この「有機農業支援対策」の予算は、必ず復活させるよう、復活折衝を行う」と力強い答弁を頂きました。(これは、本日付の日本農業新聞の1面にも出ています)今後は、赤松大臣の帰国を待ち、関係各所から届いている要望書を直接届けたいと思っています。

と、ツルネンさんは楽観的な色調で書いていますが、各所からの集まった情報では、かなり厳しいということです。有機農業関係で動いてくれる与党議員は、ツルネンさんしかいませんし、残念ながら、今の民主党政権の体制の中では、ツルネンさんは失礼ながら無役の平議員でしかないからです。

民主党の平議員ほど哀しいものはありません。ただの「挙手要員」でしかないのです。国会議員が国会議員たる議員立法権は剥奪され、すべて内閣に一元化されてしまいました。
各種の議員連盟も、自民党が会長の議連
には参加できません。有機農業議員連盟も自民党の田名部さんが会長ですから、ツルネンさんも苦しいところでしょう。

地域からの陳情は、県連に一括されて、党中央の幹事長室に一元化されてしまいました。今や選挙区議員の添え書きすら禁止と通達されているそうです。これではなんのために選挙区の議員がいるのか、存在理由すら怪しくなってきます。

現在の民主党は、かつての政権前の、というより小沢一郎氏が実権を完全に掌握する以前の民主党とは別組織と思ったほうがいいでしょう。かつての民主党はカンカンガクガクよく議論をする党でした。旧社会党から旧自民党までズラリといる議員は、いい意味でも悪い意味でも、議論好きの書生のようなところがありました。

Img_0001 ですから悪く言えば、ちっともまとまらない。よく言えば極端な両サイドが振り落とされて妥当なものになっていくといった按配でした。

霞ヶ浦浄化運動で、若い民主党の候補者とお話したときも、ほんとうによく勉強していて、また行動力があることにも驚かされたものです。
ツルネンさんとは、つくば市で講演会をしたときにお呼びして、お知り合いになりました。最後の酒が入った懇親会にもおつきあい願って、実に気さくで誠実なお人柄でした。渋茶の羽織の和装が実によくお似合いでした。

自民党が万年与党暮らしでともすれば忘れがちな、えらぶらない、奢らない、草の根的な腰の軽さがかつての民主党の身上だったのだと思います。
今の民主党はどうでしょう。HIVで涙ぐましい戦いをし、今も
薬害問題をライフワークにしている無所属の川田龍平さんは、みんなの党に入るに際してこう言っています。

無所属の川田龍平参院議員(33)は1日、国会内で記者会見し、「しがらみなく医療政策などに取り組めると確信した」と述べ、同日付でみんなの党に入党したと発表した。

 川田氏はまた、民主党からも入党の誘いがあったことを明らかにした上で、「議員立法の禁止や議員連盟の加入制限など、一党独裁的な政治が行われている。自由に発言ができない」と入党を拒否した理由を述べた。さらに「薬害問題の温床は政官業の癒着だが、民主党は労組や企業に支えられ、しがらみから抜けきれない。『脱官僚』をできないことも明らかなった」と民主党批判を展開した。http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091201/stt0912011816007-n1.htm

民主党は謙虚に川田氏の言に耳を傾けるべきでしょう。硬直した権力政党になるには、まだ早すぎます。

2009年12月 3日 (木)

パンとサーカスの政治では未来は見えない

Photo_2 私の友人たちがこのブログで事業仕分けされたことを知り、びっくりしたとのメールが何本かありました。友人たちの意見はおおむねこのようなものです。


「事業仕分けは、今まで密室でされていた予算編成を、国民に見える場所にひきずり出した。無駄を省いたのは大きく評価できる。しかし、有機農業まで削るとなると、ミスもあるのだろうと驚いた」。
おおよその国民の意見の最大公約数もこんなところでしょうか。Plc0912030744002p1

私は違和感を覚えています。それは単に今回たまたま、「仕分けされる側」になってしまったからではないようです。
この事業仕分けは、不況にくさくさしている国民にとって痛快な同時進行の政治ショーでなかったのかと思います。裁判官と検事を兼ねた女性議員が弁護人ぬきで、ペンを突きつけながら早口で悪である官僚をやっつける。口ごもると、すかさず、次の質問。答えようとすると容赦なく、言葉を被せる、話の腰を折る。
そしてあっけないほどの短時間で終了し、「はい、要りませんね。廃止!」

このような政治ショーは、今まで私の記憶にもありません。私には日本がまったく別の国になってしまった悪夢のような気さえします。まるで古代ローマの五賢帝時代が終わり、暗愚の皇帝コモドウスがしたという「パンとサーカス」の政治のようです。

コロッセオに甘いパンを籠にたくさん盛った美しい乙女が現れます。そして大観衆にパンを撒きながら、そして始まるのです、血なまぐさいショーが。

_edited この「パンとサーカス」によって、古代ローマの愚民化政治はただならぬところまで進みました。市民は、かつてのような共和制を思い出すことなく、政治的に頽廃し、古代ローマは衰退への坂を転がり落ちていくのでした。

「パン」を子供手当て、農家個別所得補償、高速道路無料化に読み替えてみれば、「サーカス」とは何なのか、申し上げなくても、わかって頂けると思います。

私には、ここで仕分けられた事業のひとつひとつについて、知る立場にはありません。ですから、私が今ここで問いたいのは、個々の事業の仕分け結果ではなく、その「やり方」なのです。「切る」・「廃止する」という場面のみが国民に強調されて、「なぜ」、「なにを」、「今後どうしていくのか」、あるいは「なにが大事なのか」という議論がまったく不在のまま、鳩山首相は公開された国民監視のもとの政治が行われた、これこそが民主主義なのだ、と言いきってしまいました。

国民はその場を共有しているようですが、実は大事なことは何も知らされていません。有機農業支援事業が廃止となったことなど、100人の国民のうち1人でも知らされていますか?モデルタウン事業が一律に廃止になりましたが、その中で環境関係が多く含まれていることを知っている人が何人いますか?いや、事業仕分けの中に入っていたことすら知っていましたか?

Img_0023 そしてその廃止理由が、単なる「効率的ではない」ということだと、何人の国民が知りえたでしょうか。「効率」という経営的な裁断で、有機農業支援という未来への投資が打ち切られたことを、誰が知っているのでしょうか。

私たち国民は、ほんとうは、目隠しをされたままま観客席に連なる「客」にすぎないのです。手には何の資料もなく、闘技場をテレビやネットで観覧することのみしか許されない「客」にすぎないのです。私たちは、・・・この有機農業者である私も含めて、事業仕分人の大袈裟なショーに、歓声を上げることしか許されないただの見物人なのです。

国民は、その手続きも、選ばれた理由すらあきらかでない仕分請け負い人をただ「見る」ことだけで、民主主義がなされたと思い込まされてしまったのです。公開というトリックにだまされたのです。もしそんなに「公開」が素晴らしいのなら、公開処刑も「密室で今までされていた死刑が、公開されて素晴らしいですね」と言うのでしょうか。


ほんとうに重要なことは、たとえば私たちの有機農業支援事業ならば、目先の効率ではなく、将来の日本の農業や環境を日本がどうしていくのか、国としてどう考えていくのか、どのような政策を持つべきなのか、そここそを明らかにせねばならなかったはずです。少なくとも国が主催する事業ならば、それが大前提なはずでした。

そのような議論が一切ないところで、効率とコストのみで仕分けすることを、国民が「監視している」という理由で、それを「民主主義」と呼ぶならば、どこか大きなところで踏み外していると私には思えてなりません。

■上段・事業仕分け第3ワーキング・グループの仕分結果、有機農業支援部分(3枚目の2)。いかに貧弱な議論しかされなかったのかわかって頂けると思います。これに対する批判は別途いたします。

2009年12月 2日 (水)

赤松農林水産大臣への要望書

   平成2112月2日

農林水産大臣 赤松 広隆 殿

                              

      有機農業推進政策支援の継続を強く要望します

 1124日の行政刷新会議の「事業仕分け」において、有機農業モデルタウン事業に「廃止」の判断が下されたことに、たいへん驚いております。

 ご承知のように、この事業は2006年に制定された有機農業推進法にもとづき2008年度から開始された「有機農業総合支援対策」の中核的事業であり、全国約50ヶ所でおおよそ5年間の活動計画のもとに活発な取り組みが進んでおります。

 有機農業推進法は、国内有機農業の推進を目的に貴連盟が中心となり超党派の議員立法で、衆参両院にて全会一致で成立した法律であり、同法の施行には、広く国民の支持と期待が寄せられています。

 したがいまして、同法の趣旨をもっともよく体現し、かつ、有効な施策である有機農業モデルタウン事業が廃止されることは、有機農業推進政策の趣旨に反するものと言わざるを得ない事態です。

 「事業仕分け」を受け、これから具体的な予算編成が開始されますが、私たちは、上述のような有機農業推進政策に逆行する予算編成は到底承服できるものではありません。もしこれを許せば、モデルタウン事業をすすめる地域では、おおよそ5年の時間をかけた有機農業の普及・定着化の展望を切断されることになり、全国的な有機農業推進政策にとって大きなダメージを受けること必至であると断言できます。

 貴職におかれましては、有機農業のさらなる推進をめざし、モデルタウン事業の継続・展開が可能となるよう、ぜひ、予算編成にかかる政府関係者、関係当局へ積極的にご提案いただきますよう、ご尽力たまわりますよう、強く要望申し上げます。

以上、よろしくお願い申し上げます。

なめがた有機農業推進協議会

以上の文書を、関係諸方面に送付いたしました。ご協力を賜りました皆様に心から感謝いたします。

状況は予断を許しません。鳩山首相は、この事業仕分けを受けての予算復活は基本的にない、復活するとすれば国民に説明責任があると言っています。むしろ、ご自分の巨額の不正な政治資金疑惑に対して説明責任をとられたほうがよろしいのではないでしょうか。

各方面で不条理な廃止に対して怒りの行動が起きておりますが、国民の8割までもが喝采を上げている状況下での苦戦は免れません。

おそらく、国民は内容的にはまったく無理解なまま事業仕分けの「悪代官懲らしめショー」に拍手しているのではないかと苦々しいかぎりです。国民の支持なくしては、有機農業支援は断ち切られてしまうことでしょう。私たちは微力ではありますが、この圧倒的な有機農業に対する逆風に抗して戦う所存です。

しばし、お力をお貸しください!

Img_0001_1

 

2009年12月 1日 (火)

皆様への緊急のお願い  有機農業支援復活へお力をお貸しください!

関係各位

全国有機農業推進協議会

理事長 金子美登

1124日の行政刷新会議の「事業仕分け」において、有機農業モデルタウン事業に「廃止」の判断が下されました。

この事業は2006年に制定された有機農業推進法にもとづき2008年度から開始された「有機農業総合支援対策」の中核的事業であり、全国約50ヶ所でおおよそ5年間の活動計画のもとに活発な取り組みが進んでおります。したがいまして、同法の趣旨をもっともよく体現し、かつ、有効な施策である有機農業モデルタウン事業が廃止されることは、有機農業推進政策の趣旨に反するものと言わざるを得ない事態です。

「事業仕分け」を受け、これから具体的な予算編成が始まりますが、有機農業の普及・定着化の展望が切断されないよう、ぜひ、みなさまとご一緒に、私たちの声を届けていきたいと思います。

 全国有機農業推進協議会(全有協)では、関係団体とともに農林水産大臣に要望書を届けるとともに、有機農業推進法のまさに「生みの親」であります有機農業推進議員連盟に対しても、積極的に有機農業推進施策支援の継続を働きかけるよう、下記のように要望しました。

みなさまにおかれましても、添付別紙にあるよう

 ①農水大臣あて要望書にご賛同いただくこと

 ②議連あての要望書を下記要望書文案を参考にしていただくこと

以上を、団体・個人を問わず要望を届けていただくようお願いいたします。ぜひこのメールも関係する生産者/消費者等の各団体に転送して呼びかけてください。

①農水大臣あて

12月2日付で文書発信いたします。賛同していただける団体は

  全有協事務局 TEL03-5799-6177 FAX03-5752-4371 

  事務局/高橋090-6792-0529 /土井090-9365-0985     メール:

info@zenyukyo.or.jp

122日までにお知らせください。名を連ねて発信いたします。

独自に出される場合は、あて先は下記のとおりです。

1008950 東京都霞が関1-2-1 農林水産省 

  農林水産大臣 赤松 広隆 殿

②有機農業推進議員連盟あて

すぐにでも各団体からの発信をお願いいたします。こちらはメールでの発信も受け付けていただけます。

100-8962 千代田区永田町2-1-1

   参議院議員会館235号室

   有機農業推進議員連盟事務局長  ツルネン マルテイ 様

  (メールの場合は、marutei_tsurunensangiin.go.jo ) 

FAX 03-5512-2235

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