クライメイトゲート事件第6回 観測ステーション設置場所疑惑
昨夜はなめがた有機農業推進協議会のメンツでの忘年会でした。中島紀一先生にもご参加を願い、非常に盛り上がりました。ま、金はないが、意地でもやるぞってなもんです。
従いまし て、本日午前はしっかりと二日酔いであります。いかんなぁ。
さて、コペンハーゲンは予想どおり地域気温を上昇させるバトルの末に、なにも決まらないということになりました。わが国にとっては超軽量級首相が調子に乗って口走ってしまった「CO225%削減」なんて言うアブナイ言質を、「排出主要国の同調」の一点でしのぎ切ったようです。
地球温暖化・CO2説を追いかけています。素朴な疑問ですが、私には、「ほんとうにホント、温暖化しているの?」という疑問が常にまとわりついていました。こんなことを言おうもんなら、アル・ゴアさんあたりから「もう科学の出番は終わったのだよ。これからは政治の出番だ」なんて言われるし、IPCCからは「世界中の科学者すべてが疑問に思っていないよ」とダメを押される始末でした。少なくとも、このクライメイトゲート事件までは。
日本のまったくのスルーぶりにひきかえ、欧米、特に米国では「ホントに地球は温暖化しているのか」という声が大きくなってきてしまいました。というのは、米国では、田舎はちっとも暑くはねぇぞ、むしろ,年々再々寒くなってきたくらいだ、そりゃ都市部の話だろう、という声が高くなってきたのです。
こんな左図ようなデーターもあります。だいたい気象観測地点というのは、大都 市の気象台にあるもので、まともにヒートアイランド現象を受けてしまいます。一方、田園地帯は樹木が豊富なために、植物が余分な水分を葉から蒸散させて、気化熱を奪っているために涼しいことは知られています。
都市部は自動車が一台50Wのヒーターとして換算できるといわれるほど、自動車もビルも人もひしめき合っています。ビルが放射しているエアコンの放熱現象は、局地気象を変えてしまうとすら言われているそうです。
このテキサスとアーカンソー州の気温変化をみるかぎり、米国でも田園地帯はやはり気温が横ばいか、むしろ低下しているのがわかります。
このような国民大衆の素朴な疑問に火を注いだのが、米国の気象観測ポイントについての調査でした。
アメリカ海洋大気圏局(NOAA)は全米各地に気温観測ステーションを設置していますが、アンソニー・ワッツ氏の調査によると、本来は年のヒートアイランド現象を避けるために田園地帯や平原に設置されていなければならないはずの気象観測ステーションが、なんとこともあろうに上の写真のようにアスファルトの路上や、あるいはびっくりすることにはエアコンの排熱ダクトの下にあったりした例が続出したそうです。そしてワッツ氏によれば、このような不適切な設置箇所は、全米の観測ステーションの実に89%にも及んだそうですから、大部分の測定値の信憑性すら疑われることとなりました。ワッツ調査は下記のサイトからPDFでご覧になれます。
「Is the U.S. Temperature Record Reliable?」By AnthonyWatts, SurfaceStations.org,・ Chicago, IL: The Heartland Institute, 2009.
NASAのゴダード宇宙研究所(GISS)は、都市化はその周辺の地域のデータも勘案しているので考慮済みだと主張しますが、上の写真を見る限り、はなはだ眉唾モノでしょう。そもそも都市部での観測データを初めから排除すればいいだけの話ではないですか。
この観測ステーションに対する疑惑は、米国のみならずわが国にもあります。東京の気温は大手町にある気象庁で採りますが、この気象庁の観測ポイントがビル群の中にあるのは有名な話です。大手町と三宅島の気温を比べたデータからも、それがうかがえます。
そして、この観測地点疑惑に、今回のクライムメート疑惑がそれを増幅しました。それは観測当局が、都市部のヒートアイランド現象を補正するとして、フィル・ジョーンズ教授のCSUようなデーター改竄をやっていたのではないかというものです。
■本記事は東京大学教授渡辺正先生の座談と図表を参考にさせていただきました。ありがとうございます。
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コメント
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濱田様
一冊本を紹介します。表題は
「科学者の9割は「地球温暖化」CO2犯人説はウソだと知っている」です。
帯の表には
いま日本国中でCO2の排出量をゼロにしても
気温はたったの0.0004度Cしか下がらない!?
二酸化炭素では「温暖化」しない
裏には
データが証明する「地球寒冷化」の予兆
そしてかならず訪れる「人口問題」と「石油の枯渇」
人類は生き残るために何をするべきか?
と書かれています。
著者は丸山茂徳氏で、東京工業大学理学部教授、大学院理工学部研究科教授
専攻は地球惑星科学、本は宝島新書で税込み680円、191頁の薄い本で、2008年8月23日に発行されたものです。
内容は4章になっており
1章 「地球温暖化」CO2犯人説のウソと「寒冷化」の予兆
2章 2020年「成長の限界」と人類の危機
3章 人口減少時代の日本の政策
4章 人類のバブルが崩壊する
1章では、IPCCによって何故、二酸化炭素が温暖化の犯人として取り上げられたのか
と、そのほかの気候変動の要素、仮説等々が述べられ、温暖化より寒冷化のほうが
恐ろしいとしています。2章から4章は人口の爆発問題と石油の枯渇による危機に
ついて書かれ、政策的なこと、洞爺湖サミットまで触れています。
3時間もあれば読めますが、680円の価値はあると思いますので、紹介いたします。
これから3週間ほど旅にでますので、しばらくブログを見ることができません。帰ってきてから見ますので面白い記事を楽しみにしています。微風
投稿: 葦原微風 | 2009年12月20日 (日) 07時59分
このNOAAの疑惑、アメリカではメディアで報道されています。
NASA・GISSで調べると、日本の観測点の多くも1990年を境に統計から外されております。
以下に記事としてまとめましたので、もし宜しければご覧下さい。
http://d.hatena.ne.jp/nytola/20100228/1267399494
投稿: nytola | 2010年3月 1日 (月) 18時22分
大変興味深く拝見いたしました。CO2温暖化論には怪しいものを感じでおりましたが、記事の内容やリンク先の内容見て確信に変わりました。ありがとうございます。
投稿: 佐藤とおる(仮名) | 2016年1月16日 (土) 10時55分