素人の地球温暖化に対する疑問 第4回 北極圏研究の世界的権威・赤祖父先生登場!
私はホッキョクグマ絶滅危惧問題や、あるいは南太平洋の島の沈下現象を考える時、マスコミの言説をあまり信じていません。マスコミはえてして地道な調査をせずに、結論を既に持って取材にきます。
結果、彼らの考える結論に合わない事象を勝手に切り捨てることもたびたびあります。
また、環境保護団体などの言うことにも、必ずしも全幅の信頼を置くことはしません。私自身環境NPOと関わっていたために゛その短所と長所ともに理解できるからです。
環境団体は理想主義的で献身的ですが、別の一面から見れば自分の運動理念にそぐわない事実には眼を閉ざしがちです。となると、このような場合、私が一番信頼するのは、その分野で地道な研究を続けてきた現場の研究者となってしまうわけです。
さてここで、北極圏研究の世界的権威の赤祖父俊一博士にご登場願いましょう。先生はオーロラなどの北極圏研究の世界的な第一人者です。アラスカ地球物理学研究所の所長を勤められておられました。北極圏を知り尽くした研究者で、彼の右に出る人はそうそう存在しないことでしょう。
皆様、世界的な大学者に拍手を!不肖私が品悪く、市民語に翻訳をいたします。では、先生レクチャーを。
■たしかに海氷は溶けているが、それは9月夏の短い季節だけで、その時にだけマスコミが押し寄せて写真をとりまくりおる。
北極圏の海氷は冬になれば北極海一面覆われるのだ。しかしこの時には知らんぷり。2007年には確かに減ったが、その原因は風に吹き寄せられたためであった。
「ニューヨークタイムズ」の記者が、夏に北極点で水が溜まった写真をあろうことか「北極点でも氷が溶け出した」と書きおったから怒って抗議をしたもんだ。そうしたらなんと
・・・え~先生、あの~、恐縮ですが、シロクマの話をお願いしたいのですが。
おほん、シロクマではないホッキョクグマだ。ホッキョクグマなど北極圏では珍しくもなんともないぞ。第一、今より暖かかった間氷期初期にもホッキョクグマは生き残ったのだ。この素晴らしい生物の生命力を馬鹿にしてはいかん。あいつらはタフなのだ。
ん?「海氷が融けてホッキョクグマが溺れ死ぬ」とはなんたるヨタ話だ。9月の短い北極の夏が過ぎれば、海氷は元に戻るのだ。
アザラシが海岸ぷちを移動すれば、それをホッキョクグマは追う。だだそれだけのことだ。
そんなことはマスコミや政治家や環境保護活動家が、われわれ北極圏で年中調査をしている専門家に聞けばすぐわかることだ、まったくもう(←先生どんどんテンション高まる。怖いぞ!)。
なに?溺れたホッキョクグマが目撃されているだと。それも原因は分かっている。嵐で乗っていた海氷が沖に流されたのだ。不運だったとしかいえないが、厳しい北極の自然界にはよくあることで、それをマスコミが「溺れ死んで絶滅か!」とはやす。
何度も北極圏研究者が教えてやっても、自分に都合の悪いことは一切報道しないのだ。自分にとって「都合のいい真実」ばかり流す。けしからん!だからどんどんと誤情報が一人歩きをして、混乱にワをかけている。
先生、ありがとうございました。気つけに一杯やって下さい。
最後に、ホッキョクグマ問題をまとめてみるとこんなかんじになりそうです。
■まず第1に、 ホッキョクグマは1980年の500頭の絶滅寸前状態から、保護政策により増大している。現在はほぼ安定した個体数の状態を保っている。もしぜ,めつしているならば、北極圏に生きる動物の生態系バランスを熟知しているイヌイットが、年間400等もの狩猟をつづけているはずがない。
■第2に、 夏の短い解氷期が終われば、北極海は一面氷に覆われるので心配はいらない。溺れたホッキョクグマの画像は、嵐で乗った氷盤が沖に流されたため。北極海の解氷とは無関係。
■第3に、 気をつけよう、甘い言葉と悲しい画像。マスコミ報道には売らんがためのセンセーショナリズムが大量に混ざっている場合がある。よく自分の頭で見て、確かめて、調べ、そして考えよう。
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