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2010年1月 7日 (木)

新しい有機農業支援予算事業とは その1         「効率」で葬られて、経済効率一色でよみがえった

015_edited1 私を大変に可愛がってくれた叔父が亡くなって、熊本の葬儀に駆けつけてきました。
叔父は、行政法を専門とする法学者で、水俣の公害問題などにも取り組み、熊本大学教授を経て、退官した後も、ひとりの弁護士として金銭報酬の薄い裁判にも地道に取り組むといった尊敬あたわざる人柄でした。

私の亡父は酒が好きで、口を開くと冗談口と駄法螺ばかり叩いているような俗世の人でしたが、なぜか厳格な学者肌の叔父とはうまが合った仲だったようです。
そして、中学生の私にキリスト教を教え、またその正義を貫く生き方を通して、私の人生の師のひとりでした。
さようなら、私のいちばん好きだった、そして自慢だった叔父さん。

さて話は変わります。去年の暮れ、あの悪名高い事業仕分けで廃止されてしまった有機農業モデルタウン事業の代替えとして、新たな有機農業支援法が閣議了承されました。その内容の評価についてはお伝えしていなかったので、簡単に触れていきましょう。

有機農業モデルタウン事業からの完全な後退としか思えない内容です。急遽の代替えという事情はよく理解できますし、その熱意に感謝を惜しまないつもりですが、内容があまりにもひどい。

_edited1_2 左に新しい有機農業支援事業予算の一部を掲載しましたが、要するにひとことで言えば、よくある農業関係一般予算のひとつにしかすぎません。

ここで述べられているのは、いわく、「産地収益力向上」、「販売収益力向上」、「生産技術力強化」、「人材育成力強化」といった、農水の予算のマニュアルどおりの一皿盛りいくらというようなありきたりの予算内容にすぎません。

農水省、頑張って復活させたのはエライし感謝もするが、なんにも考えずに作りやがったのが見え見えじゃねぇか!たぶん今まであるそこいらの農業予算の客体対象を、「有機農業」に書き換えただけだと思われます。

これでは、有機農業の独自の歴史や構造がまったく評価されることなく、今後期待されるべき有機農業の21世紀日本農業への寄与という最も重要な魂の部分が抜き去られました。

そもそも2004年に成立した有機農業推進法は、その核心部分として、日本農業の中で有機農業が独自の歴史と蓄積を持ち、その蓄積に立っていかなる貢献をすることが求められているのかという大きな俯瞰図がありました。
そしてそれが、21世紀の開始を告げる時に制定された新農業基本法の精神であるはずの「自然と調和した農業のあり方」の精神を体現するものなのだという理念に裏打ちされていました。

このような21世紀の日本農業をどうしていくのかという理念の問いかけと、現実に施行される具体的な有機農業支援対策がまったく無縁であっていいのかと、私は思うのです。

無知蒙昧、粗暴野卑の民主党レンポー女史と枝野氏に破壊された有機農業モデルタウン事業は、その問いかけに真正面から答えようとしていた意欲的な事業でした。
有機農業が、各々の地域の中で、行政やJA、減農薬減化学肥料栽培の農業者とも連携して、ネットワーク構造を作り上げ、今までの30余年の有機農業の蓄積を拡げ、踏み固め、次の世代に引き継ぎ、減農薬減化学肥料の人々とも結んで新たなすそ野を拡げ、街の人々と結び合う地域作りの主体としての有機農業を登場させる画期的な意味を持っていたのです。

それが「効率」という一言で事業仕分けされた結果、農水省はその代替えとして、まさに経済効率一色の事業案を考えたというわけです。
まことにやれやれであります。このようなことを世では、仏作って魂入れずと言います。民主党もまったく罪作りなことをしてくれます。

(この稿続く)

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コメント

そういうお身内がいらっしゃったとは…。このたびのことはご愁傷様です。たしか宮崎にも別の叔父上がいらっしゃったようにも伺いました。みなさんそれぞれ信念をお持ちのようで、それでブログ主様の生きざまの一端もあるのでしょうか。
この稿、また続きを期待します。

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