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2010年2月27日 (土)

シー・シェパード支援問題に関するパタゴニア日本支社への質問状全文

032_edited1 パタゴニア日本支社様。
いただきました訂正要求文を即時アップいたしました。ご確認ください。誠意ある対応を心から感謝いたします。
さて、ここで貴社の文書を拝読した上で、いくつかお聞きしたいことがあります。
御社の回答文書にはこうあります。
 ■「Sea Shepherdへの金銭的な寄付は、前述の過去2度 以外は行っておらず、現時点では今後も行う予定はない、とのことです。
上記の通り、弊社の当該団体に対する資金援助は、1993年と2007年の2回 14,000ドルであり、以降支援を行なっていません」
 この支援年度と金額については理解いたしました。また、それが完全に文書でオープンにされていることに、公正性と透明性を大事にする御社のポリシーを感じました。
■(1) さてここからが質問になるのですが、御社の回答を読みますと1993年に最初のパタゴニア社からの援助がシー・シェパードに出されています。
しかし、その一年前の1992年に既にシー・シェパードはノルウエーの捕鯨船を襲撃しているのです。
次いで、これはパタゴニア社からの援助の翌年になるわけですが、1994年にも同様な襲撃事件を引き起こしました。そしてこの両事件を受け、19
97年7月にシ・ーシェパードの指導者ポール・ワトソンはオランダ司法当局に逮捕され、裁判により120日間の禁固刑を受けています。
となりますとパタゴニア社は、当然この1年前のこの禁固刑を受けるシー・シェパードの襲撃事件を知った上でこの「環境助成金プログラム」を出したことになります。
また、この後度重なる暴力事件を引き起こし続けているシー・シェパードに、2007年に再び「環境助成金」を与えております。なぜ、1992年のシー・シェパードの襲撃事件を知りながら、翌年1993年に「環境助成金プログラム」を与えたのでしょうか、また、その後彼らの暴力事件が拡大する一方の中で、なぜ2007年にまた再び助成金を出したのでしょうか、その理由をお教え下さい。
■(2) では次の質問ですが、先住民族生存捕鯨についてです。私は先住民生存捕鯨は、重要な宗教的な祭祀であり、部族の伝統を保存し続ける上で重要なことだと理解しています。
しかし、シー・シェパードはこのような先住民族の宗教的祭祀である捕鯨に対しても無差別な攻撃をしかけております。
典型的な事件としては、1998年に米国マカ族の伝統的な沿岸捕鯨に対して襲撃しました。マカ族は1885年に合衆国に多くの土地を譲り渡す代償として伝統的な沿岸捕鯨権を有していました。これに対しても、みさかいなくシー・シェパードは襲撃をします。
御社の反捕鯨ポリシーは、このような沿岸における先住民生存捕鯨に対しても反対なのでしょうか?
■(3) 最後に私が御社に注意を喚起したいのは、シー・シェパードに支援した14,000ドルの「額」そのものではありません。御社は世界的に高名な企業であり、若者にも大きな影響力を持つスマートな企業です。
しかも環境保護運動と企業運営を一体化させる高邁なポリシーをもった企業であります。このような企業が、シー・シェパードを支援しているという社会的な「意味」の大きさです。
パタゴニア社はその「額」の多い少ないという次元で、自らが関与する社会的影響から逃げようとしています。これはフェアではありません。
パタゴニア米国本社の人々は、反捕鯨運動の中心的な存在であったグリーンピースが、1977年にタテゴトアザラシを巡る暴力事件を引き起こしたボール・ワトソンを除名した事件をよく知り得たはずです。
つまり、パタゴニア本社はこのグリーンピース分裂の事情と、シ・ーシェパード誕生をめぐる状況をよく知りながら、あえてこの暴力的分派を支持し続けたことになります。
これを御社の回答文書にあるような私たち霞ヶ浦浄化運動に対する支援と同列にある「環境助成金プログラム」一般の枠組みだけで説明しようとするには無理がありすぎます。
反捕鯨運動を支援することが御社のポリシーであることはわかっておりますが、ひとつの重要な反捕鯨団体が分裂した場合、その暴力的な少数派に支援を与え続けるという姿勢には疑問をもたざるをえません。
少なくとも、シーシェパードの指導者ポール・ワトソンがノルウエーにおいて刑事罰で入獄した時点で、この団体の暴力性は世界的に認識されるようになったはずです。パタゴニア社はこの時点で彼らに対する支援関係を清算すべきでした
しかしこの支援は2007年にも継続され、結果的にであれ、パタゴニア社が暴力的な方法によって環境保護運動をする側、すなわちエコ・テロリストを支持するがごとき「誤解」を世界に流布しました。
彼らのようなエコ・テロリスト団体が「環境団体」を名乗ることは、世界各地で穏健で粘り強い環境保護運動を行う私たちのようなグループにとって迷惑きわまりないことです。無辜の船員や先住民族にまで暴行を加えるシー・シェパードには、私自らが自然保護運動に関わるが故に、許しがたい怒りを覚えます。
にもかかわらず、遺憾ながらパタゴニア社は2007年までシー・シェパードのスポンサーであり続け、一介の反社会的団体から、彼らを今や隠れもない国際的環境テロリスト団体の筆頭にまで成長してしまう手助けをしてしまいました。
くりかえしになりますが、これは「額」や支援回数の問題ではなく、御社が問われているのは社会的責任のあり方の「意味」の問題です。
このようなシー・シェパードに対する、パタゴニア社の社会的責任をどのように感じていらっしゃいますか。
以上について、パタゴニア社の見解を承りたいと思います。なお、本質問状への御社の回答は、全文無編集でブログ公開をすることをお約束することを申し添えます。
敬具
 

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コメント

興味深い内容ですね
続きが気になります

こんにちは。はじめまして。
私、現在オーストラリアのメルボルンに滞在しているのですが、先日新しくオープンしたパタゴニア直営店に行ってみたところ、、なんとシーシェパードのロゴが入ったTシャツや帽子を販売していました。しかも、店の外からも見える店に入ってすぐの一番目立つ場所に陳列されてました。
おどろきました。
なにも買わずにそのまま帰ってきてしまったのですが、写真を撮っておけばよかった。。。

北米在住です。私も続きが気になります。価格面でも馬鹿にされているような。。。北米なので、割安感はあるものの、パタゴニアファンやめます。

初めまして。
現在大学にてpatagoniaの企業研究を行っています。
貴方様のブログがパタゴニアのシーシェパード問題の核心をついていると思いコメントさせて頂きました。
この質問にパタゴニアからの回答を御座いましたか?もしあったようでしたらその返答全文を公開して頂けるとありがたいです。

突然のお願いではありますが、宜しくお願いいたします。

名無しさん、HNをよろしく。
パタゴニア日本支社からは2回回答がありました。
全文載せてあります。

http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-037e.html

http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-3703.html

ご返答ありがとうございます。
パタゴニアはシーシェパードの暴力的な行為すらも賛成なのでしょうか。。
素晴らしい企業と思っていただけに残念です。

たいもさん。HNありがとう。そうですね。微妙ですね。
企業としては迷惑しているというのと、「彼らとてやり方はともかくいいことをしているんだ」という気分が半分半分じゃないでしょうか。
企業としては、当時右翼にデモかけられて大いに迷惑したことでしょう。
企業イメージも低下しましたしね。

それが2回で私との討論を打ち切った理由でしょう。
たぶん、カスタマー担当が上司に怒られたんじゃないかな。

また米国本社と日本支社では温度差があると思います。
本社はもっと前のめりだとおもいますよ。
というのは、書きましたがシーシェパードを生んだグリーンピースと同じ精神的風土から誕生したのがパタゴニアですから。
俗にいうヒッピームーブメントです。
私もあの時代に都市を捨てて有機農業の道に入ったので実感でわかります。似たようなもんでしたから。

といっても、あれから半世紀たっていて、それぞれ自分の城をもってしまっていますが、いまだなにか底で繋がるものはあるんでしょうね。

それとシーシェパードは日本では暴力主義的環境テロリストですが、米本土ではアニメになるほどの「ヒーロー」です。
米国ではシーシェパードに支援していても、問題にされないと思います。http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-5abb-1.html

ちなみに私はパタゴニアの大ファンでしたが(いくら貢いだことか)、今は買いません。米本土での売値とあまりに違うからです。
はっきり言ってあのクォリティであのバカ高い価格は、日本のコンシュマーをなめています。

パタゴニアはイメージ形成がうまかったのが成功の原因ですが、日本のアパレル市場は世界一厳しいですからね。
そのイメージに泥を掛けられたのがシーシェパード事件だったというわけです。

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