柳生さんが作っているのは幻想の「敵」だ
柳生さん、落ち着きなさい。
なにをひとりで熱くなっているのですか?あなたはプライドをもって生きている人でしょう。でなければ自分のペンネームに「大佐」と付けるはずがありません。
大佐は単に軍隊の中の連隊指揮官である以上に、米国でも日本でも郷土で「カーネル」、「大佐」といえば郷土が生んだ誇りそのものです。名士の代名詞となっているほどです。大佐の制服を着用していれば、それがどこの国の制服であろうと、レストランでは最上の椅子に案内されると聞いたことがあります。
柳生さん、いや柳生大佐。
今のあなたの言動は「大佐」というより、むしろかつての左翼のクソガキだった私にそっくりです。
かつての私は悲寛容で、リクツっぽく、自分のリツクしか信用していませんでした。自分のロジックで世の中がなんとでもなると錯覚していました。世の中で自分が一番よく目が見えて、自分がいちばん働き、自分の能力と考え方で世の中を分析しきれているはずだから、それを理解しない奴は馬鹿だ、と。
ところがその「はず」からこぼれ落ちることが多かったのです。それが多くなればなるほど焦って、攻撃的になりました。正直にいいます、それがかつての私です。
結果は、孤独でした。
今のあなたがどうか知りませんが、かつての私は孤独でした。孤独というほど人を蝕むものはない。違いますか。孤独な人には、いや正確に言えば、自分が孤独であり、能力があると信じている者は、他者の存在や、他の人がどんなにして働いているのか、どのようにもがき苦しんでいるのかに対して想像力を使ません。
とうぜんのことのように、そのような者には「敵」が生まれます。現実世界の敵でだけではなく、仮想の「敵」です。
昔の私にとってそれが「日本」という国でした。日本という国を誰が、どのような時間をかけて、いかにして、作って来たのかということ知ろうともしなかった。
これが修羅です。柳生さん、たぶんあなたも修羅にいます。
私が自分の生まれ育った国を憎むという不健康な精神から蘇ったのは、農民になったからです。この「村」に生きて、あたりまえに土や家畜や家族と暮らし、道の轍によけるようにして咲くイヌフグリの花を美しいと思えるようになってからです。
経済的には価値のないただの谷津田が、百年の年月で作られたと知ったからです。そしてそれが大きな地域の中で意味を持っていると分かったからです。「優良農地」を集約するのはけっこうでしょう。ではこの谷津田はたぶん捨てられますね。
ならば、谷津田という大きな「村」の中にある生態系のモザイク絵の一角は崩れていくことになります。
私は何回か前のブログ記事で、農業というのは単に生産ではないのだと書きました。この記事こそあなたに送った私のもっとも重要なメッセージだったのですが、あなたは素通りしました。
柳生大佐。あなたは今、自分の想像の中で「敵」を作っています。それがなぜか私たち「農民」です。その中での農民はあくまでも醜く、自分の土地を投機だけのために囲い込み、あまつさえ税金をネコババしているだけの卑劣な存在です。
それがあなたの「敵」です。だから、いつあなたが代表したのかわからない「999%の国民」の怨念をこめて「国家による公共目的のための農地収容」という方法を考えました。
しかし、それはあなたの仮想現実の「敵」を作り出し、それに対する「あなたの」闘争でしかありません。だから私は現実性がないと言ったのです。山下一仁氏のように現実の農業や農民を知り、それを長い時間かけて分析していればあなたのような浮ついたことは言えるはずもありません。
柳生大佐の政策をアジテーション調で言ってみましょうか。こうなります。
「農地を国家所有せよ!農民は特権貴族階級だ。あいつらは土地を投機目的だけで握っていやがるんだ。いままでさんざんぱら国民の金をガメてやがったんだ。だからこんな利権稼ぎの農地は国家買い上げろ。宅地並、とんでもねぇ。ジタバタいうなら無償だ!すべてが合法だ!これは憲法や人権憲章でも許されている公共性の発露なんだから!」
柳生大佐。もはやこれは農業政策でもなんでもなく、私たち農民という同じ日本人同胞を「敵」と見立てた単なる滑った煽動にしかすぎません。あなたは同胞の中で憎悪を煽っているのですよ。かつてユダヤ系ドイツ人を、「国家の中の敵」、「民族の寄生虫」と決めつけたドイツの蛮行を繰り返すつもりですか。
私たち農民を土地強制収容や兵糧攻めまでして滅ぼしたいとまで言うあなたのネガティブな情熱は、あなた自身が作りだした「敵」です。仮に、その意志が「優良な農地を優良な耕作者に与える」という良き意志だとしても。
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濱田さん
私はHONDA部品の配送担当のときには年収320万円→350万円に
製缶業の印刷担当のときには年収420万円の契約で入社し9年後に615万円までアップさせました。
そして「工場長にするから・・・」という社長の言葉を振り切って退社し・年収を1/3に下げても好きな仕事を選びました。
すべて「自己責任」と努力一筋をモットーに生きてきました。
悔いはないです。
政治運動でも
長年の同志:瀬戸弘幸氏とも最近・喧嘩別れしましたが・また一歩から出直します。
リバタリアンというのは
「名誉ある孤立」を恐れない高貴な生き方ですから・武士道の変形と思って・これからも貫き通します!
ヒトラーのユダヤ人迫害の理由は幻想でしたが
年間8000件もの農地の違反転用が行われ・そのうち2%以下にしか原状復帰が勧告されず・あとはほとんど「始末書1枚で追認される」ことは隠しようも無い厳然たる事実ですよ!
(犯罪が堂々と行われている!)
味噌もクソも一緒くたにして・話をすり替えては困ります。
違反転用とは「農地の破壊」であり
「農地の破壊」が「農業を守っている」
などという濱田さんの理屈はあまりにもメチャクチャであり・どのような世界でも通用するものではありません!
結局 濱田さん
あなたは 農業を愛しているのではなく
「(農地が)宝くじ」だから愛してると 認めるのですネ?
投稿: 柳生大佐 | 2010年2月25日 (木) 23時01分
大佐殿、論調が,支離滅裂ですね。こう云う事は自分のブログに書いて下さい。
投稿: こちふかば | 2010年2月26日 (金) 12時26分
濱田さん
「幻想の敵 を作って”熱くなってる”」のは濱田さんの方でしょう?
私は濱田さんを「敵」などとは思ってませんよ。
濱田さんが
「リンクを貼ってくれ」と言われるから私の方がリンクを貼ったら
今度は「リンクを外してくれ」
と濱田さんが言われてリンクを外しました。
濱田さんの方が私を「敵だ!」と認定されたからこそそのような措置を要求されたのでしょう?
私は約3年間blogをやってきましたが
他人に対して「リンクを外せ!」などと誰にでも言ったことなどありませんよ!
濱田さんは
「農業は”単なる生産”ではない」
と言われますが
「麻薬取引や密造酒は我々のシノギだ!」
とギャング団(マフィア)が言ったって
FBIは容赦などしません。
日本の農家が「治外法権の特殊社会」を標榜されるのは”自己責任”である限り・誰も文句は申しません。
だが
都市住民から取り上げた税金を無尽蔵に農村部に分配する政治が・これからも続くほど世界の経済情勢は甘くはありません!!!
官僚の腐敗も
元はと言えば・・・農家が「高速道路を造れ!」「新幹線を造れ!」「ハコモノを造って所得の再分配をしろ!」・・・と言うところから始まっています。
公共土木工事で大儲けできるゼネコンがこれに乗っかり・予算を組む霞ヶ関官僚が各地に出張所と天下り先を配置したのです。
「一蓮托生」「同じ穴の狢」
ですね。
農家も同罪ですよ。
だから日本を再生するには
「都市に予算を集中投資」し 都市機能強化で新産業を育成するしかありません。
・・・年寄りばかりの限界集落は解体して都市で介護を行う・・・畢竟・農業の大規模化は避けられません。
しょせん・・・(濱田さん1人がいかように頑張ろうと・・・)
65歳以上が60%という就農者の惨状では日本農業の先行きは”お先真っ暗”だからです。
↑(濱田さん!これで良いんですかね?)
私が濱田さんにご相談申し上げているのはそのことです。
農村が自己崩壊(破産)すれば (法に従って秩序良く行われるなら良いが・・)無責任な産廃施設や乱開発が野放途に行われるからです。
投稿: 柳生大佐 | 2010年2月26日 (金) 12時47分