巨悪は逃げおおせ、そして辺野古の海は埋め立てられる
トム・ウェイツを聞くようになった。特になんとも苦い汁を飲んでしまったような宵がいい。「スモール・チェンジ」に入っている ´トム・トラバーツ・ブルース¨゛Tom Traubert's Blues (Four Sheets to the Wind in Copenhagen という曲が特に今の私のお気に入りだ。
聞いていると、涙が止まらない。私はこの所、涙腺が弱いのだ。そういえば、日本のトワンム・ウェイツ、シオンの ´クロージングタイム¨゛に「酔どれトムのブルースを聞きたい」なんて、まんまのトレビュート曲もあったけな。
・・・なんともイヤになる、情けなくなる。辺野古の海の埋め立てはほぼ決定された。それで、今夜、私は苦い気分でいる。
昨日から、かしましく報道される「小沢不起訴」報道はお聞きになっていると思う。先週の東京地検検事の記者会見の時からその兆候はあった。「本来なら重大な起訴にあたる」と。
特捜部検事が言えなかったこの言葉をつなごう。
「小沢氏は本来、重大な罪に問われるべきであるが、諸々の圧力で起訴することができないこととなった」
私は権力の暗闘などには関心はない。ただ与党幹事長という強大な権力の前に特捜部が膝をついてしまったことを口惜しく思う。日本には、法の下の正義はないのだ。これでこの巨悪を掣肘できるのは、国民の声、すなわち私たちの世論の力だけとなってしまった。
話をもどす。それだけでは終わらなかった。カート・キャンベルが突如日本に飛んで来た。彼は、普天間問題の実質的な米国側の責任者だ。彼は国務次官補・東アジア・日本担当のトップという人物゚だ。その彼は誰と会談を申し込んだのか?当該担当の岡田外相、北沢防衛相、あるいは移設問題の責任者である平野官房長官なのか。
そうではなかった。キャンベルは、動揺する普天間問題に決着をつけうる人物に会いにきたのだ。それは言うまでもなく、怪電波発信源でしかない首相などであろうはずもない。キャンベルが海を超えて会いに来たのは、被疑者・小沢一郎その人だったのである。
米国がこの起訴されるかどうかというギリギリの時点で会談を設定したのは偶然だったのかもしれない。しかし、いずれにせよ、明後日には失脚する可能性のある者と会っても仕方なかろう。
米国は知っていたのである。司法当局は小沢権力に手を触れることが出来ないことを。そして小沢しか現政権内で、辺野古移転反対を唱える社民党を押さえ込む実力を持つ人物がいないことを。
会談は完全な秘密形式で行われ、会談後彼は「ナイス・トークス」」(いい会談だった)と語ったといわれる。おそらく米国は、小沢を最高権力者として承認することと引き換えに、普天間の辺野古移設になんらかの言質を引き出したのである。明文化されない秘密交渉。
たぶんそれは、期限の5月以前に無能な首相に小沢が引導を渡し、社民党を説き伏せ、その見返りに辺野古I移転を決めることだ。たぶん辞任する日に、鳩山首相はこうしゃらと言ってのけるだろう。
「私が一生懸命県外移設をしたようとした努力を、沖縄県民や国民の皆様には充分ご理解頂けていると信じております」
小沢の政治的延命とこの阿呆の首を引き換えにして、辺野古の海は埋め立てられることとなった。私はこの予想が外れることを心から望む。
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自民党政治にNOと言ったら、30年前の自民党政治に戻ってしまいました。
投稿: 八目山人 | 2010年2月 6日 (土) 17時49分