• 20250119-145554
  • 20250119-142345
  • 20250119-142345_20250119150101
  • 20250119-150249
  • 20250119-152051
  • 20250117-013132
  • 20250117-015927
  • As20241225001545_comm
  • 20250115-143858
  • 20250113-081014

« 柳生様のコメントに寄せて | トップページ | 柳生さんが作っているのは幻想の「敵」だ »

2010年2月23日 (火)

柳生様のコメントに寄せて その2 優良農地の国家買い上げは解決方法か?

036_edited1

昨日に続いて農業の大規模経営について考えてみましょう。私はこれもひとつの方法だと思います。というと大規模農業「こそ」が日本農業の新しい次元を作り出すと思われている方にはご不満かもしれません。

この大規模農業経営という方法は、農業外から参入する企業や、新規就農者のバリバリの方を中心に支持されているようです。しかし、案外、農業内部では人気があるような、ないような経営形態なのです。

なぜでしょうか?それはこの大規模農業経営をするには、いくつかの条件が揃っていなければならないからです。資金?まぁ、それもありますが、決定的要因ではありません。資金のほうは低利の政府系農林関係資金がゴマンとあります。

問題は耕作地なのです。今は耕作放棄地が埼玉県の面積になったと騒いでいるほどですから゛外部からみれば一杯ありそうな感じがします。そう確かにいっぱいあります。ただし、こりゃ借り手がドン引きするような傾斜地や、どうやっても機械が入らないような谷津だったり、はたまた進入路が他人様の敷地を通過せねばならなかったりします。

またひとつひとつの耕地が、アッチに2反歩、コッチに5反歩といったていたらくで、バラバラなのが現況です。当然、地権者もバラバラです。ただ、このところ、行政や、農業委員会、JAなどが間に入って仲介する農地バンクが浸透してきていますので、バラバラを気にしなければ農地はあることはあります。

では、このようなバラバラに離れた農地を借りるとどうなるのでしょうか?実は、私の所属する農業法人の現場リーダーはこれで毎日悩まされています。まず、朝にトラクターを輸送専用トレーラーに積み込み、人員もバンに打ちまたがって畑に出撃します。この積み込みと移動だけで小一時間。

そしてまた機械を下ろして仕事にかかると、たちまち10時の一服。15分休んで11時半には会社の食堂に戻るか、あらかじめ弁当を用意せねばなりません。また午後もこの調子ですので、移動と機械の積み下ろしだけで軽く1時間強はみねばなりません。

このようなロスがないのは、ごく限られた地域になります。茨城県ならば県西部の白菜地帯でしょう。ここでは一軒の農家が5町歩、10町歩を経営していますが、わが県ではレア・ケースです。
各県にもこのような平坦でまとまった耕地はあることはありますが、そのような条件のいい農地は絶対に貸してもらえないでしょう。

北海道や大潟村は、日本の農地の例外中の例外なのです。また、稲作となると、確かに集合していますし、基盤整備も出来ています。また機械化もできていますが、こんどは改良区を丸ごと借りるという荒技が必要になります。正直言って、現状の改良区を丸ごと借りるというのは限りなく不可能だと思われます。

特に民主党政権の農家所得補償制度が入ってしまった以上、好むと好まざるとに関わらず、農家、つまりは地権者=水利権者は貸すメリットがなくなりました。この政策は兼業農家の永久化政策ですので、農地の流動性はいっそうなくなっていくことでしょう。

では、これがじっれったいと思われている柳生さんが提唱なさる「国家による優良農地の直接買い上げとやる気のある人への再分配」という政策を考えてみます。気分はわかります。しかし残念ながら私はこのような先行きしか思いつきません。

まず、いったん買い上げた土地が再分配は誰がどのような場でするのでしょうか?国家直接事業な以上、それは入札方式になります。ダムなどと一緒です。ダムは山間部でしたが、「優良農地」は農村部のど真ん中です。言ってみれば、この国家直接買い上げ政策とは、国が農村の中に無数の「ダム」を作るのと同じです。

それがどんな狂乱になるのか、考えるまでもありません。税金のかからぬ公共事業にかかって少しでも有利に手放したい農家、先祖伝来の農地を手放したくない農家、賛成する地域、反対する地域。橋一本かかるのでさえ、大騒ぎする村が、こんな田んぼをお国が買い上げてくれるという願ったりかなったりの政策でどんなに狂うか・・・正直、あまり考えたくないですね。全国に三里塚と辺野古をバラまくようなもんです。

それだけではなく、地元利害を取り持つ現地有力者や政治家、そしてせり落とす企業、農水省の省益。それらが血眼な談合を繰り返すことでしょう。

そしてこの狂乱が終了した後にできるのが、政権党農水族-農水省-参入企業の三角利権構造という見慣れた巨大建造物だとしたら、ぜんぜん面白くないですよね

« 柳生様のコメントに寄せて | トップページ | 柳生さんが作っているのは幻想の「敵」だ »

日本の農業問題」カテゴリの記事

コメント

いえ・・・濱田さん
農地買い上げ価格は1戸当たり100万円程度(平均)か・・・無償・・・でと考えておりますからご心配なく。
日曜のTV(TBS)でやっておりましたが行政が農地を買い上げる時は「宅地なみの価格」と計算し直して支払うようですが・・・
法律を改正してしまえば農地のままの価格でも買い上げられます。
そもそもリバタリアン(米共和党的な自由至上主義者のこと)は「そこに住み続ける権利」というものを認めておりません。
代替地か?それに見合う金銭を要求する権利を個人に認めているだけです。
 
 
濱田さんが言われる・理想とする「家族農業」というものも
そもそも”国家の存在”が大前提でしょう?
しかし週刊朝日3/5号でディーラー・フジマキが
「日本は1年で破綻する!」
と言うまでに日本経済は危機に瀕しております!
これも
都会から税金を取って農村にばら撒いて来た
票田政治のツケです。
 
この沈没寸前の日本を立て直すには
都会はさらに都会らしく
農村はさらに農村らしく
する以外ないのです!
都会にもつともっと超高層ビルを建て人口を増やし優秀な頭脳を集めて新しい産業を開拓する!
 
亀井金融相は「郵便局を拠点にして介護を行う」なんて言ってますが 農村の「限界集落」を解体して都会で介護を行い 地方は大規模集約農業に再編成すればそもそも郵便局さえ要らなくなります!
(この方が合理的)
 
だいたい・・・
少なくとも稲作は大規模化できます。
合理化できるものをしないのは”利権のため”と考えざるを得ません。もはやそんな余裕は都会にも農村にもありません。
 
農業委員はしがらみのない全員都会の有識者とすべきです。
これ以上優良農地の違反転用を防ぐ術はそれ以外にはないでしょう。
 
都会と農村が互いに協力して「新しい国家像」を再構築する時代になっているのです。
否応無しに・・・

フランスは
「強制収用」でバラバラの農地をまとめて日本の40倍の平均耕作地面積を実現しました。

誤解無きように言っておきますが・・・
「農地を買い上げるとしたら 現況の農地価格のままで・・・」(宅地並みに引き上げるのではなく)
ということで”万やむを得ない場合は”ということです。
 
本来は
① 農地はすべて国有地とする。その際・返納する補償は原則・無償とする。
ただし・以後も農業を続けたい農家には”無償で貸与”する。期間は無期限とする。
(フランスでは農業収入が51%以上の農家にのみ政府が補償)
② 農業を止める農家は補償無しで国に返還しなければならない。
(①②は個人農家・法人企業も同様とする)
③ 公共事業などで農地を転用するときには農業委員会の許可を得ることが必要とする。
農業委員会には関係者の就任は許されない(過去現在を問わず・就農者は除外される)。
・・・
ということです。
これは”日本国憲法の精神”であり・禁止されてもいません。
 
要は
「農業を本当にやりたい者が農家となる」
ことであり・・・土日しか農業をやらない者に農家の特権を与えるのは・あまりにも不公平ということです。
少子化と景気の後退(デフレ)で都市が農村を養うという従来の日本政治が行き詰まった・・・ということです。
(待った無し!)
日本の労働人口は5000万人?とも6000万人?とも言われますが・・・180万人に過ぎない就農者だけを優遇する言われも根拠も見当たらないほど・・・都市の方が困窮してしまっているのが日本の現状なのです。
 
他の方法がお有りなら
専門家である濱田さんのご意見をお聞かせください。

柳生氏へ
三橋氏のブログレス欄で、皆に相手にされず追い出されて、今度はこちらに寄生して迷惑かけてたんですか・・・。

 柳生さん
私のブログに「百姓は税金泥棒」と書き込みしてからご来駕いただけませんが、
このコメントでは、「百姓から土地を盗みたい」と言っているだけですよ。

では、また。

濱田さんの言われる権利???
「特定の職業を続けることが政府から保障される権利」
「その土地に住み続けることが政府から保障される権利」
・・・など日本国憲法にも世界の人権思想にも・どこにも記されていませんよ!
「無い権利」を主張されてどうされるのでしょうか?
 
「一揆」???
農地を売買できる独占的排他的な権利を持つ日本の農家が「貴族的特権の擁護」を掲げて”一揆”ですか?
99%の国民は支持などしませんよ。
一揆を行うのは都市の住民の方です!
 
日本国憲法第29条には
① 財産権は、これを侵してはならない。
② 財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める。
③ 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる。
 
・・・ゆえに
「優良農地を違反転用から守るために農地を国有化する」(農地を農地の値段で買い上げる)ことも適法です。”公共の為に”だからです。
 
私の案では
「無償で私有農地を国有地として登記し直し」
「無償で”農業を続けたい農家”の同一人に貸し与える」
(収入の51%が農作物収入であることが条件)
・・・なのですが
何が不都合なのでしょうか?
企業の農業参入を認めますが
農業をやめるときには国有地ですから国庫に返納するだけで転売益は発生しません。
「農業をやりたい農家」には何らの損害も無く
損害を受けるのは「”宝くじ”として農地を保持したいが・農業はやりたくない農家」でしょう!?
 
それでも”(優良)農地の国有化”に「反対されるとすると・・・
濱田さん
あなた自身も「”宝くじ”として農地」(投機目的)を保持したいだけなのでしょうか?
農業が好きなのではなく
農業自体をやりたいわけではない ということでしょうか?
 
私の構想は
「高度経済成長は復活できる」増田悦佐(ますだ・えつすけ) 文春新書
から出ていて
政治Blog Ranking1位の三橋貴明も今年7月の参院選で自民党候補の公約として提示しているものです。
ゆえに私の勝手な妄想ではないのです。
 
でも「強制収用」するまでもないですね。
時代の流れですし 農家への補助金を止めてしまえば黙っていてもそうなるでしょう・・・「兵糧攻め」ですよ。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 柳生様のコメントに寄せて | トップページ | 柳生さんが作っているのは幻想の「敵」だ »