白と黒、モノトーンの朝
毎日、毎日、昨日は嵐、今日はみぞれにたたられています。私の家業は、夜中に屋根を叩く雨の音がすると寝床でああ~とため息が出て、それが止んで静かになっても安心はできないんですな。だって雪だったりするんですから。
さて、農作業さえかんがえなければ、雪の早朝は壮麗です。今年の初雪の時は、5時くらいから撮りまくりました。上の写真はたぶん何度目かの雪の朝7時くらいでしょう。ちょうどこの画面の奥のほうが真東ですので、もう太陽は森の稜線から離れて低い角度がら農場を照らしています。
この低い角度から射す朝日というのがことのほか美しいのです。太陽はまだ若く、頼りなげでありながら強い光線を放ちます。樹木の間を抜けて差し込む光線の作り出す強い陰影はこの世のものとも思えない。
あるいは垂れ込めた絨毯のような雲間の一点の切れ目から射す太陽などには息を呑みます。一種宗教的な感情に襲われるほどです。なるほど、あの垂れ込めた雲の彼方に天界があるのか、と。救いがあるのか、と。
現実世界で強いコントラストを発見することはなかなかないことです。また、モノトーンの世界もなかなか見ることができません。いわば非日常なのです。カラーの世界は説明的で退屈ですらあります。
ですから、雪の朝の強い朝日に照らし出された白と黒、暗と明、陰と陽のハイライトの世界を貴重なものとしてみることが出来ます。
そう思うと、この頃の映画の色調の独特の暗い色彩設計の傾向が分かる気がします。昔と違って照明ワークだけではなく、デジタル処理が簡単に出来るというのもあるでしょうが、あえて鮮明な色彩を排除し、時には粒子を粗くしたりさえします。
たぶん人は、白と黒、そしてその階調の狭間に、自分の想像力を込めてしまう生き物なんでしょう。
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