オバマ米国大統領はかく語りぬ?
今日の党首討論でわが首相の答弁を聞きました。谷垣氏の問いに応えて、自分のことを「愚かな首相と思われるかもしれない」と言ったのを聞いて、たぶん日本国民の大多数はやれやれと思ったことでしょう。
このセリフは、「去年の12月にエイヤと辺野古に決めていればどんなにか楽であったか」という感慨とも、愚痴ともつかないことばの枕です。エイヤと辺野古にできなかったから、北部振興策を基地移設とは切り離すということまでして、反移設派に勝利させたのは民主党でしょうに。
いわば国政としての退路を自ら断ってしまったわけで、当時私はそれなりに筋が通っていると内心思っていたものです。同時に、それは大変な地獄の道行だろうとも思っていました。
それはとりもなおさず、日本が米国の核の傘から出ることまで射程に入れたきわめて大きなロードマップの第一歩と印されるべき政治的選択を意味したからです。少なくとも米国はそう見たことでしょう。
例のルーピー・ハトヤマを今年の流行語大賞にしかねない記事を書いたワシントンポストのアル・カーメン氏はこう書いています。
Uh, Yukio, you're supposed to be an ally, remember? Saved you countless billions with that expensive U.S. nuclear umbrella? Still buy Toyotas and such?
いいかい、ユキオ。君は建前上、同盟国の一員となっているんだぜ。それを君はすっかり忘れちゃったみたいだね? 米国の高価な核の傘の分、何十億ドルもの金額を君に節約させてんだい? なのに、トヨタを買えってか?
そうとうに不愉快な記事です。しかし、あの核サミットで東南アジア諸国まで個別会談を行ったオバマ大統領が、あえてワーキングディナ万座の席上、「皆さん、これからちょっと日本の首相と話すので、デザートをお食べください」とまでやった悪意ある対応にすべてが明らかになっています。
ワシントン・ポストのカーメン氏は、米国の本音を皮肉いっぱいにストレートに語っています。とすると、たぶんオバマさんはこう言いたかったのかもしれません。意地悪アル・カーメン調で書いてみましょう。もちろん私の勝手な空想ですが。
「いいかいユキオ、本気で米国との軍事同盟を解消する気なのかい?その準備ができての今回のことなんだな。東アジア共同体もけっこうだが、知ってると思うが、東アジアは核ミサイルの巣だ。
中国は世界有数の核大国だし、いったいいくつの核ミサイルが君の国を照準しているのか、ユキオも知らないはずはないだろう。
その上北朝鮮までもが核クラブ入りの扉をガンガン叩く始末だ。ジョンイルがいくらゴネたって六カ国がご機嫌をとるのは、あいつが4発の核を持っているからだ。そして、知っているとは思うが、あの核はまさにユキオの国、日本向けだ」
「それとももっと心情的なことか。前の大戦以来、ずっと頭が上がらなかった私の国に一回くらい逆らってみたかった?米国の世界戦略と戦いたい?従属はもうこりごりだ。
おいおい思春期のガキみたいなこと言うなよ。軍事同盟なんて国際政治の中のギブ&テイクの大人の関係だ。NATOとの関係で、そんなナイーブなことを言う国はないぜ」
「いや、一国いたな。フランスだ。あのゴーリズム(ド・ゴール主義)の国は、だいぶ前にNATOから脱退して核武装したあげく、原子力空母までもってミニ超大国となった。軍事費は対GDP比率2.5%だ。あんたの国の2.5倍。そして核、核ミサイル原潜、原子力空母のワンセット」
「ユキオ、君の国ににそんなフランスのようなまねをする覚悟があるのかい?というか、出来るのか?やるならやってみたら。2倍の軍事費をかけて、核ミサイル原潜をもつべく、国民を説得してみたらいい。それが米国の従属の鎖を断つ真の意味なんだから。
いや、その前に改憲せにゃならんか。これは大変だ!ユキオの政府がどこまで本気なのかお手並み拝見だ。ただ国際関係には、気分でちょっとやってみましたはない」
「ところでユキオ、君は今日も党首討論で地元より米国が納得してくれることが大事だなんて言ってたな。ミエミエなんだよ。米国の合意が得られないことを見越して言ってるんだろう。これじゃあノーっていうに決まっているわが国がまるで悪人にされちまうじゃないか。
いいかいユキオ、言い出したのはあんたたちのほうだ。わが国ではない。そこのところをしっかりしといてくれよ。いつのまにか、あんたのほうが頑固なわが国の被害者みたいな顔をしないでくれよな」
「だからわが国は、ユキオの政府と党の連中がてんでバラバラに自分の意見をオファーしているようだが、一切シャットアウトだ。県と地元が合意するまで交渉のテーブルにつかないからね。わが国は今のまま普天間でちっとも困らないんだからね」
「あ、そうそう、ユキオの燐国にそっくりなことを言っていた大統領がいたことを思い出したよ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)とかいったっけ。政治的にズタボロになって失脚して、政治と金問題で追い詰められたあげく身投げ自殺したっけな。今はノムヒョン遊びっていわれてるそうだ。そうならんように気をつけてくれよ。これはお互い民主党を名乗っている同士の忠告だ」
■写真 ワスレナグサです。
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コメント
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いやー、実に素晴らしいオバマの台詞です。こんなことを言われたら、黙ってはいられないだろう。
日本国を指導する立場にあると仮定して、宰相濱田氏なら、なんと、返します?
同じ民主党でだが、日本のは本当に、不甲斐ない。困ったもんだ。
投稿: 葦原微風 | 2010年4月23日 (金) 09時05分