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普天間問題の迷宮 その2  かくして大きく歯車は回り、普天間基地は永久化するのか?

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イサオさん、http://isao-pw.mo-blog.jp/isaopw/2010/03/post_08d8.html、SHINAKOSANさんhttp://shinakosan.ti-da.net/e3006022.html、コメントとトラックバックをありがとうございます。沖縄現地のブログからいただくと、かつての名護市民の私も嬉しい。

さて、私の実家は米海軍厚木基地の近隣にありました。。ベトナム戦争の時には、空母が横須賀に入港するたびに硝煙ですすけたようになった戦闘機が大挙して舞い降りてきたものでした。また、その厚木の先には座間の補給しょうがあり、戦闘で破損した戦車や装甲車を修理して、また現地に送りかえしていました。私はこんな土地で、小学校から20歳までを過ごしました。

ですから、上空を通過する軍用ヘリの重苦しい羽音、早朝から深夜にまでおよぶジェットエンジン音、夜間離発着訓練のガラスを引っかくような轟音、そしてひんぱんに起きる基地絡みの事故は実感で理解することができます。

なにかで普天間の学校を見たとき、懐かしいというと語弊がありますが、既視感がありました。私の小学校も二重窓で、夏にも開けることができませんでした。まぁ、クーラーなどシャレたものがない時代ですので、だいたいは開けてましたが。騒音直下の児童は、集中力が乏しくなるようです。ひんぱんに授業は中断され、会話もなんとなく大きな声になってしまうからです。

基地の航空機進入下に広がる広大なスイカ畑は、いつの間にか防衛施設庁に買い上げられ、柵が張られました。わが国の航空安全法においては、滑走路進入下何㎞かは完全な無人地帯でなくてはなりません。

しかし、普天間基地はその航空安全法の埒外にあり、進入直下に人家が密集するという異様な状態が放置され続けました。これは米国の統治下にあった時期に、人家が立ち並び始めたからです。広大な土地に飛行場を作る米国人にとって、普天間基地のような文字どおり人家の中に航空基地が存在するというのは、想像を超えたものだったのかもしれません。

視察したラムズフェルド国防長官をして、「世界で一番危険な基地だ」と言わしめた基地です。そして現に視察前に、CH53大型ヘリが近隣の沖縄国際大学構内に不時着する事故を起こしています。 ですから、話の流れからいっても、この目前の危険の除去と国民生活の安全の回復としての普天間基地撤去が最大のテーマだったはずです。

ところが、その移転先としてすったもんだのあげく、辺野古に不時着し、あたかもこれこそが問題の核心であるかのような錯覚が生まれました。辺野古問題はあくまで普天間基地の撤去に対する「解決策」でしかなかったはずなのに。

ところが、辺野古問題が当然のこととしてこじれにこじれ、辺野古地区を二分させ、さらには名護市を西と東に分断し、人の心をズタズタにし、疲弊させました。紛争の14年間は残酷なまでに長かったのです。

今、民主党政権は「辺野古沿岸部に建てさえしなければいいのだろう」と言わんばかりの移設案をひねり出しました。それが前回記事にあった3ツの方法です。とうとう最後は、うるま市の建設業者のボスが提唱する辺野古沿岸部の6倍もの巨大埋め立て島を作るという珍解答が、民主党の最終プレゼンとなりそうな気配です。

これは何度も言いますが、問題のすり替えです。なぜなら、この代替案には、普天間基地の今後の処遇が一言一句も出てこないではありませんか。私たち国民が漠然と、「そりゃとうぜん撤去だろう」と思い込んでいるだけです。宜野湾市もそう考えているし、沖縄県もそう思っていたのでしょう。ところがそうではなさそうです。

政府筋から流れてくる情報では、仮に代替基地ができたとしても、その後の普天間基地は補助基地として存続しつづけ、海自が那覇から移駐し、有事には米軍に提供されるという説が有力です。

普天間基地は残り、徳之島の海岸線を埋め立て、また勝連沖に巨大海上基地を作る・・・これでは何ひとつ変わらないではないですか!基地機能の分散どころか、強化です!

幸か不幸か、この民主党案は米国によってにべもなく拒否されることでしょう。では、やはり辺野古沿岸部か?それもありえません。かつて消極的賛成をしていた辺野古3地区も反対に回り、今や沖縄は島ぐるみ反対の姿勢に変化してしまいました。「県外移設」を唱えて、沖縄全選挙区から自民党を一掃しておきながらの民主党のこの背信行為に、温和な沖縄人も真から怒りをたぎらせています。

かくして歯車は大きく一回転し、普天間基地の恒久化で終結するのでしょうか。

■[資料]普天間移設、陸上なら契約拒否 久辺3区が方針

米軍普天間飛行場移設問題に関し、政府が5月末に米軍キャンプ・シュワブ陸上部への移設を最終決定した場合、名護市の辺野古、久志、豊原の久辺3区が、同基地内に保有する区有地について、軍用地契約が切れる2012年5月以降、契約を結ばない方針であることが27日分かった。
 3区の区長を中心に同方針を申し合わせているという。名護市辺野古の普天間代替施設等対策特別委員会の古波蔵廣委員長と区長が同日明らかにした。
 シュワブ陸上部への移設案に対しては、辺野古が2月に反対を全会一致で決め、近隣の久志、豊原も同調している。
 古波蔵委員長は27日、辺野古交流プラザで開かれた名護市軍用地等地主会の終了後「陸上案には3区とも100%反対。陸上案に決まったら絶対に契約できない」と、反対姿勢を強調した。
 古波蔵委員長は、同地主会の席上、参加した約200人の地主に対し、政府案が決まるまで軍用地契約の同意書を提出しないよう呼び掛けた。これについて「契約の同意書を出すことで政府に『地元は陸上案を容認している』という間違った勘ぐりをされたらたまらない」と説明した。
 同日の地主会は12年に軍用地契約が切れるのを前に、地主に契約更新について説明するために開かれ、沖縄防衛局の職員らが仮契約の同意書を提出するよう要請した。     「琉球新報」3月28日

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