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赤松広隆農水大臣の最初の仕事のスゴサ

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コメントにいくつかお答えしなければならないのですが まずは赤松さんからいきますか。 この赤松広隆氏の人物的な特徴は、コワモテなような気がします。なんてんだろう、強権的なんですよ。上から権力ずくで押さえつけてくる感じとでも言うのでしょうか。

秋田県と彼は大いにトラぶってるんです。佐竹知事をして「皆さん、選挙というものがいかに怖いかお分かりになりましたね」とまで言わしめたほどです。佐竹知事は温厚な殿様タイプ(実際にその末裔ですか)お人柄で、いかに赤松大臣に腹を据えかねたかがわかります。

ことの起こりは去年まだ民主党がブイブイ言わせている得意絶頂期の11月26日のことでした。赤松さんは、民主党の金看板だった農家所得補償政策の突破口に、場所もあろうに大潟村を選んだのです。

大潟村はオランダをモデルにし、ヤンセン教授を迎えて作られた1万3千町歩もの巨大な農地です。この村民も募集で集められました。日本にこんな「村」、ありません。

この村は、減反を遵守するか、それを無視と決め込むかでまっぷたつに別れて、ケンケンガクガクの争いをしました。いわゆる「村の共同性が効かないのです。だから単純に経済的な利害だけで村を二分する闘争をしてしまいます。

今は大潟村も第2世代が主人ですから、多少は変わったのかもしれませんが、こなれていない「村」でした。普通の村はよくも悪しくも、誰それの分家がどうしただの、嫁がどこに行っただの、十重二十重の人間関係によって支えられています。いくら否定しようとそれが村の数千年のあり方なのです。

しかしここに、こんな巨大面積を持つ、しかも大規模農法をする「村」ともいえない村が現れて、その半分が減反拒否をしたのですから周りの地域は穏やかではないでしょうね。

たしかに減反という政策に私も疑問をもっています。しかし、私が大規模コメ作り農家だったとしても、それを頭から無視することはないでしょう。なぜかといえば、私が仮に、そうですね10町歩やっていたとして、36%の減反が掛かりますから、その分を米粉にするか、麦やソバ、大豆、飼料用米などに転換せねばなりません。

そりゃやりたくはないですよ。米は米で売りたいもの。しかし、仲間のコメ農家も20町歩やっていますが、やはり減反は泣く泣くやっています。米粉も泣きながらやっています(売れないけど)。というのは、拒否すれば、地域の中で拒否した分が他の農家仲間に割り振られるだけだからです。それは仁義に反する。今風に言えば、コンプライアンス違反ってもんでしょうが。

秋田県では大潟村の減反拒否分があまりに巨大であったために、県全体で拒否派の減反分を肩代わりしました。してもらった減反拒否派は別にありがたがるわけでもなく、「悪いのは減反を押しつける国だ。オレらじゃない」とシカとしている。こりゃもめるよ。リクツはそうかもしれないが、人の情を逆撫でしてますもん。

赤松さんは現地の秋田県と事前の話し合いもしないで、こんなややっこしい地域に凱旋将軍よろしく意気揚々と乗り込んだのだと思ってくだされ。そしていきなり謝罪をかましました。
「大潟村は国の政策に翻弄されて苦労してきた。国の責任だ」。そしてペコリ。

一見カッコイイでしょう。気分としては薬剤エイズ事件の管直人氏気取りだったのかもしれません。けれど、なんのことはない「国で謝罪する」といっても、単なる自民党農政のダメ出しですから、謝っても痛くもかゆくもありません。

しかし、謝罪する方向がおかしかったので、現地で怒りが爆発しました。彼は減反反対派にだけに誤ってしまったのです。せめて減反受容派も含めて全部の村民に謝罪したのなら筋はそれなりに通ったものを。

くりかえしますが、減反なんて好きでやっている奴はいないのです。イヤダと横車を押す奴がいるので、しかたがなく泣き泣きそいつの分も減反をして苦しんでいるわけです。それなのに、減反拒否派だけに謝罪をしたら、受容派、つまりは尻ぬぐいをして一番苦労してきた人たちは「正直者が馬鹿をみる」となって当然でしょう。

戦争中にガダルカナルやインパールに行って死ぬ目に合いながらも帰国してみたら、大臣が逃亡兵にだけ謝罪しているのを見るようなものです。

大潟村がある県南地域は、県内の他地域との減反調整や、果ては新潟県と他県の減反調整でいつも頭を下げてきていたのですから。こんな複雑な事情を知ってか知らずか、いや絶対に知らないで、その火元の大潟村に来て、大臣の肩書で拒否派にすまんこってとブチかましたわけです。私はそうとうにルーピーだと思うぞ。

ルーピーが出たところでやや横道にそれますが、沖縄の普天間問題にどこか似ています。辺野古の3地区の住民や、岸本元市長や島袋前市長などの名護の行政は延々とこの移設の重荷を背負ってしんどい交渉をしてきたわけです。地方行政は国家の専管事項である安全保障政策には介入できないし、国から泣きつかれ、県もよろしくと頭を下げられて泣く泣く受容してみたら、いきなり民主党政権になってちゃぶ台返しをやられてしまいました。あげく、こぼれたオカズを拾い集めて、これはどうだ、あれはまだ食えそうだなどと言う始末です。

まるで受容した人たちの重さ、苦しさを分かろうとしていないのです。ですから当然、このような国家政策にまつわる複雑な人間模様の苦渋など見えるはずもない。

そう、まるで坊やです。しかも大勝利した後の凱旋将軍気取りの坊やです。「民主党の意志こそが国民の意志だ」。彼らはそう言いました。つまりは「オレの言うことが正義だ」とでもいうことですか。この場合の赤松さんもまさにそうでした。

その後の赤松大臣の暴走はむしろ勢いがついていきます。12月8日の大臣会見では、「減反ペナルティを遵守するなら新潟県を農家所得保障制度からはずす」という驚天動地の発言をします。

更に12月12日には「減反面積に差をつけざるをえない」とまで言い出す始末です。ここまで来ると、もはや権力の濫用という気さえします。自分の党の煮詰まっていない政策を、自分でもよく分からないまま、いちばん矛盾がしこっている村に持ち込んで、片方だけを持ち上げたあげく、減反を肩代わりしてきた農家を加害者呼ばわりし、事態に驚いた新潟県知事にまで恫喝をかけたのですから。いやはや、なんとも。

「くおらぁ、俺らは選挙で大勝利してた民主党様だ。逆らったら所得補償はねぇかんな!」。赤松さんいい歳して、あんた、マンガの中学校番長か、朝青竜かって。

かくて、赤松大臣は大潟村の減反受容派のみならず、佐竹県知事や農民までをくまなく敵に回してしまったようなのです。
農家所得保障制度をやりたいにしても、やり方があったものを。しかし、パチンコ業界には精通していても、農民のことなどいままでこれっぽっちも関心がなっかった赤松大臣には、支持率を背景にして国家権力をバックにしてすごめば自分の意志が通ると思っていたようです。

いままで権力に縁がなかった人のある種のタイプが陥りやすい、権力大好き症候群とでもいうんでしょうか。

まずは全国の農村を精力的に歩き回って、農民の声を聞いて、語って、飲んで、バカを言い合ってからでも遅くはないはずでした。

それをいきなり強権発動からとは、恐れ入ります。赤松大臣とはこのような人なのです。今回、宮崎県に行かなかったのは偶然ではなく、彼は「現地」の生々しい農民の声がイヤなのです。東京で「政治」をやっていたいのです。
せいぜいが県庁で、自民党の地元議員を恫喝するていどの小さい器の人、それが赤松広隆氏なのです。

■写真 棕櫚です。こうして日差しにかざすときれいですね。

■コメン様。ありがとうございます。大潟村は秋田県です。訂正いたしました。このところ地名でまちがえぱなし。(汗)

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コメント

あまり詳しくはないですが、大潟村は新潟県ではないと思います。新潟県知事は泉田さんだった気が…by元新潟県民

投稿: 旅の者 | 2010年5月16日 (日) 13時36分

減反は止め、自由に米作ができるようにすべきですね。コメの価格が市場原理で決まるようになれば、家庭菜園に毛の生えたような、趣味か実益か区別の出来ない農業は自然消滅でしょう。

獣医が不足と仰いますが、私の住む大田区には1キロ四方に10以上の動物病院があります。宮崎でも大きい町では過当競争だと思いますよ。ペットの獣医でも家畜に注射くらい出来るはずですが。

投稿: ほんだ | 2010年5月16日 (日) 15時00分

とうとう111件目の発症が確認されました・・・。
家畜改良事業団の牛を移動するために汚染地域から人を入れた高鍋町から牛1件、都農町から牛1件、川南町から牛8件、豚1件。高鍋町、都農町ともに「豚」沢山います。第二パンデミック・第三パンデミックになる前に阻止してほしいのですが、カウントダウンが始まった気がします

投稿: 宮崎県 | 2010年5月16日 (日) 23時34分

とうとう111件目の発症が確認されました・・・。
家畜改良事業団の牛を移動するために汚染地域から人を入れた高鍋町から牛1件、都農町から牛1件、川南町から牛8件、豚1件。高鍋町、都農町ともに「豚」沢山います。第二パンデミック・第三パンデミックになる前に阻止してほしいのですが、カウントダウンが始まった気がします

投稿: 宮崎県 | 2010年5月16日 (日) 23時48分

 佐竹知事は佐竹南家の当主ですから、殿様の第一分家といったところかな。徳川将軍家における御三家みたいな立場なのでしょうね、秋田の佐竹藩としては。先祖は新羅三郎義光なので、清和源氏ですね。現在は佐竹本家は秋田に住んでいないので、秋田在住の最も元の殿様に近い人と言えるかもしれませんね。
 赤松農林水産大臣が大潟村の人たちの一部に会ったのは、選挙協力のお礼なのだと思っています。秋田の他の百姓はあんまり民主党の応援をしませんが、(少しは居ました。小沢さんが来たときの写真に、ウチの営農集団の長が写っていたのには驚きましたが、大概は模様見でした)反減反派はがっちりやったからな。
 勝てば官軍ということなのでしょうが、公人としての資質に欠けるともいえますね。まぁ小沢さんからしてそうなんですけれどもね。
 では、また。

投稿: | 2010年5月17日 (月) 19時25分

今日の日経夕刊によると戦後完成した干拓地は国営、県営合わせて200箇所を超え、減反や塩害で放置されているとこも多いとのこと。八郎潟は当時の金で852億もつぎ込み、1万7千ヘクタールを造成した。今また減反すれば、税金で報奨金を支払うという。納税者はたまったものではない。これでは国が傾くのも当然だ。口蹄疫に1000億の補償金を支払うという。何故農家は保険に入っていないのか。家畜の病疫の保険がないなら農協が保険をつくればよい。何故税金で補償する必要があるのか。

投稿: ほんだ | 2010年5月17日 (月) 20時11分

赤松が小沢を応援してるよ。小沢が総理になったらまた赤松が入閣するのかな?なんでこんなやつを選挙で選ぶのか?愛知5区の有権者は、どういう頭してんだろう?愛知5区の奴の意見を聞きたい。

投稿: | 2010年9月 1日 (水) 21時32分

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