宮崎口蹄疫事件 その31 韓国で清浄化確認検査中に口蹄疫確認!
私たちの目が宮崎県に釘付けになっている間に、韓国でもうひと波乱ありました。
韓国はご承知のように、5月6日の忠清南道の一農場の発生例を最後に終息されたと思っていました。韓国の防疫方法は、私の知人の家保の獣医師も感嘆するように徹底したもので、発生した場合は当該農場から半径500メートル(!)以内の偶蹄類一切を淘汰処分するというものです。
これは英国に範をとったものだと思われます。元祖英国防疫方法については、今調べていますので、しばらくお待ちを。今の世界の最高峰の防疫システムであることはまちがいありません。
ちなみに、もし世界防疫番付があって東の正横綱が英国ならば、西の横綱は韓国。日本は今までけっこういい線いっていたように思えましたですが、今回の無残な結果で哀れ一挙に前頭13枚目角番へと大転落。
それはさておき、忠清南道の清浄化確認調査をしていたところ、なんと5月30日になって口蹄疫が確認されてしまいました。肉用牛45頭中22頭の抗体反応が陽性だったのです。
言ってみれば、消火した後に燃え残りの火はないかと焼け跡を検分していたら、まだ火種が眠っていたようなものです。韓国の防疫当局の衝撃が忍ばれます。なんせ24日間後ですしね、よもやというところでしょう。
この韓国の清浄化確認で再度発生という事例は、非常に大事なことを教えています。それはいったん伝染が終息したように見えても、再度感染が発生する場合があることです。一回目の抗体が陰性でも、次に時間を置いて検査すると陽性に転化している場合がありえます。
特に口蹄疫の症状が豚に比べて軽く、自然治癒してしまいがちな牛においては、運び屋(キャリアー)になってしまうことがあるようです。農家が初期の軽い発熱、食欲の減退ていどだと見逃してしまう可能性があるようです。清浄化確認検査で陰性がわかったからいいようなものの、これがなければ、また感染拡大がぶり返す一歩手前でした。
たぶん児湯郡の最初の発生地帯でも、そう遠くない時期に清浄化確認が行われる地域が出てくると思われます。その場合、この韓国のような事例が出てくることは大いにありえると思って下さい。
ごめんなさい、児湯郡の皆さん。立ち直ろうとしているのに水を差すようなことを言ってしまって。
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コメント
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韓国からOIEへの追跡調査報告ではご紹介の5月30日の牛に続いて、清浄化確認調査で6月4日に飼育されていた猪から抗体が検出されています。
•07/06/2010: Foot and mouth disease, Korea (Rep. of), (Follow-up report No. 4)
While conducting the serological testing of all cloven-hoofed animals to lift the movement restrictions within the FMD control zone established following the FMD outbreaks in Cheongyang-gun, 9 serum samples collected from a wild boar farm were tested positive for antibodies against FMD virus on 6 June. After re-collecting serum from the farm in question, 22 samples were confirmed positive for antibodies against FMD virus by ELISA on 7 June by the National Veterinary Research and Quarantine Service.
However, FMD antigen was not detected by RT-PCR.
報告ではPCR検査で抗原は検出されていません。
PCR検査で陰性であることには感染が「ない」ことを証明するわけではない、ということですね。
投稿: beachmollusc | 2010年6月18日 (金) 12時49分
現時点での今日の指摘は、眉唾ではないかな?と、
思います。言われなくてもわかってます。すいません。
投稿: doll24 | 2010年6月18日 (金) 23時11分
こんばんは。昨日北海道議会で口蹄疫対策のための補正予算3億3千万円強が議決されました。とコメントしまししたが、3億5千万円でしたので、訂正します。
今日またもや「宮崎市」での発生ですね。(ワクチン未接種)感染経路は分かりませんが、まだまだ油断できません。それは遠く離れた北海道でも同じです。人、物がこれだけ動く時代に目に見えないものを相手に対応するには、出来ることを着実に行うしか有りません。どこまでやれば安心か・・・ではなく、感染リスクの限りない低減しか有りません。全国の畜産農家は勿論、全国民が口蹄疫収束に関心を持つ事と理解をする事が唯一です。その為にもマスコミは継続して正しい情報提供を行ってほしいと願っています。
投稿: 北海道 | 2010年6月18日 (金) 23時44分