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2010年6月 2日 (水)

宮崎口蹄疫事件 その17    口蹄疫の特殊性と、えびの市の発生直後の対応について

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毎回、現地宮崎からホットな情報を頂いている「みやざき」様の昨日のコメントをご覧ください。貴重な情報をありがとうございました。

この情報を読むと、川南町と異なり今までよくわからなかったえびの市の発生確認直後の様子が手にとるように分かります。えびの市は口蹄疫確認の20日には既にセリが終了して、゛売買の成立した子牛が移動していたようです。

翌21日には、関係者がセリ市開始にズレ込む朝8時台まで開催を必死に検討していた苦悩の様がうかがえます。たぶん先日20日に売買成立した牛を含めて、今日のセリをどうするのか、なんの指示も上部組織からないままだったのではないでしょうか。

言うまでもありませんが、この段階では農水省はいかなる指示も現地に出していません。現地は驚くべきことには消毒液すら不足する事態になりました。農水省はこの段階で発生地域が含まれる南九州一帯のセリ市を凍結する緊急指示を出すべきでした。農水省消費・安全局はいったいなにを寝ぼけていたのでしょうか。

このような指示が遅れたために、すべての判断が現地の関係者の肩に乗る異常事態になります。このような口蹄疫というきわめて強い感染力を持つ国際法定伝染病において、中央は絶対的な権限を有します。

一部のコメントに「農家は伝染病まで国家賠償を要求するのか」という批判がありましたが、この口蹄疫の特殊性を理解されていないようです。

口蹄疫には他の通常の伝染病予防で許されている(というか推奨されている)いかなる予防ワクチンの接種、対症薬の投与も許されていません。私たち畜産農家が持つ防疫の手段はわずかに消毒、ただそれだけです。
これであの強力な感染力を持つ口蹄疫と戦え、感染したら殺処分だというのですから、なんともやり切れません。

これはOIEという国際防疫機関の取り決めがあり、日本が清浄国であり続けようとする限りは変わらないでしょう。ワクチンの投与は弱毒の口蹄疫ウイルスをばらまくわけですから、清浄性を妨げられ、またワクチン投与によるものか感染由来のものか判別がつかないというのがその主な理由です。
私はこれに大きな疑問を持ちますが、今回の宮崎事件において急遽そこからの離脱が考えられない以上、現実はそうなっている、としかいいようがありません。

つまり、口蹄疫の防疫において「国」が司る権限の部分が大半を占めるために、現実に「現場」が出来ることはえびの市で取った対応ていどに限定されるのです。

この実態をよく知らない人たちは、家伝法の「殺処分命令は家保が出す」という一項を針小棒大に拡大解釈して、「なぜ現地家保が4月20日の時点で殺処分を出さなかったのだ、それは家保、ひいては宮崎県の対応の遅れだ」と批判します。

現実には、家伝法第3章に「上部機関の指示を受けて」という一項があり、農水省の指示がなければ不可能です。これは防疫関係者ならば常識のはずでですが、一部のためにするメディアやネットではこれを大きく取り上げて宮崎県責任論に転嫁しようとしています。

そこまでして民主党政権を守りたいのかどうか、そんなことはどうでもいいのですが、とまれ、農水省がいっかな動かないために現地は足踏みをしていおり、できる範囲内で最善の対応をして苦闘していたわけです。

えびの市ではせり市中止を決めてから非常に素早い対応をしました。いったん売買された牛を戻す、採血検査を徹底するなどの手を打っていきます。もちろんそれは完璧ではなかっただろうと思います。そのあたりのニュアンスも「みやざき」様は伝えています。

上部からの指示がない段階で、家保の獣医や市職員などが、電話連絡などを取り合って、状況を落ち着かせようとしているのがうかがえます。

その中でえびの市の対応でもっとも感心したことは、5月4日の豚の発症と同時に、検査結果も待たずに、家保の獣医師が殺処分し埋却したことです。大変に勇気のある行動です

これは平時においては譴責をくらうことですが、豚の増幅動物という性格を熟知した的確な対応でした。これを見逃すと、川南町のような事態になります。この時点で川南町も先に豚で発症しているにもかかわらず、殺処分に踏み切っていません。

川南町の畜産農家は農水大臣が宮崎入りした5月10日に、大臣に川南町の豚の全頭処分を陳情して拒絶されています。このあたりが比較的小規模でくい止めたえびの市と川南市との差につながるのかもしれません。

■資料(「みやざき」様のコメント(6月1日)

えびの地区の口蹄疫での対応
4月20日の1例目PCR陽性判明(確定は4月20日16時50分)時点で西諸家畜市場子牛セリ1日目終了。
翌4月21日も市場当日8時30分頃まで検討し、当日の家畜市場開催中止決定。しかし当日8時台まで決断を延期したため市場には当日上場子牛準備・購買者は集合した状態。
さらに、前日20日に売買成立した引き取り待ちの子牛の移動(引き取り)が各地より問い合わせ殺到(買主より)。事情からキャンセル希望が相次ぎ、なおかつ既にトラックに積み込んだ子牛もキャンセルとなり引き返す事態に。通常売買が成立すると、キャンセルは認められないのですが市場の判断で止む無しとなる。家畜市場には売買成立したものの、キャンセルされた子牛が約130頭係留される事態に。
この中から「発熱・下痢」などの口蹄疫疑いの症状が出る。(密集度、ストレスと思いますが)。慌てながらもきちんと1頭1頭採血検査を実施し、疑いを晴らしていく。しかし、中で3頭だけは最後までよだれが出るなどの濃厚な疑いが晴れず、都度採血検査を実施。この間近距離のと畜場には、明日の搬入は今回の採血結果が出るまで搬入を見合わせる様に水面下で蜜に連絡を取り合う。農家さんには夜中に「ちょっと連絡するまで待ってて下さいね」程度、翌朝早朝「大丈夫ですよ~」という具合です。
表現が悪いですが、家畜保健所に許される権限範囲の中で準備運動が出来ていた、という状態でした。
その後、4月28日9例目のえびの市での1例目確定。翌日29日18時には殺処分・埋却完了。同時に4月25日7例目(川南町)でのA農場からの移動牛との疫学調査結果を踏まえ、管内周辺の関係農場一斉聞き取り、立ち入り開始。血清検査も実施し確認。
そんな中5月4日の2例目の「豚」に発生が確認される。獣医師の立ち入りで血清検体採取と同時に、検査結果を待たず立ち入り当日から獣医師の権限で殺処分開始。翌日には殺処分・埋却終了。
前市長の不祥事により09年10月の選挙で交代したばかりの村岡市長も素直に行動に移し、消毒ポイント設置、消石灰自主散布(各商店、スタンドなど全域)、消毒ポイント増設、取りうる体制を素早く布陣。唯一消毒ポイント(裏道)が出来ていなかったが、すぐに看板にて消毒ポイントへ誘導。
そこまでしても5月11日68例目が発生。この時も即殺処分と同時に農場主が出入りしていた別農場も殺処分完了。しかし、車両の貸し借りの有った82例目でも5月13日に発症。
以後、農薬散布用のヘリコプターでお酢を空中散布したり、考えうるだけの対策と、きちんと臨時広報で一般住民にも協力と、食い止めることの重要性を周知されていました。
発症が13日以降休息しても、管内の少しでも疑わしい症状は全て採血し検体発送。通常の薬剤も配達を避け、農家に引取りに来てもらい、さらに往診も農場敷地には入らず、道路に引き出してもらって診断。徹底した接触遮断。おかげで「あそこで口蹄疫出た~」とう「デマ」が飛び交う状態ではありました。

まだ正式解除では有りませんが、もしどこかで何か有った時には、関係者の方々にはやり過ぎて頂きたいと思いコメントしています。南の島(ここ個人的に思い入れアリ)での騒動を聞いて、あらためて乱文まとめです。

■写真 わが県の牛競り市の様子。後方の電光掲示板に体重や品番が掲示され、手前の観客席で農家や仲買が手元スイッチでセリあっていきます。

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口蹄疫問題」カテゴリの記事

コメント

宮崎さま、「えびの市」での対応を詳しく伝えて頂き大変参考になりました。本当にありがとうございます。小生が以前のコメントに記載したように、このような本物の悪性伝染病対策は「やり過ぎ!!」と批判されるくらい実行して丁度良いのです。当然未経験者が多い訳ですから専門家の意見を尊重しながら万全・・とまでは行かなくても、考えられる全ての対策を迅速に行う事が拡大防止、あるいは被害を最小にとどめる事が可能となります。いわゆる「なめてかかる」と、とんでもないしっぺ返しがある事を考えて置く必要があります。初発後の宮崎県の消毒ポイント情報を確認したら、発生地域近辺は24時間体制でしたが、ほとんどが朝から夕方まで、それも畜産関係車両のみの状態でした。こんな方法で拡大防止が出来るの?と感じていました。今回の状況を教訓に最悪の事態を想定しての「消毒薬・防護服・消毒用ポンプ(スプレイヤー)・水槽など」の備蓄は、1週間~10日間分は確保しておく事が大切ですし、即現金支出が可能になる様に、ある程度の積立を行っておく事も重要です。平常時には「無駄」かも知れませんが、数年、数十年、数百年に一度かも知れませんが、グローバル時代では「人・物」が自由に行き来します。何がいつ起こるか誰にも分かりません。日頃の準備と心がけが重要でしょう。我町においても、備蓄や積立など行っていますが、これから充実させて行きたいと改めて考えています。今後とも情報宜しくお願いします。
小生の地域でこれから机上ですが、「防疫演習」がある為それに出席してきます。いざ発生時に即時対応できるよう「人・物」の対応をどうするか、頭の整理に行ってきます。

防疫演習に行ってきました。初期対応やその後の消毒をはじめ、発生農場の処理など基本的な事を聞いてきました。
やはり思った通り、発生地から距離があるからかも知れませんが、考え方などに「甘さ」が感じられました。行政が行うこの手の集まりでは仕方ないのかな?とも思いますが、発生時に権限を持っている行政の考え方によってその後の続発や感染拡大、早期終息に大きく関わってくることへの認識が甘いと言わざるを得ません。私なりに要請活動していきたいと考えています。それにしても、宮崎様からの情報である「えびの市」の対応状況は見事なものですね。川南町(都農町など東海岸地帯)とえびの市の家畜密度や飼養家畜の種類毎の頭数(飼養戸数)などは分かりませんが、本当に防疫対策が上手く機能した手本になるのではないでしょうか?我町でも参考にさせていただきます。

濱田様 北海道様
今晩は。公式な調査の結果発表(感染ルート・防疫体制の評価)はいつもかなり時間が経過してからあやふやな結論で終わる事が多いので、現地人として今の拡大阻止に一つでも役に立つと幸いです。こんなに身を切る思いをしている皆も「繰り返しては絶対にだめだ」と思っていると思います。
 ワクチン接種という一見インパクトの有る対策、で今の感染結果は抗体価が上がるまでの現象、ととらえられているのが恐ろしいです。ワクチン接種によってウイルス量を抑える、と打ち立てられましたが10km圏内の処理スピードが上がっても発症は続いていますのでウイルス爆発地点が増えた(点がまた広がった)だけの様に感じます。点がつながると面となり、また川南の様に制御不能に陥らない事を毎日祈っています。西都の川べりへ着実に進んでいます・・・。
 20kmの制限区域が設定されていない西都はとても野生の鹿や猪が多い地域です。5頭のいる尾八重は異動直後は本当に簡易の骨組みハウスの廃墟に移動していただけです。移動2日後には、あっという間に何も無かった所に鉄筋作りの専用牛舎が2棟宮崎県により建設されて今に至ります。物凄いスピードと判断によりあれだけの予算投入が出来る事が分かって感心しています。感染リスクを抱えたままい経過観察していますが、野外動物の追跡調査という厄介な、時間のかかる手続きをしょわされる事態にならない事を祈っています。壮絶な犠牲(殺処分・ワクチン接種後強制処分)を払って頑張っているのは「日本の畜産を守る早期洗浄国復帰」への必要な犠牲、という大義があるから無理にでも納得させていると思いますので・・・。
 鳩山首相の辞任により終息への対策にタイムラグが出来てしまいました。ワクチン接種後の今週はとても長く感じます。
 濱田さま、北海道様また色々な意見を聞かせて下さい。

はじめまして
岐阜県で飛騨牛に関わっているヤブ獣医です。
GWに宮崎へお手伝いに行って、小林で2泊、高鍋で3泊しました。
児湯はとてつもないことになってしまいましたが、えびのはもう一息、の所まで来ましたね。

川南の情報はあちこちで出会えるし、自分自身も8例目の農場で作業に従事したのでわかる部分もあるのですが、えびのの記事にやっとたどり着きました。
当方も万が一の時は、えびのの対応をお手本にさせていただきたいと思っています。

貴重な情報をありがとうございました。

HIPPO 様
 他県からの防疫処理作業のご協力、有難うございました。大変な作業だったと思います。
本当に他県の方々の応援が無ければ何も進まない状態ですので感謝の気持ちで一杯です。
えびの地区は本当に、祈る様な気持ちです。それから、解除になった後も地域全体として、用心は続けて行ければと願っています。
 川南地区は農場の密集度合いを体感されたと思いますが、今回みたいな事態になるとコントロール不能になってしまいますね。良ければ川南の体験を教えて下さい。濱田さん(管理人様)がとても冷静にコメントされますので、頭の整理になりますのでお時間許せばお願いします。

視点を変えて・・・
今は当たり前となっている、牛の耳に装着されている10桁の番号が書かれた「耳標」ですが、H13年にBSE発生時に法制化され、現在では国内の牛全てに装着され、出生・販売或いは死亡・導入時には必ず報告する事が義務付けされています。これによって出生から死亡(或いはト畜)までトレース可能となりました。更に内臓やミンチ肉以外は、個体識別番号を表示する事も義務化され、店頭のトレーには番号が表示されています。この番号を「個体識別センター」に問い合わせると、出生からの履歴情報が誰でも入手する事ができます。
一般的にはH13年のBSE発生後にそのシステムが出来上がった・・・との認識だと思いますが、実はその4年前(H9年)から個体識別の事業がスタートしていました。
平成6年~7年頃に北海道から「牛には登録番号や共済加入番号、肉牛にはこの2つの番号の他に基金番号が付され、1頭の牛で3個の番号を持っている。一つの番号で管理する事が出来ないか」と言う要望を国に出していました。国もこれを受けてH9年に「牛個体識別システム研究開発事業(乳牛の改良目的で5年間事業)」を、スタートさせました。H9年~10年は先進地である「オランダ」を研修したり(筆者は行っていませんが)、幾度も検討会を開催し、システムや普及方法などを話し合いました。
1回目の検討会での農水省官僚とのやり取り
Q:「改良目的では中々普及しない事が考えられるか  ら、国として早急に法制化に踏み切るべきではな  いか」
A:「回りを海に囲まれている日本としては、防疫体  制もしっかりして居るし、法制化は何か事が起こ  らないと難しい」
Q:「これだけ人・物が世界中を移動している状況下  では、国内で5年以内に必ず口蹄疫とBSEが発  生する。事が起きてからではなく起きる前に農水  省ではこれだけ準備(対応)をしていた。と胸を  張って言えるくらいにしておくべきではないか」
Q「消費者が今日は黒毛和種の肉を食べたいから若干  高くても黒毛和種の肉を買う。今日は交雑種やホ  ルスタインの肉でも良い。あるいはチョット財布  が厳しいので安い輸入牛肉でも買うか?など正し  い選択が出来るよう正直な牛肉流通の仕組みを早  く作る事が必要ではないか?」(発言理由後述)
法制化はBSE発生後となってしまったが、図らずも指摘したとおり(本当は当って欲しくは無かったが)H12年には口蹄疫、H13年にはBSEが発生してしまった。
H12年から13年にかけて、モデル地区として参加した府県の一部と道内数地区(十勝管内では全市町村)では耳標装着が開始された。乳牛でスタートした個体識別はその後肉牛への装着へと進むはずだったが、H13年7月に農水官僚が九州地区へ説明に行ったが、猛烈な反対にあい、けんもほろろに帰ってきた。
※その理由の一つには、F1(ホルスタインと黒毛和 種の交雑種)の枝肉が「黒毛和牛」として出回って いた事が多分にある。それは、個体識別が法制化さ れた後に、黒毛和種の資源(特に繁殖牛)がこれま で出回っていた黒毛和種枝肉の量を勘案すると圧倒 的に少ないことが判明した為、急きょ増頭対策(補 助事業)が行われた事でもハッキリと推察する事が できる。(前述の発言理由)
 もう一つの理由は、黒毛和種牛の登録団体の危機感(耳標で管理されれば登録は必要なくなると言う)もあったと思われる。
しかし、9月13日BSEが発生し様相は一変した。牛肉は敬遠され、個体販売価格も枝肉も暴落し、国内が大混乱となった。
この為急きょ法制化に踏み切り同年12月には施行され、乳牛のみならず肉牛まで一気に耳標装着が為されました。オランダで20年以上かけて構築した「個体識別」が日本では4~5年でシステムが出来上がった事になります。
この法制化された「牛トレーサビリティ」法では、個人情報保護の観点から、牧場名の公表・非公表は任意とされており、今回の口蹄疫発生の原因?と噂されているA牧場は当然ながら非公表であり、牛の動き等を一般の人たちが知る事は出来ない。
長くなりました・・・・・

北海道様 濱田様
えびの市の解除が待ち遠しいです・・・。評価基準が発表、通達が出て一安心です。評価にJA職員を立ち合わせて欲しい、などまだ落ち着いていない状態が続きています。
 「もし」出荷出来ればこれだけの評価(金額)が得られるという前提で、経費と利益まで全て補償する様な難しい内容ですので、牛・豚など公平に扱ってくれる事を願っています。今後力を合わせて宮崎が復活するためにも。
 ただ、今回の口蹄疫災害では畜産業以外にも、観光業・販売業・運送業など多岐に渡っています。こういった方々への補償(売上など得られるはずだった収入に対して)は一切有りません・・・。そういった方々は本当に「諦めるしかない」状況です。みんな真面目にこつこつ頑張って、事業から発生する税金を納めて来た方々です。阪神大震災の時もだったと思いますが、「何故自分他たちだけがこんな目に逢うのか」と。道路や水道は元通りにしてくれますが営利事業については補償は何も無い、という結果になってしましました。地場産業だった製靴工場なんて跡形も無くなり、一部再建出来ただけでした。けっこう宮崎にも阪神大震災の被害地から移住してきた方々がいらっしゃいます・・・。
 ましてやここまで口蹄疫が拡大したのは、行政の対応遅れ・準備不足等の人災の面が高いと思います。ですから、本当に二度と拡大を繰り返さないために関係者の方々の今後の為になれば、と改めて思います。北海道様も以前からコメントなさる様に自分の農場は自分で守る、という意識を持ち続ける事が大事になると思います。

濱田様 北海道様 なんとか解除になりそうです!
 お二人の様に整理してのコメントは書けませんが、えびの地区で他にも有った点です。
 消毒:発生の後すぐにまず役場から「ビルコン(ハンドメイド少量小分け)を配布しますので○○時に役場来て下さい。」と配る時も「車から降りないで消毒薬受け取って下さい!」、配りながら「外出・来客は出来るだけしないでくださいね。」と防疫スタート。
 それから、今回の宮崎県内の消毒はえびのに限らず、主要幹線道路の路肩(イメージは車線沿いの駐車帯)に消毒ポイントを設置し、その少し手前に「畜産関係車両用消毒」の案内看板、または交通整理人員が配置されていて、家畜運搬車や飼料配達車両だけは必ず消毒ポイントに進入し、車両全体にシャワーをかける、下回りにかける、という体制です。北海道さまもコメントなさっていましたが、24時間ポイントは殆ど無い状態で5月連休明けを迎えています。つまり、「消毒を受けなくても通過可能」な状態です。これは車が錆びたりする事も考えられますので強制は出来ない、という事となのでしょうか?。5月中旬から各地で道路上に車両用消毒マットを設置され始めて、やっと全車両タイヤのみ完全消毒がされている状態です。つまりやろうと思えば消毒を浴びずに行き来出来る状態です。(わざと浴びない関係車両はいません。この点は発生翌日より宮崎県全体に通達が出ています。)
 えびの地区も状況は同じなのですが、早い段階で道路を走る車両消毒とは別に、郵便配達や新聞配達など農家へ直接出入りする接近車両を遠ざける努力がえびの市の協力の呼びかけにより実施されています。たとえば郵便配達は普通農場の事務所の壁に据え付けられたポストや窓を開けて「郵便で~す」と回る(しかも担当地域は特定の人が全て回る=何件も畜産農家が同じ地域に有りますので・・・)のが日常風景ですが、農家の方へ、一般道路に面した所にポストを立てて、配達員が農場の中へ入らないでも良い様にする事を指導(足つきのポストも売ってありますから購入した方がいいですよ、という感じでした)して、各農家が実行しています。買いに行かない人は入口の樹木にポストをくくり付けたりしてます)
 ガス検針も「今月は検針を延期致します。今月の代金計算は2~3ケ月の平均で清算し、終息後の検針実施で実測清算させて頂きたくご理解ください」という案内文書が送付され、検針延期実施。宅急便も配達前に連絡を入れてから実施。この場合も道路先まで出ての受け取りを推奨。新聞も集会所に一括配達してもらい、各家庭から引き取りに来てもらう、という対策も一部の集落(簡単に言うと田舎。畜産農家・田んぼ・民家が点在しているような所)では実施されています。
 さらに一般商店やガソリンスタンドも協力という事で店頭に靴消毒用マットを入口に置いたり、駐車場への出入り口に石灰をまいたりしていました。畜産に関係ない方々の車も真っ白になってもらっています・・・。こういう事も川南地区ではやろうとする前に爆発しましたので、出来なかった(それ所ではなかった)のだと思います。
 途中では臨時市報を発行し、消毒への協力お礼、また爆発している川南地区の概況を農家だけではなく一般市民にも周知しながら協力を呼び掛けていました。
 ヘリコプターでの薄めたお酢の空中散布が全市民の意識付けになったのも大きかった気がします。「大変やが」と皆驚いていました。防疫マニュアルからすると笑える様な事かもしれないですが、アイデアというか知恵を出し合って乗り切っている、という状況です。
 毎回とりとめないメモにて失礼します

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