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宮崎口蹄疫事件 その29   宮崎の悲劇をここでくい止めるために   防疫指針は机上の空論だ!

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「ななし」(都城出身)様、コメントをありがとうございました。私も東国原知事は超人的 な頑張りを見せていると思っております。また、宮崎県も、地方行政組織として極限まで戦っていることは重々承知しております。称賛に値します。

このブログでも前大臣に対してはかなり批判しましたが、知事や県に対してはむしろ言いたいことを呑み込んでおりました。特に宮崎県責任論などという、事の軽重をわきまえず、国の責任を県に転嫁するがごとき論調にはその都度反論して参りました。

今回、私が家保獣医師の殺処分投入について家伝法16条の規定を持ち出して、あえて県の対応を批判したのは、いつにかかって口蹄疫が鹿児島県へと越境する可能性が濃くなったからです。

昨日「北海道」様がからいただきました情報でも(感謝!)、北海道十勝総合振興局においても同様に「家畜防疫員か、その指示を受けた獣医師免許取得者だけが殺処分を実行できる」とのことでした。

家保自身がどのように認識しているのか、その事実上の上部組織(*家保は県管轄)である農水省消費安全局がどのように考えているのかは、調査しておりませんが、たぶん似たような回答になると思われます。

また同様に家伝法施行令第3条による車両の通行制限、あるいは遮断、消毒に対しても、「北海道」様の調査では、「県知事の権限で国道野遮断はできず、国道は管轄外であり、消毒対象も一般車両は任意」とのことでした。

ということは鹿児島県においても、あるいは飛び火してとんでもなく遠方の県に発生したとしても、宮崎県の前車の轍どおりに進む可能性が高いということになります。

果断な初動はやりすぎ批判を恐れて躊躇し、前例踏襲で事足りるとする官僚の因循姑息な我が身かわいさの発想です。その「前例」とは、2000年の宮崎、北海道の感染力が低いウイルス株でのために少数の殺処分で封じ込めに成功した事例でした。

現実には、2001年に英国での大規模感染拡大で645万頭もの殺処分を出した事例など多くの深刻な被害な事例を出しているにもかかわらず、防疫マニュアル(防疫指針)は、その新たな状況を取り入れることなく、役にたたなくなったような古びたマニュアルにしがみついていたわけです。

今回宮崎県の新たな口蹄疫拡大の原因は、「防疫指針は机上の空論だ」という大阪府立大の向本雅郁准教授(獣医学)のご意見をまとめてみるとこうなります。(産経新聞関西版5/29・ウイキ「口蹄疫」からも読めます)
http://www.sankei-kansai.com/2010/05/29/20100529-024425.php

①口蹄疫は牛の病気だと誤解されているが、今回は豚に感染したことが大きかった。豚は感染増幅動物であり、ウイルスを最大2000倍(*3千倍という説もある)にして放出する。

②口蹄疫のウイルス判定が国管轄の動物衛生研究所でしかできない仕組みになっているために、診断が遅れる。県の家保で判定できるようにすべきである。

③一刻も早い処分と埋却が必要だが、処分の埋却地が不足し多数の順番待ちが出てしまい、感染がより拡大してしまった。

④豚が地域の汚染濃度を押し上げて空気感染するようになると、同心円的に一気に感染拡大する。今回は順次南下しているので、昆虫や野生動物の媒介が疑われる。(以下略)

私はこれに2点を追加したいと思います。

①移動制限の不徹底。畜産車両も初期においては夜間通行を許してしまった。国道を通行規制する権限が県にはなかったために、GW時などに発生地域を通過する国道を一般車両が通常と同じように通行してしまった。

②「獣医師のみが殺処分資格者」としてしまっために、殺処分が滞留したのみならず、本来の仕事である発生地点から、次の感染拡大状況を確認する「発生動向調査」を行なえなくなってしまった。このために発生動向が判断できず、一時は農家からの申告待ちという状況を呈した。

このような状況に対応しないマニュアル(防疫指針)に縛られて、宮崎県知事の判断があったと思います。私は誰が間違っていた、民主党政権が悪い、いや宮崎県だなどという議論には今は関心がありません。後でゆっくりやりましょう。

今や口蹄疫は、都城という宮崎の畜産の心臓部に侵入しており、そして鹿児島まで手が届きかけています。ここでしっかりといままでの失敗を総括して、次に何をしたらいいのか特別措置法ができたからいいや、防疫関係者が考えるさ、と言うのではなく国民皆で考えるべきではないでしょうか。

              ~~~~~~~~~~~~~

先だってご指導いただきました山崎畜産様より、消毒液の濃度等を修正したとのコメントをいただきましたので、その修正した内容を転載させていただきます。ありがとうございました。
非常に実践的でしっかりした内容のブログです。ご覧になって下さい。

「ぺぶろぐ」http://koji.air-nifty.com/cozyroom/2010/06/post-7edc.html

口蹄疫ウィルスに有効とされる消毒薬

ヨウ素系消毒薬    (効果が認められた最高希釈倍数)
   ファインホール (400)  
   動物用イソジン液 (2)
   クリンナップA (400)
   ホリアップ3  (400)
   リンドレス  (1000)

塩素系消毒薬
   スミクロール (1000)
   クレンテ  (2000)
   アンテックビルコンS (2000)

アルデヒド系消毒薬
   グルタクリーン (800)

複合消毒薬
   アリバンド (200)

逆性せっけん+水酸化ナトリウム
   クリアギル (0.2%水酸化ナトリウムを添加した場合) 4000)

        以上 全国肉牛事業協同組合からの情報+農業新聞より

※上記の希釈倍率は30分浸漬の場合などの条件での数値であるため、畜産農家ではこれらの最高希釈倍数より濃い目の使用が望ましい。

例:ビルコンSの場合
・踏み込み消毒槽・・・100倍
・畜舎消毒・・・・・・500倍
・一般の車両消毒・・・2000倍 など

詳しい希釈倍率などは製造販売業者に確認すること。

                   ~~~~~~~~~

■写真 少し田んぼの水が温かくなってきました。今年は冷夏で決まりのようですが、オタマジャクシは元気に泳いでいます。

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口蹄疫問題」カテゴリの記事

コメント

濱田様
おはようございます。すみません血圧が上がっていました。ありがとうございます。出来る事を頑張ります。コメント削除出来ませんか

北海道様
市場の件、申し訳ありませんでした・・・。一部の人間です。宮崎を宜しくお願いします。

投稿: みやざき | 2010年6月16日 (水) 08時49分

前例踏襲していて感染力の違いから被害が甚大になったかのような書かれ方をされていますが、政治家の動きも前回とかなり違う様に思います。

また、殺処分に獣医師が足りなかったことに非常にこだわっていらっしゃるように思えるのですが、口蹄疫で殺処分をした旨の報告をする必要があるのでは?その時に獣医師はどうしても必要ではないのでしょうか。

川南町の場合には沢山の豚に感染してしまい、牛を飼っている農家と違い、埋却場所が見つからず処分が遅れたと聞いています。家畜伝染病が起こったらどこに埋却するのか、家畜を所有している農家はあらかじめ、埋却場所を登録しておくようにする方が現実的な対策だと思うのですが、いかがでしょう?

口蹄疫について質問している議員の声が聞こえない程のヤジを飛ばしている議員さんがいらっしゃいます。この様な幼稚な政治家が一番問題の解決を遅くしている気がします。
http://www.youtube.com/watch?v=mfavIkEI0-4&feature=player_embedded

投稿: みゃあ | 2010年6月16日 (水) 11時46分

「みゃあ」様のご指摘はもっともと思いますが、濱田様や私が指摘しているのは、発生場所や感染頭数(種類)、家畜密度等によっては、殺処分実行者(実際に殺す為に手をかける人)を防疫員や獣医師にこだわる事が、処理スピードを遅らせる事になり、処分待ちの家畜が滞留し、結果として感染拡大につながる要因となったのではないか・・・と言う事です。
当然埋却場所の確保が先決ですから、川南町についてはそれも要因の一つである事は理解しています。
ただ、殺処分前に処分する家畜の評価や症状(状況によってはサンプル採取)確認を行いますので、獣医師が立ち会わなくても良い・・・と言っている訳ではありませんので誤解のなきようお願いします。
また、感染拡大要因の一つである、車及び人の移動についても、法解釈をきちんと行えば、通行遮断や消毒の義務付けも可能になりますから、拡大リスクの低減になるものと考えています。
発生後の初動対応には、圧倒的なマンパワーと諸対策の指示が本部から現地までスムーズに伝わり、認識が一致する事。逆に現地の正しい情報が本部にスムーズに伝わる事。が一番だと思います。
発生を想定してのマニュアルも、実際の発生時にスムーズに行われるとは限りません。当然パニックの中での対策実行ですし、ケースバイケースもあるでしょう。でも基本となる法解釈については、何が正しいのか何を誰が出来て誰が出来ないのか等検証しておく必要があると思います。

投稿: 北海道 | 2010年6月16日 (水) 13時39分

口蹄疫が蔓延した原因は民主党の不策にあると櫻井よしこさんが言っていることに同意する。

投稿: 左巻き菅 | 2010年6月16日 (水) 13時55分

みやこんじょ

慌てているでしょう?私もそうです。色々聞いてなんだかこの世の終わりみたいな気がしてます。
絶対今までとは違います。

1.検査結果はシロでした。ノコ屑の恐れも分かって潰してます
2.明日で初発からもう1週間です。
3.消毒ポイント増えてます。都城インターなんても うプール式でやってますよ。こんなに早い対応は他の地域では出来ていませんでした。朝の渋滞気付いていますか?一般車両も協力的です。ありがとうございます。抜け道は有りません
4.発生に近い所ではシーンと外出もされていません。農場に泊り込んでじっと頑張っています
5.今日の地区での誤報は全てガセです。

みやこんじょには幸い、準備する時間が有りました。今回の検査の間も30分以内の出動態勢が出来ていました。
埋める手はずもきちんと出来ています。このままうるさい位消毒だけは手を抜かないで頑張りましょう。

でもこれも全て川南地域の方々の体験があったからです。ここだけは絶対に胸に置いて、守り抜きましょう。

涙が出ますけど、あと2週間です。

西都、国富、日向のみなさんも頑張りましょう。今までとは対応が違います。あきらめず消毒徹底しましょう。

投稿: みやざき | 2010年6月16日 (水) 21時39分

みなさん 
すみません、忘れてました。今日は何だか騒がしかったでしょう?今まで無かった周辺目視検査が始まっているからです。後追いが終わって先回りが出来ています。
山田監督、篠原ヘッド=最強です。

投稿: みやざき | 2010年6月16日 (水) 21時44分

oの地元です、左右よらずバイアスのない情報を求めています、この時期に牛祭でもりあがる無邪気とゆうか、kyな、すみません。

投稿: 奥州 | 2010年6月16日 (水) 22時26分

「奥州」と名乗る無内容かつ無礼なコメントは他のブログでは直ちに削除対象でしょう。しかし、こんな愚か者もいるという記念にさらしておくことにしました。゛

投稿: ブログ管理者 | 2010年6月17日 (木) 05時49分

拝啓濱田様

自分は鹿児島県で畜産業を営んでおります。
今回の口蹄疫問題に憂慮し、ブログを立ち上げています。
濱田様の鋭い見識ある御指摘を、猫の手を借りて万歳しながら拝読させていただいてます。
この場をお借りしまして誠勝手ながら小生の風が吹けば
飛ぶようなブログを紹介させていただきます事をお許しください。全く関係ない話ですが明日18日はPマッカートニーの誕生日です。ささやかにお祝いしましょう。お祝いするような明るいニュースはカメルーン戦のみの昨今ですので。。。これからもよろしくお願いします。

投稿: doll24 | 2010年6月17日 (木) 07時13分

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