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宮崎口蹄疫事件 その42 口蹄疫対策の新兵器登場!赤外線サーモグラフィ

Photo

前々回(その40)の赤外線サーモグラフィについて、英国のものと形式は異なるようですが米国の同様の器材の詳報がありましたので、転載いたします。
鹿児島大学岡本嘉六先生のサイトから引用させていただきました。ありがとうございます。
なお、上記の写真も同サイトから転載させていただいた口蹄疫に罹った牛です。ヒズメに発熱の赤色が見られます。
http://vetweb.agri.kagoshima-u.ac.jp/vetpub/Dr_Okamoto/Animal%20Health/Technologies%20Improve%20FMD%20Detection.htm

[以下引用]

赤外線サーモグラフィ(IRT: Infrared thermography)は、人間の目では見ることができない熱を見ることができる。ニューヨーク東部にある農務省農業研究部ARS)のプラモ島動物疾病センター(PIADC )は、口蹄疫に感染した可能性がある牛を特定するためにこの技術を用いているのは、この理由からである。

「このIRT技術は、天文学から軍への法執行に至るまで様々な分野において長年使用されてきた」とPIADC研究主任のLuis Rodriguez氏は述べた。「これは、IRTを口蹄疫感染動物の早期発見のための手法とする最初の科学報告である」。

米国は1929年以降口蹄疫の発生がないが、この伝播力が強い疾病が永久に発生しないことを保証する手段はない。英国では2001年に発生し、34年間の口蹄疫清浄記録が途切れた。この疾病は、急激に広がり、貿易と輸送に大惨事をもたらすので、発生に備えることは米国政府の優先事項となっている。

封じ込めと根絶に必須の要素は、発生の範囲を迅速に査定する能力である。

「一頭ずつ動物を検査することは膨大な試みである。小さな農場でさえ、それは大仕事である」Rodriguez氏は述べた。彼と同僚は、感染したリスクがある動物を迅速かつ正確に発見するための新しい方法を評価した。その方法は、感染した可能性がある動物を迅速に特定するためにIRTカメラを使用するものであり、診断試験を行うものではない。むしろ、疾病に特異的な方法を用いたさらなる試験を必要とする動物を迅速に仕分けすることによって、科学者の資源を集中させることを可能にするものである。

IRTカメラは、何等かの臨床徴候を示し始める48時間前に、リスクがある牛を特定することができる。発生が起きた場合、この技術は疾病の迅速な封じ込めを容易にできるだろう。

発熱した蹄を見分ける

それはどのように働くか? 絶対零度(約―460˚F、―273.15)以上の全ての物体は、赤外線を放っている。物体の温度が高いほど放射量は多く、IRTカメラはその放射を可視化する。

口蹄疫ウイルスに感染した牛では蹄の温度が上昇し、IRT写真で目に見える違いとして示せる。この現象は、ミネソタ大学の野生生物学者 Craig Packer氏によって観察された。口蹄疫と関係ない研究のためアフリカで移動性動物集団を追跡している際に、Packer氏は野生哺乳類の写真を撮るために赤外線カメラを使用し、一部のインパラの頭部と脚部が非常に熱いことに気付いた。彼は、これらの動物が口蹄疫に罹っている疑いがあることを学んだ。その意味に興味を抱いたPacker氏はPIADCの科学者に連絡した。

彼らは、Packer氏の情報を調べ、PIADCの生物学的安全水準3の施設で公式の研究を行った。その結果は、牛が臨床徴候を示す最大2日前までに、IRT写真が上昇した蹄の温度を検出できることを示した。

蹄の発熱部位を観察することによって、34.4˚C以上であれば口蹄疫に感染している牛を特定できる。最大88%の信頼性をもって、その動物が48時間以内に臨床徴候を呈することを私達は予測できる」とRodriguez氏は言った。

一連の牛のIRT写真において、健康な動物の蹄は青緑色に見えるが、感染牛は橙赤色の蹄であった。この簡単な視覚的違いは、膨大な数の群れにおいて、科学者と獣医師が個別的に試験することなく感染した可能性がある牛を特定できるだろう。この技術は、全ての動物の個別的臨床検査含む既存のスクリーニング方法よりも安価で迅速である。

IRTは、優れた疾病発生対策のために農業研究部ARS)が開発したその他の手法と併用可能である。そのような手法の一つは、プラム島の科学者達が米国議会による2002年の要求に対応して開発した迅速診断試験である。

PIADCの科学者達は、2時間未満で口蹄疫ウイルスからRNAを検出できる試験法を開発するために生物工学会社Tetracore社と連携した。それは「リアルタイムPCR」として知られている技術を使用している。農務省の動植物衛生検査部(APHIS)はこの試験法を採用し、国立動物衛生研究所連携網で使用している。口蹄疫に係る非常事態が発生した時に、米国全土の研究所はサンプルを迅速に検査するためにその試験法を使用できる。それは、米国で時折発生する同様の症状を示す水疱性口炎と口蹄疫とを迅速に識別するためにも利用できる。

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コメント

おおっ、これはスゴい!
確度が最大88%ってのはちょっと気になります(日本ならもっと良いもの作れそう)。
が、「リアルタイムPCR」併用ってのがまたスゴい!

是非とも予算つけてもらいましょう。

投稿: 山形 | 2010年7月 2日 (金) 19時02分

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