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2010年7月30日 (金)

宮崎口蹄疫事件 その61  疫学調査チーム第4回検討会報告速報 侵入ルート明らかにならず!

Img_0016

ようやく農水省疫学調査チームの報告書概要が公表されました。以下全文を掲載いたします。なお太字及び改行は引用者です。
[引用開始]

      口蹄疫疫学調査チーム第4回検討会概要   (7月23日)


1 初発農場等について
(1)これまでの現地調査、抗体検査等の結果から、ウイルスの侵入が
最も早かった農場は3月31日の検査材料でPCR検査で陽性であっ
た6例目の農場であり、ウイルスの侵入時期は3月中旬頃と推察さ
れる

(2)(1)と同様の結果から、1例目及び7例目の農場には、3月下
旬頃ウイルスが侵入しており、1例目の発生が確認された4月20
日時点では、少なくとも10農場以上にウイルスが侵入していた

推察される。

2 ウイルスの侵入経路について
分離されたウイルスは、今年に入り韓国、香港等で確認されたウイ
ルスと遺伝子配列が極めて近縁であったことから、アジア地域から人
あるいは物の移動等に伴って日本へ侵入したと考えられるが、現時点
ではその経路を特定することは困難
である。
6例目及び7例目農場では、中国産稲わらは使用されておらず、ま
た、輸入に際して加熱条件等が定められていることから、中国産稲わ
らが口蹄疫ウイルスに汚染され、原因となった可能性は極めて低い

3 感染拡大要因について

(1)川南町を中心とする地域において、感染が拡大した要因を以下の
とおり考察する。
①人:発生農場からの人の動きを通じて周辺の農家へ感染が拡大した
可能性
がある。また、共同たい肥施設や倉庫、器具・器材の共同利
用による感染拡大も考えられる。

②車両(家畜や飼料の運搬車等の畜産関係車両):えびの市での発生
事例については、川南町の関連農場から出発した家畜運搬車両等が
関連していた可能性があり、他の事例においてもこれらを含む畜産
関係車両が感染拡大に関与した可能性
が否定できない。

③近隣伝播:ネズミ・鳥・ハエ、飛沫核(※)等を介した周辺農場で
の近隣伝播の可能性が考えられるが、広域に感染した原因である可
能性は低い。
※ 飛沫核とは、ウイルスを含む微少な粒子で、風により運ばれるが、
1km以上飛散することはない。

(2)ワクチン接種区域外への感染拡大の要因については、以下のとお
り考察する。
西都市(283例目)及び日向市(284例目)については、児湯
地区の発生農場と同じ飼料運搬会社の人・車両が、その発生農場へ
の運搬と同日または連続した日に使用
されていたことが確認されて
いることから、この車両によりウイルスが伝播し、感染した可能性
がある。

西都市内の発生農場間(283例目と289例目)で、それぞれの
農場から牛を出荷する際、同一車両が使用された
例が確認されてい
ることから、当該運搬車両を介してウイルスが伝播し、感染の原因
となった可能性が高い。

③宮崎市内の3農場(285例目、291例目及び292例目)の発
生については、同一地区に存在し、農場間の距離が数百メートル程
度であることから、飛沫核による近隣伝搬の可能性
を否定できない。

4 今後の飼養衛生管理・防疫措置に関する提言
今回の発生事例を受けて、既に実施されている項目もあるが、これ
までに確認された疫学調査等の結果を踏まえ、改めて今後の飼養衛生
管理・防疫措置について下記の提言を行う。

(1)畜主は飼養衛生管理(管理記録の保存を含む。)を徹底し、流涎、
跛行等口蹄疫の臨床症状の早期発見を含め、毎日欠かさず家畜の健
康観察を行うとともに、異常を確認した際は直ちに獣医師・家畜保
健衛生所へ通報すること。

(2)関係者以外の農場への立入を極力控えること。また、関係者が農
場へ立ち入る際も農場ごとの専用の長靴及び作業着を着用し、消毒
を徹底すること。

(3)飼料運搬車両等については、車体の外側だけでなく、運転席内や
荷台についても十分に消毒すること。(例:適切な消毒薬を湿らせ
たタオル等によるハンドル等の消毒、運転マットの洗浄及び消毒等)

(4)ワクチン接種農場や防疫措置完了後の農場における家畜排せつ物
・飼料等の処置については、「口蹄疫に汚染されたおそれのある家
畜の排せつ物等の処理について」(平成22年7月1日付け22消
安第3232号動物衛生課長通知)に基づき、県は適切な処理を行
い、確実にウイルスを不活化すること。

(5)都道府県は今後の発生に備え、迅速な早期殺処分・埋却を実施す
るための埋却地の確保の調整を行い、発生時に大量の人材・資材を
投入するための体制の構築に努めること

[引用終了]

なんというか、コメントをつける気力が萎えてきます。隔靴掻痒とはこのことでしょう。ほとんど新しい情報はありません。公表された概要以外に本文があるのでしょうが、「みやざき甲斐」さんの現地からの報告のほうがよほど詳細かつ肉薄した内容です。

目立ったこととしては、第6例が3月中旬として初発に確定され、4月20日の確定以前に10農場以上にウイルスが侵入していることが明らかになったことです。

わが国への侵入ルートは特定されませんでした。ここまで絞り込んできて、どうして更に遡及できないのか、逆に不思議な気持ちさえします。

侵入を媒介したものとして中国産藁は否定されました。残るは「人」と「物」ですが、なぜこれが判らないのか逆に不思議です。ここはマザー牧場のような観光牧場ではないので、外国から来訪した「人」など5本の指の数以下のはずです。特定できないのはおかしい。あまり考えたくはありませんが、政治的な裏を勘繰りたくなります。

これについては「みやざき甲斐」さんが執拗に調査していますので(いつもながらすごい馬力です!)、その結果を待ちたいと思います。

ウイルス媒介として、人、車両、器材による伝播が上げられて、いくつかの事例で具体例が示されました。飼料運搬車、家畜移動車両は予想通りでした。これも既に社名まで特定されています。

宮崎市内の例は飛沫核による空気感染とされました。なおやや意外なことに、他の地区では飛沫核による伝播は否定されています。というと、川南町の豚の連続感染事例は飛沫核でなかったということになります。

精肉、加工肉、野生動物についての言及はありませんでした。これは調べなかったというふうに解釈していいのでしょうね。

今後の対策は、まぁご覧のとおりで常識的なことです。私だってもう少し気の利いたことを書ける。ただ埋却地と資材、人員の早期投入の体制作りの提言は県は重く受け止めるべきです。

ちなみに国への要望はありませんでした。いいのでしょうかね。脱力感です。

というわけで、だいたいこのような内容が農水省の最終報告書の骨子となることがわかりました。実に空疎です。かえって私は意図的な情報隠蔽がありえることを確信しました。このままではうやむやのままに終わる、とした私の警告が当たりそうな気配です。

官がこの体たらくならば、私たち在野の有意の人々が真相を明らかにしていかねばなりません。

■写真 昨日に続き月見草です。桃色や淡い黄色など実に美しい。

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口蹄疫問題」カテゴリの記事

コメント

うはっ、
なんというデジャヴ!
ここで濱田さんが2ヶ月やってきたことを纏めただけじゃないか!

遅ればせながらですが、ブログ再開おめでとうございます。 

疫学調査結果、想定内だったこともありましたが、口蹄疫問題を追っかけていた素人の私ですら思わず何じゃこりゃ?と思ってしまった内容でした。

中国産稲藁は使っていないとしか書いておらず、当該農場が使っていた稲わらには一言も言及していません。 じゃあ、加熱処理が輸入条件に入っていない韓国経由の中国産稲わらはどうなのか? そういったものは一切宮崎には入っていないのか? 10年前もそうでしたが、今回も特定されず終わってしまいそうで何だか嫌な感じがしています・・。

http://www.maff.go.jp/aqs/tetuzuki/product/87.html

もともと、中国産稲わらでも、証明書さえあれば、輸入は可能でしょう。

すべて、ザルですので、、、

http://blog.goo.ne.jp/iloveyoujh1rfd/e/7758a153ca0a4ee0b0e9c4e0d3981b2c?fm=rss

自分の仕事に直結しているので、かなり真剣に討論をしていますが、専門家が少ないので、すっきりと前に進んでいない感じのブログです。

文義さま。ありがとうございます。私のブログはよそとは違って実名ブログですので、責任をとることにしました。
実名でメルアドまで表記していますし、私自身の社会的なスタンスもあります。たまによその匿名ブログを見ると「ここまで書けるのかぁ~。いいなぁ」とうらやましくなります(笑)。
私のブログ言説への批判は、すなわち社会人としての私への批判だと考えている古い人間です。
侵入ルートですが、私は中国産わらが主犯だと思っていました。しかし、これですと、よその県ででないのがおかしい。
モノといわれても、現実になにがありえるでしょうか?車なわけはないし、器材も現実にはないと思います。となるとやはり消去法で「人」ということになります。韓国、香港から来た「人」など特定できないほうがおかしい・・・。どうかしています。

ありんくりんさん、ちょっとコメント覧借りますね

to みきさん

私の場合、日本に口蹄疫ウイルスを入れないようにするのは国の仕事。
入っちゃったら国と併せて県、自治体、畜産農家の仕事って割り切ってます。
もちろん、侵入ルート解明が不要と言うことではありません。

今後近いうちにまたウイルス侵入があったとき、地域防疫・自衛防疫をどうすべきか、のほうが自身に直結しますのでそっちの方に集中しいてます。
まあ、それ以上というか、すでに私の能力の及ばないとこまで行ってますんで、てがでないというのが正しいかな??

危機管理の三原則の二番目に集中します

失礼

疫学の専門家でも、資料がなければ、どうにもなりません、資料の公開はされていません。発生箇所すべてのVP1の塩基配列も公開されていません。 OIE報告をなぞるような報告書です。

 4月20日以後の10日間でに半径5kmの発生調査でもなされているなら、ですが、殆どなされていません。 出火でも燃え後からでも検証できますが、そのものが、消えていくのですから。 
やりようがありません。 

 科学的検証をしたくても、資料公開のされていません。

聞き取り調査で分ければ、科学的検証もふようでしょう。 

はじめまして。
この調査結果にはがっかりでしたね。

初発とされた方のサイトを見ましたが・・・県が裏切った様なものですね。
あれだけ持ち上げておいてこの仕打ち。
「この人は宮崎出身ではないし、自殺の心配はないだろう」と思っているから初発にしやすいのかなと思いました。

疑惑の牧場は、宮崎県の他の地方に観光牧場?みたいなのがあります。
それも理由に含まれているから?

今回の様な疾病に関するものではありませんが、私も国関連の委員会に出席する事が多々あります。
事務方が原案を示し、それに対し意見を出しますが、原案を覆す大きな理由づけが為されない限り、若干の修正はあるものの、大部分は原案通りとなってしまいます。
今回の委員会も、国が持っている情報を全面的に開示した中での専門家会議で有れば別ですが、限られた情報しか与えられていなければ、国の都合の良い様に恣意的な内容になるものと考えます。結局の所、感染経路はいつまで経っても判明させないでしょう。
OMIZO様が仰られる通り、国家防疫は国が、都道府県防疫は自治体が、地域の防疫は地域で、町村は自衛防疫組合、自分の牧場は自防で・・・となるでしょう。
せめて、空港や駅、港等に消毒マット及び施設的に可能ならエアーシャワーの設置も行い、継続的な防疫対策実施をすべきだし、関係者一丸となって要請していくべきものと考えます。二度と同じ不幸な事件を発生させないために・・・

OMIZO様ではなく、「現役養豚家」様でした。訂正します。

国も県も、さっぱり調査してないことはわかっていましたから、フィールドの解明は今さらほとんど期待できないでしょうね。(保存血清を別にすれば。)

それでも、人や車、モノの動き、消毒体制、などなど、今からでも検証可能なこともいろいっぱいあると思います。

それも出てこない…。

そもそも、検証チームって、すごく人数が少ないですよね。委員の下に、どのくらい実働部隊がいるのでしょうか…??

農林水産省の食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会牛豚等疾病小委員会の動きを見る限り、北海道さまの思っているような結果に終わるでしょう。

「事務方が原案を示し、それに対し意見を出しますが、原案を覆す大きな理由づけが為されない限り、若干の修正はあるものの、大部分は原案通りとなってしまいます。
今回の委員会も、国が持っている情報を全面的に開示した中での専門家会議で有れば別ですが、限られた情報しか与えられていなければ、国の都合の良い様に恣意的な内容になるものと考えます。結局の所、感染経路はいつまで経っても判明させないでしょう。」

この部分、非常に、同意します。

(事前に、委員には、国からの情報提示も、開示もありません。実際、会議開催日まで、時間がなく、政治的圧力をかけない限り、のらりくらりと、担当省庁は、情報開示を伸ばしたり、わざと肝心なデーターを外して、FAXしてきたり、時間稼ぎが、すごいです。表向きは、協力的ですが、こちらが、どういう立場の人間か、わからないうちは、情報を出してこないです。委員に選任しておきながらね)

当日、意見を求められ、自分の数分間の意見発表で、委員全体を納得させない限り、無理です。とにかく、事務局サイドは、シナリオどおり、同意させ、いわゆる学識経験者も、納得したとのストーリーを作りたいだけですので。。

委員個人で、資料提供なしで、証拠を突きつけて、論破するのは、無理というか、不可能でしょう。

なんたって、疫学調査!ですから。。つまり、群全体の統計調査みたいなものなので、科学的検証とは、違いますから。。言い方は、悪いが、抽象的レポートで、充分なんです。官僚は、抽象的レポートを求めていますから。。国の責任問題になるような意見は、正しくても、絶対載せない。。必ず、証拠不十分、グレーだが、結論に至らないので、議題からカット。。。です。

厚生労働省関係の会議では、事実そうでしたよ。

わかりやすい資料ぺら1枚と、それを補完するデーターを委員メンバー数プラス事務局分、持ち込んで、やっと、聞いてもらえるかどうかって言うレベルです。

週1ペースで、一人だと、週のほとんどは、情報収集と資料つくりになってしまいます。

委員の下に、どのくらい実働部隊がいるのでしょうか…?>>>>専任は、たぶん居ないです。委員個人が、団体や大学の職員なら、それらの協力が得られるかも。。

口蹄疫に関する疫学調査チーム委員名簿
明石博臣(国)東京大学大学院農学生命科学研究科教授
あかしひろおみ
黒木昭浩宮崎県延岡家畜保健衛生所衛生課主幹
くろきあきひろ
末吉益雄(国)宮崎大学農学部獣医学科准教授
すえよしますお
津田知幸(独)農業・食品産業技術総合研究機構
つだともゆき
動物衛生研究所企画管理部長
筒井俊之(独)農業・食品産業技術総合研究機構
つついとしゆき
動物衛生研究所疫学研究チーム長
森田哲夫(国)宮崎大学農学部畜産草地科学科准教授
もりたてつお

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