宮崎口蹄疫事件 その55 「政治家・東国原」氏の敗北
昨日、東国原知事は、ついに国に膝を屈しました。
では何の何に対する「敗北」なのでしょうか?それは「政治家・東国原」の敗北であって、行政官としては平常ルートに復したにすぎません。「行政官・東国原」氏としては、県側の防疫責任者としてあたりまえのことをしただけです。
防疫上、薦田さんの種牛を処分するのはあまりにも当然の統治行為であり、異論の入り込む余地がありません。なにも政治家に聞かなくとも、私たちのような畜産関係者百人に聞けば、百人同じ答えを出すでしょう。
「薦田さんには心から同情するが、処分することが正しい」と。
ワクチン未接種で処分をしないまま正常国へ復帰することなど夢想であるということくらい「行政官・東国原」氏はよく理解していたはずです。
また、処分できないままの移動制限解除などありえない以上、知事が誰よりも熱望する非常事態宣言解除もまた永遠にやってこないことも明白でした。つまり、「政治家・東国原」氏は、「行政官・東国原」氏に移動制限解除を担保に取られて敗北したのです。
私は今回の種牛問題の本質は、東国原氏の政治闘争だと思って見ていました。それは、たぶん以下の「そのまんま日記」(7/10)に表明されているようなことではなかったかと思えます。
「現地対策本部長の篠原副大臣は「家伝法の見直しの中で国の防疫権限を強化する」「国が防疫態勢の全面に出てくるようにしたい」。また「今後のルール作りの中に、種雄牛の扱いを規定しなければならない」等と発言されている。至極正常・まとも・真っ当な指摘である」。
この中で篠原副大臣の口を借りて言っていることが、彼の政治目標だと私は思います。すなわち、宮崎口蹄疫事件のような広域・激甚な畜産伝染病における国家権限の強化一本化のための法整備を要求していく、いわばダシに種牛問題を使ったのです。
清浄国復帰という壁を背中にして、種牛問題を争点化し、「ひとりの農家薦田さんVS硬直した国家権力」という単純な図式をあえて作りだすことによって、国の不当性をアピールする心づもりであったと思われます。
そしてこの交渉の過程で、先に述べた国家権限の強化による防疫一本化のための法整備の見直しの材料を引き出せれば、「政治家・東国原」氏の勝利でした。
私は篠原副大臣(現地本部長)が漏らしたとされる言葉(東国原氏の伝聞だとしても)が正しいのならば、政府内部でこのような見直しが俎上に乗っている可能性も大きいと思っています。農業新聞から漏れ伝わる「家伝法の抜本的改正」などという情報は、このあたりを指したものではないかと思われる節があるからです。
この私の推測が正しければ、知事の勝算はなくはなかったと思われます。なにぶん一度、国は県所有種牛の処分見直しに合意してしまったという痛い腹がありますし、清浄国復帰という至上課題のために農家の私有種牛6頭を県所有とするトリックを見ないふりをして容認する可能性もゼロではありませんでした。
ただ東国原知事が見誤っていたことは、山田大臣が「悪玉」となる」ことを厭わなかったことです。山田大臣は、もはや感情的対立のレベルにまで達した知事との死闘を譲歩しようとはこれっぽっちも思っていませんでした。大臣は、仮に国への権限一本化への道があるとしても、それを知事の手柄になどする気はさらさらなかったということです。
山田大臣の態度は人間味はまったくありませんが、統治者としては至極まっとうな意思決定です。
そしてこれは別の見方をすれば、国家の防疫方針に県が楯突くことをこれ以上容認しえないという農水省の強い意志でもありました。
かくして、16日という制限解除日を背景にしたチキンレースは山田大臣と農水省が勝利して幕を閉じというわけです。もちろん私の論評は憶測で、単なる東国原氏特有の出たとこ勝負だったのかもしれませんが。
■追記
皆さんのコメント投稿が盛んなことは喜ばしいのですが、コメント欄は2チャンネルの板ではありません。以下がルールですので、注意して気持ちよく使って下さい。
①コメンター同士の悪罵、暴言。
②同様な内容の度重なる投稿。
③あまりに長いと思われるもの。
④当日の記事から大きく逸脱した内容の投稿。
« 宮崎口蹄疫事件 その54 東国原知事の背信と薦田さんの孤立 | トップページ | 宮崎口蹄疫事件 その56 東国原知事の戦いについて »
「口蹄疫問題」カテゴリの記事
- 石が流れ、葉が沈む 東国原氏当選、山田正彦氏落選の明暗について(2012.12.20)
- 家伝法の改革は必要だが、東国原氏に言われたくはない(2012.04.22)
- ありがとう、宮崎!(2012.04.21)
- 「事故終息」とは冷温停止のことではなく、住民が安心して戻ることだ(2012.03.02)
- 早川由紀夫氏、大学から訓戒処分を受ける。 学問の名に隠れての言論テロは許されない(2011.12.10)
コメント
« 宮崎口蹄疫事件 その54 東国原知事の背信と薦田さんの孤立 | トップページ | 宮崎口蹄疫事件 その56 東国原知事の戦いについて »
良かれと思いながらエキサイトしすぎてしまいました。
濱田様には心からお詫び申し上げますm(__)m
投稿: 山形 | 2010年7月17日 (土) 08時29分
山形さん。いえ、あなたのご好意は充分にわかっていますよ。いつもありがとう。
投稿: ブログ管理者 | 2010年7月17日 (土) 09時12分
初めから勝てないとわかった上での論理展開。
最終的には、悲劇の知事となるように組まれた行動。
「三方一両損」ってなんだったんだろう。
今回の寸劇は、政治家としてのにおいが強くします。
ただ、目的は
「蓮ほう氏やみんなの党さん達に頑張って頂いて、徹底的な行政刷新・国家公務員改革を断行して頂きたいものだ。何なら、微力であるが、お手伝いさせて頂いてもいいくらいだ。」
これに続くのかと考えてしまいます。
投稿: 全くの一般人 | 2010年7月17日 (土) 09時26分
16日のAM4時過ぎからの生産者からの説得、話し合いに薦田さんも決断してくれました。16日中には処分出来る予定だったのですが、掘削で水が出てしまい今日(17日)に処分なされます。
今回も結局見知った生産者同士の話し合いでしか結論が出せませんでした。山田大臣VSひがし国原の構図は何の目的が有るんですか?
山田大臣が薦田さんへお礼を述べるために面会求めているのをなぜ「どのつら下げてくる」と知事が口を出すのか分かりません。
何故そんなに薦田さんと大臣が直接会って『改善・改革』して欲しいと思っている要望を伝える機会を遮ろうとなさるのか。どんな理由が有るのか・・・。感染させなかった薦田さんの防疫方法も参考になる所があるでしょうし、今までの種牛の扱い、についても国に対して当事者の口からストレートに伝わった方が、宮崎の復興の為にも良いと思います。農家が大臣と直接会う機会自体も貴重で、長い目で見ても生産者の為になると思います。対策本部で座って指示を出すよりも足を運んで、空っぽの牛舎を見て、農家の気持ちを肌で感じる方が私は良いと思います。対策本部が縮小されたらいよいよこんな機会は無くなると思いますし。
今回の口蹄疫の犠牲が薦田さんの牛で最後になる事を願っています。宮崎には余りいない血の遠い貴重な遺伝子だったと思います。雨の後ですので作業の方々は県がこだわるお昼のニュースには間に合わなくても良いと思います。十分注意なさって下さい。
児湯郡の方々でも反論有るとは思いますが、軽率だったと私も思います。単純に子牛不足を心配しての行動だったのですが。昨日覚悟を決めたのに一日延びて、今日になりました。自宅にも一般からも電話が殺到しています。今はそっとしてあげて欲しいです。
薦田長久さん(72才)引退です。
投稿: みやざき甲斐 | 2010年7月17日 (土) 09時51分
今回の国と県のやり取りを見ていると「権利と義務」と言う言葉を思い出します。国の権利(権限)を振りかざすなら、義務も果たす必要があり、県も同じことが言えます。
国が悪い、県が悪いで責任のなすり合いによってもたらされるのは、国民(県民)の生活や営農活動に対する被害の拡大(金額や時間も当然だが貴重な家畜も)でしかありません。
国も県も行政である以上、国民・県民の利益を優先する事が何より大事です。国は国内全体への影響を、県は県内全体への影響を限りなく低減させる為に何を優先して行うかの判断が必要です。そこに、自身の立場や今後の身の振り方までをも計算してしまうと、今回の薦田さんのような被害者を発生させてしまいます。
牛を愛し、手塩にかけて育ててきた種牛を殺す殺さないで、他の同業者や県民に影響を与えてしまう・・・と考えたら、薦田さんの出す結論は火を見るより明らかです。移動制限解除か否かの判断を1畜産農業者に負わせ、挙句の果てに名前や顔を全国ネットのニュースで取り上げる事自体、恐ろしいことであると言わざるを得ません。(放映には本人の了解は得ているとは思いますが)現政党がどうとかはこの場ではコメントしませんが、国や県が国民の幸せを一番に考え、大事にする国になって欲しいと願っています。
全ての人たちに、人や物、家畜などに対する、心配り・気遣いの気持ちを持って欲しいと思います。
投稿: 北海道 | 2010年7月17日 (土) 10時08分
>山田大臣の態度は人間味はまったくありませんが、統治者としては至極まっとうな意思決定です。
私も山田大臣に情を感じません。
今回、薦田氏や知事と会おうとせず、処分を薦田氏が受け入れたら、会いたいと言う。
知事は当初、民間種牛は処分を受け入れてほしいと言っていたと思います。で、説得に言ったら「県に譲渡する」という条件を出され、種牛擁護になりました。ミイラ取りがミイラになってしまった、と思いました。
山田大臣はかつて牧場経営をしています。
自分が薦田氏を説得できるのか、ミイラ取りがミイラになってしまうのではないか、、、
会えば情にほだされる・・・と思い会わなかったとしたら、リーダーとしては正解だと思います。
山田大臣、時に憎く思いますが、リーダーとしては必要な人なのかもと思います。
投稿: 工房Spin | 2010年7月17日 (土) 12時56分
本日の東国原知事のブログは、胸の内を綴られています。
現地の人間には深く読み取れる部分もある内容となっています。
多方面の立場から推測、予測を混じえながら今回の宮崎口蹄疫事件を評論される方は、是非、ご一読を。
投稿: MIC | 2010年7月17日 (土) 19時50分
様々な意見のもとに議論がおこなわれることも、それによって様々な人間性にもとづく思想のやり取りが行われることもとても良いことです。
しかしながら今度の口蹄疫、そして一連の騒動に関して、管理人さんも皆さんもとても立派なことをおっしゃっていますが、的外れな印象しかありません。
自己主張したいがための時事話題は大変不快です。
それでは失礼いたしました。口蹄疫の情報が欲しいばかりに私が誤ってたどり着いたように、皆様の“と思います”ばかりの自覚のない中傷が宮崎の畜産農家、宮崎に住む方々の目にふれることがありませんよう祈って。
投稿: 宮崎県民 | 2010年7月17日 (土) 20時02分
濱田様の最初のころの検証には、敬意をはらっておりましたが、マスコミの情報に毒されてこられたのでしょうか?ずれてきたのが、残念です!!
ああ、この方でさえ、これか!
現地の事が、東国原知事(まあ特異なキャラではありますが)のことでずれまくり・・・
もし、彼が宮崎の畜産家の代弁者として信頼を得ていないなら、いかに愚かな宮崎畜産家達といえど、声を出しているでしょう。
最近の知事のやけっぱちなブログ、ツイッターを見るにつけ、彼はすでに、辞める意思ではないでしょうか。
投稿: 高鍋町民 | 2010年7月17日 (土) 20時36分
こんばんは、濱田さん
この稿の最期を「チキンレース」と表現されてますが、
こういう表現こそ、犠牲を強いられた宮崎県の畜産農家の
方々や県民の方々を侮辱する表現に見受けられます。
投稿: doll24 | 2010年7月17日 (土) 21時13分
宮崎市民です。
昨日今日大臣になったばかりの山田と宮崎県知事をおなじ土俵で評価するのはやめていただきたい。
背負っているものが違いすぎます。
ちゃんと山田の経歴、支持団体、思想、何をしようとしていたかを調べてからにしていただきたいものです。
知事を検証したのなら山田も検証されるんでしょうね? 楽しみにしております。
投稿: コンソメ | 2010年7月17日 (土) 21時27分
doll24さんの言われる箇所は、私も先程のコメントで指摘しようか迷ったところですが…。
私のコメントには、余り反応はされません濱田様ですが(笑)、ブログの内容や知的レベル、洞察力から一目置いております。
せっかくこのように立派なブログで多数の方々の注目を集めていらっしゃるので、掘り下げる方向を外さないよう期待致します。
コメントは最後にさせて頂きますが、これからも時々読ませて頂きます。
投稿: MIC | 2010年7月17日 (土) 21時39分
宮崎の地元の方々の切なる思いは理解しています。私は中傷や誹謗をしたくて、コメントをしているつもりは有りません。遠く離れた北海道人ですから、被害を受けた様々な人の気持ちを全て理解する事は出来ません。当然私も普通の人間です。途切れ途切れの情報や、地元みやざき甲斐様及び濱田様のブログから得た情報について、感じたままをコメントしています。私も今回の様な甚大な被害を出した事例を体験してはいませんが、BSEの発生に対する農家対応(同居及び同時期に同じ餌を食べた可能性があるというだけで、今朝まで搾乳していた牛を殺す為に車に乗せるなど)もしてきました。以前にコメントした「サルモネラ」に感染した牛を薬注により殺処分する為に牛を保定したり、車に積んだり・・・・と、今回の件とは規模も次元も違いますが、立ち合ってきました。平成15年に起きた大地震の被害も受けました。しかし、自分の家の修復より牛の「飲み水」や搾乳する為の「水」の確保に町内を10日以上駆けずりまわっていました。全てとは言いませんが、農家の苦しみは痛いほど分かりますし、決してお金だけで済む問題ではない事も理解しています。
少しでも役に立てて頂きたくて、所属団体の支援要請にも些少ですがカンパもしました。また、別な団体のカンパにも協力させていただきました。無責任なコメントだけをしている訳でない事だけは宮崎の方々にも分かって欲しいと願っています。
投稿: 北海道 | 2010年7月17日 (土) 21時54分
おす!
線香あげたか?あげる容器ない人は、危ないから、あげないように。手を合わせるだけでも、伝わると思う。
六頭が生まれ変わっても、また、薦田さんちの自慢の息子達になりますように。
あなたが、六頭のうちの一頭だったら、薦田さんに、何ておもうのヨ!
…六頭を諦めたら、菌は、いなくなるのかよ!逆に!ちうの靴の溝にも、きっと、口蹄疫ついてるし!
… そうゆうこと、考えた事ない?
投稿: ちう | 2010年7月18日 (日) 01時30分
2000年の口蹄疫被害も含めて、いろいろな点で、不自然、不合理な点が多い。特に不自然なのは、6例目の水牛農家へだけ、1例目と飼料会社が共通だということで立入検査がされたことだ。飼料会社は、1例目と6例目にだけ飼料を納入していたのだろうか?
その他、積極的発生動向調査が全くされなかったことも非常におかしい。おかげで、何が感染源か、全く分からない。1例目の当面の措置という欄には、「3.周辺農場及び関連農場の立入検査等を実施。」としているのに、2例目の記事では「確認農場においては、飼養牛全頭の殺処分、汚染物品の埋却、畜舎の消毒等を実施予定。」と立入検査のことは既に触れなくなっている。更に、4月23日、つまり、一例目から3日後の「防疫措置について」という記事では、「2 清浄性確認について
移動制限区域及び搬出制限区域内を対象とした電話聞き取りによる清浄性確認については、今日から団体獣医師の協力も得ながら、清浄性確認を行っている。」としている。つまり、立入検査は最初からまったく行われていず、農場主による目視検査の結果を電話で県の担当者が聞いていたということなのだ。なぜ、対策が後退したのか、その理由も述べていない。
その他、子細に見ていくと、どう考えても不合理・不自然としか思えない行政の行動や事件の推移が20や30は出てくる。
だから、今回のことは、政治を巻き込んだ非常に大規模なテロであったのだと思う。
投稿: taked4700 | 2010年7月18日 (日) 01時51分
北海道様
いつも的確なコメントで宮崎を見て頂いているとおもいます。誹謗中傷や偏ったコメントは一切なく見識の高さは皆さんお分かりかと思います。今後とも色々なご意見お聞かせ下さい。また義援金についてもお礼申し上げます。
高鍋町民様
「いかに愚かな宮崎畜産家達といえど」、とおっしゃられますがどこにもいらっしゃいませんよ。素晴らしい方ばかりです。もしご存知なら教えて下さい
doll24様
よく読みください。濱田さんはブログでは一切宮崎県の畜産農家の方々や県民の方々を侮辱された事はないですよ。
ちう 様
めす!コメントありがとうございます。馬頭観音に行ってご飯抜きました。寝付けないので焼酎飲みながら合掌しとります。きっと生まれ変わって薦田さんの息子さん所へ帰って来ると思います。
濱田様
すみません、個別に私がコメントすべきではないですがお許しください。
投稿: みやざき甲斐 | 2010年7月18日 (日) 02時30分
ってー先に言われた
水戸黄門風にいうと、種牛の権利の独占をしたいがため、国が仕組み(だから、農協の現場の人達は味方)、農協種牛は、初めから仕方なく残す予定で、唯一の種牛屋である、薦田さんち全部 が標的だった!
たった六頭の、検査って、そんな大変でないっしょ!
ちょっとだけ大変でも、大臣さえ『百%大丈夫がでたら』って、言えば良かったんだ。
種牛屋の薦田さんという、種牛と同じ価値のある人まで、失ってしまうところまできて…る。
そうそう、北海道の国による乳牛虐殺事件のその後だって、不足の時、輸入品緩和が起きたっしょ!
ちがうか!?
投稿: ちう | 2010年7月18日 (日) 02時35分
ごめん!
妄想!でしたって、付け加えても、い?
薦田さんに、大臣はこれから予定未定で会いに行くって、ニュースが、悲しくて。
ちうは、ビール瓶一本飲めるようになりました。朝は、薦田さんのニュースがauニュースで観らんなくなってて、トップでなくてもって、もしかしたら、好転してるかもって、みたんだけど、そうで、薄情さが悲しくて、あんなに出たかた物が、生まれて初めて、夕方まで引っ込んでました。
あまりの悔しさに。
投稿: ちう | 2010年7月18日 (日) 02時50分
「ワクチン未接種で処分をしないまま正常国へ復帰することなど夢想であるということくらい「行政官・東国原」氏はよく理解していたはずです。」
↑ここの部分だけ突っ込ませてもらいます。この文章だと例外の県所有の種牛5頭残っているので清浄国には戻れないことになります。
そんなことはないので、冷静に書かれた方がいいですよ。
投稿: きこり | 2010年7月18日 (日) 07時18分
だから、県所有の種牛の例外処理を認めたこと自体が、本来ならあり得ないことですよ。
種牛を国が独占とか書いている方がいるが、日本には、鹿児島、北海道など、種牛を所有している県はかなりある。多分、10県以上に上るはず。だから、そういった説明は合理的ではないと考えます。
自分は、宮崎県の役人がそもそも、今回の口蹄疫が人工的に起されたものであると知っていたように思えて仕方ありません。一番最初に豚への感染が確認されたのも、県の施設ですし、初期対応が遅れたのも県の責任です。
種牛の件は、県の施設から移動直後(移動の翌日)に、他の牛への感染が確認されています。多分、最もきちんと感染防止がされていたはずの県の施設で、こういったことが起こること自体が非常に不自然なことだと思います。
また、県所有の種牛6頭が移動したのち、その内の一頭に感染が確認されたにもかかわらず、他の5頭については感染していない。口蹄疫はそんなに選択性の高い感染方法をするのでしょうか?ミツバチは誰かを刺すと針が刺した相手の皮膚に残ってしまい、二度と刺すことができなくなります。蚊のほとんどは一度十分に吸血したら、他には吸血しようとしないでしょう。
しかし、そういった感染ルートだとは全く言われていません。感染ルートについては全くの未解明です。感染源についても、全く不明なまま。
最初に戻りますが、県所有の種牛を例外処理したのは、県自体が、5頭には感染しないという確信があったからと見えてしまいます。実際、感染したのは一頭のみ。県施設から移送したときには、6頭が2台の車に分乗したと言いますから、普通なら、3頭づつ乗ったはずで、そういった濃密接触があっても他には感染していない。更に、この移送時には、移送先の準備ができていず、車内で一泊したという報道まであります。
県施設での感染が確認される前日に、移送先の準備さえできていないところへ車で移動させるということ自体が、あまりにおかしくはないでしょうか?
投稿: taked4700 | 2010年7月18日 (日) 12時47分
ちょうど話題が盛んなときにはこのブログの存在を知りませんでした。ぼくも近いことを感じていたのですが、これほど明快に論じた文章には初めて出会いました。かなりすっきりしました。
薦田さんの種牛を処分しないまま清浄国復帰が本当にできないのかは専門的すぎて、いくら調べても確証がもてませんでした。わかったのは、OIEの規定の文言の切れ端を取り上げてもあまり意味がなさそうだということでした。国の防疫指針と他の農業政策との関係など複雑な問題があるようだということだけです。
ただ今後のために、殺処分を前面に立てた手法だけが正解ではないという見直しをしていく契機になればよかったと思うのですが、どうもそのまえに話がそれてしまったような気がします。
一連の流れでもっとも気になったのは、薦田さんという個人を東国原知事が自分の政治的な駆け引きの盾にして、最後に捨てたように見えたことです。そのことを気にする人にあまり出会わないのは不思議です。
投稿: mumlob | 2010年8月10日 (火) 04時04分