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宮崎口蹄疫事件 その70  大規模農場の数々の「可能性」について

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コメント欄のご指摘をいただいて訂正をいたします。

前回記事の「事実、後にえびの市に移動したことは疫学チームにより公表されていますが」の部分は正確ではありませんので、訂正いたします。

[以下引用]

6/8 宮崎日日新聞
終了後に同事務所で会見した津田チーム長は「(家畜運搬車両が)川南町の農場で牛を積み、関連があるえびの市の牧場でもさらに牛を積み込んで、食肉処理場へ出荷していた。そういった運搬車の利用があった。時期的にも一番疑われる」として、農場間を行き来した車両が感染を飛び火させた可能性が高いことを示した。

農水省 口蹄疫疫学調査チーム第4回検討会概要
3 感染拡大要因について
車両(家畜や飼料の運搬車の畜産関係車両):えびの市での発生事例については、川南町の関連農場から出発した家畜運搬車両等が関連していた可能性があり、

[引用終了]
失礼をいたしました。正確ににはこのようなことしか農水省疫学調査チームは言っておりません。したがいまして、以下のように訂正いたします。

えびの市への感染拡大は関連農場である川南町の大規模農場から出発した家畜運搬車両が関係していた可能性がある

この川南町の大規模農場から、えびの市の系列農場へと向かった家畜運搬車両が単なる「空気」を運んでいたこともありえますので、私の「家畜を移動した」という表現は適切ではありませんので訂正いたします。

それもあくまで「可能性」としか農水省は公表していない以上、えびの市には別なルートで飛び火した可能性も理論的にはありえることになります。

農水省の疫学報告は常にこのような「可能性」という言葉で、結論を先延ばしにしており、このような言い方が修正されないかぎり私たちも同様な表現にとどまります。

現在の家伝法においては、農水省疫学調査チームはいかなる捜査権限も持っていません。ですから、強制性をもった農場調査を行うことはできません。立ち入り調査は任意でしかなく、遡及調査はただ「聞く」だけに限定されいます。

車両の移動を調べるために必須である車両運用日誌や、作業日誌、あるいは家畜の移動を調査するトレサビリティ関係書類などは任意で見せてくれることを「お願い」できても、それを証拠物件としての押収することは、現行法では不可能です。

したがって、物証が存在するはずがなく、あるのは単なる「疫学的」な、しかも単なる「可能性」でしかありません。要するに農水省疫学調査チームは、国家のもっとも権威ある調査であり、事実認定に等しいことを行いながらも「なにも言っていない」ことに等しいわけです。

一般社会の通念ではこのような「可能性」だらけの報告書を書けば相手にされませんが、こと家畜伝染病調査における国家調査ではこれが常識のようです。

前々から指摘しているようにこのような曖昧で無力な国の調査が、かえって「うわさ」による風聞を増長させてしまっています。うわさはあくまでも出所不明ですが、それが国家が否定しないままに一人歩きしてしまっています。

なにが正しく、なにが誤った情報なのかを峻別することから遠ざけてしまっているのは、他ならぬ国家なのです。

たしかに、この大規模農場はコメント欄の別のご意見のように「感染させられた被害者」である側面もあります。しかし、この大規模農場の届け出の6日間の遅滞により(これは「可能性」ではなく事実認定済)、感染拡大が大きく進行してしまったことはたしかであると思われます。いやもとい、「感染拡大してしまった可能性」があります。

またいかに「空気」しか運んでいなかったとしても、えびの市というクリーン地帯に汚染車両の「可能性」がある運搬車両をうつかにも移動してしまい、その車両を介して口蹄疫ウイルスが拡大した「可能性」があります。

そしてこれらの「可能性」が事実ならば、大規模農場の反社会性の「可能性」を指摘されてもやむを得ないことだと私は考えます。

私のブログは光栄にも2chの口蹄疫スレに貼られているそうなので、今後注意することにいたします。ご指摘ありがとうございました。

■ 写真 お盆の村のお墓。百日紅が満開です。眠るなら、こういう田んぼと川を見わたせる小高い丘がいいですね。


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コメント

お疲れさまです!

なんでも2ちゃんに張り付ける奴は実際います。
多くの人間の目に止まること自体はいいのですが、結果炎上させられるブログも多いですから気をつけてください。
いやあ、ストレス溜まりますね。

暑さに負けずに頑張ってください。

投稿: 山形 | 2010年8月 9日 (月) 11時18分

口蹄疫に巻き込まれた方々へ
 ひたむきに再開に向けて頑張って頂いてありがとうございます。台風の足音も聞こえてきましたが、大変な作業ですので事故にだけは注意して下さい。
一人でも多くの方が復帰して下さる事を願って応援していきたいと思います。
 疫学調査も国が行う事です。それはそれとして見守るしかないのが歯がゆい思いはします。

濱田様
調査を静かに見守りたいと思います。再開に向けてひたむきに頑張っておられる姿、恥ずかしくなる思いがしています。

投稿: みやざき甲斐 | 2010年8月 9日 (月) 22時19分

初めまして。
このブログでは、口蹄疫について国や県などさまざまな立場から、公平に書かれていて安心して読ませて頂きました。
最近、大規模牧場の隠ぺい疑惑に知事が加担していたと言って、知事を叩く人がいて恐ろしくなったと同時に悲しくなりました。
私の住んでいる所も、口蹄疫で6割の牛や豚の命が失われてしまいました。牛や豚の小屋が空っぽになってるのを見ると、辛いし、寂しい気持ちになります。

投稿: はま子 | 2010年8月10日 (火) 11時03分

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