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2010年8月11日 (水)

宮崎口蹄疫事件 その71  県事業団、謎の種牛16頭の隠密移動

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県事業団や県畜産試験場は、県営の指導的団体であるのに、感染侵入を許してしまいました。ほんとうは初発もさることながら、このような本来もっとも高いウイルス・セキュリティを持っているべき両団体が、片や感染拡大のハブとなり、片や貴重な種牛にまで感染させるという大失態を演じてしまいました。

あの忠富士など事業団の種牛6頭は、特例措置ということでものものしい警備のもとに移動していった光景を覚えていらっしゃると思います。宮崎県警のパトカーが先導していましたね。

あの特例措置自体が、宮崎県知事の家伝法に対する対決の始まりでした。家伝法は本来、国から県地方公共団体に対する法定受託事務ですが、このように受託事務を請け負った自治体が国の意志に逆らうという事態は想定されていませんでした。

たぶん家伝法が施行されて初めての「あってはならない事態」だったと思われます。このあたりからそれまで隠然として存在してきた、国と県の確執はモロに表面化していくことになります。

火が燃え盛る火事現場で、消防隊が内ゲバを始めたようなものです。

さて、この特例措置で種牛6頭が移動し、また49頭の延命が大きなニュースで全国に流れる中で、もうひとつの事態が進行していました。

それは種牛候補牛16頭が秘かに宮崎県内を移動していたことです。5月16日に高原町を出て、高速高原インターに乗り宮崎港に向かい、船に乗り換え、日向港から高千穂に向かいました。

この移動ルートには、宮崎市、都城市があります。ここで県と地元自治体が設けた消毒ポイントを果たして通過しているのかが問題になります。一説によれば、日向港からの移動ルートは、マスコミなどの眼を逃れるような裏道を辿るもので、公的消毒ポイントが意識的にはずされていた可能性があります。

まさかと思いますが、この両市はこの移動の後日に感染が発生しています。因果関係はなんとも言えませんが、気になるところではあります。

私には時々、県知事の言動がわからなくなる時があります。全国マスコミにはこの種牛6頭が処分されれば、宮崎牛の血統が途絶えてしまうという言い方を知事はしていました。

しかし現実には、種牛候補牛16頭がおり、それを隠密で移動していたことが真実だとすれば、知事の言説はにわかに信憑性が揺らぐことになります。国民は知事の声に応えるようにして「宮崎牛の種牛を守れ、国は冷血だ」という方向で世論形成されており、延命嘆願署名運動も起きました。

それは、悲劇の宮崎県の復興を約束するはずの種牛までもが、殺されてよいのかという国民的な憤りだったと思います。知事は、国に対して法定受託事務を請け負っている責任者とは思えない調子で、「融通が効かない。硬直している」という批判を連日投げつけていました。

これに屈するようにして赤松前大臣が特例許可をすることにまで発展しました。たぶん政府内部では、後の言動から見て山田現地本部長(当時副大臣)は強硬に反対をしたことが憶測されます。

国としては「あってはならない事態」をこのまま放置していけば、ワクチン接種地帯の対応で、「第2、第3の特例」を生むことなるという強い危惧があったはずです。

行政業務において、とうぜんのこととして前例がいったん出来てしまえば、それを覆すのは非常に難しく、新たな事態を拘束する「前例」として確固として踏襲され続けるからです。

事実、薦田さん所有の民間種牛問題という形で、その危惧は爆発し、国と県が和解することすら難しい対立へと導いていくことになります。

この導火線に種牛6頭の特例と、その陰で進行していた16頭の種牛候補牛の隠密移動を重ね合わせると、県知事の意図が見え隠れします。つまり、種牛6頭の延命を強調するために、あえて実は存在している16頭の種牛候補とその移動を秘匿したようにみえるのです。

この事実が公表されたのは、46頭の処分が決まってからでした。

■写真 霞ヶ浦の夜景。

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口蹄疫問題」カテゴリの記事

コメント

移動ルートは、鹿児島の志布志港からなので、宮崎と都城は通っていないそうです。

地元なので、エントリーの隠密移動のルートが気にまります。他の方やツイッターでも指摘のある、鹿児島の志布志港~云々の件。下道(志布志まで高速道路なし)移動なら、高原町からだと都城市を経由しなくては志布志へ移動できないと思います。小林/えびの方面から鹿児島経由(高速・下道を使っても~)途中に何ヵ所も、防疫ポイントがあって、なかなか移動は難しいかと…。それを掻い潜るから“隠密”って言うのでしょうけど。志布志港/宮崎港~いづれにせよ、移動が出来たのなら防疫体制に大きな問題を残します。

 名誉毀損で訴えられるにしても、真実のみを伝えていれば、きっと理解が得られる筈です。
 逆に、思い込みや不確かな情報を元にした記事は、訴えられる危険性だけでなく、周囲の理解も得られなくなってしまいます。
 全てを疑ってかかるのは、基本となる姿勢ですが、思い込みによって推察が歪んでしまうのは、好ましいことではありません。
http://d.hatena.ne.jp/move2600/20100806/1281047300
こんなふうに書かれてしまいますよ。
 すべて事実で固めて行きましょう。
 頑張って下さい。

濱田様
そんなことあったんですか!?本当なら大問題ですよ。
「この仔たちは絶対感染していない!」と確信のある牧場主・獣医関係者や、東国原知事の政治的センスや「気骨」が感じられる出来事ではありますが……間違いでなければ、やっぱり「クモワカ伝貧事件」以来、50数年振りの出来事です。

なにしろ今回の相手は口蹄疫ですから、出た先々での無事が確認されればいいのですが…知り合いの獣医は「口蹄疫?はっきりいってすぐに断定なんて無理!本の古い資料しか症例出てないよー。もちろんパンデミック最中の現場で経験積めば違うかもしれないけど…」という反応でした。

やはり安くて高性能な簡易検査キット整備して欲しいところですね。

宮崎の皆様、延岡学園初戦突破(なんでいきなり九州対決なんだか…)おめでとうございます!
高校野球らしいシャキッとした清々しい好ゲームでした。

移動先の地元民です。
私が直接聞いていた話ですが、職場の同僚の携帯に友人から電話があり、「議員さんが、高原にいる16頭を移動する話がある。船で日向の細島港に来て、そのあとは林道を移動するらしい。何かしらないか?」と言う内容でした。実際は、その電話の時点では、移動が完了していたみたいですが。
少なくとも、日向から高千穂までの間では、林道を利用していれば、公的な消毒ポイントは通過していません。また、後日談があり、その移動の際、高千穂の町長は、その事実を知らされていなかったと言う話です。事後承諾だったようです。
ま、これも聞いた話ですから、噂と言われたらそれまでかもしれませんが・・・

管理人様。地元です様

私も同様な話を聞きました。
それで、ふと疑問に思ったのですが、知事は16頭のことを知っていたのか?と言うことです。自治体の長ですから知らないことはないと思うのですが、もしかしたら知らされていなかった可能性があるのでは?と。
だから、特例や49頭の延命にあれだけ躍起になった可能性はないでしょうか?

隠密移動した16頭のその後が気になります。
元気なんだろうか?
今現在、誰が面倒をみているのか?
今後はどうするのか?
疑問だらけです。

6頭(後に5頭)の特例を認めた事がそもそも・・・な話であり、49頭の延命に至っては、何をか言わんや・・と言う気持ちで、報道を見ていました。
更に16頭の隠密移動となれば、県のエゴとしか判断の仕様がありません。
最終的には、県益優先の考え方が窺い知れ、OIEの判断は分かりませんが、国内酪農畜産に関わる者なら、ほとんどが首を傾げる行動だと思います。
確かに現地の黒毛和種関係者にとっては、命の綱を断ち切られる事態だとは思いますが、結果として20万頭(牛だけでは無いですが)に近い貴重な命と、多くの畜産農家の悲劇を生む事に繋がったと思います。
(この種雄牛が直接の原因では無いにしても、その甘い考え方が・・・と言う意味です)
発生地域は勿論県内の関係者の必死な努力により、県外発生まで及ばなかった事は称賛に値する事だと思いますが、6頭、49頭、16頭については、最終的に陰性だとしても、県内他地区及び隣県、九州全域、国内畜産業までを感染リスクにさらした行為は、厳しく断罪すべき事項であると言わざるを得ません。
このブログで以前にコメしましたが、仮に6頭が100点満点の種牛だとしても、98点や97点の種牛(それも宮崎の血統由来のものを含めて)は、全国にゴロゴロいます。
また、現時点「忠富士」が最高と言っても数年後には新たな種牛が出てきます。一種のブームです。
関係者なら、「文次郎」や「北国7の8」など、一時期人気となった牛の名前を知っていると思いますが、数年後の今は、懐かしい名前として話題に上がるくらいです。時代とともにエースは変わります。いつまでも固執していては先には進めません。
知事をはじめ、関係者が目を覚ましてくれる事を祈っています。
全国の関係者は、感染拡大防止に必死に取り組んだ宮崎の人達の苦労を決して忘れていません。気持ち良く沢山の人々が応援できるよう、スッキリさせて欲しいと思っています。

杉田充司さんのツイートより引用。
http://twitter.com/JIGEN_DAISUKE_
「16頭の移動ルート違うよ。志布志港からで宮崎・都城を通過してません。 」
「志布志ですから、おそらく都城は通過したでしょうね。ただ、高崎町で発症との関連はないでしょう。畜舎のない地域を縫う様に移動したハズですし、時期ももっと早いハズ。」

北海道さんお疲れ様です

>6頭、49頭、16頭については、最終的に陰性だとしても、県内他地区及び隣県、九州全域、国内畜産業までを感染リスクにさらした行為は、厳しく断罪すべき事項であると言わざるを得ません。

果たして厳しく断罪すべきなのでしょうか?移動ルートも推定でしか指摘されてない状況では「厳しく追及すべき事項」だと思います。
揚げ足取りのつもりはございません。
6,49、16 。。。では薦田さんの種牛を処分せず薦田さんの要望通り国が血液検査を受け入れたとしたら、その件も断罪すべき事項となるのでしょうか?

doll24様
確かに「断罪」は6頭、16頭、49頭全てを含めると適切ではないですね。訂正します。
16頭については避難経路によってですし、49頭については、最終的に殺処分された訳ですから断罪は当てはまりません。
しかし、6頭(後に5頭)は別です。
特例で法的にはクリアしているので、宮崎に全ての責任があるとは言いませんが、認めた国を含めて断罪すべきものと思っています。
検査結果が陰性だったから、良いのではないか?では、他の一般農家の牛と扱いの差があります。
他地域及び、肉牛以外の畜産農家(養豚業)では、概ね反対の立場であると想像しています。

志布志港は鹿児島県ですから、事前に鹿児島県側に何からの打診はしてあったのでしょうか?鹿児島県側には何の連絡なしに、移動したのでしょうか?あの時期は種牛移動、49頭延命云々で、世間の注目が集まっていた時期ですから、もしそのような移動が行われていたら、どこかで人目につきそうな気がしますし、ニュースになりそうな気もするのですが?

初めまして。
宮崎県人です。
この種牛候補の移動は、陰蜜移動ではないですよ!
ちゃんと宮崎では、テレビで放送していましたし。
その前に、陰蜜と思われた理由は、放送規制されていたときですからね。
宮崎県人以外、口蹄疫のニュースが伝わりにくかった。
そのお陰で、このように思われる事がとても悲しいです。
事実をしっかり把握してから、ブログへUPして欲しいです。

テレビで放送されましたか?
私が同僚の電話の話を聞いた時には、すでに移動されていましたよ?
その時は、多くの同僚が一緒にいましたが、みんな、有り得ないと否定していましたよ?
どの放送局で、いつ映像が流れていましたか?

地元さんへ
ず~っと以前、地元の夕方のニュースでやってましたよ。
○MKも○RTでも。
それに、種牛候補が高千穂へ避難していることは、特ダネでもやってましたよね?
この事をこうやって言っていることが不思議でなりません。
私が、情報に疎いんでしょうかね??

baruさん
私がその話を聞いた時は、まさに、その移動が行われた、その日でした。そして、その日には、その事が報道された記憶はありません。周りの誰も知りませんでしたし、県からの公式報道がありましたか?記憶では、一週間後に宮日新聞に載ったのが最初の報道ですが?
テレビで放送があったのは、その新聞報道の後では見ましたが?

地元ですさんへ
そうなんですか?
私の記憶が曖昧なのかもしれませんが、
移動しますって放送と無事に移動したって
放送を見た記憶があります。
陸路は移動制限を通るからフェリーを使って…って。
私の想像なのでしょうかね?

それに、どこが問題のなのかも??
高岡にいた種牛候補を避難したのも、まだ高岡は移動制限にはなっていない時期ですし。
違法ではないと思います。

baruさん
高岡ではなく高原です。
また、種牛候補牛については、移動しますと言う報道は、ありません。宮日に、県によると、すでに移動済みと言う報道があっただけです。
その後、テレビで移動先の畜舎の映像がでましたが。
確かに移動制限区域外ですから、動かしても違法ではありません。それなら、ちゃんとみんなに知らせるべきでは?
移動先の町長は、移動されることを知らなかったのですよ。事後報告で知ったのですよ。そして、移動も国道を使わずに脇道の林道を利用したのですよ。違法でなく何も問題ないのであれば、堂々と国道を使えば良いのではないでしょうか。
消毒ポイントを避けるような行動は、公人たる県のする行動でしょうか?
法律違反していなければ、それで良いのですか?

批判されるべき点は真摯に受け止めるべきではないでしょうか?
宮崎は全国から、多大な支援を受けたのですから、それに対して誠実な態度でこたえるべきです。
確かに理不尽な批判もあるかもしれません。
しかし、特例6頭を含む、種牛問題に対する全国の批判は、決して理不尽ではありません。
あの特例が、今後の日本の畜産を根本から危うくする可能性を含んでいる事を、宮崎にすむ我々は気がつかねばならないです。

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