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2010年8月29日 (日)

宮崎口蹄疫事件 その86  疫学調査への疑問 本日資料のみ

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熱波のせいかパソコンが不調です。先週から変だったキーボードが完全におかしくなって、シュールなことを打ちます。

時折、今のようにマトモになるのですが、すぐにすねる、泣く、わめくです。復旧に勉めますが復調するまでちょっとかかるかもしれません。

というわけで、本日は疫学調査周辺の資料記事を論評なしで掲載するに止めます。

最初の毎日新聞宮崎支局の石田記者記事は、足で書いた記者魂のある内容です。ぜひご一読ください。

2番目は、第6例の水牛農場のHP「チーロエスポージト」からのものです。行間に疫学調査へのいいようのない怒りがにじんでいます。

■[毎日新聞(2010年8月8日)より以下引用。

 現場発:口蹄疫調査に農家不信 感染経路不明 なぜ「初発」特定

 宮崎県で牛や豚などの家畜約29万頭を殺処分に追い込んだ家畜伝染病・口蹄 疫(こうていえき)は、県が27日に終息宣言する見通しだが、感染ルートの 解明には至っていない。感染の経緯を調べる農林水産省の疫学調査チームは 7月23日、第4回の検討会で初発事例を具体的に示しながらも「ウイルス侵入 経路の特定は困難」とした。初発とされた農家らは「まともに当事者の話を 聞かずに結論を出してほしくない」と戸惑い、不信感を募らせている。【石田宗久】

 初発とされた都農町の竹島英俊さん(37)はイタリアでチーズ作りを学び 3年前、移住した。水牛約40頭を飼い、未明に 搾った乳を東京のレストラン に届ける日々は、口蹄疫で絶たれた。

 3月末、元気のない水牛を かかりつけ獣医師は風邪と疑った。獣医師が保管 していた検体で4月23日、6例目と確認。疫学チームは「ウイルス侵入は最も 早い3月中旬と推察される」とした。

 口蹄疫は今年に入り韓国や台湾で流行していた。竹島さんは調査で、渡航歴 などを質問されたが、「パスポート提示さえ求められなかった。こんな調査 じゃ納得できない」と怒る。一日のほとんどを農場内で過ごし、観光客も原 則として受け入れていない。「なぜ感染したのか。殺された動物のためにも 徹底的に調べてほしい」と強く求める。

 「水牛から人を介して広がったのなら、まず発症するのはうちのはず。なぜ 何も話を聞きに来ない?」4月23日に5例目と確認された川南町の森木清美さん(61)は首をかしげる。竹島さんの農場を手伝う親族が連日、お茶を飲む ため家に立ち寄っていたからだ。牛75頭の中に発熱を確認したのは22日朝。

 「ウイルスがどこから来たのか。はっきりしなければ怖くて経営再開できな い」

 疫学チームは、3月下旬にウイルスが侵入したと みられる農場に1、7例目を挙げた。4月20日に確認された1例目の黒木保行さん(59)方は竹島さんの農場から約500メートル。黒木さんは月2回、竹島さん方に都農町の広報誌を届けていた。

 黒木さん方から約3キロ離れた2~5例目と7例目の農場は百~数百メートル内にある。7例目は全国に和牛牧場を展開する畜産会社の農場で、約700頭を飼育。4月24日に症状を確認し 通報したが、地元旬刊紙が「感染を隠ぺい」と報じ、会社側は 名誉棄損で提訴した。代理人は「4月18日に風邪を疑い投薬し、19日に治った。専属獣医師の判断で経過観察していた」と疑惑を全面否定する。

 疫学調査チーム長の津田知幸・動物衛生研究所企画管理部長は、ウイルス侵
 入時期の根拠を「症状の写真や抗体検査の結果から推定した」と説明する。
 ウイルスの潜伏期間を約1週間、感染の痕跡を示す抗体ができるまでを約2週
 間などとして逆算したという。

 チームは来月にも中間報告を取りまとめる方針。津田チーム長は「感染時期
 の推定は今までのデータが基であり、データが足りなければさらに聞き取り
 が必要」と、追加調査の可能性を認める。

 動衛研勤務経験のある白井淳資・東京農工大教授(獣医伝染病学)の話。疫学調査チームは、なぜ初発を水牛農家と発表できたのか不思議だ。あくま でも得られた検体のみを分析し、判断した結果にすぎない。ウイルスの侵入が3中旬なら、1例目以前に感染が見過ごされた家畜がいたかもしれない。もし水牛農家が初発とすれば、どのようにウイルスが侵入したのか、徹底的な聞き取りなどの調査で侵入ルートを解明しなければ意味がない。

[毎日新聞記事 引用終了]

■以下、水牛農場HP「チーロ・エスポジートlからの転載です。http://www.caseificio.jp/index.html

[水牛農場HP引用開始]

8月3日に疫学調査チームの一部が川南町に来て、数戸の初期被害農家や関係 者(獣医師他)を混ぜ意見交換会のようなものを開催しました。そのなかで、 調査の仕組みも分かりました。

(1)県が主体になり(その地で仕事をしているので当然)被害の農家への聞き取り調査。
(2)疫学調査チーム内の現地調査チームが調査するべき【キー】と考える農場の聞き取り調査。
(3)その内容を疫学調査チームに上げて、その情報を元に検討会を開催して発表する。
  
 という流れです

 農家「私達のとこには調査が来てないよ。なぜ農家の生の意見を聞かないのか? たとえば 大規模農場は 現場で作業をしていた人間から話を聞いたのか?」
 疫学調査チーム「いや、聞いてません。関係者です。」
 農家「、、、って関係者って誰よ?」
 疫学調査チーム「関係者です。」

 仕組みでは、東京での検討会は現地からの【聞き取り情報】を元に【発表】 があります。動物達から遠いはずの【マスコミ】が報道すれば【認めるそして発表する】という流れ、

県にも国にも、すごく【壁】が感じられ、疲 れました。疫学調査チームと農家の話し合いの中で獣医師からの質問は【抗体値】やど のように【ウイルスの侵入時期】を特定したの など参考になりました。

 ウイルスの侵入時期を判断しているのは、【サンプルからの抗体値】と【臨 床症状】からだそうです。臨床症状とは【その時の牛の見た目】です。そし て【抗体値】の情報開示は本人にも出来ないとのこと。水牛は【3月中旬】 そして1例目(16頭)と7例目(725頭)は【3月下旬】のウイルスの侵入が【公式 見解です】と言っていました

【症状が出たと報告があった日を発症日】と疫学調査の基準にしたり、【検体は症状のある牛(発症直後)から採取】とありがたいことに農家を信用してくれて、【他の農場が出るまで黙っていた】とか【もう治っている牛がいるのではないか】という考えはしないようです

 1例目と7例目はウイルスの侵入は同時期と発表 家畜保健所への通報も同時期か、、、、規模に応じて検体の数も変えるべきだったな、、、、
 「仮に 既に治っている 牛から検体を取っていたら、侵入時期は早まりますか?」
 「そうなります。」

[2010 .8. 5]

色々な噂がありますが
汚染国(口蹄疫が発生、蔓延している地域)からの人間が牧場で働いていたりしたら感染源となる可能性は高いと思います、視察団とかも。

日本よりも物価が安い地域から来ているとしたら【日本に来てから色々な物(作業着、長靴他)を買い揃えよう】 とは思わないはず。持ってくるか送ってもらうはずだからです。

驚くほど、当牧場に外国から研修生や視察団などが来たと浸透していますが【ありません】ので それについては8月中になんとかします。

もう二度と口蹄疫を発生させないようにするには【原因】を知り、対策をすることが大事です。
日本は島国ですからできるはず。(8.8)

[水牛農場HP 引用終了]

■写真 沖縄のヤチムン。

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口蹄疫問題」カテゴリの記事

コメント

http://www.maff.go.jp/j/syouan/soumu/pdf/siryo3.pdf

指針に基づき、発生農場を対象として、宮崎県疫学班が、実際に当該農場に関する聞き取り調査を実施。(全292農場)

調査レポート上は、発生農家は、すべて聞き取り調査済みとなっていますが。。。

ここで言う抗体値での推測については、確認日を基準として、各抗体値での侵入時期を推定することになります。 今回は4月20日です。中間報告書にでたます図になります。
抗体値と確認日については。2000年の得られたデータから出されています
 http://www.niah.affrc.go.jp/project/fmd/fmd-06.pdf

図5010-2 各種の要因が血清サーベイの感度に及ぼす影響
注:(a)農場内で1頭が5日間に感染させる頭数を4から20頭に変化させた場合
  (b)1農家当たりの検査頭数を–1から+3頭まで変化させた場合
  (c)血清採取日を実際の採取日から–3から+9日まで変化させた場合

図5010-3 感染農場内の口蹄疫抗体陽性率が一定水準(20%,10%,5%,2%)を上回る確率の推移

にてなされています。

仮に、6例目が一番抗体値がたかったとしても、1例目、7例目が同時期とされるなら、6との直接接点的な関係はなさそうです。また、6と7ではまったく直接接点がありません。 7近辺で次に値が高いとされるのは、2例目酪農、肉牛複合と8例目肥育とされています。2例目は、肉牛は繁殖か肥育不明ですが、直接の接点が薄すぎますし、8例目に関しては、2kmは離れています。 抗体値だけでは、説明できない事が多すぎます。これらをつなぐハブに関しても触れていません。 7と9を繋ぐのが4/13の牛の搬出を示唆されてますが、抗体値は、それ以前を示唆しています。直接でない分が有る可能性がでてきます。 
また、7では今年に入って7回(直近は4月7日)、死亡畜を処理業者が回収していた。
6では、今年に入ってからは、3月20日に死亡した水牛を処理業者まで自農場のトラックにて持ち込んでいた。
の部分に触れているが、他の場所には触れていない。ないのか?。

1と6は、自己完結(他に感染させずに終わっている)している可能性がおおにしてあります。
 
ただ、7から感染がと言うのも、1と6の関係が不明確な事がです。 

推測ですが、通報を受けて家保が立ち入り調査に入った時に、ある程度の聞き取りをしているのではないでしょうか?だから、報告上は全農家聞き取り済み。
ただ、農家はそれが疫学調査とは認識していないので、疫学調査チームが聞き取りに来ないと思っているのではないかと思います。

あるいは、本当は全部は聞き取りしていないか?

今回の中間報告で新たに判った事と、以前から判っていたことをまとめて考えると

1と6は疫学関連農場
2と7は疫学関連農場
7と8と9は同一関連農場
2、3、4、5、7、8は同一地区内
(あと、か製処理場も同一地区内。これは自己調査)
1と7は公表されている時期は違うが、か製処理の接点ありと言う可能性はあると考えますが?

抗体については、IgM、IgG1、IgG2などなど、数値を出して、説明してほしい。
そのことが、今後の防疫に役立つはず。

牛が、罹患したあと、自然治癒した場合、今のような、外観症状で、発見するのは、無理でしょう。

臨床症状だけで、チェックするのは、限界があります。
台湾のように、定期的にサンプル採って、検査しないと。。

omizo様

>>>6では、今年に入ってからは、3月20日に死亡した水牛を処理業者まで自農場のトラックにて持ち込んでいた。
omizo | 2010年8月29日 (日) 10時09分


↑出典はどちらですか?

6では、今年に入ってからは、

中間報告書参照ください。

通常、実地疫学調査では、感染した人と、県保健担当課、衛生研、保健所になります。

これを当てはめますと、生産者、県畜産衛生課、畜産衛生研、家保。となるのでしょうか?。

情報は、下に行くほど多くなりますが、科学的資料は、衛生研が多く所有してます。 FMDVは、家畜衛生研が、持ち得ない状況ですので、小平しかとなります。 

一時資料は、家保が集めている事にはなります。 ただ、家保の資料整理がそれどころでない状況であるでしょ。 

6例目の3月20日死亡にかんして、FMDVとの因果関係は、薄いのかもしれません。 中間報告書の図では、3/17(3/15?)ごろを、示唆してますが、20日では、死亡にまでは、早すぎますし。よほど免疫が落ちていた?。それに抗体値もそれほどの様ですし、他への感染量に達していたかもです。

7例目の侵入時期を3/25ごろを示唆してますが、6例目の3月20日と7例目の4/7ですし(3月20日の前後にあればですが)。化製関連は、6例目は薄いのでは?。

6では、今年に入ってからは、
中間報告書参照ください。
投稿: omizo | 2010年8月29日 (日) 13時37分

ありがとうございました。

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