• 20241013-133034
  • 20241013-134702
  • 20241013-140031
  • 20241014-045945
  • S3-004_20241012032201
  • S3-005_20241012032201
  • Ss3-007
  • S3-036_20241012032303
  • S3-041_20241012032101
  • 20241011-022642

« 宮崎口蹄疫事件 その71  県事業団、謎の種牛16頭の隠密移動 | トップページ | オジィ自慢の芋焼酎 »

2010年8月12日 (木)

宮崎口蹄疫事件 その72    県は民間の模範であらねばならない

Img_0005_1_edited1

色々なコメントをありがとうございました。

私としては、種牛候補牛16頭の移動が報道がされたかどうかは、現地メディアのエリア放送の中のことですので確認しようがありません。ですから、私としては「あった」としても、それが事前なのか事後なのかが気になるところです。

事前に報道されていれば事はシンプルであったと思います。通過を受け入れる市町村も、ましてや、もし志布志という隣県にまで越境することが「事前に」報道されていれば、鹿児島県は断固拒否の態度をとったでしょうから。

事後に公表となると、既に通過されてしまった市町村は、正直言って「冗談じゃない」と思うでしょう。事前に告知して、通過自治体と協議を重ね、消毒ポイントを通過して、それを確証する追加報道をされながら移動することと、事後に「既に移動しました」ではそうとうに意味が違ってきます。

事実、通過自治体は私が調べた限りでは、どこも聞かされていなかったと思われます。ですから目立つ街道沿いを行くのではなく、あえて裏道を通過したのではないでしょうか。結果として、公設消毒ポイントを通過できなかったのだと思います。

移動に携わった県事業団職員には獣医師も含まれていたはずですから、消毒ポイントを通過せずに移動することのまずさは重々判っていたと思われます。判っていたから、種牛6頭の移動に際しては、県警のパトカーも付いて消毒ポイントを抜けながら移動しました。

この種牛6頭と同様な条件にあるはずの種牛候補牛16頭を、なぜ同一の条件で移動しなかったのでしょうか。しなかったから、おかしなことになりました。

これでは県は自治体に対して都合の悪いことは言わないことになりかねず、地方自治の精神といいますか、ルールの上ではいかがなものでしょうか。

また、「移動制限区域外だから法律違反ではない」というご意見もありましたが、気持ちとしては判りますが、そのような論法を一回とると、違法でなければなんでも出来るということになりかねません。

当時の5月中旬の宮崎県の状況は、感染拡大に歯止めがきかず、まさにパンデミックそのものの状況でした。それに対しての防疫は、埋却地の補償交渉問題が難航して、処分がとうてい追いつかないために、待機患畜が恐ろしい勢いで積み上がっていく状況でした。

この時期こそ、県は一丸となって団結しなければなりませんでした。そして知事はその「団結の中心」として素晴らしい仕事をしたと思っています。だからなおさら、高い水準のモラルが要求されるのです。

県がみずから模範たることを放棄して、違法でなければなんでもしていい、事前告知も地元自治体にしなくてもよい、自らが定めた消毒ポイントも通過しなくともよい、マスコミには知らせない、事後に知らせる、ほんとうにこれでいいのでしょうか?

県がこのようなふるまいをして、どうして民間が言うことを聞きますか。「団結」を呼びかける側が、違法行為すれすれのことをしてどうなります?民間が「県があんなことをしているんだから、オレもちっとはいいだろう」、そうなりませんか。

おかしな牛を発見しても、家保に報告する前にいち早く別の移動制限区域外に裏道を通って運び出せばいいとなりませんか。

県がやったことを、民間がそのまま模倣し始めたら、防疫体制など穴だらけです。地元なら消毒ポイントを通らない抜け道などいくらでも知っています。仮に他の牛に感染していたとしても潜伏期間中ならば判りはしません。

こんなことを我も我もと我が身かわいさでやったら、どうなりますか?!破滅です。まさに破滅です。今頃日本全国が口蹄疫で支配されてしまっていたことでしょう。

私は宮崎県東部地域のみで感染が止まったのは、宮崎県農家のモラルが非常に高かったからだと思っています。

モラルとは、法律を犯さないことだけではありません。「ほかの人を思う心」です。そのことに県外畜産農家として心から感謝しています。まさに宮崎県民は、身をもって多大な犠牲を払って口蹄疫を宮崎でくい止めたのです。

だからこそ私は宮崎県農民と同じモラルの高さを、県にも要求しただけにすぎません。

お盆の季節です。多くの死んでいった家畜の霊が、生まれ育った村へと還ってきますように。

■写真 色づき始めたホオズキ。

« 宮崎口蹄疫事件 その71  県事業団、謎の種牛16頭の隠密移動 | トップページ | オジィ自慢の芋焼酎 »

口蹄疫問題」カテゴリの記事

コメント

報道アリ・ナシ(見た・見ていない)で
もめるとイケナイので事実のみ・・・
地元紙のネットの記事です。

http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=26753&catid=410

九州人様の仰ることは分かりますが、「とばっちり」の表現は?と思います。
感染経路が確定していない現時点では、たまたま宮崎県東部で発生しただけで、どこでいつ発生するか分かりません。
ただ、国や県の衝動対応のまずさも加わって、大災害となったのは、結果の話であると思っています。
当然隣県の防疫対応も、被害拡大を防いだ要因であります。
「被害」と言う事で考えれば、大小はありますが、全国的に被害を受けていますし、畜産関係だけではなく様々な業種が被害を受けています。
これは、本州で発生しようが北海道で発生しようが、発生してしまったら、影響が大きい病気だったからで、BSEの様に当初は大騒ぎとなりましたが、伝染性ではなく伝達性と言う事が分かったり、検査体制がが確立したら、現在では発生してもマスコミにも乗りません。
他の疾病と大きく違う口蹄疫だった為であります。
(釈迦に説法ですね)

九州人様
「とばっちり」「畜産農家同士の溝」…いろんなことがあったんでしょうねぇ…。
詳しいことは知るよしもありませんが、思うにとにかく心が痛いです。
ただ現在知る限り、恐るべき口蹄疫を宮崎県から外に拡げることなく食い止めたのは、「よくやってくれた!」の一言につきます。

九州の他の地域ももちろん心配してます。あれほどの大災害でしたし、野生動物の移動は避けられませんから。
皆様と大切な家畜(牛さん豚さん)が健康であることが、一消費者としての願い・思いです!

これが農業県・畜産県の一市民からの切実な気持ちてです!


さて、今回の16頭の隠密移動…ホントにあったんでしょうか?
大変なことですよ。東国原知事は知っていてのことだったのか?
当分は表に出なそうな、重たい出来事ではあります。


みやざき甲斐様
昨日の夕方「あづい~!あづい~!!」と書いた途端に、『なんじゃこりゃ~~!?』な雷雨!窓割れるかのような…
家(一応市街地です)の前が珍しく側溝溢れて冠水。
マメなドブさらいは大切だと思い知らされました。

今は、「台風こっち来んな~」 ですが(高温日照り続きで、前日に農協ではカメムシ対策を呼び掛けたばかり)、ここまでくると…他にいってもどっかで被害が出るわけで…
北海道様できうる限り頑張りましょう!

91年リンゴ台風での青森を思いだしました。「落果リンゴのジュース」は当時健在だった母が生協で一箱買って来て…青森が大変だから「これ飲みなさい!」と。
おいしかったよ!!ほんとにリンゴ丸搾りってかんじで。


濱田様お疲れ様です。
今言えるのは、情況を可能な限り精査したうえで、
「慌てず、急いで、正確に!」ってことだと思います。
いろんな意見が書き込まれるだろうとおもいますが、慎重に前進して行きましょう!

政治的イデオロギーの絡んだ、毎日数万ビューあるような某所と違い、「農家のプロとしての意見・経験」で感じたことは、あくまで個人ブログなのだから、ガンガン言っていいはずですよ!

あなたの隣人をあなた自身のように愛しなさい。
(マルコ12・28~31)


自分の口でではなく
ほかの者にあなたをほめさせなさい。
自分のくちびるでではなく
よその人によって。
(箴言27:2)


自分にしてもらいたいと望むとおり、
人にもそのようにしなさい。
(ルカ6・31)


九州人様
濱田様が仰っている「モラル」には家族同然の家畜やペットの殺処分を受け入れた方々の〔思い〕が含まれていると思います。「ほかの人を思う心」です。

九州人様の考えている「モラル」とはちょっと違う気がします。お気持ちはお察ししますが・・・

濱田様 高原インターの消毒マットは通過しています。しかし、高原町側には通知など一切有っていません。6頭の時も49頭の時にも発生地域では一人でも一袋でも、助けを必要な方々が沢山いました。6頭の時にも、朽ち果てた小屋しか無かった場所に2日で鉄筋・防護フェンス付きの物凄い牛舎が2棟も作っています。そんな機動力が有るのなら、発生当初からきちんと消毒ポイント設置出来たはずです。エゴだけの事業団(県)には怒りしか感じません。外部に資産、内部留保を公表し、組織解体するのが再開支援にも役に立ちます。

>こっこさん
消毒ポイントを設置するには、道路管理者(国・県・市町村)の許可・警察の許可が要ります。
それに、消毒ポイントを突破しようとする不届きモノ対策として警官の配備が必要です。ポイント一箇所に6人配置で100箇所なら600人の三交代制で予備要員込みで2000人規模の動員が必要です。
消毒ポイントは、作ったら終わりじゃありません!!防疫作業する人員も必要です!!防疫要員は、警官以上の人数が必要です。さらに、埋却作業の人員も必要です。行政サービスを維持しながら、防疫作業の人員を抽出するのは、県には無理です!!
今回の反省点は、「事件は永田町・霞ヶ関で起きてるんじゃない!!宮崎で起きてるんだ!!」と、言うことを忘れた農水省と、それを統べる農水大臣の怠慢に起因すること大きいことです!!

道産子さん
消毒ポイントの件と防疫作業人員、埋設作業人員はおっしゃる通りです。こういうのは、道路関係の仕事をしている方しか分からない事なんでしょうね。
埋設作業が進まなかったのは、人員不足が一番の要因です。あとは梅雨の時期というのもありますが。
市町村役場の職員数って、その市町村の人口で決まるんです。という事は、田舎で人口が少ない所は必然的に職員数が少ないのです。
そんな状況で、防疫作業、埋設作業が同時進行だった訳で。自衛隊の増員を北澤大臣が決定したのも、遅かったですし、本当に職員の皆さんは大変でしたよ。土日も休まず、作業にあたってましたから。北澤大臣の前に、知事が自衛隊派遣依頼をかけてますが、知事の権限では限界がありますしね。
すみません。このブログの内容とずれてしまいましたね(^^;失礼しました。


道産子様

消毒ポイントについて書いた覚えはないのですが、気分を悪くさせてしまい配慮が足りなかったと反省しています。
申し訳ありませんでした。

こっこさん
此方こそすいません。
投稿主を間違えました。
非礼をお詫び申し上げます。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 宮崎口蹄疫事件 その71  県事業団、謎の種牛16頭の隠密移動 | トップページ | オジィ自慢の芋焼酎 »