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宮崎口蹄疫事件 その73  知事は種牛候補牛の移動を知っていたか?

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いただいたコメントで、「種牛候補牛16頭の移動を知事は知っていたのだろうか?」との疑問が、私の頭にこの何日かピトっとへばりついて離れません。暑いのに困ったことです。

あれこれ考えてみたのですが、結論から言えば「たぶん知らなかった」であろうと思います。

初めは「知っていたんじゃないかな」と思っていました。というかむしろ、知事の指示がなければあんな隠密的移動は可能ではない、と思っていました。なにせいかに候補であろうとも、そのときに世間を騒がせて、国と大喧嘩をしている真っ最中の種牛ですからね。

また、その段階で残っていた種牛は、6頭+候補牛16頭の22頭だったわけですから、たしかに「宮崎種牛を守れ」という知事のアピール度は弱くなることはたしかです。そんなことで、たぶん「知っていたであろう」と考えていたわけです。

しかし、昨日あたりにハタと思い返しました。いや、違うのではないか、と。
知事がこんな危険なことをするだろうか、と思い当たったのです。市町村からの抗議はこなかったようですが、隣県の鹿児島などは事前通告なしに志布志など使おうものなら怒り狂ったと思われます。

それでなくとも隣県との関係は最悪とまでいわないにせよ、かなり緊張していました。鹿児島県からすれば、同情もさることながらありえない防疫の遅れが隣県であるだけに目立っていたはずです。

志布志には大きな飼料基地がありますから、宮崎県から飼料運搬車が頻繁に越境してきます。今に至るも消毒ポイント通過証明書にスタンプがないと入場できません。きっとえびの市まで来た時には、鹿児島県対策本部にはレッドアラートが赤々と点ったことでしょう。官民ともいつ口蹄疫ウイルスが越境してきても不思議がない、そのような張りつめた雰囲気であったと思われます。

この鹿児島県と同じ「空気」はまちがいなく非汚染地域の自治体にもあったはずです。その中で、かなりの距離を消毒ポイントも高速道路高原インターのポイント一カ所のみでパスしていく計画を知事が事前に知っていて、承認するでしょうか。

あまりに危険に過ぎます。もしなんらかのことが起きた場合、知事は国という正面の「敵」だけではなく、足元の自治体からの信頼を一挙に失いかねません。

一方寄せられたコメントを読みますと、「無事に通過しましした」というエリア放送があった自治体もあったようですから、誰からのどのような連絡か判りませんがある程度の通過情報はあったと思われます。

私は知事にも事後報告ではなかったのかと推測します。万が一、種牛候補牛の移動車列が事故を起こした場合、知事は辞任に追い込まれかねないことになるからです。知事がこの時期に、そのようなことを隠密的にせねばならない強い動機が見当たりません。

私は畜産事業団の一握りの高級幹部が策定したことではないかと思います。彼らが企画し、たぶん直前になって通過自治体に電話連絡を入れ、事後に知事に「念のために候補牛も移動しておきました。制限区域外でのことなので法的に問題はないはずですから、ご安心下さい」というような報告をしたのではないでしょうか。

知事に県官僚たちから的確な情報伝達がされていたかどうか、そのパイプがきっちりと機能していたのか、その上に立っての知事の判断だったのかなどが問われたのが、今回の宮崎口蹄疫事件なのです。

もちろん真相は藪の中です。したがって私の見方も推測の域をでません。憶測で書くなと言われたこともありましたが、県自らが今回の口蹄疫事件調査報告書を公表する時まで、私たちは手探りで事実の小石を積み上げ、自らの頭で闇を晴らしていくしかないのです。

■写真 バックの色を変えてみました。やや不気味かも。

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コメント

>私は畜産事業団の一握りの高級幹部が策定したことではないかと思います。

私も同様に考えています。事業団の性格からして、最高責任者の理事長はお飾りでしょうから、実質的に切り回している、専任理事(専務とか常務)あたりの計画でしょうね。

投稿: 現役養豚家 | 2010年8月14日 (土) 10時05分

いつも読ませて頂いてます。
「16頭の…」だけに対する発言ではないと思いますが
5月29日知事のブログ
http://m.ameba.jp/m/blogArticle.do?unm=higashi-blog&articleId=10548088394&frm_src=article_articleList&guid=ON

は、そのあたりのご苦労を多少こぼされたのかな、と思います。
各々の立場の思いと、全体を見ている知事…
今回の口蹄疫では、特に緊急を要することは、知事への相談がなかったり遅れたりがあったのでは?

投稿: 読者227号 | 2010年8月14日 (土) 11時13分

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