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2010年8月 8日 (日)

ある友人との会話

007

先日、私の友人と話す機会がありました。

「いや、すっかり君のブログは変わったね。読者がまったく変化しちゃったんじゃないの?」と彼。

「口蹄疫一色でもう3カ月近いからね・・・。寂しいことに、昔の常連投稿者の人はほとんどみられなくなったよ。葦原微風さんのコメントをいただいた時は嬉しかった。その代わりこの口蹄疫を許さないと思っている人たちばかりになったようだ。読者層が完全に入れ替ってしまったのだろうね」

「昔のような、と言ってもまだ3年目か・・・村の話とか農業や沖縄の話はもう書かない気なの。あれはあれでそれなりに評判がよかったじゃない」

「いや、そっちも書きたいんだが、口蹄疫シリーズで手一杯で、頭がそちらにいかない。あまり器用なタイプじゃないんだ私は」

「ふーん、じゃあまだまだ続くんだ。君は茨城インフルの時もしつこかったからな。メルマガを130号くらいまで送りつけまくったもんね」

「ああ、その時にブログがあったらあんなメルマガなんてややっこしいことしなかったが。ただメルマガだと言いたいことは言える。伏せ字なし。ズバズバ言いたいことを言えたが、今回は正直きつい」

「けっこう言いたい放題に見えるけど」

「いや、とんでもない。配慮と抑制の塊だよ。蓄えている情報の十分の一ていどしか書けないんだ。裁判対応しながら文章を書くという初めての経験をしているよ。だから自分で読み直しても歯がゆいことばかりだ。我ながら情けない。口惜しい思いの毎日だ」

「ということは裁判で訴えられる心配しているの?」

「ああしている。行政は訴えてこないが私企業は容赦なくしてくる。行政は公共性があるので、国民からの批判を前提にしているが、私企業はそうではない。名誉棄損という曖昧模糊とした法概念で攻めてくる」

「名誉棄損なんか拡大解釈がいくらでもできるからね」

「そうだ。気にくわない記事をみつけたら、法的対応をちらつかせて削除要求するだけでいい。それだけでこちらは正直に言ってどうしようかと大いに悩む。悩んで筆が鈍る。宮崎地裁に呼び出されたら、家内とたった2人でやっているような私の小さい農場はめちゃくちゃだなんて余計なことをつい考えてしまう。正直に言って、こんな重苦しい気分でブログを書いているのは初めての経験だよ」

「こらこら、弱音をこいてるんじゃない。しかし普天間基地じゃないが、まさに抑止効果だな。そう言えば二階堂さんとかいうもの書きがあの大規模農場から訴えられるという話を聞いたが」

「二階堂さんの記事は私も読んだが、話にならないレベルだ。訴えられたら負けるんじゃないかな。せめて私か、現役養豚家さんのブログを読んでから書け。しかし、訴えられればプロのもの書きにとってはある意味、宣伝になるという計算がある。しかし、私たち農家はそうはいかない」

「今後どうするつもりなんだ」

「さぁ、問題がぜんぜん片づいてないからな。真相は闇の中にいっそう深く入っていくばかりだ。県はたぶん調査を、国の疫学報告で代行してしまいそうな雰囲気だ。独自調査してほしいのだが」

「国が調査委員会を作ると言っているが」

そろそろ始まっているが、どんなもんか。期待はしている。しかし肝心の国民の関心が急速に衰えているほうが心配だ。もう国民の大部分は口蹄疫事件は終わったと思っているだろう。そういうマスコミ論調だしね。しかし、真相究明は早い時期にやらないと風化していってしまう」

「国民の関心が薄れて、真相は闇の中へと消えていくか・・・」

「そうだ。そして家伝法も小手先だけの改善を施されてなんとなく終わっていく」

「そんなことにさせちゃいけないよな。君も口蹄疫シリーズを百回まで頑張れよ」

「ありがとう。私はたいした力はないし、百回まで行くかどうかわからないが、少しでも口蹄疫の闇を明らかにしたい。そうでもないと殺されていった家畜や農家の涙がほんとうに無駄になってしまうから。ほんとうにそう思っている」

■写真 わが村の稲。昨日撮影。今年は前半の不良気味をかんぜんに持ち直しました。

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口蹄疫問題」カテゴリの記事

コメント

濱田様が謹慎に入る前と現在では、コメント数も少なく本当に残念に思っています。
真実を暴こうとして、訴えられてはシャレになりませんから、慎重にする事に越した事はありませんが、調査権限を持っている行政がどのくらいまで突っ込む(掘り下げる?)かは、不安な所であります。
皆さんが仰る通り、曖昧な結論しか出さないのでしょう。
以前も書きましたが、「玉虫色」が好きな日本人ですから・・・・・
でも、死んで行った家畜たちや、農家の心情を考えると浮かばれないですね。
中には、曖昧の方が都合が良いと思う人もいるから、余計に悩ましいです。
私は毎日濱田様のこのブログをチエックしています。
時間がある時は出来るだけ、他愛もないコメントも書きたいと思っていますし、今回の口蹄疫について忘れる事はないでしょう。後4年は酪農畜産に係る現役ですから・・・・・
北海道は6日7日と猛暑でした。久しぶりに寝苦しい夜となりましたが、今日は薄雲りで若干気温は低いようです。
濱田様もお元気で、この夏を乗り切ってください。

濱田様 北海道様
 国側の連休明けまでの不作為は別に、宮崎県にもそれぞれの段階で(行政、農家)対応を間違った全ての積み重ねが川南で爆発したようなものです。
ウイルスの拡がり方を見ていて実感しました。
かならずまたどこかで発生します。埋却地の確保はまず何をおいても必要だと思います。
農場には作業日誌や観光目的で受け入れた場合(視察)も日誌に付けられていますので、解明は疫学調査で進むとみています。他の施設でも一緒です。願わくば暴き立てられる前に自ら明確に説明される事を切っています。
 県も国も軽率さを反省し、宮崎以外でも二度とパンデミックが起きない様に生かして欲しいと願っています。
渡航に関して、圧力をかけている方々。いずれ関わった方々の数が多いのでいずれ綻びがでると思っています。それにより精神的にきつい方々もいますので痛々しい状態に陥らなければ良いと思っています。
 今8月末の終息宣言に向けて堆肥処理を頑張っています。移動せざる得ない農家も有りますし。
でもチップや粕類の持ち込みは専用車両にし、消毒ポイントも発生区域内部では維持されています。路面消毒も継続しなっがら細心の注意を払っています。
 検温も実施しながら温度を確認されています。一旦アルカリ化したピットを再度酸性化していますので、これが一番難航しています。
天皇陛下の訪問を受けて元気付けられました。やさしさがこなときには身に沁みます。被災農家の状態を一番ご心配頂いていました。


 

お疲れさまです!

ときに優しく声をかけ、ときにお尻を叩いてくれる(これが大事)友人がいるってことは素晴らしいことです。

何かと厳しい状況でしょうが、こちらのブログに出会うことで知識や励ましを貰った人は沢山いると思います!
コツコツ頑張っていって下さい。
問題の本丸に近づいていると思います。


みやざき甲斐様。
お疲れさまです。先程のニュースでもフェニックス動物園再オープンをNHKでやっていました。それはもちろん喜ばしいことですが、
すでにだんだん口蹄疫報道は風化していってるのを感じます。
「スパ〇ニ」や、かつて薬害肝炎を追及した「ニュースJAPAN(フジ)」あたりの大手マスコミが遡上に上げてくれれば、一気に流れが変わるかもしれないですが…期待は薄いかなぁ。
マスコミはズカズカとやってきて勝手なことばかり流すイメージで、傷つく方も多くなることでしょう。
でもこれ程の大惨事です。10年前との違いも入れて「なぜ県の初動が遅れたか」、もしこれが人畜共通感染や新型インフルエンザで起きたら…と、とりあげてほしい『大きなネタ』だと思います。

暑い中の作業頑張ってください!
行政の不手際の連続で発生した人災パンデミックで陛下の訪問・御言葉をいただけるとは…陛下やっぱりスゲー!


北海道様
「獣医の守秘義務」について。
少しは調べたのだけれど、今一解らなくて…人を診る医者のような守秘義務ってあるんでしょうか?
なんのために?
農場お抱えの場合は、研究開発や会社の都合で縛られてるのはわかるんですがね。


皆様、暑い日が続いていますが、お身体を大事にしてください!

私事ですが、私の父は、今年96歳です。当然、戦争に参加し、人間の死、戦場のすざましさは、見てきました。ただ、その見てきたことを、ほとんど、全く、私には、未だ話しません。
今回、宮崎の現場で、牛、豚の壮絶な最期を肌で感じた現地の人は、きっと、あまり話さないし、話せないのでしょう。
そのことを良いことにして、このような災害を、そのままにしては、いけないと思います。

自分は、300箇所近く、擬似患畜が出たのですから、ネット上には、もっと、情報があふれているのかと思えば、実際は、県外の人を含めて、10数ブログしか、継続的に情報を流してみえないですね。

とても、残念です。ですから、このブログには、頑張ってほしいです。マスコミも一斉に、手を引いた今、
現地の方が、実際、眼にした事実を、断片的にでも、公開してくださると、ありがたいのですが。。

実際、口蹄疫の症状というのは、現地の人以外、見たことないのですし。。(におい、泣き声、風など、伝わってこないのです)

マスコミは、立ち入り禁止でしたから、詳しいことは、報道されてませんでしたし。今後も、正しい報道は、ないかもしれませんし。

山形様
皇太子ご夫妻(語彙が・・・)も高鍋農業高校(発症し殺処分)に訪問されたりされて励まされたと思っています。正直普段は全然意識した事もない方々なのですが、「何か出来る事はないでしょうか?」という純粋な励ましの気持ちを感じました。それで現地に来て頂いたんだと勝手に思っています。

堆肥処理現場では、地域の鶏糞やノコ屑など温度の上がりにくい牛堆肥を醗酵させようと苦闘しています。
埋却処理が終わったばかりの農場も、駆り立てられています。応援よろしくお願いします。

りぼん。様
お父さん、ご健勝なんですね。かくしゃくとされていたら嬉しいです。今回も70~80代の農家さんも多数おられました。戦争から復興を乗り切って来られた世代だからかもしれませんが、「感染してんどうあろか。」と腹を決めておられる方がいて、頭が下がる思いがしました。
 マスコミも口蹄疫にはもう飽きた、という感じですね。ただ、安愚楽牧場の事は取材進んでいるみたいです。見ケ尻さん、伊藤さんがどうなさるか。「担当者がやっていた事で知りませんでした」となるのでしょうけど。

眠るように…とか発症で死に至る事は少なく…というものでは有りません。鎮静剤も最初の1本だけで(最低限量)。子豚もガス酸欠。分娩子豚は口から泡を吹いて倒れました。
ですからなお再発しない様に、こんな犠牲は宮崎だけにしたいものです。

ちょっと初歩的質問ですみません。
酪農業界ではポジティブリスト制度の導入で出荷する牛乳の乳量、使用した場合の抗生剤の履歴、農薬、殺虫剤の履歴、給与している餌の銘柄、取り扱い先の社名、散布した堆肥の量、そして作業日報等細かく記帳するよう義務付けられています。帳簿の保管は10年間です。
これは管轄は厚生労働省なのですが、こうした制度、ブロイラーや肥育農家では義務付けられていないのでしょうか?和牛繁殖農家の場合、トレーサビリティシステムで、市場に上場する時、給与している餌の内容の報告が義務付けられてるのみですね。
渦中の企業農場が肥育農場なのか繁殖農場なのかわかりませんが、このデータを疫学調査チームが把握しているのか気になるところです。

みやざき甲斐さま
>安愚楽牧場の事は取材進んでいるみたいです。見ケ尻さん、伊藤さんがどうなさるか。「担当者がやっていた事で知りませんでした」となるのでしょうけど。

そのような情報はどうやって仕入れられるんですか?
いつもその情報網に感服してます。
取材してるのは宮日新聞ですか?
それとも旬刊宮崎ですか?
これからどのように進んでいくのでしょうか?

>みやざき甲斐さま

好奇心で質問したことでした。
ごめんなさい。
デリケートな問題ですので静観しておきます。

>九州人さま

ご指摘ごもともです。
非常に軽率でした。
お気を悪くさせてしまってすいません。

ポジティブリスト制度について
酪農に関しては、doll24様の仰る通りで、それは肉牛でも同じです。市場販売(子牛市場でも肥育牛出荷でも)する場合には餌の給与証明を添付しなければなりません。
それと、出荷ごとに添付は必要ありませんが、酪農と同じ様に、記帳する義務は課せられています。
自給飼料は、肥料名や量、勿論堆肥の量等も散布した日付、収穫した日付も圃場毎に記入します。
また、その牛そのものに関する給与飼料名、治療履歴
も記帳し保存しておかなければなりません。
まとめて言えば、添付するか否かは別として、基本的に乳牛も肉牛も条件は同じです。
敷き藁に関しては記帳義務があったかどうか、今思い出せません。

北海道様
いつも丁寧に分かりやすくありがとうございます。
履歴には敷き料は記載が求められていません。
今回は耳標番号そのもの、その大前提が崩れていますが・・・。ですからえびので発生した後は関連農場に関しては聞き取りの後、立ち入りしています。北海道では聞き取りだけだったのではないですか?

九州人様
コメントありがとうございます。気を付けないといけませんね。補償も概算払い(仮渡し)だけですのでまだ確定していませんし。
ぶちぶち尻尾切りしていますが、既に根元しか残っていない状態です。
 何より山田大臣にはごまかしは通用しないと見ています。色々言われますが農家視点で行動される方だと思います。ワクチン接種も前大臣がいきなり、決めた事です。
 現在の出資者は「自己責任」でなされている行動ですのでどうなっても仕方ないと思います。
 牛さんを物としか思わなかった経営姿勢が問われている所だと。

こういった無制限な大規模農場の展開(集中飼育)が許されない方向に行くのではないかと見ています。

裁判をも見越しての記事との事、また、2チャンネルにも貼られており、そこでは安愚楽牧場の社員も見てるかもしれないとの事なので、突っ込まれるとヤバイ個所を指摘しておきます。

「事実、後にえびの市に移動したことは疫学チームにより公表されていますが」
と書かれていますが、これは事実と異なります。
みやざき甲斐様の話を聞けば、そう思わずにいられませんし、また私も現地の知人(畜産業にあらず)より、4/20前後に夜中にトラックがやたら出入りしていたとの話は聞いております。
私も移動があったと思っているひとりです。

しかし「いまのところまだ」疫学調査チームが牛の移動の可能性を公表した事実はありませんので、今のうちに訂正されるのがよろしいのではないでしょうか。

以下の記事・農水省発表をご確認下さい。

NHK
調査のあと、専門家チームのメンバーで動物衛生研究所の津田知幸企画管理部長が、記者会見し、「えびの市で最初に口てい疫が発生した農場は、県東部の川南町の発生農場と家畜や餌を運ぶ業者の車が同じで、関連性が疑われる」と述べ、車を介してウイルスがえびの市に持ち込まれた可能性があるという見方を示しました

6/8 西日本新聞
同県で感染疑いが表面化した4月20日以前に、川南の農場から牛を載せて食肉処理場に向かう際、えびのの農場に立ち寄った事実はあるが、同日より後はないといい、伝染時期は特定できていないという。

6/8 毎日新聞
農林水産省の疫学調査チームは7日、宮崎県えびの市で初の感染が確認された農場と、企業が運営する川南町の系列農場とを行き来した飼料や家畜の運搬車が感染経路になった可能性を指摘した。両農場が系列関係にあることは4月の発生時から分かっていたが、具体的な感染経路の可能性が示されたのは初めて

6/8 読売新聞
津田部長は「二つの農場では、飼料の運搬車、動物を出荷するときの車両が同じだった。時期的にもそこが一番疑われるので調査した」と説明している。これらの車両は、口蹄疫が発生した4月20日以前に何度も両農場で使われていたという。
 ただ、川南町の農場の牛を、えびの市の農場に移したかどうかは確認されていない。

6/8 宮崎日日新聞
終了後に同事務所で会見した津田チーム長は「(家畜運搬車両が)川南町の農場で牛を積み、関連があるえびの市の牧場でもさらに牛を積み込んで、食肉処理場へ出荷していた。そういった運搬車の利用があった。時期的にも一番疑われる」として、農場間を行き来した車両が感染を飛び火させた可能性が高いことを示した。

農水省 口蹄疫疫学調査チーム第4回検討会概要
3 感染拡大要因について
②車両(家畜や飼料の運搬車等の畜産関係車両):えびの市での発生事例については、川南町の関連農場から出発した家畜運搬車両等が関連していた可能性があり、

農水省疫学調査チーム現地視察 4/30
http://koji.air-nifty.com/cozyroom/2010/04/430-ff49.html

口蹄疫・えびの 疫学調査関連記事
http://koji.air-nifty.com/cozyroom/2010/06/post-e3b7.html

口蹄疫・口蹄疫疫学調査チーム第4回検討会関連
http://koji.air-nifty.com/cozyroom/2010/07/post-d7ee.html

長文、失礼しました。

北海道さん、御指摘ありがとうございました。
読者さんのコメント拝読して思ったのですが、企業農場も
被害者ですよね?持ち込まれない限りは口蹄疫は発生しません。周囲の検索に心痛めるか、勇気を持って事実を訴えるかだと思います。
甲斐さん、お疲れ様ですした。

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