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茨城トリインフルエンザ事件 第3回  農水省消費・安全局に攻め込むまで

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わが北浦の湖は白鳥がいます。白鳥の湖というわけです(笑)。  なぜか留鳥となっていまして、ありがたみもなく、一年中湖の湖畔か、河口付近をジャブジャブと泳いでいます。

特に漁協組合長さんの波止場付近がお気に入りで、たぶん網からこぼれ落ちるワカサギなどの小魚が目当てなのではないでしょうか。こら、自分で潜って獲ってこんかい!太るぞ!と、まぁ、あまりロマンチックではない村の野良白鳥です。

さてもう少し、茨城県トリンインフル事件についてお話しましょう。私はこの事件をうやむやにする気はありませんでした。必ずやこの茨城にウイルスを持ち込んだ者を探し出して、白日にさらしてやる、そう決心していました。

そうでなければ、死んでいった膨大な無辜の家畜や、涙を呑んでそれを埋めた農家が浮かばれないではないですか。

そのために協力してもらえる疫学研究者やジャーナリスト、消費運動組織、そしていうまでもなく農家に声をかけ、少人数ながらグループを作りました。それが「茨城トリインフルエンザを考える会」です。

そしてその通信として「グラウンド・ゼロ」という私が発行するメルマガをメーリングリストとして配信しました。まだブログがない時代です。いや、あったのかもしれませんが、私如きに気楽に使える環境ではなかったのです。いまなら、間違いなく、ブログ形式にしていたでしょうね。

このメルマガを130号くらい出しながら、一方で伏魔殿、農水省消費安全局に攻め込むタイミングを狙っていたわけです。

10月31日に、待ち望んでいた農水省究明チーム中間報告書が出てきました。私たちはこれを徹底的に読み込みました。たぶん疫学関係者以外の一般人でこんなに熱心に農水省報告書を読み込んだのは私たちくらいではないでしょうか。おかげで今でも、一部は暗唱できるほどです(笑)。

当時の私たちの農水省に対する要求は、煎じ詰めれば「ワクチンが原因であること」を明確に国に言わせるということでした。この肝心要のウイルス侵入ルートをあいまいにしているのが、農水省中間報告書だったからです。

ウイルス侵入ルートを特定できないような疫学報告などチリ紙にもなりはしません。今回、状況は違いますが、宮崎県においてもまったく同様にウイルス侵入ルートが不明という結論を出したことには呆れさせられます。農水省は、何度もこんなことを繰り返して恥ずかしいとは思わないのでしょうか?

茨城県の場合の原因は、現地をよく知らない疫学チームに調査を丸投げした結果、現地の農場一カ所一カ所を知り尽くしている家保の獣医師がカヤの外に追いやられたことです。

中間報告書を読みながら、ある地元獣医師は、「こんなていどの感染経路調査ならオレたちで簡単にできる。侵入ルートだって目星はついているんだ」と苦り切っていました。

そして「違法ワクチンの可能性」の論証を、なんと「米国の研究者の助言」という本文からはずした参考ていどの場所に押し込めて済ましてしまったことに、呆れ顔でした。ある地元獣医師は、「あれが違法ワクチン由来でないというなら、それを言った者は獣医師免許を返上しろ」とまで言いました。

宮崎県のケースと違い、茨城県の事件は、ウイルスがワクチン由来であること自体が事件性を帯びていました。国が禁止している違法ワクチンだからです。りっぱな刑事事件です。実際、石岡警察書が捜査に乗り出したほどです。

そして単なる刑事事件にとどまらず、かくも大規模に感染を拡大して殺処分を出してしまい農家に甚大な経営的な損害を与えたことに対する民事訴訟も視野にいれなければならない問題でした。

事実、私たちはこれが違法性があると認められれば、水戸地検に提訴し、その結果次第では民事訴訟も辞さないかまえでいました。

その突破口として、農水省にクロだと言わせることが大事だったわけです。ここで農水省にとぼけられてしまえば、地検は物証なしで立件に及ばずという結論を出すことでしょう。

ですから、この立ちはだかる農水省消費・安全局動物衛生課(←長いね)の壁を突き破ることが大事な意味をもっていたのです。

私たちは、ない知恵を絞って1カ月間の準備の後に、11月24日付けで農水省宛の陳情書を質問状形式で提出しました。そしてそれから1カ月後、農水省との面談がかなったわけですが、ああ緊張したぁ~(涙)。

それについては次回ということで。

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口蹄疫問題」カテゴリの記事

コメント

そいいえば、現在は政府に「消費者庁」なる部署がありますが、機能してるんでしょうか?
インフル感染した鳥や、口蹄疫感染の恐れがある牛や豚なんか、いくら安全だと言われても食べたくないし、それを政策に反映するのがそれこそ消費者庁がやるべきことじゃなかろうか!?と思いました。

アメリカではサルモネラ菌感染卵は回収5億個という、もう天文学的な量に達してます。
俺たち消費者は安心して食べられるのか?
疑心暗鬼です。

茨城での鳥インフルエンザ事件も、今回の口蹄疫も農水省は「感染原わかんねえ」などという、なんの役にも立たない報告書出してますが、消費者は「舐めてんのか!?」が普通の反応でしょう。
信頼ブランドだから安心だとか、いくら印象操作されても納得しませんよ!

本当に国民の生活を考えるなら、小手先の言い訳はせず、ハッキリと原因解明して公表するのが、国政を担う方々の最低限の義務です。当たり前です。

投稿: 山形 | 2010年9月14日 (火) 08時21分

連投失礼します。

昨日、川南町の牛(県が用意したホルスタインですね)を試験飼養のニュース見ました。
インタビュー受けた畜産家のオジサンの感慨深い嬉しそうな姿が印象的でした。
ただ、まだまだ「今やって大丈夫なの?」が本音です。
これでまた出たら…と、心配ですよ。
徹底的リサーチと、結果公表の透明化は絶対に欠かせません。
中途半端な状況での清浄国復帰計画など、まともな人なら誰も望んでいませんから!

投稿: 山形 | 2010年9月14日 (火) 08時44分

2000年の口蹄疫及び2001年のBSEにしても、発生原因は未確定の状況で、一応の決着をみています。
BSEが発生すると「飼料給与調査」も行っていますので、2009年1月までに36例発生しましたから、ある程度目途は立っているものと推測しますが、本当に確信できなければ公式発表はできないのでしょう。
今回の口蹄疫発生(感染)経路も、ウヤムヤの中で清淨国復帰申請となるものと予測しています。

全然話は違いますが、尖閣諸島での中国船衝突事件も
政治判断により曖昧な状況で決着するのでしょう。
我が国は、国としての重大な事項(防衛や食料)ですら、曖昧が好きですから・・・

投稿: 北海道 | 2010年9月14日 (火) 10時06分

農水の消費・安全局動物衛生課は、少なくとも、茨城鳥インフルエンザ事件は、農水の中間報告が正しくて、裁判のことは、中間報告以後の話として、チーム全体に周知してません。
少なくとも、本日電話を受けた消費・安全局動物衛生課職員は、人為的ワクチン事件だとは、思っておりませんでした。
よって、もっと、強く、報告書の科学的考察レベルを上げてもらわないと、納得できませんね。(検査結果データを秘密にしていては、信用できません)

そう書きながら、実は、おはずかしいことに、私自身、茨城鳥インフルエンザ事件のウイルスが、普通に存在するのか、人為的なものなのか、詳しいことを知りません。裁判記録も読んでいないので。。

読んで、参考になるURLを教えていただけたら、うれしいです。

投稿: りぼん。 | 2010年9月14日 (火) 13時19分

また失礼します!

そうですね、BSEの時は餌から辿れたわけですね。そして全頭検査とトレーサビリティー制度の確率。
海外から「やりすぎじゃね」と言われるほどの万全な体制でした。

口蹄疫の場合はウイルスが強力に空気感染するし、豚で拡大する。スピード勝負。
豚トレーサビリティー制度が確立してたら、少しは変わりましたかねえ?
あまり影響なかったとは思うけど、まだ、確立していません。

国から補助金を受けて山形県高畠町のベンチャーが開発してたんですが、開発頓挫して解散。2年ほど前のことです。返さなければならない補助金は県が一時立て替えていました。残念です…。

投稿: 山形 | 2010年9月14日 (火) 13時28分

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