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宮崎口蹄疫事件 その98 今後来るであろう未来についての哀しい予想

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このままいくとこの宮崎口蹄疫事件はどうなるのでしょう、という質問を受けることがあります。

そうですね、このまま民主党政権が続くという前提に立ってですが、残念ながら国は何も学んでいません。むしろ民主党政府は、宮崎県口蹄疫事件を「無能な県に代わって見事な制圧をした」と内部評価していると思われます。

政権党はどこでも似たようなものですが、民主党はみずからの政権の傷となる総括は拒むでしょう。赤松時代は「なかった」ものとされ、山田時代にとった方針を今後のスタンダードと位置づけるものと思います。

すなわち、ワクチン接種した後の殺処分方針です。この全面肯定のために各種の検証委員会や疫学報告はなされるでしょう。それは政治的な結論があらかじめある、疫学報告書の名を借りた政治文書です。

したがって、答えは初めから決まっています。県の失態による初動制圧の失敗、感染拡大、そして国の介入によるワクチン接種と全頭殺処分方針の成功、制圧達成、清浄国復帰、といった流れです。

もっとも県の失態も追及しすぎると赤松時代の大チョンボが暴露されますから、ほのめかすていどでしょうが。

そして感染侵入ルート、感染拡大経路は不明。永久に藪の中で終わることでしょう。生贄羊として、第6例の県外出身者が「被疑者」として定着してしまうことでしょう。

発生動向調査がなされなかったことは、今回の中間報告書のように軽く触れられるていどでしょう。ここを突っ込みすぎると、「ならば、ワクチン接種前に血清学的発生動向調査をキッチリすればよかったのだ」ということになり、ワクチン接種⇒殺処分方針がぐらつきますから。

今後、防疫態勢がいじられるとすれば、種牛問題で厳しい世論の風を浴びたことから、緊急時における国の統制強化が家伝法の改定で出てくるでしょう。お国は、県知事に抵抗されるのはこりごりでしょうから。

平時からの国の独立した口蹄疫緊急即応組織はまずできる可能性はゼロです。子供手当や農家戸別所得補償などで財源を使いすぎて、緊縮財政にせざるをえないからです。できたとしても、緊急時においてだけの国の補助チームの創設がいいところでしょう。

平時における補償制度の整備も無理だと思います。出たとこ勝負の特別措置法だのみではないでしょうか。埋却地の義務づけは国の腹が痛みませんから゛するでしょうね。

検査態勢の充実も、よくて簡易検査キットやサーモグラフィを県に買わせる程度でお終いではないでしょうか。遺伝子検査施設はウイルス遮蔽に特別な施設が必要ですから、動物衛生研の九州、北海道、東北各支所に新たに設置できたら万々歳といったところです。

要するに、国の腹が痛むことはしない、県に押しつけられることはする、県の権限統制は強化するってところです。

とまぁ、こんな未来が簡単に予想できてしまうところが哀しいですね。

私たちは今後も検証を続けて、その成果をネットで結び、集約して検証委員会が開催されている期間に国に突きつけねばならないと思います。

そのための準備を今進めているところです。

■写真 ムクゲの花です。紫色もありますが、やや暑苦しい花です。韓国の国花だとか。

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口蹄疫問題」カテゴリの記事

コメント

よそでいくつかの報道、意見を読んできたことと総合すると、政府の対応や口蹄疫関係の今後の見通しはおっしゃるとおりかなと思いますが、政権与党の要素はあまり過大視しないほうがより正確に見えるのではないかと感じました。動衛研は民主党じゃないですしね。
「答えは初めから決まっています」というのは、その先を考えるにあたって障害にはなっても役に立たないと思います。
現大臣は農水省官僚のいいたいことをそのまま全力で代弁しているような感じがありその点で興味深いですが、その背景は別の政権でも変わらないでしょう。
省益や保身の要素を取り除けばそこには真理の地盤があるはずだと思います。血清学的発生動向調査をやろうとしない点、過去の感染を思わせるいくつかの事例など、ミステリーの材料がいくつかありますが、これの答えが真理の地盤にある可能性があると思いながら、すごく遠くから見ているところです。政権の体質、またはそれを利用した官僚の体質として決め付ける部分があると、ほのかな真実の尻尾が見えなくなってしまうリスクがあるなと思いました。

投稿: mumllob | 2010年9月11日 (土) 11時33分

すみません。上記コメントの訂正です。血清学的調査について言及しましたが、これは他のところでの話と混同して入れてしまったもので、ここでは勘違いということで無視してください。

投稿: mumllob | 2010年9月11日 (土) 11時50分

管理人様、お疲れ様です

あまり思い出したくない記憶かもしれませんが、
管理人様が体験されたであろう猛威をふるった
鳥インフルエンザ終息後の疫学調査が、どのような
形で公表されたか、御紹介してくだされば、
照らし合わせて、今後の参考になると思います。
よろしくお願いします。

投稿: doll24 | 2010年9月11日 (土) 22時38分

夜分遅く恐れ入ります。青空です。

管理人様の嘆きとほぼ同様の嘆きも私も感じており国政に憤りを覚える今日この頃です。今般の口蹄疫騒動は私としては今後来るであろう、何らかの感染症(家畜・人にかかわらず)の試金石となったことは確実です。十分な検証と、今後の発生の重大な教訓とすべき案件であり、うやむやに終わらせることは看過できないと感じています。

最近、管理人様のご指摘にあった血清学検査の不足、殺処分前提のリングワクチネーションの是非等については特に慎重に、様々な観点からの総括が必要であろうと感じていますし、各種の意思決定の経緯は時点時点を明確にし議事録などを公開してもらいたいと切に願っています。なされないというのであれば私も有権者のはしくれとして、声を上げ各所に苦言を呈する必要があると感じています。

私の私見ですが、
よく、「特例」において今後の悪しき前例となり悪影響を及ぼすとの意見を見ます。
ただ今後そのような事象になる最大の要因は今回の対応を前例としてモラルハザードが起こるといった流れではないととある意味確信しています。

私は今後ワクチネーションなり、隠蔽なりが発生したり、各県畜産業界における各種牛種豚その他もろもろの重要性の高い家畜の保護を求める特例要請が発生するであろうと予想していますが、要因は、今回国家として、十分な補償を当初約束していながら、大部分を反故として、事実上事業継続可能性を大幅に劣化させることをやったという実績が大きく影を落とすと懸念しています。

もし仮になんらかの感染症が拡大し、国内の畜産を守るためにはまたワクチネーションなり、範囲指定の予防的殺処分の必要に迫れた場合、だれが協力するのでしょう。これらの政策に協力しても殺処分されることによって(自らが感染していない場合でも)十分な生活と事業再開の資金補償を行うことがないと既に明言し、実績を持って示しているのです。「あなた方と家族はこれで路頭に迷って頂きますが、畜産を守るため、感染はしていませんが当然に協力して捨て駒になってください」と命令が来たら、全員の協力は得られるでしょうか。必ずかなりの企業なり個人は訴訟してでも施策に参加しないといった事象がおこることは予想が容易です。

私は今回のリングワクチネーションにしろ、一般人の移動制限強力にしろ、防疫強力にしろ、よく宮崎の人々は唇を噛みしめ苦渋に苦しみながら、「日本の畜産を守るため捨て駒、人柱になろう」と協力したと思います。たった一つも最終的に反対はしませんでした。(一件の特殊な例外も数日のずれで協力しています)。しかも協力する時点では既に2名の首相が来県してまで約束した事項(十分な対策と補償)が反故になる報道を得ていたという環境下でです。
ある意味奇跡の領域です。この時代に他でもサムライのようにそういった事象を受け入れてくれることが今後あるとは思えません。

私は今後についてやはり、十分な補償についての法律の制定が必要であり、感染症について一元的に指揮・指導・実働が可能な独立部隊を創設し、責任を明確化し、プロフッェシュナルな固定された組織の創設が必要と思料しています。「金」の話はある意味えげつないですが、必要な議論でしょう。財源がないなら、関税や国内消費で徐々に積み上げる基金創設が必要であり、積み上げには長い時間が必要なはずです。今だからそういった議論が必要なのではないでしょうか。

以前も述べましたが全員が幸せに終わる、国や県が100%守ってくれるなどといったことは幻想であることは十分わかっています。しかし、経験したことに今後も対策がない、今まで通りというのでは、近代国家としての無能力さを内外にアピールするのみでしょう。
現政権が現時点に至るまで約束を守ったり、中長期の国政を見据えた議論をできる能力があるとはこの一年の実績を見れば微塵も期待できませんが、少なくとも本件については政権担当政党として、危機管理・中長期政策の立案・実行・検証能力を示せる最後のチャンスでしょう。過去のしがらみを超え、十分な検証と、十分納得のいく説明と施策・法整備をしてくれればと切に願っています。

投稿: 青空 | 2010年9月11日 (土) 23時30分

検査態勢の充実も、よくて簡易検査キットやサーモグラフィを県に買わせる程度でお終いではないでしょうか。遺伝子検査施設はウイルス遮蔽に特別な施設が必要ですから、動物衛生研の九州、北海道、東北各支所に新たに設置できたら万々歳といったところです。

>>>>>この部分だけについて言えば、疫学調査の初発動向調査が充実する可能性を感じますので良いと思います。総論は、ありんくりんさんの予想どおりと思います。動衛研も科学者ですので、隠蔽はできても、黒を白とは言えないでしょう。
基本的に口蹄疫ウイルスは、常在していて、感受性物の暴露量や体調によって発病し、伝染していくように想像しますので、7例目が初発。6例目に伝染。と言うようなイメージなのだと想像します。あくまで想像ですが。。理由は、大規模肥育農場は、えさをやって、掃除するのが、精一杯で、牛を観察できませんから、弱った牛もしばらくそのままなんでしょう。
また、たぶん、6例目と7例目は、関連農場と推測しますので、水牛と言う特別な牛が発生源になってもらわないと、なにしろ水牛が悪いと言うストーリーで終わらせるのが、和牛にとって良い結末なんでしょうね。和牛が初発ですと、黒毛和種が、絶えてしまうからということではないかと、これもまた想像してしまいます。

これにより、種母牛さえ宮崎に導入できて、資金力のある農家が復活してくれれば、宮崎の家畜業は、復元可能と見ているのでは?
繁殖は、ダウンしますが、子牛の輸入や他県からの子牛の導入で肥育は、なんとか、なるのでしょう。
精子ストローは、残ってますから。

結局、私自身、口蹄疫ウイルスが、何であるか?ウイルスとしての科学的認知レベルは、4ヶ月前とほとんど変わりません。動物衛生研究所が、事実を公表しない限り闇の中のままですね。これは、民主党、自民党にはかかわらず、OIEの清浄国復帰のみ考えれば、ワクチン接種にしろ、いろいろな配慮にせよ。全部そこに行き着くことでしょう。OIE問題は、宮崎の畜産が壊滅しようが、清浄国復帰が、精肉コストの高い日本では、最大の命題で、しもふり肉の輸出と安い肉の輸入ストップが、農水の一番望んでいることなのだと思います。

せめて、口蹄疫ウイルスの何であるかの実態が科学者である動物衛生研究所で、明快にしていただくことが、30万頭の命に対するせめてもの、償いでは。と思っております。やってみなければ、わからないと言う一見無責任な発言も、備蓄ワクチンと2010Jとの相性が分からない以上、正直な発言でしょうし、あの時点では、ワクチン接種に、かけてみると言う判断は、自分もそう思いましたし、では、ワクチンなしで、別な方法があったかと言うと、思いつきません。

ただ、牛型O型、豚型O型と言う、O型でも、いろいろあり、台湾豚O型とは、日本は違うということは、わかってきました。

とにかく、変異の早い、口蹄疫ですので、もっと、研究されると良いのですが、小平でしか、研究サンプルがない以上、これも望めないのでしょうね。

確定診断には、蓄積されたサンプルと比較しないといけないので、小平ですか、今後もできないのでしょうね。

PCRという機械だけなら、全国各地にありますから、レベル3の施設と、比較用の大量のサンプルがあれば、研究できるのでしょう。小平も、結局、イギリスへ送って、最終結論を得ているので、イギリスは、膨大な比較用サンプルを持っているのでしょう。

投稿: りぼん。 | 2010年9月12日 (日) 06時33分

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