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2010年9月17日 (金)

茨城トリインフルエンザ事件 第5回  検証は農水省の密室でのみ決められることではない

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今回の検証委員会の中間報告を読むと、私も「一宮崎人」さんと同様の感想が浮かんできます。

「宮崎県内の畜産農家は、かなり衛生意識、防疫意識が低いと言われていると解釈して良いのだろうか?その意識が低いから、口蹄疫を侵入、発生させたと言いたいのだろうか?」

検証委員会、いやさ、農水省消費・安全局はそう言いたいようです。「宮崎県は衛生観念が劣っていて、県家保もダメだったからこんなに感染拡大したんだ」、と。

ほ~、では私がわが身をもって経験した2005年の茨城トリインフルは、発生農場は衛生観念が劣っている農場ばかりだったのでしょうか?

真逆です。抗体検査でクロ・陽性を軒並み出した第10~13例までの系統大型農場は、ことごとく飼養衛生管理Aクラスです。各農場には獣医師も常駐しており、獣医療施設も完備しています。

またこれとは別のA農場系統もことごとく抗体検査がクロ・陽性でしたが、この会社自体が獣医師が経営陣を占めるという特異な同族会社でした。飼養衛生管理はとうぜんAです。

また、小川町でクロ・陽性判定が出たKファームも獣医師が経営者で、地域衛生管理にも熱心で知られていました。敷地内には獣医師医院も併設していました。

またY町で発生したSさんはことのほか防疫には熱心で、これも飼養衛生管理はAでした。

つまり、茨城トリインフルエンザ事件においての大きな特徴は、小川町、美野里町、石岡市においては、発生農場が飼養衛生管理はAクラスで、大部分の農場に獣医師が常駐していて、医療施設が併設されていたことです。

また、これらの農場の大部分は、ウインドレス(無窓鶏舎)という最新鋭の密閉型農場であり、外部環境の影響を極力排除した構造になっていることも特徴です。

宮崎県に対する農水省の言い方ですと、「衛生観念が劣悪だから発生するんだ」ということですが、茨城県では衛生観念が飛び抜けて高いほうから発生したのです。この矛盾を、農水省はどう説明しますか、お聞きしたいものです。

実はこのA農場は、この事件で珍しく逮捕者を出しているのです。2005年12月2日、茨城県警はA農場を家宅捜索し、後に社員を逮捕しました。

これは県家保がA農場の不正行為を発見したからです。罪状は検査妨害。検査時に他の農場から若鶏を持ってきて、すり替えて検査をしたことがバレたというお粗末の一席でした。

これについて社員は、「上層部から命じられた」と上層部の指示を認める供述をしています。

つまり飼養衛生管理が最高レベルでも発生する、いや、逆に高いほうから発生したわけです。

この大きな論理矛盾に、2005年12月7日、農水省消費安全局動物衛生課防疫企画班 石川清康課長補佐は、参議院会館・和田ひろ子参議院議員事務所での会談の席上でこう答えています。

今回、発生の仕方が一カ所で局地的に爆発して発生しています。これは普通の拡がりとは異なっていることは農水省も着目しています。

違法ワクチン接種は重要な原因でありうると思っていますが、なにぶん証拠が不十分です。行政としてはグレイであるとは言えますが、クロだとは断定に至らない以上、「グレイをクロとは言えない」という立場に立たざるを得ません。農水省には警察権がないので、調査にも自ずと限界があります。むしろ、現地の生産者の皆さんからの情報提供に期待しています。
この農水省の答えは、2名の国会議員の前でなされた質問書に対する正式な回答です。しかし現在、農水省は「りぼん」様の電話にこう答えています。
「当時の担当者は、今は、この課に居ないので、過去のことを、今言われても、お返事できない。ホームページの報告書に、白と書いてあるなら、白と思います」
そうですか、農水省という省庁は担当者が変わると見解が変わるんだ、へ~,いいことを聞いた。ちなみに農水省究明チーム中間報告書はこのように述べています。
「メキシコ以外の中米諸国で生産されたワクチン、あるいは東南アジア発生国において中米株を用いたワクチンが生産され、使用された可能性も否定できないとの見解」
「3.3 人等を介した侵入の可能性
時点で、未承認ワクチンの使用を裏付ける直接的な証拠は得られていない。」
農水省はまさに石川課長補佐が言ったように、「重要な原因であると認識しているが、物的証拠がないためにグレイをクロというわけにはいかない」とだけ言っているにすぎません。
「中間報告書にシロと書いてある」だなどとどこにも書いていません。中間報告書も、「可能性はあるが物的証拠がない」と書いてあるにとどまります。積極的に「シロである」などとはひとことも書いていません。たぶんこの農水省職員は中間報告書を読んでもいないようです。
それはさておき、茨城県のトリインフル事件において、会社お抱えの獣医師の影が濃厚に浮かんできます。お抱え獣医師が考えそうな「犯罪」、それが自社のみの安全を最優先にした違法なワクチン接種だったのではないでしょうか。
宮崎県の口蹄疫事件は終幕を迎えつつあります。私はかつての茨城トリインフル事件の被災地農家のひとりとしてひとつだけ忠告をいたします。
いったん農水省最終報告書が書かれてしまえば、後でいかなる異論があろうと、それが「正史」となってしまいます。いまだ、歴史は進行しています。検証は、農水省の密室でのみ決せられることではありません。
それは真に苦しんだ現地農家や、地元の獣医師などの家畜防疫員、県職員などの人々が書くべきです。あなた方にしか、それをできる人はいないのです。
私たち茨城でははそれが不徹底でした。だから、今なお、5年もたった今なお、当時の怒りと悔しさを腹の中に蓄えて生きることになったわけです。
私たち茨城の轍を宮崎県民は踏まないで下さい。心からそう祈っています。
■ 写真 北浦湖畔のハス田。今年はあまりの高温に、タフなハスの葉にも枯れが拡がりました。

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口蹄疫問題」カテゴリの記事

コメント

宮崎県の家保職員は、公務員を辞める覚悟でないと、ひとことも、言えないでしょう。被災農家さんも、この際、家畜農家を辞める覚悟でないと、言えないでしょう。また、すでに、この時点で、家畜農家さんを辞めてしまった人は、JA宮崎さんにも、家畜農家さんの団体にも、関係ない人なので、意見は、上には、上がらないでしょう。獣医さんも、獣医さんを地元でやることをあきらめない限りむずかしいと思います。

最後は、国に勝つ、必ず勝つと思って、覚悟して立ち上がる以外ないでしょう。団結しなければ、個人では、つぶされます。ただ、団結も、苦しいけど、核になる人が居て、初めて進みます。今回は、宮崎の人なら、誰でもみんなその団結に、協力してくれると思います。
立場上、表面にでれない人も。
ある時期まで、関係者でないと、行政は、話も聞いてくれませんから、県外の畜産関係の人以外は、核には、たぶん、なれないでしょう。実際、現地で動かないと難しいですし。
宮崎の問題として、国は、考えてますので、宮崎の人が、核になっていただけると、ありがたいのですが。口蹄疫禍の寄付額を見ても、全国から応援してくれると思います。

宮崎の皆さんは「もう過ぎ去って、ようやく復興に向かうところ」と思ってらっしゃるのでしょうか?
あれほどの大惨事の後ですから、もしそうなら責められませんが。

宮崎のせいにして幕引きがなされようとしています。ただし、まだまだ地雷だらけなのが現状だと思います。

怒れる人々が立ち上がれば、全国から有志が応援すると思いますよ。しかし、それを強制などとてもできません。宮崎の方にはそれぞれの生活がありますし、国に絶望しながらも地元でやっていくしかない。苦しいジレンマがあることは理解してます。

東国原知事も、終息宣言出した後は完全に元の観光PRモードになりつつあるようですね。
経験を生かして今度は「本当に戦う県知事」になってほしいものです。

一宮崎さん、宮崎の牛飼いの皆さん。家保の獣医さんに対する否定的なイメージは『無い』ですよ!
検査能力の不備なんて、他県の惨状見るともう遥かに酷いですから。

これからの動きも注視してます。
私は遠くからですが、一貫して応援しています。小さな畜産農家さんこそが最大の被害者だと思ってるのは変わりません!

濱田さまへ
もしも私の理解不足(勘違い)ならご容赦ください。

記事の中で
>抗体検査で陰性を軒並み出した第10~13例までの系統大型農場は>>

とあり、「陰性(-)」と記載されていますが、「陽性(+)」の誤字でしょうか?
私の所では、疾病検査の結果「陽性(+)」となったら、発生(患畜)と判断していますが・・・・
教えて下さい。

私も、一宮崎人さんの感想と同じことを思います。
ただ、少し考えれば、誰だって、「宮崎だけじゃない、他県も同じようなものだ。」と思うはずです。
こんな見え見えの結論を導けば、国の面子が保たれるのか、それが不思議です。
県所有の種牛の一件は、繁殖農家としては、現時点では、何ともいえません。他国との貿易交渉において、この件が裏カードとして利用されるなら、国益を害したことになりますから、申し訳ないと思います。そのとき、残った5頭とも殺処分が望ましいという判断が下れば、甘受せざるを得ないと考えます。
まぁ、この一件を裏カードとして使う外国の交渉人も○玉が小さいと思います。あっ、魑魅魍魎なら○玉も持ってないかも知れませんが。
済みません、少し下品になりました。
それと、民間種牛の命乞いは、宮崎(知事、畜主)に非があると思います。もう、周りに感染する家畜がいないのだから、検査して陰性なら、ワクチン接種・殺処分回避を乞うというのは、非常にまずいです。そんなことが、まかり通るのなら、周りに家畜がいなくなるまで、ワクチン接種を拒否したもんガチということになるからです。殆どの人が協力などしなくなるかも。

宮崎県に限らず、全ての都道府県は同じ状況だと思っています。
宮崎県が特に衛生管理意識が低いとか・・・そんな事はありません。勿論個々の畜産農家では意識の高低はありますが、それは全国どこでも共通だと思います。
今回の発生や拡大は、様々な要因があると思いますが、家畜密度が他県や他地域と比較して高かった事が、要因の一つではあると思います。
北海道十勝で発生したとしたら、ほぼ同様な対応がなされたと思います。(家畜密度は低いので、爆発的な感染拡大は無いかも知れませんが・・・)
マニュアルは出来ていても、実際に発生したら、テンワワンヤで混乱し、何から手をつけたらよいか悩んでいるうちに時間ばかりが経過する。
船頭が多すぎて統率がとれない。
関係者は当然、地域内の農家も大混乱する・・・
事が容易に想像できます。
仮に水が使えない冬季に発生したらどんな消毒(通行車両など)するの?
と問い合わせたら、
「冬に発生しない事を祈るだけ」との回答・・・・・
ガックリ・・・です。

ただ、少し考えれば、誰だって、「宮崎だけじゃない、他県も同じようなものだ。」と思うはずです>>>>さて、そこが、そうは、思わないところだと思います。理由は、都市部と言うか、本州では、口蹄疫禍は、ほとんど、報道されていませんから。。事実経過がまったくわかりません。4月下旬の宮崎の状況を思い出してください。ネットをやってる人以外は、となりまで、ウイルスが来ていても知らないってことです。
義捐金は、ネット人口を中心に、九州地区で集まったと思います。ネットがなかったら、今頃、昔こんなことが、宮崎であったそうな。という感じでしょう。(名古屋では、そんなものです)畜産は、岐阜、三重、三河、知多のものですから。

なお、愛知の家保も、ちょっと、農水もひどいなと正直思うけど、公務員は、逆らえないので、仕方ない。とにかく、霞ヶ関に言わせれば、宮崎で、こんな伝染病、発生させなければ、余分な仕事、やらなくて済んだのに。。ってとこでしょう。確かに、この仕事は、予定には、無かったので、毎晩、残業、徹夜だったとは、思います。(お互いに)

「北海道」様。はい、ミスタイプです。とうぜん陽性です。なおしておきました(汗)。

濱田様ありがとうございました。

了解しました。
敢えて「陰性」と記載したのは、企業型大規模農場が、本当は「陽性」なのに、お抱えV師が「陰性」の判定をしたのかな?とか深読みしなければならないのかな?なんて考えたもので、お聞きしました。

回答頂きありがとうございました。

昨日、今日のローカル新聞は、中間報告に対して、あまり論評もしていませんし、知事のブログも今後の進退についてだけで、何の論評もなし。
全て、折り込み済みなのでしょうか?
恐らく、ネット環境にある農家は知っていても、その他大勢の農家は、中間報告の内容はしらないでしょうね。自分たちが、農水省にどのように言われているのか・・・
あるいは、全てを受け止めて、今は「復興」の一文字と考えているか?
全てが、このまま、フェイドアウトしそうな、そんな気がするこの頃です。

一宮崎人さま

宮崎日日新聞は、特集を組んだくらい書いてあったように、聞いてますが。。もちろん、愛知県の私では、まったく、状況がつかめませんけど。。
宮崎在住なら、分かると思います。たぶん、西日本新聞もそれなりに、書いたと想像するのですが。

全国紙は、全滅ですね。

あまりにも無防備無根拠に「清浄国」をこそ、鵜呑みしてしまって、「ウイルスはどこにでもある」という状況を見失っているのではないでしょうか。われわれ鳥を含めた動物に、なぜかくも高度かつ精緻な「免疫システム」が具わっているのかを認識すれば、一目瞭然かと思います。病気は「病原体」のある・なしが主たる要因ではないということを正しく理解したうえで「疫学」を考えるべきです。そうしないと正確な推測推量もおぼつかないと思います。

正確な現状把握と理解がなければ、役所のインチキを正しく見破るのは不可能です。

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