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2010年9月16日 (木)

宮崎口蹄疫事件 その99 口蹄疫対策検証委員会の中間報告 県にすべての責任を転嫁

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今朝の「日本農業新聞」(9/16)によると、農水省口蹄疫対策検証委員会の中間報告が出たそうです。*以下でアップされています。ご教示感謝します。
http://bit.ly/9CoZSd

農業新聞によれば、ヒアリングした農家から、種牛救済が強い批判を浴びたために「事後の特例的な扱いはいっさい認めない」方針を示したそうです。

これは記事でも触れているように「国と県の対立が迅速な防疫措置を行うために問題になった」ことによります。

次に初動において「家保への連絡や、県から国への連絡が遅かったことが感染拡大を招いたとして早期通報を促すルールを作り、遅れた場合にはペナルティを課すことも検討すべきだ」としています。

宮崎県の対応として、「日常的な予防や初動対応を含めて不充分なところが多かった」と述べ、「農場の所在地や飼養頭数などの情報管理が不十分だった」ことも指摘しています。

また、「定期的な消毒といった飼養衛生管理基準が一部の農家で守られていなかった」ことを挙げて、「万全の備えと指導の徹底」を県に求めています。

一方、国に対しては、農水省疾病小委員会の、「ワクチン接種と予防的殺処分の方針を示すのが遅れた」ことを批判しています。

そして、国に、「今後、専門家の育成に力をいれること」を求め、「常駐した専門家が防疫措置をとること」を提言しています。

私が先日このシリーズその98で書いた「大予言」どおりの展開ですね。国は明瞭に、今回の口蹄疫の感染爆発の責任をすべて宮崎県に転嫁しようとしています。

検証委員会中間報告書は、初動が遅れたのは、宮崎県から国への通報が遅かったことを最大の感染爆発の原因に挙げています。

そもそも宮崎県の日常的防疫体制がデタラメじゃないか、農場の場所も、牛の頭数もわかっていない、日常的消毒もされていない農家があった、と批判しています。

また、種牛でお国に逆らったことはよほど農水省を激怒させたらしく、今後二度とこんなことをさせないぞとも言っています。

そしてお国に対してお小言は、「ワクチン接種の答申が遅い」の一言だけでお終いです。それも農水省本体の消費安全局や山田農水大臣に対してではなく、その諮問委員会にすぎない疾病小委員会に対してですから、どこまで責任回避がうまいんだと感心したくなるほどです。

もちろん、今回の検証委員会も、第三者委員会の体裁を取っていますが、国の官僚組織の常としてこのような会議は隅から隅まであらかじめ決められたとおりに進行されていきます。

とうぜんのこととして落とし所は既に完全に決まっているはずです。第三者委員会の役割はその箔付けと、第三者のご意見も受けております、という体裁づくりにすぎません。

そもそも委員の人選自体が農水省の息のかかった、あるいは農水省と違った意見などゼッタイに言わなそうな者しか招かれません。

検証委員会の配布資料にも席次が麗々しく書いてあるように、座る席すら農水省の配慮のなかにあります。農水省が考えるエライ先生から上座に座るのはいうまでもありません。こういう時に末席に座らされたら、お前はただの数合わせだと言われているようなものです。

そして各種資料は、素人の委員に手取り足取り「口蹄疫とはなんぞや」から始まって゛、、国の防疫指針や家伝法の解説、そして国の今回とった方針がこと細かく列記されており目がクラクラします。この配布資料はかつて全文アップいたしましたので、お暇ならご覧ください。

口蹄疫体制の再構築が、こんなていどの浅い認識からしか出発しないとなると、ほとんど絶望的な気分になります。農水省は、今後県に対しての締めつけのみを強化する家伝法や防疫指針の改正案を上程してくるでしょう。

民主党が政権にい続ける限り、今回の口蹄疫は「県の不手際、国による制圧成功」という構図から一歩も出ることはありません。

民主党は「脱官僚」を旗印にしていますが、口蹄疫対策は官僚主導の典型でした。山田大臣は農水省消費・安全局動物衛生課の操り人形にすぎず、そもそもワクチン接種・殺処分方針自体が山田氏の頭から出たものではなかったはずです。

もちろん自民党によっても同様な展開だったことはありえますが、政権が交代することなくしては、今回の口蹄疫事件の正しい総括自体が不可能だと思います。

さて、東国腹知事はこのような一方的に偏った検証委員会の中間報告書に、どのような反論をしていくのでしょうか。東国原知事がここで沈黙してしまえば、国の宮崎県責任論を全面的に呑むことになるからです。

明日からの東国原知事のブログに期待しています。
http://ameblo.jp/higashi-blog/

■ 宮崎県で爆発的に流行した口蹄(こうてい)疫の問題で、農林水産省の外部有識者による「口蹄疫対策検証委員会」は15日、国や県の防疫対応に関する中間報告をまとめ、公表した。報告では、今回の対応の問題点として「国と県や市町村との役割分担が明確でなく、連携も不足していたのではないか」と指摘。特に宮崎県の対応には「日常的な予防や初動対応を含め不十分なところが多かった」と批判した。
 感染拡大の要因に関連し、県が農場の所在地や家畜の頭数などの情報収集を普段から行っていなかったことが「初動対応の遅れや発生拡大につながったのではないか」との見方を提示。また、最初に感染例が発表された4月20日以前に、10戸以上の農場にウイルスが侵入していた疑いがあることを踏まえ、獣医師や農家を含む連絡の遅れも挙げた。(時事通信 2010/09/15-20:00) 

■写真 わが母屋のグリーンカーテンのゴーヤです。

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コメント

またまた国の押し付けvs県の抵抗の泥沼バトルですか。
もうダメだろ。民主。
みんな目を覚まそうよ。

山田大臣って、元牛飼いなんでしょ。それでもこの体たらく。
政治主導?貴方たちには無理です。

就任時の訓示で「官僚は上手く使え」と言って、マスコミに「当たり前だろ(笑)」と突っ込まれて、言葉尻を捕らえてボロクソに叩かれた麻生政権の方が遥かにマトモじゃないか!

農水省のホームページに出てるよ。

一般人さん。
コメント欄でやると荒れがちになるので控えたいんですが、なかなか常時調べられない状況ですので、コメントするなら大まかな内容を書いて下さると助かります。
少しでも関心を持つ方が増えればいいと思いますので。

あと、できればハンドルネームを付けていただきたいです。

http://bit.ly/9CoZSd
検証委員会 これまでの論点整理。
早期に提案のあったFAOの専門委員派遣を国が断った件に関しては、挙げてありません。
経験したことが無い場合は経験者の意見は、些細なことでも貴重なはず。

瑣末なことで恐縮ですが「中間報告書」ではなく「中間報告」と報道されています。
その正体は上記の森田さんが掲示している「これまでの論点整理」でしょう。
文書ファイル名がmatome_0915.pdf、つまりこれが中間報告を「まとめ」たものと思われます。
この文書の最後に、これを骨格として「最終報告書」を作成するとあり、「中間報告書」は存在しないようです。

中間報告なので、結果的にどうなるかはまだ未知数ですが、とりあえず、この文章を読んだ感想です。
と、言うか、これは、今回の口蹄疫を踏まえてのまとめだと思うのですが、それによると、宮崎県内の畜産農家は、かなり衛生意識、防疫意識が低いと言われていると解釈して良いのだろうか?
その意識が低いから、口蹄疫を侵入、発生させたと言いたいのだろうか?
他県の畜産農家は、そんなに防疫意識が高い?
衛生管理が優れている?
文章では、その様に書いてないけど、そう読めます。

確かに、これは宮崎の畜産家さん怒っていいと思う報道ですね。
宮崎に責任押し付けて終わりにしようとしている。

酷い話だ。

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