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2010年10月11日 (月)

宮崎口蹄疫事件 その120  「現役養豚家」様投稿 最終回

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薦田さんの種牛が陰性でした。彼の防疫がしっかりしていたことを立証しました。なんとも言葉が出ません。
さて、今のような時期を総括期と呼びますが、なんか重苦しい時期ですね。
感染が爆発している嵐の時期は、私たち応援団も「宮崎がんばれ」で一喜一憂しました。一丸となって闘えました。気持ちもひとつでした。
しかし嵐が過ぎ、再建が行われる時期となると、立場の問題がやはり出てきました。牛を飼う者、豚を飼う者、発症した者、未発症で予防殺された者、ワクチン接種で殺処分された者、そして無事だった者。
共済が下りた者、下りなかった者、再建資金が確保できた者、厳しい者、後継者がいる者、いない者、従業員がいる者、家族だけの者、老いた者、若い者・・・。
一方、応援団は数こそ激減したものの、いずれ劣らぬクセ者揃いですから、その総括をめぐっていくつか立場が生まれて来つつあります。
ただ、私はひとつだけお願いしたいのです。現地で被災した者であれ、県内の方であれ、県外の応援団であれ、心はひとつのはずです。
その初心を忘れないようにしましょう!
「現役養豚家」様の投稿第3回、最終部分を掲載します。私のコメントなどは後の回にまわします。
                     ~~~~~~~~
⑤JASVによる防疫アドバイス…連休以降
JASVは現地に赴いたメーバーを中心に、当初混乱していた防疫ルールについて見直
しや、新体制作りを積極的に提言。
都合九日間のダウンタイムも、在米会員大竹獣医師からのアドバイスなどで標準化され
た5月8日には,宮崎県関係者に対し、作業に当たっている会員獣医師からの情報を元にした実際的な防疫対策に見直すよう求めた。
これはJASVが作成した【口蹄疫侵入防止の農場防衛対策】に基づくもので、実質的
に防疫責任を負う宮崎県に対し、直接申し入れた。この中で、ワクチン接種発動の検討
を申し入れている
⑥スタンピングアウトの徹底とワクチン接種…養豚関係者の動向
発生直後から、全国の養豚関係者の間で、豚への感染について危機意識が急速に高まっている。現地では牛発生農場の近隣養豚場から、限定範囲内の全殺処分を考慮すべきとの声が出たし、宮崎県畜産試験場で豚の発生が確認されてからは、全国への波及防止のため【ワクチン接種と殺処分やむなし】の意識集約が連休中に始まり、連休末には約8割の農場が補償を前提とするも、迅速な防疫対策が必要との認識で意識統一がほぼ固まった。
これについてはMPC会長の日高氏(宮崎市在住、養豚経営兼獣医師)や同副会長の香川氏(川南町、後日殺処分対象農場)ら他現地生産者の自己犠牲精神による行動
とJPPA・JASVほか全国の養豚関係者からの物的精神的支援があったことが大きいだろう。

以上は主に、アニマルメディア社のピッグジャーナル、ピッグエクスプレス、日本養豚
協会のJPPA通信、JASVからの緊急連絡事項、新聞記事などを元に記してありま
す。                                            (了)

「現役養豚家」様の投稿はこれで終了です。分割となってしまって申し訳ありませんでした。

■写真 お茶の花が満開です。

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口蹄疫問題」カテゴリの記事

コメント

ありんくりんさんが、おっしゃる立場や立ち位置の違いによる意見の相違は、当然、あるのでしょうが、変異の激しいRNA1本鎖の口蹄疫ウイルスの実態をもっと、正確に知って、まずは、どうすれば、被害を最小にして、ウイルスの拡散を止め、撲滅するか。に、ついては、一致した科学的見識を共有したいと、私、個人は、願っております。

いわゆるワクチンを事前接種すれば、ウイルスに侵されないと言うタイプの伝染病では、ないために、ウイルスの塩基配列が、わかるまでの、初動の対策と、ある程度、感染域が出来てしまったときの、制圧の方針について、牛農家、豚農家の区別なく、ひとつの対策方針に従うと言うルール作りを、あらかじめしておきたいものです。
それには、牛農家さんの団体と豚農家さんの団体が、口蹄疫発生とともに、国、県と一緒になり、まずは、ウイルス撲滅のための意見交換が、スムーズに行くような組織というか、協議会が出来ると、良いのではと思います。

スタンピングアウトの徹底とワクチン接種についても、牛農家、豚農家の区別なく、初動方針が、決まってくれるのが、1番だと思います。
とにかく、感染力が強いウイルスなので、多少の不満があっても、初動の段階で、ある程度の制圧方針が決まっていて、とにかく、それに、ひとまず従うと言う姿勢が、当面、大事なのではと思ってます。

現状、エライザで、培養分析して、確定患畜とするまでは、今の技術では、1週間ほど、掛かってしまいますので、PCRでの擬似患畜の状態で、当初は、殺処分を強行するのは、やむをえないと、思ってます。

管理人さんお疲れ様です。
「養牛の友」10月号http://www.fujisan.co.jp/Product/1281682347/b/434096?link=side
に、藤原昇 九州大学名誉教授が「口蹄疫が流行している
最中のワクチン投与?」のタイトルで寄稿されてますので、参考にされるのもよろしいかもです。

2001年英国で発生時、屠畜された家畜の80パーセントは感染してなかった家畜だったという報告は、日本でも行われたワクチン接種後の全頭処分、つくずく考えさせられます。

青空です。先に長文になったこと平にお詫びします。
ここ数回の記事および「現役養豚家」様との議論については非常に興味を持たせて頂いております。
私は畜産関係者ではない一般消費個人ですが、こと仕事には無関係と言えないため、本災害の顛末には非常な興味を有しています。
私のスタンスは、「宮崎県の復興の応援」です。かつてわが国で家畜伝染病や各種災害で自力で復興に成功した例はありません。いずれも不当な風評被害で復興できず
(但し発生農家およびその周辺に限定されましたが)市場からの退場や辛辣な結果となっています。
神戸大震災ですら街は復興できましたが、重要な産業が3つ(靴・革・港湾)消滅・壊滅の危機に瀕する結果となり、復興としては不十分な形態です。
今回も当然その確率は低からずと思い応援を続けていますが、図らずも復興が成功する可能性も高いと感じてきております。

さて、私はこの口蹄疫禍の当初より極めて強い違和感を持っておりました。最近の議論にてようやく腑に落ちたと感じています。

発生当初特にGW明けぐらいから、現地及び他県関係者でも様々な団体や専門家らかのコメントにおいて、特に牛・豚で大きく意見が食い違い議論になる光景を見てきました。
養豚業者からの視点論点では主に批判的な意見が中心となり、こと種牛対応については唾棄すべき問題と極めて難色を示していました。大概に知事がなんらかの発言をすると
団体の総意として痛烈に「非難する」といった声明が上がっていたと記憶しています。
また、現地の養豚家であると思われる方のツイッターでもその経緯を見ていくと5月中旬以降意見が180度転換していく様が見え、不自然さを強く感じたのを覚えています。
厳しい疫病拡大期に身内での抗争の発生は私は意味がわからず、思案しかねていました。

最近までそれらの意味はよく理解できませんでしたが、最近の議論でそれが畜種間の相違によるものと感じております。
その業種内容は徹底的と言っていいほど異なっています。現役養豚家様のご主張をひも解くとそのような気がしております。
それぞれがおかれた国際競争影響度・ブランド戦略の有無・そして圧倒的な(これは養鶏でも言えますが)生産期間の相違の問題であると感じました。
養豚農家、繁殖・肥育牛農家は同じ畜産ではありますが、まったく別の業種であるということです。

一頭ずつの管理を前提とした和牛生産と群での管理を前提とした差異は徹底的です。当然養豚養鶏では一頭づつの検査、観察期間設定、出荷見合わせは
生産コストが販売単価が上回ることは自明の理です。そういった非合理的なルールが作られるほうが、今後の経営の重い足かせとなる意味で反対する意向は理解できます
ワクチネーション、予防的殺処分は養豚・養鶏では経済合理性に見合った対応であり、全頭処分は前提条件とならざるを得ない管理状況なのだと理解しています。
例えば仮に養豚家で一頭単位での検査体制を持つといった場合、
一農場で3,000頭以上いる養豚農家では、数週間で数百頭の子豚が生まれる、生産サイクルは数カ月、といった環境下でそもそも口蹄疫発症症例を一頭づつ管理することなど、不可能ではないかと。
一頭5分で休みなく口をこじ開け、熱を測り、蹄の異常を確認するとすれば、3人で作業したとしても一回当たり83時間を要します。顕在化する期間が一週間前後であるのに
都合良く把握できるなど不可能です。
また、養豚はブランド戦略を主軸にはおいていません(もちろんありますが)。店頭にならぶ豚の表示はせいぜい「国産」もしくは「~県産」です。
スーパーに並ぶ豚は基本的に隣県です。したがって値段の格差も特にない。種豚等の希少性は薄いといってよいでしょう。種豚が同列に殺処分されたとしても和牛程のダメージはありません。
むしろ豚にとって最大の致命傷は粗利益が低い分、稼働期間の減少が最大の問題点であると感じます。全頭処分をしたほうがむしろ再開するスピードがあがるのであれば
そのほうがメリットがあると考えるのは比較的正常な判断でしょう。

ところが和牛は正反対です。
販売単価が高い分、一頭全てでの検査を吸収できる余力があり、管理も基本一頭単位(BSE以来)、大型であるため血液検査等は比較的容易です。全頭検査は対応可能でしょう。
また、一頭当たりの価格差が大きいのも豚と異なります。主力としている高価な牛はありとあらゆる検査をしても生き残らせたいと考えるのは自然な発想でしょう。
また、国産牛とことなり和牛は国際競争の影響は比較的低い。OIEコードへの執着心も薄い傾向があります。
ただ、生産期間(それこそが高価格の根幹ですが)が数年となるため、一度の全殺処分は事業の廃業に直結します。また、種牛への依存性が豚・鶏の比ではありません。
経済価値が異なりすぎ、全頭公平な対応の強制は経済合理性を著しく逸脱します。

同じ感染動物でありながら、その経済的な位置づけは全く異なり、意見が一致しないことは至極当然であったと理解できました。
今回のワクチネーションが牛の業界団体から発生し得なかったのは納得がいく話であり、養豚業界が牛側に強い働きかけをせず、直接政権に交渉をしたのはその相違点を最も
自覚していたからこそでしょう。結果として、牛側に説得するのに時間を要し導入の遅延といった当然の結果となったことは明白です。

残念ながら、ここまで相違している業種で同一のルール化というのはやや無理があるのではと感じる面もあります。ウィルスの放出量が1000倍も異なる家畜です、豚の感染防止はまさに
分岐点となるのであれば、それぞれの家畜での対応の差異を加味することは今の管理体制から実現不可能というにはやや乱暴だと感じます。
家伝法、各種マニュアル、ルールも改定されるというのであれば、顕在化したそういった問題点をどう丁寧に対応する体制を確保するか、といった問題点に着目してもらいたい
と思っています。
その中で経済的な価値に着目していただきたいと思います。種牛の件もそうですが、口蹄疫が発生するたびに和牛の壊滅の危機にいちいち晒されるのではたまりません。
法改正等には特殊なルール(特例ではなく)を設定し、それに伴い厳重に管理する法整備やルール付けが必要だと感じます。

ワクチネーションの件については有効であったか、無意味であったかの考察、総括は必要性を強く感じますが、この時期においても各行政からの情報は薄く、科学的な知見も不十分、
総括すらしない方向が見受けられます。既に証拠、検査結果は土の中に消え、全ての議論が仮説、推定による他ないため証明不能となっている気がしております。実に残念です。
壮大な実験であったのであれば、先進国に恥じぬ実験結果の科学的な知見・情報の蓄積を確保し、こと口蹄疫についての世界的なオピニオンリーダーの地位を奪取し、
有利な外交交渉のカードにもする手段もあったでしょう。まあ今の政府に期待するのは酷でしょうが。
ちなみに先日、東京の支店に出張した際、アメリカの某支店の人間に言わせると、経済的な価値を無視して公平に処分するなど日本人は気でも狂っているのかとの意見を聞きました。
いかにもアメリカ人らしい意見でしたが、海外の場合は種牛等も当然公平に駆逐されたと思っていいたのでやや意外でした。ただ、日本ほど一部の血統に頼るような牛業者はないようですが。

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