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2010年11月28日 (日)

宮崎口蹄疫事件 その143 10例目 宮崎県畜産試験場川南支場の疫学報告

Photo
今回の口蹄疫事件で、県営家畜試験場という高度なバイオセキュリティが要求されるべき施設でありながら、豚の大規模感染を発生させた宮崎県畜産試験場川南支場の疫学調査報告です。

ウイルスの侵入は12例目の堆肥舎からの可能性を指摘しています。10例目と13例目は隣接しており、13例目のすぐ裏手に12例目の堆肥場があります。

この12例目の堆肥場が感染のハブになったと思われます。

職員の通勤車両に対するシャーワイン・シャワーアウトがされていなかったことが批判されています。

試験場内にトビ、カラス等が多い中、豚の畜舎間移動をしたことが、畜舎間の伝播をした原因と考えられています。この野鳥による機械的伝播は、12例目の堆肥舎においても指摘されています。

従来、一部であったウイルス侵入経路の修理業者説は否定されました。

なお、読みやすいように改行、ゴチックを施してあります。原文はこちらから。http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_fmd/pdf/ekigaku_matome.pdf

10例目 宮崎県畜産試験場川南支場(侵入推定11番目・豚)
所在地:川南町
飼養状況:豚486頭
発生確認日:4月28日
推定発症日:4月23日
推定ウイルス排出日:4月20日
推定ウイルス侵入日:4月16日

■〔要因ごとの調査結果
家畜関連

豚の導入
【侵入】
1月28日以降は導入実績はなく、豚の導入が当該農場にウイルスが侵入する要因となった可能性は極めて低いと考えられる。

肥育豚の出荷
【侵入】
肥育豚の出荷は3月26日の地域内の食肉処理施設への出荷が最後であり、それ以降の出荷はないことから、ウイルス侵入の要因となった可能性は極めて低いと考えられる。

廃用豚の出荷
【侵入】
4月に9回、計58頭を出荷しており、出荷先はすべて地域内の食肉処理施設である。直近の出荷は4月16日であり、当該農場にウイルスが侵入したと推定されている時期(推定ウイルス侵入日:4月16日)と重なる。
また、4月11、13日に12例目農場が同食肉処理施設に出荷しており、12例目農場からウイルスが排出されていたと推定される時期(推定ウイルス排出日:4月16日以降)に近いことから、ウイルス侵入の要因となった可能性は否定できない。

死亡畜の処理
【侵入・伝播】
死亡畜は敷地内で処理しており、このことがウイルス侵入及び伝播の要因になった可能性は極めて低いと考えられる。

飼料関連
【侵入】
534月には当該農場へ飼料が複数回搬入されていたが、そのうち4月14日は当該農場にウイルスが侵入したと推定される時期に近い。しかしながら、当該農場への訪問前に立ち寄っている農場は、ウイルスが排出されていたと推定される時期とずれており、ウイルス侵入の要因となった可能性は低いと考えられる。

【伝播】
また、4月20日にも当該農場に搬入されており、この時期には当該農場でウイルスが排出されていたと推定される。当該農場への搬入後に他の発生農場を訪問しているが、これらの発生農場にウイルスが侵入したと推定される時期はずれており、ウイルス伝播の要因となった可能性は低いと考えられる。

敷料関連
【侵入】
4月5日に業者がノコクズを搬入しているが、ウイルスが侵入したと推定される時期よりも前であり、当該農場にウイルスが侵入した要因となった可能性は低いと考えられる。

人関連
① 従業員
【伝播】
自宅が和牛飼養農家である職員が4月20日まで豚舎に入っていたが、当該農場にウイルスが侵入したと推定される時期とは重なっておらず、このことがウイルス伝播の要因になった可能性は低いと考えられる。

修理業者
【侵入】
修理等で部外者が入る場合はシャワーを使用し、着替えた上で入場していた。4月14、15、16、21、22日に修理業者が入場しており、4月15、16日は当該農場へウイルスが侵入したと推定されている時期と重なるものの、その前後には他の発生農場に立ち入っていないことから、当該修理業者が入場したことによってウイルスが侵入した可能性は低いと考えられる。

【伝播】
21日及び22日に当該農場に訪問した後、他の畜産農家を訪問していないことから、ウイルス伝播の要因となった可能性は極めて低いと考えられる。

野生動物等
【侵入】
当該農場敷地内にはトビ、カラス等の野鳥が多く見られた上に、ネズミやハエ、ゴキブリ等も見られた。4月22日、育成豚舎と種豚舎の間を場内の舗装道路を歩かせて豚を移動させたが、この道路にはこれらの野生動物等が容易に入れる状況にあった。
なお、この移動は育成豚舎と種豚舎の間を双方向で行ったが、この移動を行った育成豚舎及び種豚舎の双方で口蹄疫の発生が確認されており、この移動時にウイルスに感染した可能性は否定できない。

その他
【侵入】
隣接する13例目農場のすぐ裏手(直線距離で200m程度)に12例目農場のたい肥置場が設けられており、かつ、4月30日の12例目農場での発生確認までの間、当該農場の近接道路を経由してたい肥が搬出されていた。また、当該農場付近には野鳥が多く見られたことから、12例目農場のたい肥を介して当該農場へウイルスが侵入した可能性があると考えられる。

まとめ
■当該農場は4月23日以降に発症したと推定されており、ウイルスは4月中旬に侵入していたと考えられる。

■当該農場は、セミウィンドウレス豚舎で飼養し、車両の消毒槽、消毒液噴霧装置、豚の飼養エリアに入出場する際のシャワー室等の防疫関連施設・設備を備えていたが、1例目の発生が確認された4月20日までは、飼料運送業者等の関係車両に対する消毒は行われていたものの、職員の通勤車両に対する入場時の消毒は実施されていなかった。

なお、消毒薬についても口蹄疫ウイルスに対する効果が期待できない逆性石けんが使用されていた(4月21日以降は、塩素系消毒薬へ変更)。

■さらに、豚の飼養エリアへ入出場する際のシャワーについては、4月20日までは部外者には使用を義務付けていたものの、職員に対しては義務付けていなかった(4月21日以降は、職員にも義務付け)。

■また、4月22日、育成豚舎と種豚舎の間を場内の舗装道路を歩かせて豚を移動させたが、農場敷地内にはトビ、カラス等の野鳥が多く見られ、野鳥による機械的伝播が考え得る状況にあった。そのため、この移動が感染リスクを高めた可能性があると考えられる。

■当該農場と13例目は隣接しているが、13例目農場のすぐ裏手(直線距離で200m程度)に12例目農場のたい肥置場が設けられており、かつ、4月30日の12例目農場での発生確認までの間、当該農場及び13例目農場の近接道路を経由してたい肥が搬出されていたため、12例目農場のたい肥を介して近隣農場へ伝播した可能性があると考えられる。

*写真は県畜産試験場のHPから転載しました。

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