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2010年11月12日 (金)

宮崎口蹄疫事件 その137 なぜ清浄性確認の過程で血清学的抗体検査をしなかったのか?

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清浄国復帰に際して、OIEは血清学的抗体検査をすることを義務づけています。

私は寡聞にしてこれを「やった」という話を聞きません。やるという話は聞いていたのですが、やったのでしょうか。

現在「清浄性が確認された」ということで、とうに移動制限も搬出制限も解除されています。牛の競りも始まっていて、他県に搬出され始めています。

そのこと自体は現地にとって幸いなことですが、万が一ウイルスが潜伏していたらどうするのでしょう。

現地のS獣医師はワクチン接種して殺処分した家畜を、家畜防疫員が写真だけ撮って採材することなく終了させていたと話ています。

ということは、豚はキャリアになりませんから、少なくとも牛に関しては潜伏していた可能性があるわけです。

この恐怖があるので、終息宣言後に発症の疑いが出た時には、関係者が皆震え上がりました。

当時はすでに堆肥のウイルスの対策でてんてこ舞いだったのは理解できるのですが、かんじんな検体検査をしないとなると火種隠しをしているのだろうかという疑問が湧いてきます。

というのは、当時はすでに移動制限解除⇒清浄性確認の日程がスケジュール化されており、そこから逆算するようにして防疫活動をしていました。

当時から私はそのように焦るのはよくない、ワクチン接種区域の外縁までふくめた徹底した抗体検査をするべきだと書いてきましたが、現実にはスケジュール優先のまま終息宣言となってしまったわけです。

ところで、私が宮崎口蹄疫事件で常々おかしいと思っていることは、「政治」が防疫より優先していることです。

県有種牛の時には、畜産の関係者なら誰しもそう思いました。県畜産事業団にウイルス侵入されたこと自体がありえない大失態ですが、それをまるで救済するように知事が「特例」を要求し、赤松大臣までもがそれを認めてしまうに至っては、家伝法もクソもありません。

これはそれまでの国の出遅れを質草にとられて、特別措置法に対する県の対応の軟化をねらった政治的取引以外の何ものでもありません。ここでも「政治」が優先してしまっています。

知事が行政官としてではなく、政治家として動いてしまっています。後に知事は盛んにワクチン接種・全殺処分は間違いであると山内一也先生の論説を引き合いに出して力説していますが、それは出し遅れの証文というものです。

私もワクチン・全殺処分には大きな疑問を持っていますが、行政官がいったん了承して方針化したことを、後になって「あれは心ならずもやったことだ」というのは責任転嫁というものです。

殺処分をされた農家に、「あれは山田が悪い。オレは悪くない」と言っているようなもので、非常に見苦しい。了承した以上は、政治責任まで取りきらねばなりません。

終結宣言をあらかじめスケジュール化して抗体検査を省いたのも、現地を落ち着かせる、被災農家に希望を持たせるということも当然あったでしょうが、知事や大臣の人気取りがなかったとは思えません。

私は清浄化性確認の過程で陽性が出て当然だと思っています。むしろ皆無なほうが不思議です。潜伏している、あるいは発症しても見逃している、キャリアになっているなどのケースは当然あってしかるべきです。

韓国の今年の発生では発症しては終息し、終息しては飛び火することの繰り返しでした。清浄性確認とはそのようなものなのだ、と覚悟したほうがいいのではないでしょうか。

私には「ここで見つかったら一からやり直しだ。だから今は検査しない」という事なかれ主義があったように思えてなりません。

知事は退任後に再び発生がでたら、どのような責任を取るつもりでしょうか。

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口蹄疫問題」カテゴリの記事

コメント

私も「本当に大丈夫か?急ぎすぎじゃね?」とは思いました。

政治的にどんな駆け引きがあったか知るよしもありませんが、東国原知事の「オレは悪くない」と言ってるかのような発言は「気持ちは分かるがちょっと見苦しい」と感じました。
だからこそ知事辞めて国政を目指すってことかもしれませんが…。

抗体検査は行われましたよ。

宮崎県における移動制限解除後の清浄性確認検査の結果について
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/100922.html

抗体検査で全頭陰性 来月にも清浄国復帰申請
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=31350&catid=410

清浄性確認始まる 輸出再開へ150戸検査
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=30860&catid=410

最近、思うのです、10年前の宮崎での口蹄疫は、実は、終息していなかったのではないかと。今回と同様に、「もう清浄化は成されたんだ」と言い切った(言葉で宣言した)だけではなかったかと。
そう考えると、今回もまた宮崎で発生したことが頷けます。

一読者様、できれば分かりやすいHNつけて下さいな。

ただ批判しているのではなく、買って食べる立場からの素朴な疑問なんです。

ちゃんと検査が行われて「陰性確定」なら文句はないです。
ただ、もし「スケジュール先にありき」だったら、大いに疑問を感じます。ただラッキーを引き当てただけかもしれないかも…と。

清浄性検査で疑問なのは、次の2点。

1.ワクチン範囲の外周部で抗体検査を行っていないこと
  (これは、いろんな方が批判的に書かれていると思います。)

2.清浄国復帰の検査が、全県で150戸(牛農家)しかないこと
  (どのようにサンプリングしたのか公表されていません。)

cowboyさんへ
ここ数年の畜産では10年以上現役で置くということは経営的には敬遠される傾向があり、8年程度で廃用となる傾向が強いです。さらに言えば、10年前は10頭程度しか発生せず、流行したのは北海道のほうでした(150頭ほどですが)。

私としては口蹄疫は発覚後半月県レベルでの対策しかできなかったことが宮崎県の口蹄疫アウトブレイクにつながったと思いますけどね、正直なところ。

訂正
ここ数年ではなくここ10数年の畜産ですね。特に子牛市場では産次が市場名簿に書かれることが多いですから(産児数が増えると質が下がっていくとみなされる)、大規模肉牛産地では10歳以上を飼育することはほとんど見られなくなりました。

全頭検査を何故しなかったのか?
一つのヒントは10年前の検査結果でしょうか?
恐らく公表されていないので、我々が知るよしもありませんが、その結果が判れば、今回の決定の推移も理解できるかも?
今回の検査のサンプリングは、恐らく家保が通常業務の立ち入り検査等で一度検査なりなんなりをした、有る程度、状況の把握できている農場がピックアップされているのではないでしょうか?
決して無作為抽出とは言えないサンプリングだと思われます。
極論言えば、清浄性申請の為だけの清浄性確認です。
管理人様の言われる通り、今回は、本当に政治が表に出過ぎた気がします。
10年前と良く比較されますが、奇しくも親子で10年前と今回と、口蹄疫に対処するはめになりながら、
何故こんなにも、大きく違うのでしょうか?
確かに、10年前は与党で農水族のドン。今回は野党で、なかなか力を振るうことが出来なたった。それもあるかもしれませんが、根本的には、親父は獣医師であり、息子は素人であったと言うことかもしれません。もし、親父が存命で、力を持っていたら、あの種牛問題も、どうなっていたか判りません。
私個人的には、あのような特例は出る事がなかったかもしれないと考えます。

ドンペリさんへ
10年前の北海道は1件だけです。(擬似患畜約700頭)

ドンペリさんへ
ずいぶん、母牛の経済寿命が減りつつあることは、知っていますが、それでも、こちら、えびの市(西諸県郡)では、10以上の母牛は、比較的多いですよ。そちらの母牛は、8年の命、ずいぶん、更新が進んでるんですね。8年というと、6産くらいしかしないわけですね。やや、もったいない感じがします。
それは、さておき、10年前の宮崎での口蹄疫が終息したかどうかですが、発生地近隣の牛の抗体検査が全て陰性であったとしても、不顕性の偶蹄類(キャリア)が存在しないとは、言い切れませんよね。10年も経てば、ウィルスの遺伝子の型が変化する可能性は十分ある。ですから、Why Miyazaki again?の理由の一つとして、揚げても良いのではないかと思った次第です。

一宮崎人さんへ
ドンは、獣医師であられたわけですが、やはり、政治家ですよね。だから、種牛の特例は、獣医師としての判断より、政治判断が支配的だと思いますよ。なんせ、事業団のドンでもあるわけですから。10年前の宮崎の口蹄疫での終息を宣言したのも実質、氏だったとか。

「一宮崎人」様、「cowboy」様。あの県有種牛問題ではあのドン親子の果たした役割が大きかったと思いますが、私には現地情報が入っていません。
よろしかったらメールでもけっこうですので、お教えいただけないでしょうか。記事化できる部分だけでも記事化したいと思います。

「150戸の検査」は知っております。官報では無作為抽出とだけありましたが、今回の「一宮崎人」さんのコメントでその内実がわかりました。

さばっちさんへ
確かにWikipedia上で軒数を確認いたしました。頭数と軒数を錯覚していたみたいでした。

Cowboyさんへ
なるほど、そちらでは更新期間を早くするという方針を採っていなかったですか、これは失礼いたしました。
とはいえ、口蹄疫ウィルス自体は獣医学としては10年潜伏するという性質は報告されていないため原因ではないのではないかと思います。むしろ、現在も蔓延している中国韓国からの伝播の疑いのほうが自然な気がしますけどね。ちょうど、同じ時期にタイも中国からのウィルスの伝播が報告されていますし。

ドンペリさんへ
私は、敢えて、牛ではなく、偶蹄類という表現で、説明したのですが、そこを汲んでいただけなかったようで。
あまり、考えたくないのですが、
▼野生の偶蹄類に感染している可能性
▼たとえ、症状が現れていても、届け出ていない不届き者がいる可能性
という意味です。もし、上記どちらかでも成り立てば、終息したように見えて、終息していないといえるし、再び宮崎で発生した理由も分かるかと。

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