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2010年11月18日 (木)

小規模家族農家はネットワーク作りで生き残る 私の経験から

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「cowboy」様、なるほど、大規模経営が間違っているのが口蹄疫の教訓ですか。気分はわかります。うちなど、えばることではないが、大規模どころか零細泡沫経営です。

今でこそ2hの土地があるぜと言ってもそれはつい最近のこと。入植から20年間くらいは堂々の3反(!)経営でした。もう論外に狭いですな。北海道の農家なら、倉庫の前の空き地ていどの広さです(苦笑)。

さてこんな私ですから、経団連あたりがいう大規模でなくてはダメだ、、家族労働は趣味の農業、これからは法人経営、全国食料基地をこことあそこに作る、といった考えは、何言ってやんでぇと思っている男です。

経団連が日本の農村の現実を判っているはずがないのは当然ですが、一般の人までもが「大型化できないから日本農業はダメだ」などと言っているのを聞くと、やれやれと思います。

そんなに簡単に集約化ができたのなら苦労しなませんって。第一、和民にしても、農業に参入してくる企業でうまくやっている方が少ないじゃないですか。

確かに耕作放棄地は東京の24区くらいあるといっても、それは机上の数字にすぎません。

現実の耕作放棄地は、私は去年3カ月かけて自分の村で調査しましたが、アッチコッチに点在して、現況はシノダケで山野化してしまった斜面の土地です。よしんば、これをタダで貸す、いや多少補助金をつけてもいいよ、と言われても、ハイ使ってみましょうという農業者は少ないでしょう。

点在しているので、トラクターを移動させるだけで一日終わってしまいます。かといって、畜産も出来ない。畜産は関東近県ではこれ以上規模拡大できません。近隣がこぞって反対するからです。私もやられてひどい目に遭いました。

川南町のような入植の村という特殊性でもなければ、日本での畜産の大規模化の先行きは相当に厳しいと思われます。

となると、現況の小規模農家がどう生き残っていくかです。

このテーマは私のライフワークのようなもので、私の答えは小規模家族農家の販売力の強化と、事務局機能の統合のためにネットワークを作ることでした。

この協同による大規模化、法人化、ネット化という道は、私が10年前に創設した農業生産法人が辿った道でもありました。

農業法人は農協を先頭にして数あります。私たちが違ったのは、ただ自分だけがデカクなればいいと思う思考はなかったという点でした。

そしてそのためには、県境も平気で超えていくという広域ネットワークを作りました。私たちのグループは、地場を大切にしながら茨城-栃木-千葉の3県に生産者を拡げました。

小規模家族労働の農家のネックは、どうしても販売力、企画力が弱いことです。

また、一戸一戸の規模が小さいので、どうしても生産量が大きくならないし、安定しないのも大きな悩みでした。

都市の大規模流通に出荷をかけるためには、あるていどの「規模」というか、サイズが要ります。小規模農家ではこの量が不安定です。かんじんなモノが集まらない。

となると、初めは個人産直するしか手だてがありませんでした。

夜の8時9時に消費者のお宅に宅配したり、わずかの野菜や卵を保育園に届けてみたり、あるいはバカ高い宅急便を使って遠方の消費者に大根一本届けたりするわけです。

そのおかげで自分の農産物をアピールする能力が向上したり、自分の農場の見学や祭をする企画力はイヤでもついてきましたが。

とは言いながら、昼農作業をして、夜も配送をする毎日というのは、やりたくてやっている農業の仕事とはいえ、なかなかのものです。個人の努力では限界がありました。こんなことを十数年やって、私は自分の個人産直の限界を知りました。

ここから生まれたのが私が10年前に作った有機農産物と平飼養鶏を主体とした農業法人です。このグループはこんな機能を持っています。

●生産者の間を広域デリバリーで結ぶ。それを低温流通させる。
●統一の倉庫を作り、予冷保管を可能とする。希望によって原体出荷も可能な仕分場を作る。
●事務局を統一強化する。事務局がする主な仕事は以下です。
・受発注などの窓口業務
・作付け計画の調整
・トレサビリティの文書構築
・消費者を招いての祭、田んぼ体験、見学会、里山復興などのイベント企画
・技術交流
・統一ブランドの創出

書くと、まぁこんなことかという感じですが、けっこうそれなりにひとつひとつが難問山積でここまでやってきています。私は代表からはずれましたが、いちおうある程度の規模まで成長して、今は分社化の方向に進んでいます。

私は小規模家族労働が日本の農業の基本だと信じています。大規模化する人は止めませんが、常に借り入れ圧力や相場の波動と戦い続けねばならないでしょう。

いずれにせよ、今のまま親方JAを信じて行くのか、小規模なまま自由貿易圏時代を迎えるのか、という選択の時代になっていることを忘れないでほしいのです。

小規模は小規模なりに生き残るためにネットを組んで、共同のブランドを作ったのが私の経験です。

■写真 大根の収穫がまっさかりです。

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コメント

私の県でも小規模ながら耕作放棄地を地元土建屋さんと協力して再生して、新規就農者や小規模な生産組合で支援して「里山の再生」を目指してるグループもあります。
しかし、TPP加盟ともなると…堪えられるかは何とも言えません。


私も昔農学生時代に、当時アメリカからの輸入圧力に対抗するには…というテーマで研究に加わりましたが、「永久に拡大を続けないと無理」という答えでした。
また、以前もコメ欄で書きましたが、当時すでに自民党農政族の集票マシーン化していた農協に言われるがままに借金を重ねて破産・一家離散となった大規模農家も沢山見てます(特に岩手県山間部など)。

やはり、日本独自のシステムやブランド信頼性を確立しない限り、生き残る術はないかと思います。
地産地消教育などは大切でしょうが、経済自体が上向かなければ未来には繋がらないと考えてます。

和牛繁殖という生業は、単一で成り立たないものであります。OEMとして、地方でも成立しているし、肥育業者に販売するわけですから。
それでも、まぁ、一貫経営なら、生まれた子牛を肥育・屠畜して、お肉にして流通させる(販路に関しては、未知数ですが)ことは可能ですが、新たな設備(牛舎、堆肥舎、冷凍庫、倉庫など)投資や粗飼料確保は、うちのような零細農家では到底無理ですね。いづれにしても、JA系列の食肉加工場(屠場)を利用せざるを得ませんが・・・。
野菜や卵とは、同列にできない部分が多く、上記ネットワークの役割が実感できません(無意味に思える)。
農業・畜産が企業化することで、世界的な競争力の強化につながるかもしれませんが、和牛繁殖という業種を、企業化することは、大変困難だと思います。志を一にする数人の結束の固い人間が、不平も不満も無く、元気なときもそうでないときも、働ければ可能かもしれません。そう、夫婦のような関係を持つ数人が集まれば、一時的には、可能かもしれません。

cowboy様。小規模農家が生き残るためにはさまざまな方法があります。ちょうどウサギが素晴らしい聴覚と、駿足で自分を守り、ニワトリが集団的な習性と、鋭いクチバシで己を守ることに特化したようなものです。

ですから、私たち平飼養鶏や有機野菜の経験はかならずしも普遍ではありません。あくまでも「ひとつの選択肢」にすぎません。

私たちの分野と貴兄の分野にほとんど共通項はありませんが、ひとつだけ同じなのは、まさに職人的な意識で結束した同志的、かつ家族的な関係で生産をしていることです。

私が作った広域ネットはそれを結びつけ、共同ブランドとして大型流通と対等で渡り合えるマスにしたことです。

そのことによって今まで企業大型養鶏の独壇場だった商圏の一角に有機農産物の旗を立てました。

あくまでも私の個人的な経験です。ご参考にならなければそれまでということで、押しつける気はいささかもありません。

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