韓国口蹄疫 殺処分数55万頭
今年最後の記事も口蹄疫で終わることになってしまいました。残念です。
韓国口蹄疫は、江原道洪川郡で新たに1万3千頭の大規模養豚場にウイルスが侵入し、たことが判明しました。11月28日以来再発が続いている韓国口蹄疫は、殺処分数が54万9783頭にも達しました。
口蹄疫防疫の難しさを、私たちは宮崎口蹄疫事件で知りました。それは牛・豚混合感染だということです。これは私の家業である養鶏と比較してみれば分かります。
たとえばニューカッスル(ND)にしても、高病原性トリインフルエンザにしてみても、しょせんは鶏の伝染病です。厳密にはトリインフルは、豚とあるいはヒトに感染拡大する可能性はありますが、原則は鶏の病気にとどまります。
私たちは養鶏の範囲で守備を固めればいいことになります。しかし、同一地域で混在して飼われていることの多い牛、豚ではそうはいきません。
畜産とひとくくりにされていても、牛と豚ではあたかも「異業種」のようです。そして異業種間での共同の防疫は沢山の困難につき当たることになります。
防疫に対する温度差、家畜個体の価格差、経営規模の違い、経営の回転率の違い、出荷系統の違いなどは、防疫や殺処分に対する感じ方の違いとなって現れました。
そして何より豚の生物的特性として、口蹄疫ウイルスを千から最大3千倍にまで増幅して伝播させてしまうことです。このため、いったん牛、豚が混在している地域に口蹄疫が侵入すると、豚が感染を急速に増幅し続けてしまいます。
ですから、いったん地域で豚にウイルス侵入を許せば、ほぼ間違いなくその地域全体は牛、豚もろとも感染していくことになります。
韓国においてはこの豚への口蹄疫ウイルスの侵入は、既に各地で見られていますが、特に注目せねばならないのは25日の慶尚北道の種豚農場への感染です。もう既に、相当数のウイルスを潜伏させた豚が種豚として各地に拡散していっていると覚悟せねばなりません。時限爆弾です。
江原道洪川郡の1万3千頭の大規模農場への侵入と、この種豚との関わりは不明ですが、なんらかの関係があるのかもしれません。
韓国政府が25日からようやくワクチン接種を開始しました。しかし、在庫ストックの関係からか、あるいは防疫作業の遅滞を嫌ってか牛、豚同時接種せねばならないにもかかわらず、牛にのみの接種に限定されるという明らかな誤りをおかしています。
そして、慶尚北道の第1例が出たアンドンでは全市、慶尚北道イエチョン、京畿道パジュ、コヤン、ヨンチョン郡では、発生農場から10㎞圏内とするなど、ワクチン戦略が曖昧です。
その上に、ワクチン接種家畜の出荷まで認めてしまっています。他国の事情をあれこれ論評するのは差し控えたいところですが、正直に言って、韓国政府がなにを考えているのか理解に苦しみます。
また、情報が少ないので内情は分かりませんが、一般人の集会などの規制はあるのでしょうか。年末から正月で、一族で祝う風習のある韓国でこれを規制することは難しいのは分かりますが、宮崎県においては高校球児の大会応援すら自粛したのです。宮崎県人は他県に行くことすら憚られたのです。
どなたかが言っていましたが、「宮崎は引きこもりでしのいだ」のです。宮崎の人々には、頭が下がります。
韓国政府は、1日1万頭とも言われる高い殺処分能力と、従来の疫学調査の速度に頼りすぎた結果の陥穽に陥ったように思えます。
韓国は酷寒の地です。韓国北部の京畿道、江原道などは、平均最低気温がこの12月は-4℃、1月は-7℃、2月は-5℃の地域です。地盤は完全に凍結しており、埋却作業も熾烈を極めると思われます。
李明博大統領も各部署の業務報告会で「殺処分に当たる人員に特別な配慮が必要だ」と指示しました。
正月も返上して口蹄疫と闘う韓国の防疫関係者と、畜産農家にほんとうの新しい年がくるのはいつのことなのでしょうか。がんばろう、韓国!
さて、今年も沢山の方にお世話になりました。特に宮崎県の皆様、ほんとうにご苦労さまでした。皆様には人間の強さと涙の熱さを教えて頂きました。宮崎県でくいとめられたことを、後世は偉業と評価することでしょう。一日も早い再建をお祈りしております。
皆様がよいお年をお迎えになられることを心より祈念しております。
濱田拝
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■ハンナラ党の鄭雲天(チョン・ウンチョン)口蹄疫対策特委委員長は26日、口蹄疫の拡散と関連し、「検疫検査庁を設立し、先進国型の常時家畜防疫システム構築を推進する」と述べた。
鄭委員長はこの日、ソウル汝矣島(ヨウィド)党本部で記者懇談会を開き、「現在、検疫業務は獣医科学検疫院・植物検疫院・水産物品質管理検査員に分れているため、統合する必要がある」とし、このように明らかにした。 また「国民が口蹄疫汚染国に行ってくる場合に対応し、空港から食卓まで一連の過程を徹底的に管理できる機構がなければならない」と付け加えた。
鄭委員長は「農林水産食品部では非常事態への対応がよくできている」と述べながらも「口蹄疫が広がっているだけに、政府全体レベルで対策を準備することを求める」と明らかにした。 さらに畜産農家を支援するため▽家畜伝染法予防法改正案の国会本会議処理▽畜産農家牧場用地の譲渡税免除▽畜舎建築に対する付加価値税免除--などを推進すると述べた。
こうした中、京畿道(キョンギド)南部の驪州郡(ヨジュグン)でも口蹄疫が発生した。 京畿道は全国の肉牛の10%、乳牛の40%、豚の20%ほど飼育している。 特に驪州と安城(アンソン)・華城(ファソン)など京畿道南部地域には道内の飼育家畜の約70%が集中している。 江原道(カンウォンド)でも横城(フェンソン)に続き、最前方地域の鉄原(チョルウォン)にも25日、口蹄疫が発生した。
慶尚北道(キョンサンブクド)安東(アンドン)・醴泉(イェチョン)、京畿道坡州(パジュ)・高陽(コヤン)・漣川(ヨンチョン)など5地域で25日から実施中の予防ワクチン接種は順調に進んでいる。
口蹄疫が初めて発生し、被害が大きい安東は全地域、残りの地域は口蹄疫発生農家を中心に10キロ以内の韓牛が接種の対象。 予防ワクチン接種対象の家畜は▽安東1446農家・1万7000頭▽醴泉4106農家・4万7000頭▽漣川396農家・1万8000頭▽坡州723農家・3万1000頭▽高陽345農家・2万頭--で、計7016農家・韓牛13万3000頭余り。
また政府は驪州郡加南面(カナムミョン)と北内面(ブクネミョン)、利川市大月面(イチョンシ・デウォルミョン)を中心に半径10キロ以内(京畿道楊平の一部を含む)1600農家の牛5万6000頭に対しても追加で予防ワクチンを接種することにした。
一方、李明博(イ・ミョンバク)大統領は「畜産農家をできる限り支援するべきだ」と指示したと、洪相杓(ホン・サンピョ)青瓦台(チョンワデ、大統領府)広報首席が伝えた。 李大統領は任太煕(イム・テヒ)大統領室長から京畿道第2庁舎訪問の結果について報告を受けた後、このように指示した。
(中央日報12月27日)
■先月29日、慶尚北道安東(キョンサンブクド・アンドン)で初めて発生した口蹄疫が発生から1ヵ月が経ち、27日も、仁川市西区梧柳洞(インチョンシ・ソグ・オリュドン)の養豚場や慶尚北道靑松郡眞寶面理川里(キョンサンブクド・チョンソングン・ジンボミョン・イチョンリ)、京畿道楊平郡楊平邑新愛里(キョンギド・ヤンピョングン・ヤンピョンウプ・シンエリ)の韓国牛農場で、口蹄疫陽性と判明した。
これで口蹄疫は、4市道や26市郡区に拡大し、27日現在、計44万3442頭が殺処分された。
●忠清にまで広がるか
防疫当局は、京畿道驪州(ヨジュ)や楊平、利川(イチョン)などの京畿道南部地域で相次いで口蹄疫が発生したことを受け、すでに口蹄疫ウイルスはこの地域に蔓延している可能性が高いと見ている。特に、驪州の口蹄疫発生農場と利川の予防殺処分農場から、抗体の陽性反応が出たことに注目している。通常、口蹄疫ウイルスは感染期間が短ければ抗原からだけ陽性反応が出る。1、2週間以上経てば、抗原と抗体から全て陽性反応が出る。これを受け、国内乳牛の最大密集地域である京畿南部では、すでに口蹄疫ウイルスが相当期間、広範囲に渡り、広がっているという推測ができる。
農林水産食品部(農食品部)の関係者は、「従来の5ヵ所のほか、京畿南部の3ヵ所をワクチン接種地域に指定したのも、驪州と利川から、抗体の陽性反応が出たためだ」とし、「同地域は交通の要地である上、忠清地域と接しており、大変懸念している」と説明した。
京畿道北部地域である抱川(ポチョン)や金浦(キムポ)、高陽(コヤン)などで口蹄疫が発生したため、相対的に防疫は京畿北部地域に集中させた。京畿道地域は14日、京畿道楊州(ヤンジュ)と漣川(ヨンチョン)から口蹄疫が発生するまで、1ヵ所も詰め所が設置されなかった。
防疫当局の関係者は、「14日を前後にし、口蹄疫ウイルスが京畿道以外の地域へと伝播されたのでは、と懸念している」と話した。実際27日、忠清北道忠州市陽城面中田里(チュンチョンブクド・チュンジュシ・ヤンソンミョン・チュンジョンリ)の韓国牛農場から、口蹄疫疑いの申告があり、防疫当局は緊張している。陽城面は口蹄疫が発生した驪州や江原道原州(カンウォンド・ウォンジュ)と隣接している。これまで、忠清北道では、口蹄疫による疑いの申告は1件もなかった。
●「最長期間の発生」を更新するか
これまで発生した4回の口蹄疫のうち、最も期間が長かったのは02年の52日間だった。しかし、発生から1ヵ月目を迎える今回の口蹄疫が、今のようなスピードで拡散することになれば、最長期間の発生記録を塗り替える可能性も高い。今回の口蹄疫は、発生地域や被害額においてもすでに、02年の口蹄疫規模を上回っている。
02年の口蹄疫は、発生地域が2道と4市郡で、殺処分規模も計16万155頭だった。被害額も同様に今回の口蹄疫の現在までの被害額(約4500億ウォン)が02年(1434億ウォン)より圧倒的に多い。
一方、農食品部は同日の業務報告で、慶尚北道や京畿、江原道地域の口蹄疫の拡散と関連した大まかな疫学関係を明らかにした。防疫当局は、京畿道坡州(パジュ)にまで広がった口蹄疫のウイルスは、飼料の出荷車両を通じ、高陽(コヤン)と楊州に伝播されたものと見ている。さらに、京畿道周辺を走り回る畜産関連車両が、加平(カピョン)や高陽、漣川はもとより、江原華川(ファチョン)まで、、ウイルスを伝播させた。
「韓国牛のメッカ」である江原橫城(フェンソン)は、加平の発生地域に立ち寄った稲わら供給車両によって、口蹄疫ウイルスが伝播されたと防疫当局は見ている。
(東亜日報12月28日)
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