島根県でトリインフルエンザ発生 速報 日本初、確定前に殺処分!
農水省プレスリリース
1.農場の概要
所在地:島根県安来(やすぎ)市飼養状況:採卵鶏 (成鶏2万羽、育雛3,300羽)
2.経緯
(1)本日、島根県は、死亡鶏の通報を受けて農場の立入検査を実施。
(2)顕著な死亡率の上昇は認めないが、インフルエンザ簡易検査で5羽中3羽陽性。
(3)同県は当該農場に対し、家きん・卵等の移動の自粛を要請するとともに、追加検査のため採材。
(4)家畜保健衛生所で遺伝子検査を実施したところ、H5亜型であることを確認。
(5)今晩、約30羽の死亡が確認されたこともあり、現時点で疑似患畜とする。
3.今後の対応
本日、「高病原性鳥インフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針」に基づき、農林水産省に鹿野大臣を本部長とする高病原性鳥インフルエンザ防疫対策本部を設置・開催し、今後の対処方針を以下のとおり決定しました。
- 「高病原性鳥インフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針」に基づき、当該農場の飼養家きんの殺処分及び焼埋却、移動制限区域の設定等の必要な防疫措置を迅速かつ的確に実施。
- 移動制限区域内の農場について、速やかに発生状況確認検査を実施。
- 感染拡大防止のため、発生農場周辺の消毒を強化し、主要道に消毒ポイントを設置。
- 感染状況、感染経路等を正確に把握し、的確な防疫方針の検討を行えるようにするため、農林水産省の専門家を現地に派遣。
- 島根県の殺処分・焼埋却等の防疫措置を支援するため、動物検疫所から「緊急支援チーム」を派遣。
- 全都道府県に対し、本病の早期発見及び早期通報の徹底を通知。
- 関係府省と十分連携を図りつつ、生産者、消費者、流通業者等への正確な情報の提供に努める。
4.その他
(1)当該農場は、感染が疑われるとの報告があった時点から飼養家きん及び卵等の移動を自粛しています。なお、家きん卵、家きん肉を食べることにより、鳥インフルエンザウイルスが人に感染することは世界的にも報告されていません。
(2)現場での取材は、本病のまん延を引き起こすおそれもあること、農家の方のプライバシーを侵害しかねないことから、厳に慎むよう御協力をお願いいたします。
(3)今後とも、迅速で正確な情報提供に努めますので、生産者等の関係者や消費者が根拠のない噂などにより混乱することがないよう、御協力をお願いします。
島根県安来市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザへの感染が疑われる鶏が見つかったことを受け、県は30日、感染拡大防止のため、疑い例が出た養鶏場で飼育する約2万3300羽について、同日午後から殺処分を始める方針を決めた。鳥インフルエンザで、ウイルスの型を特定する前に鶏を殺処分するのは全国で初めて。また、養鶏場が鳥取県境近くにあることから、鳥取県は同日、境港市の養鶏場周辺などで消毒作業をスタートさせた。
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島根県プレスリリース
1 発生農場の概要
安来市の養鶏農家(採卵鶏、2万羽飼養)
2 経緯
11月29日 朝 ・農場主が5羽の死亡を確認
午 前 ・県松江家畜衛生部が簡易検査で陽性を確認
・農場主に対し、飼養する鶏の移動自粛の要請
・県家畜病性鑑定室へ検体を搬入
20:30 ・PCR検査で高病原性鳥インフルエンザの疑いが強い
事例の発生と判断
3 今後の予定
(1)(独)動物衛生研究所に検体を搬送後、ウイルスを確認し、高病原性鳥
インフルエンザの発生を確定します。(12月1日夜の見込み)
(2)発生が確定した場合
・島根県危機管理対策本部を設置
・発生農場の鶏の殺処分
・半径10km以内の農場の鶏等の移動規制等の防疫処置を実施
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■13羽の判明は1日夜、調査対象400万羽
政府は鳥インフルエンザ対策本部を設置し、菅直人首相は同日午前の会合で全力を挙げて対応に当たるよう指示した。
島根県によると、安来市の養鶏場では29日、13羽が死んでいるのを事業主らが確認。動物衛生研究所(茨城県つくば市)で検体の詳細検査を行い、12月1日夜に結果が判明する見通しで、感染が確定すれば半径10キロ以内の鶏や卵などの移動が制限される。
移動制限の対象となる養鶏場5カ所のうち2カ所は島根県、3カ所が鳥取県に位置しており、鳥取県はこのうち一部の鶏を抽出し、ウイルスの遺伝子を調べるPCR検査を実施。また、農林水産省は専門家らでつくるチームを島根県に派遣する。
鳥取県による消毒作業は、疑い例が確認された養鶏場周辺の鳥取県内2カ所の主要道路で車両を対象に実施。島根県は30日未明以降、養鶏場から数十メートルの範囲で道路規制を行っている。殺処分は同日午後から約90人態勢で行い、終了まで2、3日掛かるという。
両県は、すべての養鶏場を対象に感染の有無を調査。対象は島根で約40カ所、鳥取で約90カ所に上り、計約400万羽が飼育されている。(産経11/30)
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■政府は30日午前、島根県安来市の養鶏農家で高病原性鳥インフルエンザの感染が疑われる鶏が見つかったことを受け、全閣僚で構成する「鳥インフルエンザ対策本部」を設置し、鹿野道彦農相が防疫措置の実施状況などを報告した。
菅直人首相は宮崎県で口蹄疫(こうていえき)被害が拡大した事例を挙げ「迅速な初動対応が重要だ」と指摘。「何としても抑え込まなければならない。国内の危機管理に全力を挙げてほしい」と各閣僚に指示した。(毎日新聞11/30)
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■島根県は30日、高病原性鳥インフルエンザへの感染が疑われる鶏が見つかった同県安来市の養鶏場で飼育している約2万3000羽について、同日午後に殺処分を始めた。処分が終わるまで2、3日かかる見通し。高病原性鳥インフルエンザとの最終的な確定を待たずに殺処分するのは初めてという。また隣の鳥取県境港、米子両市を含め、この農家から半径10キロ以内にある養鶏場の鶏卵や鶏肉などを移動制限する。
島根県は同日午前9時すぎから危機管理対策本部会議を開催。この養鶏場ではこれまで13羽の鶏が死んでいるが、県内の他の養鶏農家では異常は確認されていないという。
県はウイルスが高病原性のH5型の可能性が高いとみており、茨城県つくば市の動物衛生研究所が検体を調べる。検査結果が分かるのは1日夜になるという。処分した鶏は焼却するため、焼却炉の手配を国に要請している。
また、島根県は30日朝から養鶏場近くなど計9カ所で、鳥取県も米子市と境港市の2カ所で、それぞれ通行する養鶏業者などの車両の消毒を始めた。
一方、鳥取県は当該農家から半径10キロ以内にある3養鶏場で抽出した鶏50羽の血液検査を行い、感染していないか調べる。同県畜産課によると、3養鶏場では約7万羽を飼育している。29日午後に県職員が戸別に訪れた際には異常がないことを確認しており、出荷自粛を要請した。
3養鶏場のほか、鳥取県内では84農家で約300万羽を飼育。同県は全養鶏場に異常がないか聞き取り調査を行う。
島根県の溝口善兵衛知事は危機管理対策本部会議で「国と協力し、万全の態勢で、他に波及しないようにしてもらいたい。原因の分析もしっかりやって、今後の対策も心がけてもらいたい」と話した。 (毎日新聞11/30)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_bousi/pdf/hpaisisin.pdf
■12月1日夜出るといわれている動物衛生研究所のウイルス同定の発表を待ってからの詳報となります。
現在、家保などで情報を取っていますが、まったく情報がプレスリリースと報道以外にない状況です。
農水省動物衛生課も総力をあげて現地に行っているようです。
今回の場合は鳥取と島根の県境にまたがっており、島根のほうが飼養羽数は多いようです。動物衛生課としても、難しい判断ですが、統一された防疫体制を敷かないと大変なことになります。
今回の疑似患畜の確定前処分という日本防疫史上初めての措置は、農水省の確固たる意思だと思われます。
正直に言って仰天しました。なにせウイルス確定前に殺処分ですから、この是非は後に問題となると思います。
口蹄疫が今後発生した場合も、このように確定前殺処分をするのでしょうか。防疫というのは前例踏襲の部分がありますから、その可能性も出てきました。拍手すべきか、いくらなんでもと言うべきか、悩ましいところです。
それは置いて、政府の対策本部が非常に立ち上がりが速いのは、うれしい驚きです。この部分は口蹄疫を正しく総括しています。
そのあたりも含めて現時点では詳細な情報がありません。
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コメント
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今年は口蹄疫で大騒ぎになった反動かと思いますが、今回の農水省の動きの速さには、驚きとともに感心しました。
鹿野さん頑張ってるじゃんと(私の選挙区でありながら支持してはいないんですが…)
GoogleEARTHで当該養鶏場が容易に特定できました。ネット時代の凄さと恐ろしさです。
被害が拡大しないことを心から祈っております!
投稿: 山形 | 2010年12月 1日 (水) 09時16分
シベリアからのカモが南下途中にH5ウイルスを持ち込んだ! カモはウイルスを持ったいても、まったく健康だから、これが問題、感受性の弱い白鳥が、湖などで、カモから感染、衰弱した白鳥などが、湖で見つかった!
投稿: AniVet | 2010年12月 1日 (水) 10時01分