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2010年12月24日 (金)

韓国口蹄疫 ワクチン接種13万3千頭対象に始まる・よく理解できない韓国のワクチン方針の謎

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「日本農業新聞」(12月24日)によれば、韓国口蹄疫拡大牛防止のためにワクチン接種を明日25日から開始するそうです。いよいよですか。感染が拡がる慶尚北道と京畿道の2道から開始します。

慶尚北道ではアンドン市全域の牛に接種市、他の地域では発生農場から半径10キロの牛に接種し、慶尚北道イエチョン、京畿道パジュ、コヤン、ヨンチョン郡では、発生農場から10キロ圏内に接種します。

江原道では、新たに感染が確認され次第、ワクチンの使用に踏み切る考えです。その他の地域では、従来どおり発生の羽状から500m以内の全殺処分で、対応し、発生状況時代でワクチン接種を決定するとしています。

また、ワクチン接種地域で発生した場合は、発生農場のみの家畜を殺処分するに止めるそうです。

接種対象は牛に限定されるそうです。対象頭数は現在7016戸の13万3千頭に登ります。

現在殺処分数は1462戸、27万8530頭に達しました。あまりの膨大な数になんと言ったらいいのか分かりません。ワクチンでこの感染拡大の行き足が止められないとなると、もはや打つ手がなくなります。いい結果を祈るばかりです。

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さて、疑問がいくつか残ります。
■まず第1になぜワクチン接種対象が牛に限定されたのか分かりません。宮崎の事例においては、豚が増幅動物として感染拡大を拡げました。豚の感染拡大を阻止しなければ、地域での感染拡大に歯止めがかからないはずです。

この豚に接種しないという方針は、明らかな誤りに私は思えます。いかなる理由なのか早急に知りたいと思います。

■第2に、ワクチン接種範囲がまちまちなことです。慶尚北道の第1例が出たアンドンでは全市、慶尚北道イエチョン、京畿道パジュ、コヤン、ヨンチョン郡では、発生農場から10㎞圏内としています。

半径10㎞は日本と一緒ですが、なぜ他の地域で接種しないのか分かりません。つまり、半径500mの全殺処分地域と10㎞ワクチン接種地域、全市対象地域、そして無接種地域の4種類の区分けをしています。

宮崎県を知っている私たちから見れば、宮崎県と同規模災害に近づきつつあるこの時期に、この微妙な区分は何だと思いたくなります。

たぶん、韓国政府は自らの疫学調査に非常に重きをおいており、日本のような遅れまくった疫学調査のようなな失態はしないと思っているのでしょうか。

だとすれば、非常に危ういと思います。ここまで感染拡大したのは、韓国政府の疫学調査に漏れる何事かが連続して発生しているからであり、韓国政府も感染伝播経路を抑え切っていないはずです。もし完全に抑えているのなら、とうに感染拡大は停止しているはずですから。

私はこのようなあいまいな区分けに基づくワクチン接種方針は禍根を残すと思えて仕方がありません。

■第3に、ワクチン接種地域で発生した場合は、その当該農場のみの殺処分で済ませるという考え方です。ということは、韓国政府は、ワクチン接種家畜を殺処分しないということになります。

やや唖然とする方針です。ということは、韓国政府は例のOIE清浄国ステータス復帰の方法に、日本とは異なって6カ月間を選ぶということになります。まぁ、それならそれでいいのですが・・・。

殺処分数をこれ以上増やさないという経済的動機と、ステータス回復の道のりを天秤にかけたということでしょうか。自由防疫国の韓国としては思い切ったことを考えたものです。

■第4に、ワクチン接種した牛で、抗体検査でマイナスならば、肉用としての流通・販売を認め食肉とする方針だそうです。

これもう~んですね。抗体は接種後すぐに上がりません。宮崎では接種後10日以上たって発生が出たケースもあります。ワクチンは万能ではないし、潜伏期間内に接種を受けてその直後に抗体検査をされてもプラスにならないケースもあります。

ここでその牛を出荷してしまったらどうなるのかは明らかです。ウイルスの食肉による伝播です。今、どうして日本で水際で韓国産の牛肉、豚肉をチェックしているのか、韓国政府は判っているのでしょうか。

わからないことだらけです。他国の防疫方針をことさら批判するのは憚られますが、韓国政府が宮崎県の事例を研究していないことだけはよく分かりました。

■写真 白八重の椿が散って、薄桃色の椿が咲き始めるとお正月です。

■ 鹿児島出水市で出ているツル種のトリインフルエンザの感染が拡がっています。どうも東アジアで土着化してしまったような気がします。わが霞ヶ浦、北浦一帯もも厳戒体制に入っています。本業から言えば、韓国口蹄疫どこじゃないんですが(苦笑)。

             

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コメント

23日までの殺処分対象は、1,750農場、299,743頭となり、宮崎を超えました。

昨夜からは寒波が来ており、韓国北部は最低気温が-15℃まで低下して、消毒作業もたいへんなようです。

豚のワクチン接種については、韓国国内でも、行うべきだという意見もあるようですが、当面、ワクチンの備蓄量が豚に接種できるほどないようです。(追加のワクチンが届いたら、方針を変えるかもしれません。)

ワクチン接種牛の出荷については、壮大な実験になりそうですね。ただ、牛肉の価格が値崩れする危惧もあるようです。

韓国のワクチン接種については、笹山登生さんのツイートhttp://twitter.com/#!/keyaki1117
が詳しいです。

韓国のワクチン接種は遅すぎましたが、やっとワクチン接種の道を選択したということでしょう。ワクチン接種後に殺処分をしないのが正常であり、そのために清浄国回復が3ヵ月遅れることにどこに問題があるのでしょうか。もっともOIE自身が貿易上の防疫の問題を扱う国際機関として、防疫と貿易を天秤にかけさせる限界があり、殺処分だけであろうが緊急ワクチン接種をしようが、同じ3ヵ月後に清浄国回復の認定をすべきです。また、緊急ワクチン接種の場合に感染畜が残っていないことの証明は、口蹄疫終息後に確認が求められていることであり抗体価の上がり方を心配する必要はありません。簡易PCR検査を導入すればキャリアーの問題や感染か健康かの判定を含めて迅速に解決できます。簡易PCR検査とワクチンを使用した防疫対策を準備しないと、口蹄疫惨事は繰り返されるでしょう。

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