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2010年12月10日 (金)

農業なんて、なにが美味いかということに尽きると思う

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私は子供の頃から大の卵好き。ラーメンにまで卵を落とすガキだった。
ま、自分の好物が家業とはありがたい。

卵黄がビシャと潰れる卵のことをなげいた声を聞いた。

ええっとね、卵屋として回答させていただきます(笑)。黄身がすぐペショと破れるのは、卵黄を包んでいる卵膜が弱いからだ。
卵というのは宇宙でしてね、生むトリからすればヒトに食われるために生んでいるわけじゃない。

卵は幾重にも防御されている。種の保存のためだから。卵殻、その下の卵膜、そして卵白、そして卵膜だ。

じゃあ卵黄とは何かっていうと、卵黄の中にある胚を孵化させるための栄養たっぷりの弁当なんだ。
では卵白はっていうと、この弁当と胚という本丸を守るための防御バリアーなんだな、これが。知らなかったろう。

卵白はリゾチウムという溶菌物質をもっている。大方のウイルスや雑菌はこれでやられて、ゴール、つまり卵黄にたどり着けない。

おまけに卵白は、ゲル状になっているために、ちょうどカタクリのトロトトロの海を泳ぎ渡るようなものでウイルスなんかもそうとうに筋力がなけりゃあダメだ。だから、私たち卵屋は、この卵白が強いか弱いかをいい卵の判断基準としている。

襲い来るウイルスが次々にそれらを突破してきたとして、卵黄と胚の本丸を守る最後の薄い防壁が卵膜なんだね。

ダメ玉は卵白がダレる。つまりパワーがない。もう細菌攻撃に耐えられないんだね。
一方いい卵は、濃厚卵白といって周辺部の白身(水様性卵白というのだが)から、もう一段盛り上がった白身がプリプリしているかどうかに着目する。

濃厚卵白の上に卵黄が鎮座ましましていれば健康でうまい卵の証だ。

そして、この黄身がペショとなるということは、それを包む卵膜が弱い、つまりゴールキーパーがダレているということだ。
ウイルスに軽く突破されて卵黄に突入され、一挙に腐る。あるいはサルモネラなどの感染症をドカンっといくことになる。

そのうち「究極の親子丼」とか、「至高の水炊き」を食べさせてしんぜよ。
なんのこたぁない、みんなうちの食材なんだけどね(笑)。

主役はとうぜんのこととして、わが農場の放し飼いの卵。生んでから4日目の常温保管(夏を除く)が食べ頃。
言っておくけど、生み立てがうまいと思うのは日本人の刺身幻想だよ。
経験的な日数だがね。

ついでに、生み出しのたまご(初卵という)が生涯いちばん美味いなんて「美味いんぼ」に書いてあったが、雁屋哲さんどこで聞きつけたのか。ありゃ卵屋のホラだ。「ホラれたり、雄山」。

生み出しはたしかに卵黄の盛り上がりはすごいが、味にコクがなくて淡白。しょせんは習作の域を出ない。
ほんとうにおいしい卵は、むしろ熟女のみなさんのぽてっとした大きな卵だ。だいたい3日に一個ていどでしか産まないせいもあって、黄身の粘りや味の深さが違う。

さてね、鶏肉もうちのシャモ肉でいこうか。
通常のブロイラーの倍の120日飼っている。

ブロイラー、つまり若鶏ってやつだが、あんなのは女の子で言えば中1。毛もはえてない(下品で失礼)。
それをブクブク太らせて超デブにする技術を使って、なんと2~3㎏もの肉をつけるという魔改造。
ちなみに、同時期のうちの女性従業員(候補)は、その3分の1くらいのスリムな体型だ。

このブロイラーという鶏に対する魔改造は、第2次大戦の時に豚肉が足りなくて、いかに促成で肉をつくるかという兵站の要請から生まれた。

ニワトリが一番美味いのは、これはうちのトリ従業員には秘密だが、生み出しだね。
卵を生み出して1カ月以内。まだ柔らかくて、プリプリしていて、翼も艶を帯びていて、お尻も小さく、目もキラキラ輝いていて、ほのかに咲いたトサカもピラピラと風にそよぎ、ああ、まさに青春(←なんか官能小説みたい)。

こんな生み出しから少しくらいの時期に食うと、ホントにうまい。
う~ん、なんか変態ジジィみたいだがホントだぞ。

われら採卵屋はこれからしっかりと生命力を開花させてがんがん生んでもらう予定なので、とうぜん食えない。
そのうち食ってみたいと思うが、ケチ根性でなかなか出来ない。

親子丼のネギは、有機栽培。今の冬の始まりの頃のネギは特にうまい。
うちの田んぼのセリもいれてみよう。鍋が香り立つぞ。

唐揚げにするなら、わが家製の菜種油を使おうか。
これを語ると長すぎるので、今回は省略。

そしてアイガモ農法のコシヒカリをゼータクにもカマドの薪で炊く。
これもウンチクを垂れ始めると長いので略。

水は森の湧き水。水神さまの祠の横からこんこんと沸きだしている。水についても話たいことはたっぷりあるけど略。

醤油は私の友人の弓削田醤油。これ絶品。高いけど。

味噌汁には、これまた友人の涸沼のシジミでもいかが。
味噌は自家製2年ものと新味噌とのブレンド。
私は若い時には味噌屋になる気もあったので、これも話しだすと長いので、略す。

出汁は那珂湊の網元のダチから貰ったジャコ。
彼との関係もおもしろいけど略。

漬け物は何にしようかな・・、そうだよく漬かった大根の糠漬けはいかが。
この糠床は年季が入っていて、毎年古いのを入れて、新しい糠床とブレンドしている。

略してばっかりだけど、うーん、自分で書いていてよだれがでたぞ。

私、農業なんてなにが美味いかということに尽きると思うもん。
美味いもののイメージがない奴が農業やるなって。

食うこと拒否したらダメだ。
食うのは基本だ。
食うのは楽しい。
食い尽くして死のうぜ。味わい尽くして死のうぜ!

■この記事は体を壊している友人に宛てたものを加筆修正したものです。友人が一日も早く回復することを祈ります。

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コメント

病床に伏している私には、酷な記事でした。それでも、もうすぐ、退院ですが。
管理人さんの農業・食、いや人生・幸福に対する思いには、大変、共感致します。面倒臭いことにこそ、幸せや充足感は隠れている。

ご友人の一早い回復をお祈り申し上げます。
病気の時に嬉しいのは知己の見舞い、そして手紙、うまい食べ物です。体の回復は医療にしかできませんが、気力の回復は暖かい心遣いと本人の気概でしかできないと思っています。

私は関東に育ち、ほとんどスーパーの食材や外食でしか食べ物の味を知りませんでした。それなりに高級なレストランや旅館の食事もしましたし、正直満足していました。

考えが180度変わったのは家内と結婚してからです。家内の実家は九州で兼業農家を営む一町歩農家(山間)でした。
結婚して遊びにいくと「なんにもないよ」と笑いながらでてくるでてくる、自家栽培の野菜、果物、米、近隣の川で取れる魚、カニ、有明海の水産物、玄界灘でつってきた(義父)1Mはあろうかというヒラメ、石鯛、あいなめ、コチ、アラ。山からとったというタケノコ、楤の芽、その他諸々。幾たびに当然のようにでてきます。
食材の立派さもですが、なによりもその味。なんとうまいことか。いかな高級レストランの味等あほらしくなるその味わいの深さ、農家の方々がかくも贅沢な生活ができるのかと強い感動を覚えた記憶があります。特に米好きな私にはこれほど嬉しいことはなかった。
ご当人たちにその自覚が皆無だというところがまたなんとも。

濱田様は厳しい自然にさらされあるいは泣かされ、また恵みを得ておられます。記事を読んでいると涎が垂れてきますね。
日々の自然との戦い、共存の成果は、代え難い「食」の充実。

私も同感です。
私も家業の酪農と乳製品以外にも
無類のおいしいもの好きで
おとりよせ好き。
けいさんからいただくものは
はずれがない!は最高の賛辞と
思ってます。

卵も大好きで毎朝食べています。

青空さんへ
多分、それは、タラの芽だと思います。山に育ったタラの芽は、ハウス栽培で、薬品で、無理矢理、芽を出させたものとは、全くの別物です。野趣溢れる、あの香りは、病み付きになります。嗚呼、来年の4月が待ち遠しい。今年は、疫病で取りに行けなかったんですよ。

濱田様青空様COWBOY様けい様の仰る通りで、我々田舎に住んでいると、当り前の味が都会ではある意味贅沢なのかも知れません。食べ物ではないですが、私の担当している牧場(夏季間放牧する)でも、数年前ですが、写真家の方から「写真を撮らせていただきたい」と言われ、3時間ほど付き合った事があります。「この風景はイタリアのトスカーナ地方を思い出す」と言われた事が印象に残っています。
私は「いつも業務で来ているので、この風景の何処が良いのか分からない(笑)」と言いましたが、結局ある雑誌の表紙になっていました。(後日雑誌が発刊された時1冊送って頂きました)
食べ物も風景も貴重な財産なのですね!!
大事にしなければ・・・と思います。

こんばんは♪
どれもこれも美味しそう♪
私もよだれが出てきました♪

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