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韓国口蹄疫 韓国、「ワクチン接種・清浄国」路線に転換か!

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韓国政府が口蹄疫防疫方針の抜本的転換をはかりそうな気配です。

韓国政府は今回の口蹄疫において約1500億円規模という大被害を出し、殺処分対象167万222頭(15日現在)となり、ワクチン費用だけで10万頭あたりで4200万円、トータルで56億円にのぼるとみられています。(「日本農業新聞」1月16日」)

これを受けて、地元紙によれば韓国政府は、「韓国は、中国や東南アジアなど、慢性的に口蹄疫が発生している地域と隣接しているため、発生した後の防疫対策だけでは限界がある」(政府幹部)と認識したようです。

まぁ妥当な判断でしょう。韓国は自由貿易立国として、中国市場や東南アジア市場に貪欲なまでの進出をしてきました。また仁川に巨大なハブ空港を作るなど、アジア経済の中心となることを国家戦略としてきました。

これはGDPの約5割を輸出に寄りかかる極端な輸出依存的体質からくるものです。このような体質の国が、水際作戦とリング・カリング政策だけで口蹄疫を防御できるはずもありません。

また地勢的に、海を間にするわが国と異なり、巨大な防疫ブラック・ホールのような発生国・中国、ロシア、それに隣接する情報開示という概念そのものがない北朝鮮に接しています。

これら3カ国の共通の特徴は、防疫情報の開示をせずに、国家ぐるみで隠匿するという前近代的体質です。中国はSARS発生の際に、患者を軍病院に隔離して国家ぐるみで隠蔽したあげく大発生につなげてしまいました。

トリインフルエンザにおいても、青海省の発生現場にWHO検査官を近づけさせない悪質な検査妨害事件を引き起こしています。

つまり、韓国は日常的に口蹄疫の脅威に国境を接しているわけです。そのことが残酷なまでに実証されてしまったのが、今回の事態でした。

ところで、朝日新聞の「99%宮崎の遺伝子配列と同一」という誤解を招きかねない記事により、宮崎との関連が韓国国内で言われているそうですが、真逆です。下の動物衛生研究所の作成した発生地図をご覧いただければ一目でお分かりいただけるでしょう。

Photo

中国国内で頻発する口蹄疫(隠蔽例が多数あると言われていますが)が韓国経由で日本へと伝播しているのであり、日本から韓国へ伝染する可能性はかぎりなくゼロです。

遺伝子配列が宮崎と近似しているのは、口蹄疫ウイルスの中国⇒韓国⇒日本という伝播経路から当然のことであり、あたかも宮崎県から今回の韓国へ伝染させたが如きニュアンスの朝日新聞の記事は、宮崎県民を愚弄するものであり、早急に訂正されるべきです。

それはさておき、今回の口蹄疫事件で、防疫網をあざ笑うかのように軽々と飛び火し、思いがけない別な箇所で発生する現象が起きました。このようなひんぱんな飛び火現象は、単に飼料輸送関係車両による伝播だけでは説明がつきません。

韓国国内には既に口蹄疫ウイルスが常在してしまっているのです。たぶん遠からず、野生偶蹄類にも感染例が見つかるはずです。

このような状況の中で、韓国政府が関税外障壁として使ってきたOIEの「ワクチン未接種・清浄国」ステータスを捨てる決意をしたことは自然の流れであったのかもしれません。

これにより、オセアニアを除くアジア地域において、日本のみが「ワクチン未接種・清浄国」でありつづけることになりました。

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牛や豚などの伝染病「口蹄(こうてい)疫」の感染が、全羅南・北道や慶尚南道、済州道を除く全国に拡大したことを受け、政府は13日、済州道を含む全国の牛や豚に対し、予防ワクチンを接種することを決めた。

また、口蹄疫の発生を根本的に防ぐため、「ワクチンを接種する清浄国」を目指した防疫政策への転換を図る方針を検討していることが分かった。これは、豚コレラをはじめとするほかの家畜伝染病を予防するため、ワクチンを接種するのと同じように、口蹄疫のワクチンを継続的に接種するものだ。

 韓国はこれまで、「ワクチンを接種しない清浄国」だった。このため、口蹄疫が発生すれば、まず殺処分を行うことで感染拡大を食い止めてきた。しかし、その結果、今回の口蹄疫の発生に伴って殺処分した牛や豚は13日現在で150万623頭に達し、補償金など政府の支出は2兆ウォン(約1488億円)台に上るとみられるなど、天文学的な被害を受けることになった。

 これに対し、政府のある幹部は「韓国は、中国や東南アジアなど、慢性的に口蹄疫が発生している地域と隣接しているため、発生した後の防疫対策だけでは限界がある」と語った。

政府が「ワクチンを接種する清浄国」を目指して政策を転換すれば、ワクチンを接種した後に口蹄疫が発生した場合でも、近隣地域の牛や豚をすべて殺処分する必要はなく、口蹄疫にかかった牛や豚だけを殺処分するだけで済む。

国際獣疫事務局(OIE)は、ワクチンの接種によって口蹄疫が発生していない国を、ワクチンの接種を行っていない国よりもワンランク安全な清浄国として認定している。なお、口蹄疫の予防ワクチンを接種した牛や豚の肉、牛乳などを摂取しても、人体に影響を与えることはない。

(朝鮮日報1月14日)
■写真 雪の湖岸の揚水風車。わざとソフトフォーカスで撮ってみました。

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コメント

現実的対応でしょうね。
もう今までのやり方は通用しなくなった。残念です。
そして、日本もいつでも同じようなことに成りかねないという、もう1つの現実が目の前にあります。

もう何度も同じことを言ってますが、口蹄疫ウイルスの感染力には唖然とするばかりです。

朝日新聞は…マスコミ大手で影響力が大きいだけに、誤解を招きかねない表現にはくれぐれも気をつけていただきたい。
記者や校正の人間が、どれだけ理解して書いてるのかすら疑問ですが…。

投稿: 山形 | 2011年1月17日 (月) 09時36分

濱田様、

濱田氏が出した動物衛生研究所の地図では内モンゴル自治区の酷い口蹄疫感染が一ヶ所200頭と言う事はありません!動衛研は意図的に中国の発生を過少報告しています。酷い口蹄疫感染の支那の内モンゴルの感染が国境を越えて、モンゴル国東部スフバートル地方に伝播して、両国国境付近に生息する白尾カモシカに感染、冬季に入り、餌が無くなり、野生動物が南下して、内モンゴルに入り、家畜に感染しているのが正しい現状です。

投稿: AniVet | 2011年1月17日 (月) 11時04分

AniVet様

大変博識な方で、これまで論理的なコメントをなさっておられ、共感することも多いと思ってましたが、
「動衛研が中国内蒙古の発生を意図的に過少報告している」
との根拠は何でしょうか?

またここはネットのコメント欄ですが、濱田さん個人様のブログで匿名掲示板ではありませんので表現にはご注意下さい。
無駄に荒れることは誰も望んでいないと思いますから。

投稿: 山形 | 2011年1月17日 (月) 12時00分

まぁまぁ山形さん、中国の公式発表をもとに動物衛生研は発表しいるわけですから、こうなります。もちろん多数の隠匿があると私も思っています。

投稿: 管理人 | 2011年1月17日 (月) 12時52分

止むを得ない措置でしょう。
山形様が仰る通り、我が国日本もいつ同じ様な事が起きるか・・・
明日は我が身とならないよう宮崎の検証を踏まえた防疫体制を構築したいです。

検証では、牛(乳牛・肉牛)飼養農家の防疫意識が養豚農家と比べ、かなり低レベルだった事が反省材料として記載されていましたが、普段からの防疫意識を引き上げる事は啓蒙の仕方もありますが、中々に難しいです。
対岸の火事の意識を明日は我が身への意識へと導く事は至難の業ですが、出来る事から、小さな事から着々と地道に行って行くしかないかな?と思っています。

投稿: 北海道 | 2011年1月17日 (月) 17時33分

濱田様、
山形様、北海道様の考えに共感するところ大です。

口蹄疫のウィルスの恐ろしさをむざむざと見せつけられます。正直、戦慄を覚えます。
日本にあの悪魔が上陸するのも時間の問題やもしれません。

しかしながら、宮崎県での教訓を全国の畜産農家に浸透させるにはあまりに時間がなく、あまりに対策がまとまっておらず有効な武器も見いだせていません。
ツイッターでも意見書きましたが、畜産農家の経済環境はここ数年で最も厳しい状況です。既に経済的な体力を失いつつある農家も多数あるでしょう。
高齢化も進み、高度で想像以上に体力的・精神的にも厳しい防疫体制の緊張感の維持は至難の業です。

しかし、濱田様の記事が示す通り、あの韓国ですら国是とした方針を180度転換しています。とどのつまりは国家として畜産の保護を放棄するといっているようなものです。恐らくワクチン接種農家への経済打撃の補助や屠畜時の感染調査費用すら国家補助は小さいとみてよいでしょう。言ってしまえば、畜産農家の保護政策はまさに切り上げられたのです。
この姿は将来の日本にそのまま適用されます。感染時封じ込められれば現状維持でしょうが、韓国レベルでの感染があれば、政府は適当な口実を作り、農家を非難して保護をやめるでしょう。

人間が老体だろうが金がなかろうが、知識がなかろうが必死になるのは、身代を守れない危機の時のみです。恐ろしいほどの力を発揮します。
私は銀行員ですが、バブル崩壊後倒産の危機にあり、労働時間は倍増、給料は激減、同僚たちの多くはリストラの憂き目にあいましたが、不思議と残った人間たちは必死に防衛しました。更なるリストラと体と心を壊し離脱していった仲間達は更に増えましたが、残留した人間は文句もいわず、戦い抜いたものです(今も大して変わりませんが)

北海道様、恐らく、今関係者達を動かすには、漠然とした恐怖をより具体的な恐怖として提示し、同時に消費者を動かし協力する方向に誘導し(行政を動かし防疫費用の確保を目指し)、農家は経済合理性の観点(発生すれば全て水泡と化す)と矜持から説く他ないのではとすら感じています。
飛躍しすぎ、悲観的にすぎる意見で申し訳ありません。正直、韓国の状況の凄惨さにやや参ってしまっています。

投稿: 青空 | 2011年1月18日 (火) 01時04分

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