• S-032_20241102024801
  • S-037_20241102025301
  • S-038_20241102025101
  • S-039_20241102024801
  • 20241101-152123
  • 20241101-155631
  • 20241101-160409
  • 20241031-165416
  • 20241031-170828
  • S-017_20241030144601

« 英国口蹄疫演習が昨年11月に開かれました。     日本でも早急にやるべきです! | トップページ | ニッポン農業一般常識クイズ 第5問目の答え合わせ  日本農業の対GDP比は? »

2011年1月11日 (火)

ニッポン農業一般常識クイズ 第4問目の答え合わせ   日本の農業生産額は第何位?

Img_0011_edited1

どうも農業という分野はろくなことが起きない限り、都市の人たちに思い出してもらえないようで、やれリーマンショックで失業者を農業をやらしたらどうだとか、今度はTPPで日本経済のお荷物だ、いや違うニッポン農業を守れだとか、まぁにぎやかなことです。

たまにはいいことで思い出してほしいものですね。(* ̄ー ̄*)←絵文字って誰が考えたの?

私はちょっと前に「日本農業滅亡論」も、その反対の「日本経済、農業によって滅亡論」もメダルの表裏だと書きました。なぜなら、この一見正反対のこの議論は、同じ根から生えた夫婦樹のようなものだからです。

同じ根とは、いうまでもなく農水省卸もとの「食料自給率40%」という国民的常識です。この食料自給率とはカロリー自給率であり、複雑怪奇な計算式を使います。これについては、そのうち韓国口蹄疫がおさまったら腰を落ち着けて分析してみたいと思っています。

計算式は複雑怪奇ですが、訴えるイメージは強烈です。なんせ、日本人は6割を外国農産物に頼っているってことですから。日本農業は自分の同胞の食さえ満足に供給していないんだ、と誰しも思うわけです。

ほとんどの論者が、TPP絡みで日本農業を語る時、「食料輸入大国」とか、「輸入食料依存大国」だのとお決まりのように言います。

では、その「輸入食料依存大国」だと年中書き散らしている評論家にある人が、日本農業の生産額の国際的順位を聞いたそうです。

その人いわく、「そうね50位?まぁ最下位から数えたほうが早いよな」、だそうです。

ちなみに、「TPPのために開かれた日本農業をこの6月までに合意する」と年頭所感で述べた菅総理大臣のお答えはといえば、「80位くらい」だそうです。

これは私が出した「ニッポン農業一般常識クイズ」の第4問になります。さっさと答えを言ってしまいましょう。

日本は世界第5位の農業国です。これは先進主要5カ国という枠組みをはずして、全世界の国々の中の農業生産額の順位です。順位は、第1位が中国、第2位が米国、第3位がインド、第4位がブラジル、そしてわがニッポンは第5位、第6位はフランスです。

これはFAO2005が根拠ですが、さらに日本は先進主要5カ国国でいえば、実に世界第2位となります。

では、先進主要国の農業生産額の順位をみてみましょう。
第1位が米国1826億ドル、第2位日本826億ドル、第3位フランス549億ドル、第4位ドイツ379億ドル、第5位英国184億ドルとなります。第5位の英国の実に2倍超です。

ついで世界の農業大国といわれるロシアは世界順位第7位269億ドル、オーストラリアは17位259億ドルとなります。わが国はこの両国の3倍以上になるわけです。

このどこが衰亡でしょうか!?なにが50位だ!何が80位だ。80位といえば破綻国家のアフガニスタンやウガンダ並の最貧国じゃないか。こんな程度の農業知識しかない男が、「開国元年」などとえらそうに言っているのですから、イヤになります。FAO統計くらい調べてから、日本農業の政策を語れってんだ。( ゚д゚)、ペッ

とまぁ、このように私のような農業者が啖呵を切ると、かならず返ってくる反論があります。そう、例の「日本は農産物が高いから、そのような生産額になるのだ」というものです。

日本農産物が、高関税で輸入をブロックしているから、日本の消費者は世界で最も高い農産物を買わされている、という言いぐさは、もう耳にタコが出来るほど聞かされてきました。

では、食肉を例に取ります。下の図を見てください。広大な面積と少ない人口密度をもつ米国の優位は揺らぎません。しかし、同じような広大な面積の国土を持ち、農民収入は月1万円に届くかという中国とはどうでしょうか。

中国と日本は、豚と鶏肉価格においてはほとんど同じ水準の価格だと分かります。所得水準から言えば、驚異的なことです。牛は飼育面積が大きいためにどうしても米国が有利となります。しかし、その分、わが日本の牛生産は世界で比肩するものがない超高品質を持っています。

_edited1 日本の農産物が高いかどうなのかは、家計内の食料支出をみれば見当がつきます。その数字も出ています。

2003年に総務省統計局が出した「世界の統計2003年版」に家計消費支出の食料支出の占める割合が日本は25%弱です。この数字はカナダ、ドイツ、イタリア、イギリスとまったく一緒です。

日本の消費者が不利益をしているというのはまったくのデマです。先進国としてはいたって平均的水準です。むしろ、現在はこの統計をとった2003年時よりデフレが進んでいますから、今採ればもっと下落した数字が出るはずです。

自給率は、広大な国土を持ち、人口密度が低く、所得水準が低い国がどうしても高く出る傾向があります。広大な土地と低い人口密度の米国やオーストラリア、ブラジルなどがそうであり、貧困国はそもそも外貨で輸入食料が買えないために自給率はイヤでも高くなります。

また、輸出が輸入より多い国も、自給率は高く出ます。フランスやドイツがそうです。

わが国は農産物輸出はほとんどなく、国土も狭く、人口密度は世界有数です。このようなハンディを持ちながらも、世界主要5カ国で農業生産額第2位、世界順位第5位のステータスにいることは、わが日本農民は誇りに思うべきです。

農水省はカロリー食料自給率40%という、世界のどこの国も採用していない恣意的な数字を弄ぶことで、日本農業を不当に卑しめ、農業者の誇りそのものを奪ってしまったのです。

■写真 霞ヶ浦にかかる大橋から霞ヶ浦タワーを見る。この大橋が出来るまで、私の村から土浦まで、湖岸を半周しなければなりませんでした。この橋の右手を見ると、写真には写っていませんが筑波山のふたつの峰が見えます。

« 英国口蹄疫演習が昨年11月に開かれました。     日本でも早急にやるべきです! | トップページ | ニッポン農業一般常識クイズ 第5問目の答え合わせ  日本農業の対GDP比は? »

日本の農業問題」カテゴリの記事

コメント

完敗です…。

あとは、やはりどうやって国の洗脳を解いて事実を認知・啓蒙していくか?
ここが大事ですね。

そして、結局は多くの「米農家」を納得・安心させられるだけの政策を打ち出せるか?ここがターニングポイントだと思います。

国を挙げて輸出できればいいのですがね…。
牛乳&オレンジ輸入の時に守ったのが裏目に出るかもしれないです。
加州米「国宝ローズ」なんか、ホントは寿司には最高でしたから…。

古い自民農政族で、93年政変で飛び出した鹿野道彦、無能な官邸とどう擦り合わせて動くのか、注目してます。

残念、不正解でした。4位と予想しましたので。
しかし、イメージで日本の農業を貶める目的はまだ、何かあるのでしょうか。
自民党時代の票集めの具にされたことは、明白としても、都市型政党である民主党が産業界からの票集めに利用できるとでも思っているのでしょうか。「日本の農業は切り捨てて、TPPに参加しますから、自動車じゃんじゃん売ってください。」ってことでしょうか。切り捨てるのに、日本の農業のお荷物振りを誇張したいのでしょう。
それとも、単に、農水省が今までの連続的な姿勢を貫いているだけでしょうか。

はじめまして、よろしくお願いします。

拡散、お願いします。
広島県庄原市で韓国のTV局のロケが2011/1/15から実施されるそうです。
「広島アキハバラ塾 塾長」さんのページで発見しました。
http://d.hatena.ne.jp/artdirect/20110108

2010宮崎県の悲劇の再来か・・・

農業をする理由??

何故ここまで言われてもなお農業を営むのでしょうか?
・食べて行く為の経済行為?
・先祖代々守ってきた土地を守るため?
・安全で安心できる食料を届けたいから?
・安全で安心できる食料を自分も食べたいから?
・自分でこだわって生産した食料を他の人にも味あわせたいから?
・うまいものを食べたいし、他の人にも食べてもらって共に喜びたいから?
・収穫する喜びがあるから?
・土や家畜と戯れるのが好きだから?
・動物が好きだから?
・生れ育った地域のコミュニティが好きだから?
・そのコミュニティを維持したいから?
・隣近所の人(仲間)が好きだから?
・ただ単に親の家業を引き継いだから?
 等など・・・・
個人や企業など経営形態はそれぞれであり、それぞれの想いがあるでしょう。
濱田様が仰っている通り、ここまで卑しめられてまで農業を続けたり、これからも業として行こうとするには、夫々に何かあるのでしょう。
自信と誇りを持つべきですね?

「世界的な食糧価格高騰で、フランスのサルコジ大統領がオバマ大統領に安定化呼び掛け」
とのニュースを見て、フランスは輸出大国でウハウハじゃないの?と思ってたら、やっぱり相当輸入してるんだな…と思いました。ユーロ安で余計に苦しいんでしょうけど。

まさか、先進国中2位とは。この国土で考えれば驚愕する実力です。正解できませんでした。完敗です。
若手はますます残念な結果でした。

しかし、農水省広報などでは濱田様はじめ皆様が言われるように、あたかも日本農業滅亡論を連想させる要素が盛りだくさんです。まさに卑下するかのごとくです。
しかし、また同時に農水省の統計資料は金額ベース、流通別、規模別、耕作・米作・畜産・水産に実に多岐にわたる各種指標と分析報告書を開示しています。それはあたかも広報がミスリードであることを同時に広報しているようなものです。
これが意味することはなんなのでしょうか。

これは私の全くの私見ですが、百戦錬磨の外交巧者である欧州・米国と対等以上の条件を確保するための日本の外交政策であったからではないでしょうか。しかしそれらの政策が消費者受けしにくい分野であることも事実だったはずです(安価な輸入品を規制する)。
農業分野を死守しつつ、国民も納得させ、外交上対抗する上で必要不可欠な(西欧の好きな)「科学的な根拠」のため、世界で使わないカロリーベースの指標を作り、その妥当性を証明するために莫大なコストを払い毎年作成し、数値に連続性を持たせる。
日本の外交特色は「負けて見せて微塵も譲らない」です。かつては確かに十分な効果を発揮したと思います。
しかし反面、それだけの技術革新(品質・生産能力)、相応の価格競争力と流通方式、品質管理を確立し乍ら、行政らしく一点重要な点を改革しそびれた感があります。
経営資源の集中です。外交戦略の一環とした使用した数値と広報の本質を作りだした官僚自身も政治家も忘れ、本来の目的を失ったのだと感じています。
参加者が多すぎるのです。私は大手企業ごときが、24時間体制で大自然と付き合い、力を発揮出るとはまるで考えません。基本的に旅館と同じく、家族経営こそ最も適した経営形態だと思っています。農家を行うのは気高い矜持が不可欠です。大手如しに国民の食を守るという矜持が持ちえるかは甚だ疑問です。
しかし、日本の農家には選択と集中を積極的に行える環境が用意されていません。これだけの生産額を有しながら一農家当たりの平均所得は分散してしまい、多くの就農者が補助金がなければ経営ができないと錯誤させるまでの状況となってしまっています。
せめて、農家数が半数以下であり、一農家当たりの耕作面積なりが3町前後あれば、世界に冠たる農業強国として世界に恐れ慄かれたであろうにと思っていますが。

しかし、規模さえあれば・・・との言はよく聞きますが、それには同意しかねます。
大規模には大規模の、小規模には小規模の戦い方があります。戦後60年近くたち、いまだに日本が中小企業中心国家であることは変わりがないように、スケールメリットで市場を独占することができないことは市場が証明しています。戦い方を見つけることができたものがすべからく勝つ、私は農家についてもそうだと思っています。「どうやって」と言われると答えは見いだせていませんが、なんとか見出していきたいと思っています。

濱田様、本記事の段、無理を言って申し訳ありませんでした。しかし、私も大変勉強になっております。ありがとうございました。

話は少し変わりますが、
金額ベースもさることながら、国産品の品質は素晴しいの一言につきます。
以前ロンドンから来た同僚(もちろんイギリス人です)がこう言っていたのを思い出しました。
「日本に来てまず驚いたのが、食べ物のおいしさ。まったくの新食感だった。想像がつかない味といったほうがいい。しかも家庭料理ですらまるでレストランのフルコースだ。玄妙な食べ物が幾多にならんでいる。我々欧州の人間はもっと食べ物は簡素だ。日本人は贅沢だね」
私はただ家内の手料理を振る舞っただけだったので彼の言っていることが理解できずキョトンとしていたのを思い出します。
以前何かの報道で見ましたが、日本人は全世界の中でも突出して旨味を感知する味覚が発達していると。また世界でほぼ唯一家庭料理レベルでほぼ全世界の食べ物を網羅し、且つ白米との組み合わせを容易にして見せると。
日本にいると見えないことが恐らくにしてあるのだと感じるのと同時に日本の食糧事情・素材の豊富さ、旨さに感謝と誇りを持った記憶があります。

青空様

逆側の話ですが、私の知り合いが英国の某有名ブランド会社のプレゼントに当選して招待を受けた時の話。
工場見学やら色々特典があったらしいですが、一番力を入れる歓迎レセプションパーティーの食事なんかからして『ものすごく不味かった!』と言っておりました。

なんせブリテンですから、素材が良くても不味く仕上げるのは伝統のようです(笑)

朝食のイングリッシュブレックファストだけは美味いとか。

NHKでたまに深夜にやってる「ヨーロッパ食材紀行」なんか観ても、弄り回すフレンチや素材重視のイタリアやドイツの料理人を見ても、日本の料理人に比べてとにかく全てが雑だなぁ…と思います。

ちなみにロンドン在住経験のあるスポーツバーの主人は、フィッシュ&チップスは美味かったと言ってました。
日本で食ったほうが絶対美味そうな料理ですが…。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 英国口蹄疫演習が昨年11月に開かれました。     日本でも早急にやるべきです! | トップページ | ニッポン農業一般常識クイズ 第5問目の答え合わせ  日本農業の対GDP比は? »