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2011年1月 2日 (日)

ニッポン農業一般常識クイズ 答え合わせ第2回   日本は食料輸入下位国だ

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皆さん、どのようなお正月を迎えていらっしゃるでしょうか。私はまったく平常と変わらないトリ飼生活です。たまには三賀日くらい寝正月してみたい(ρ_;)

さて去年の暮れに出して、そのまま答え合わせが1回しかできなかった「ニッポン農業一般常識クイズ」の答え合わせをしましょう。まずはおさらいということで第1問から見ていくことにしましょう。

●[ニッポン農業一般常識クイズ その1]
日本の農業は食料自給率が4割だから、6割は外国から輸入しているような食料輸入大国である。イエスかノーか?

●[ニッポン農業一般常識クイズ その2]
では、一人あたりの農産物輸入額を比べて世界の主要国である英、米、独、仏、伊、カナダ、オージー、韓国の中でうちの国どの辺?

●[ニッポン農業一般常識クイズ その3]
国内GDPに占める食料輸入比率を先進5カ国の英、米、独、仏の中で並べて下さい。

ちなみに農水省の作った主要国の国内自給率(カロリーベース方式)の順位は下図です。

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■12月29日に詳しく見てみましたが、日本は食料輸入タイ国どころか、むしろ米、英、独、仏、日の主要先進5カ国中をみると食料輸入金額で第4位でした。米、独、英、日、仏の順です。

また国民1人当たりの食料輸入額においても、同じく主要5カ国中で、英、独、仏、日、米の順で第4位でした。

一人当たりの人口で食料輸入量を割った重量も、同じく主要5カ国中で独、英、仏、日、米の順で第4位です。

とどめに対GDPに対する輸入農産物の比率はというと、主要5カ国中で、独、英、仏、日、米の第4位です。

食料輸入の金額、輸入量、対GDP比率において、主要先進国の第4位というボジションにいることがわかります。まさに常識的な水準で、ここから日本が輸入食料大国であるという結論を導き出すのはそうとうに厳しいことが分かります。

もし日本が農水省のいうように世界でワーストの自給率破綻国家であるのならば、輸入食料は、自給率が100%を超えているフランスや米国の数倍なければならないことになります。

■では第2問の答え。一人あたりの農産物輸入額の人口一人あたりにすると、英、独、仏、カナダ、伊、日、豪、韓の順となります。第6位で、むしろ下位グループです。

よく評論家やキャスターがしたり顔して、なにかと「日本は世界でも指折りの食料輸入国ですからねぇ」などと言うのは、いついかなるデーターを根拠に語っているのでしょうか

■第3問の答え。国内GDPに占める食料輸入比率は、さきほど述べたように英、独、仏、日、米です。ここでも下位グループです。

1位の英国が1.9%なのに対して、日本はその半分以下の0.9%にすぎません。GDPの1%にも満たない輸入比率をして、どうして輸入大国だなんて言えるのでしょうか。

これらの輸入食料の額と量を調べてみれば、いかに「国内食料自給率40%」という農水省の数字が、現実とかけ離れているかおわかりいただけると思います。この自給率40%という数字で、私たち国民は自動的に6割を輸入しているという誤った結論を想像してしまうのです。

農水省官僚は、実体とかけ離れた数字を広めることで、日本農業があたかも瀕死な存在で、国民の食を保障していない存在だと誹謗しているのです。自らの所轄分野を侮辱して、省益としている官庁、それが農水省という奇妙な役所です。

■写真 郵便局のおまけの郵便ポストの貯金箱。よくできていて、実際の集配時間の張り紙まであります。

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コメント

はじめまして。

韓国の口蹄疫の情報を求めインターネットを検索して、このブログを知りました。所々しか目を通していませんが、濱田様の見識の鋭さに感心しております。

さて、今回のニッポン農業一般常識クイズに関し気になる点がありコメントしました。

英、独、仏の輸出入の相手国や品目の詳細を踏まえた上で分析する必要があると思います。
食料自給率が高いのに食料輸入が多いという事は、食料輸出も多い事が容易に推察できます。
おそらく、英、独、仏は共同経済圏であるEU諸国内で多くの食料を輸出入していると思います。
また、過去に植民地支配していた国々との貿易上の結びつきもあるでしょう。
日本と比べ食料輸出入の状況が違う可能性があります。中身を精査せずに、この統計上の数字だけで、結論付けるのは、少々早計ではないでしょうか?

答え合わせ。それは「身の程を知る」という厳しくも素晴らしき行為です。しかし答えを突き合わせると自分の知識が如何に頼りないものかよくわかります。勉強すべき事は山のようにあるのですね。

私はそれなりに農業の実態を検証していたつもりですが、データーと突き合わせると日本の地位ぐらいしか理解が及んで異な事がよくわかります。我が行が誇る若手達に至ってはなんとも(人の事はいえませんが)

おそらく濱田様も言及されるでしょうからここではあまり触れませんが、農水省は戦後から現在に掛け様々な数字のマジックを展開しています。
魑魅魍魎巣食い・権謀術数渦巻く熾烈な外交戦の中にあり、目的のために手段を選ばずの思いで本情報操作したことがプラスに機能した時もありました。しかし現在のように手段のために目的を忘れとしまい、政府・行政・そして農協・農業関係者に至るまで次の一手を見失ってしまったという事態につながったこともまた事実です。
いったいどこで道を踏み外し、戻れなくなってしまったのでしょうか。

韓国の状況も非常に気になりますが、日本も口蹄疫の防疫のみならず、振られた賽(Tpp参加)に対して生き残るため短い時間で戦い抜く戦術と戦略を練り走り出さねばなりません。
「彼を知り己を知れば百戦をして危うからず」と言います。今一度日本の農業の足下を知り、対日輸出を伺う国々と戦う術を身につけなければなりません。
また「兵は神速を尊ぶ」と言います。考えが全てまとまり鉄板になってから、あるいは政府・団体の反対運動程度の行動では参加者は勝ち残る事は困難でしょう。今回の津波は全員が生き残るには波が大きすぎます。しかし壊滅するほど日本の農業関係者は貧弱でなく、タフであろうとも感じます。

濱田様の答え合わせが楽しみです。

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