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2011年1月30日 (日)

宮崎トリインフル事件  なぜ大型系列農場は反社会的行為をしたと言われるのか?

013

私の父は鹿児島人、母は熊本人です。母は火の国の女らしく気丈な女性でした。ですから、子供の頃からわが家は南九州訛りが飛び交っていました私が若い頃に髪を伸ばしていると、母から「やぞらしー」と意味不明なお叱りを受けて、ちょん切られたものです。

父からは私が生き方に迷っていると、すぐに「チェッスト、ひっ飛べ」というオヤジ得意の気合を入れられました。

親戚は九州全域に散らばり、わが家で法事でもあろうものならカルカンやボンタン飴で溢れたものでした。そのせいではないと思うのですが、宮崎が他県のような気になれません。

こんな宮崎県にまたもや災厄が舞い降りました。

さて、私はなんども言っていますが、発生したことそのものは、ある種の不可抗力に近いと考えています。

よく防鳥ネットの穴があったなどと疫学調査で言われていますが、自慢ではありませんがあんな穴、どこの鶏舎にもあります。私は言われたくないので、二重にしたほどです。

ではネット自体が不要な密閉式ウインドレス鶏舎が発生しないかと言えば大間違いで、愛知のように出ます。

言ってみれば、感染力の極めて強力なウイルスはいったん地域に侵入してしまえば、あらゆる自然界、人間界の無数のラインが不幸にもクロスして感染するのです。

私は宮崎口蹄疫事件の時に、「畜産家の品格」とでもいうべきことを考えてしまいました。大多数は地域ぐるみで耐えて、耐えて耐え抜いた人々ばかりでした。宮崎県の農家の中には畜産農家のツラ汚しといえる人はひとりもいなかったおかげで、宮崎県東部地域のみで口蹄疫を封じ込める事ができました。素晴らしいことです。

唯一の汚点は、第7例の大規模農場でした。万を超える大型家畜に獣医師が1名という杜撰極まる管理体制、あってなきがごとしの防疫、ワンマン社長にお伺いを立てないと届け出ひとつ出来ない社内、それらが合わさってあのような感染車両の移動という著しく品格に欠ける所業をしました。

そして系列農場すべてに感染拡大したのみならず、えびの市へ感染を拡げました。いまだこの業者からはなんの謝罪の言葉もなく、殺処分に伴う補償金すら平然と受け取っているようです。

今回もまた、川南町という地名を聞くだけで胸が潰れそうな気がする地域の業者の養鶏場から発生しました。

発生したこと自体は今は問いません。問題はそれ以後、どのような対処をしたかです。

まず、この業者はブロイラー養鶏場で相当数の死亡鶏が出るまで届け出を怠りました。

「農水省によると、川南町の養鶏場は、27日に発生が確認された同県都農(つの)町の養鶏場と同じ企業グループに所属。死んだ鶏を回収する業者が同じため、都農町の養鶏場のウイルスが広まった疑いがあるとみて、遺伝子検査の結果を待たずに高病原性と判断した。

 川南町の養鶏場では、約9万2千羽を飼育。27日に約150羽が死に、28日にも約400羽が死んだため県に通報があった。簡易検査では調べた5羽のすべてが陽性だった。約9万2千羽が殺処分される。延岡市の養鶏場は約6600羽を飼育。28日に死んだ6羽の簡易検査では、うち3羽が陽性だった。 」(朝日新聞1月29日)

この報道によれば、この業者は27日に都農町の同系列農場で発生したことを知っています。いや、それどころか、川南町の農場すら27日に150羽、28日には400羽と死亡鶏が出ているのです。

おそらくは、川南町の自社系列の食肉加工場での簡易検査の結果11羽中11羽すべてが陽性という驚くべき確率からみて、こんなていどの数では済んでいないはずです。

高病原性トリインフルエンザはその名のとおり驚異的な感染力を持つウイルスです。おそらくは、手がつけられないほど川南の農場では蔓延していたはずです。

この系列農場群は数カ所に万単位の大規模養鶏場を所有し、4カ所の食肉加工場を持つ大企業です。にもかかわらず、口蹄疫第7例と同様に、わずか1名の獣医師ですべてを見ていました。

考えるまでもなく、1名で見るなどとはまったくのお笑い種で、かつてこの業者はニューカッスル病(ND)を出した経歴さえもあります。獣医師がいてNDを出すということ自体、業界の常識から見て信じられません。

憶測の域を抜けませんが、おそらくは出荷日齢が平均60日前後のブロイラー飼育において、まっとうなワクチネーション・プログラムを持っていなかったのでしょう。低単位の抗生物質を飼料に混ぜて投与し続け、出荷前の1週間だけ切るていどの防疫だったと思われます。

また、飼養密度もブロイラーは、私たち平飼養鶏の10数倍以上という高密度なために、いったん呼吸器系伝染病が発生すると、瞬く間に農場全体を感染していきます。

私は27日以前、既にこの川南の業者農場ではトリインフルが蔓延状態にあったと考えています。そして形だけとはいえ獣医師がいるのですから、これがトリインフルでないと分からないほうがおかしい。

まして27日に都農の系列農場で発生しており、検査でH5亜型と診断されている以上、もはや川南の大量の死亡鶏がトリインフルであることは誰にでもわかったはずでした。

「トリインフル以外の別な病気だと疑った」などというとぼけたことを言っていますが、死亡鶏が通常の百倍以上出ていている以上、なんらかの呼吸器系伝染病であり、系列でトリインフルが出た以上、それを疑わなかったとしたら獣医師免許を返上したほうがいいでしょう。このようなつまらない言い逃れは止めたほうがいい。見苦しい。

そしてありえないことには、あきらかにトリインフルであることを知りながら28日に川南町の同社系列食肉処理場に持ち込んでいます。28日の出荷当日にも400羽死亡しているのに、です。唖然となります。

持ち込んだ鶏は、相当な確率で感染鶏を含んでいたはずです。断じて許されない行為です。このようなことをすれば一体どうなるのでしょうか?

感染した鶏の気道からは高濃度のトリインフル・ウイルスが排出されつづけています。いわばウイルス高濃度拡散装置と化しているのです。こんなウイルス拡散装置を大量に農場外で移動して回ったらどうなりますか。

鶏体はおろか、家畜搬送車にもウイルスが大量に付着しています。そのタイヤにも、その荷台や車体にも、運転手の靴にも服にも、いやハンドルさえにも!

だから、口蹄疫の時、感染区域に入った人たちは、一般人も含めて靴や車両のみならず、ハンドルまでも消毒していたのです。川南に本部を置く業者なら、知らないはずがないでしょう。

ウイルスが食肉処理場だけではなく、沿道にバラ撒かれていきました。国道10号線沿いには、既にこの愚かな行為によりトリインフル・ウイルスが散布されてしまっているはずです。

かくして、口蹄疫に次いでまたもやこの国道10号線は口蹄疫でも感染ハブとなりました。あの南北に抜ける動脈はそのまま感染の流れになってしまったのです。

次にあの業者は感染鶏を川南の食肉加工場に持ち込もうとしました。いいですか、食肉加工場はさまざまな農場からトリが集まる所ですよ。いわば大きな駅のようなものです。

そんな場所にウイルス発生装置と化した感染鶏を大量に持ち込んでしまったら、どうなりますか。加工場の作業員の服、靴を初めさまざまな器材、ヤードが感染されます。

いやそれだけでは済みません。

食鳥処理においては、作業員は手で鶏体を掴みますから、濃厚接触の恐れからくるヒト感染の可能性が出ます。そしていったんヒト感染が起きてしまえば、後は新型インフルエンザに変異し、ヒト-ヒト感染するかもしれません。

いいですか,口蹄疫はヒトには絶対に感染しませんが、トリインフルはヒト感染がありえるのですよ。そして新型インフルエンザになってそれが強毒性に変異してしまえば、対処薬は、現段階でタミフルていどしかないのです。

その作業員が、知らずに感染した服や靴で自宅に帰り、近隣に別の養鶏場で働く人がいたらどうなります。もう考えただけでゾッとします。このケースは口蹄疫第12例目で現実にあったことです。

風評被害から口をつぐむ向きも多いようですが、あえて言いましょう。
私たち養鶏農家がなぜトリインフルを恐れているのか。それはヒトと交差する可能性があるからです。トリインフルはその意味で、口蹄疫とは比較にならない危険極まる伝染病なのです。養鶏業者でそれを知らない者はいません。

この業者はそれを知っていてやった。だから、私はこれを反社会的行為と断じます。

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「みやざき甲斐」さんのコメントを転載します。ありがとうございました。

大分の関連農場
川南の処理場が閉鎖されたため、急遽八代工場へ搬入を変更し、到着時には斃死多数。
簡易検査1回目で陽性、簡易検査2回目で陰性。
PCR検査の結果待ちです。
簡易検査の結果でも圧力かけて揉み消ししようとする児湯諸区長。

「安全は確認しています」と会社は言います。しかし、あれだけの農場を持ちながら獣医師は1人ですよ。どうやって確認したんですか?
誠実な技術員社員の申し出を聞いて対策しなさい。
日本の食品は「信用」を基礎に、信頼関係で流通しているのです。

養鶏「農家」の皆様。
大きくなりすぎてクロスを防ごうにも導線が多すぎる状態です。地元でも名前を聞けば何処が何を運んで、という事が思い浮かぶはずです。ご自分で出来る対策を取って下さい。

九州閉鎖しないと全国へ撒き散らしてしまいます。
こちらの地区でも八方手を尽くしていますがどうしても導線が切れません。今は九州内だけでも全農場・全施設を一時封鎖しないとコントロール出来る状態ではないです。
口蹄疫の時の、「後追い対策」になりそうです

大げさではなく、口蹄疫の惨劇を思い出して下さい。

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鶏の死骸、大半は鶏舎出入り口付近 宮崎・鳥インフル図:  

宮崎市の養鶏場で発生した高病原性鳥インフルエンザの問題で、死んだ鶏の多くは鶏舎の出入り口近くで見つかっていたことが農林水産省と宮崎県の調査でわかった。人や物に付着したウイルスが出入り口から侵入した可能性があるといい、農水省は専門家による疫学調査チームを派遣して詳しく調べる。

 農水省などによると、この養鶏場には鶏舎が六つあり、計約1万羽を飼育していた。このうち養鶏場全体の入り口に最も近い鶏舎で21日、鶏36羽が死んでいるのが見つかった。36羽の大半はその鶏舎に1カ所だけある出入り口近くで死んでいた。

 鶏舎は縦42メートル、横7メートル、高さ3.5メートル。約1500羽がカゴに入れない平飼いという方法で飼育されており、側面は金網状で空気が通るようになっている。調査チームは、出入り口付近に消毒槽が適切に設置されていたか調べる。

 昨年11月に鳥インフルが発生した島根県安来市の養鶏場では、鶏舎の金網に穴が開いており、野鳥が侵入できる状態になっていた。宮崎市の養鶏場では網目の直径が約2センチ程度の防鳥ネットが設置されていたといい、調査チームはネットについても調べる。

 また養鶏場から約500メートル離れた場所に、カモ類が飛来する池があることも判明した。今季日本各地で発生している鳥インフルは、シベリア付近から南下する渡り鳥が感染源として疑われている。(朝日新聞 2011年1月23日)

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コメント

濱田さまの仰る通り、口蹄疫もトリインフルも発生原因はそれぞれあるものの、発生自体は非難出来ません。日頃から防疫対策を実行しているとしても、目に見えないものとの戦いですから、パーフェクトは有り得ないと思います。
感染リスクの限りない低減しか出来る事はありません。
そのような対応しか出来ない中で、ある意味人為的な事があると、一気に感染拡大に繋がっていくものと思います。北海道にいる私では、真実は分かりませんが、疫学調査や検証が進めば少しずつ明らかになって行くものと考えますし、そうなって欲しいと願っています。
その事が結果として、次の発生時対応のヒントになると思っています。

噴火も収まる気配も無く長期化の報道がなされています。
心からお見舞い申し上げます。

お父様が鹿児島、お母様が熊本出身とは、知りませんでした。それを聞いて、大変、管理人さんに対して、勝手に、親近感を抱いております。確かに、「濱田」という苗字は、鹿児島文化圏に大変多いです。
えびの市(完全に鹿児島文化圏)にも濱田さんは大勢います。ダウンタウンの浜ちゃんのお父さんも鹿児島出身です。それは、どうでもいいことですが・・・。

前記事からの内容は、同県人として、大変、胃が痛くなるようなものです。そして、恥ずかしい思いです。
私の牛舎のある地区にも、養鶏家が3件ほどあります。いづれも、1万羽を越す規模です。口蹄疫の最中の通行車両の消毒作業は、畜種(鶏・豚・牛)の垣根を越え、24時間体制で行いました。団結してました。管理人さんが以前、記事で提唱された畜種を越えた面防疫に近い状況だったと思います。
ですから、畜産団地のような場所、あるいは畜産が基幹産業であるような場所では、こうような面防疫が局所的に可能であると思っていました。

大企業は、このような面防疫を行うユニオンに参画したがらない傾向にあります。それは、その地区の住人ではないからです。その地に、根ざしていないわけです。いざとなれば、出て行けるわけです。
そこに、今回の反社会的行為を実行たらしめる根本があるのではないでしょうか。

中高生の日韓ゴルフに中止要望 大田原市「口蹄疫心配」

宮崎は韓国のプロ野球球団を受けていますが口蹄疫今のところは起こっていません。農水省、や大学教授がここまで踏み込んだ発言をしていません。外交問題に発展したらどう責任をとるおつもりなのでしょうか?私はみんなの党代表渡辺喜美議員にメールしました。

大分の件は発生の可能性のある鶏舎の出荷は終えられ、3棟あるうち一番離れた鶏舎で検査をしています。何故処理場にいた発生の可能性のある鶏舎の鶏で2回目の検査をしなかったのか?検体まで取っていて急遽PCRは不要と判断し検体が破棄されたのか?何故発生の可能性のある鶏舎の鶏でもう一度検査をしなかったのか?
何故来週の出荷を変更し残りの雌をあわてて出荷するのか?

川南の農場は殺処分時の死鳥の数が凄まじく、感染はかなり進んだ状態でした。
本当に気づかなかったのか?この状況で大量の死鳥があって鳥インフルを疑わなかったのか?立ち入り検査前日に報告されたのは偶然か?

高鍋町の農場は対策本部内では27日には臭いとされていた農場です。
こちらも立ち入り検査前日になって急に発生を報告されたのも偶然か?

こんばんは
立て続けの発生はショックでしたが大企業の場合、届け出(通報者)=内部告発という難しさからではないでしょうか?

よく、わかりませんが・・・。

3例目の都農農場と4例目の川南農場の件が混ざっているような気がするのですが・・・。

気のせいかな?

宮崎の6例目は、高鍋町です。
5羽中4羽が陽性でした。

高鍋なんて27日には2ケタの症状が報告上がっています。 またもや宮崎の児湯ショク長の農場です。隠し切れるものではないのが何故分からないのか?まだ申告する可能性のある関連農場が有ります。県内消毒も制限区域以外は未だに24時間体制になっていません。
これで終わる、と思わず自分達で出来る防疫線を張って下さい!

http://www.pref.aichi.jp/nourin/nousuibu/webpress/toriinhuru2011/shobun.pdf

http://www.pref.aichi.jp/nourin/nousuibu/webpress/toriinhuru2011/soudan.pdf

http://www.pref.aichi.jp/nourin/nousuibu/webpress/toriinhuru2011/index.htm#1/26

宮崎も頑張っていると思いますが、愛知も、頑張って、鳥インフル撲滅に頑張っています。養鶏業者だけでなく、一般市民の問い合わせに、行政も返答し、ホームページで、できるだけ早く公開していることや、食用にしてはいけないお米を、転売した事件以来、食品問題は、刑事事案になりやすいと、県民が思っているのか、余程、度胸がない限り、故意に隠したり、鶏を移動させたりするような考えの業者は、減っています。
多分、県の検査センターの能力なども、関係しているのかもしれません。

27日の時点で、19件の農家さんからの申告と相談が、行政にあったようです。

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