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韓国口蹄疫 100万頭超える! 宮崎大学・末吉益雄先生の提言

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韓国口蹄疫が94万8364頭となり、100万頭の大台を目前にしています。「日本農業新聞」(1月8日)によれば、現在処分を待っている待機患畜も含めると107万5015頭となるようです。

内訳は、豚が97万4469頭と大半を占め、牛が9万7524頭となっています。

今までワクチン備蓄量が30万ドーズしかないために不可能だった豚のワクチン接種が、1月2日に90万ドーズ追加されて、遅ればせで始まったようです。

まだ制御可能な状況からは遠く、このままだと仮にワクチン接種後の殺処分が行われないとしても、東アジア最大規模の被害頭数になることが決定的になりました。

口蹄疫疫学チームに現地から参加した宮崎大学末吉益雄先生は、同日の「日本農業新聞」の中でこう述べているのでご紹介します。

●①冬場特有の対策のとりにくさ。冬場は消毒液が凍結してしまう。消毒液は気温20度で使用を前提としているために、寒さで消毒液が散布できなくなってしまった。

また道路や車両のタイヤに消毒液を散布すると、スリップ事故を起こしやすくなる。また消石灰も散布後の積雪で、効果的が落ちてしまう。

●②宮崎県の場合、口蹄疫が比較的苦手とする紫外線が強い夏場だったが、韓国の場合冬で日照時間が短く、積雪のために紫外線が地表に届かず、ウイルスの死滅がしにくい。

このように現在の韓国の冬季の口蹄疫拡大を分析した上で、わが国に対してこのような警告を発しています。

●③もし、現在日本に伝播した場合、同様な理由で全土に拡がる可能性がある。複数県に発生した場合、どの地域にどのようなワクチンを接種するのか、事前にシミュレーションする必要がある。

発生してからでは遅い。九州で発生したら、関門海峡、北海道なら津軽海峡を境に防疫ラインを敷くといった想定が必要だ。

●④複数県での発生の場合、県外からの応援が期待できない恐れもある。自分の地域は自分で守れる態勢を事前に構築しておく必要がある。

●⑤韓国でも、地域を超えた屠畜場へ出荷していたことも感染拡大が広がった要因だった。家畜の移動について、同様な条件をもつ日本も検討しておく必要がある。

●⑥冬場に出来る対策は消石灰の活用だ。畜舎の周りに撒くなどの対策をしてほしい。

また、今後の韓国での状況をこのように見ています。

●⑦韓国では雪の下で生き延びたウイルスが、春になり雪が溶けて動き出す恐れがある。

●⑧ウイルスが南下しているが、南には養豚地帯がある。釜山と福岡は人の行き来が盛んだ。

●⑨来月は韓国の旧正月だ。韓国で最も人の移動が盛んになる。

●⑩春先にかけて日本に感染拡大の危機が高くなるだろう。

以下韓国紙をスクラップします。
韓国紙では飼料運搬車や糞尿回収車が全国を走り回っており、それが感染拡大の原因と考えられているようです。失礼ながら、それはあたりまえなわけで、韓国自身のもう少し突っ込んだ原因分析が必要なのではないでしょうか。

また、「日本農業新聞」では「韓国の島民新聞」と提携しており、口蹄疫による韓国農村内部の影響が報じられ始めました。機会を改めてご紹介します。

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■韓国だけが急拡散…口蹄疫ミステリー(1)

この冬、世界でも韓国だけで激しい口蹄疫がはびこっている。昨年11月28日に慶尚北道安東(キョンサンブクド・アンドン)で初めて発生してから、全羅北道(チョンラブクド)、全羅南道(チョンラナムド)、慶尚南道(キョンサンナムド)、済州道(チェジュド)を除く全国が口蹄疫の勢力圏に入った。

埋却処分された牛と豚だけで100万頭を超え、埋却場所を確保するのも厳しい状況だ。被害額も雪だるま式に増えている。時価補償額だけで6000億ウォンを超える。

ワクチン接種費用だけで数十億ウォン、防疫装備とスタッフ動員にも数千億ウォンの費用がかかった。政府関係者は、「直接被害額は1兆ウォンで、景気低迷など間接被害まで合わせれば金額はさらに増えるだろう」と話す。

  隣接する台湾と中国、モンゴル、ロシアなどでも昨年に口蹄疫が発生しているが、韓国ほど激しくはなかった。日本も昨年4月に宮崎県で口蹄疫が確認されたが、他の地域には拡散しなかった。それならば韓国だけ“統制不能”が懸念されるほど口蹄疫が広がった理由は何だろうか。

  専門家らは全国的に移動する糞尿回収車と飼料供給車を挙げる。これらの車両が全国を回りながらウイルスを伝播しているということだ。実際、安東で初めて発生してから10日以上慶尚北道外に出なかった口蹄疫は、12月中旬から京畿道(キョンギド)北部を中心に急速に広まった理由は糞尿回収車のせいだというのが国立獣医科学検疫院の暫定疫学調査の結果だ。

  検疫院のキム・ビョンハン疫学調査課長は、「安東で口蹄疫は初めて発生したこと、ある糞尿処理装備開発会社が安東の養豚団地の糞尿2トンを京畿道坡州(パジュ)に持ち込み糞尿乾燥試験を行ったことが確認された。

この会社の近くの農家で口蹄疫が発生した」と明らかにした。その後、坡州、漣川(ヨンチョン)、抱川(ポチョン)、江華(カンファ)など養豚農家密集地域で相次ぎ口蹄疫が拡散した。

建国大学獣医学科のイ・ジュンボク教授も、「口蹄疫が韓半島で広まったのは、畜産農家が全国に広がっている上、媒介となる糞尿処理車や飼料供給車などが隅々まで走り回っているため」と指摘している。

イ教授はまた、「平昌(ピョンチャン)・横城(フェンソン)など江原道(カンウォンド)に口蹄疫が広まったのは京畿道楊州(ヤンジュ)の工場で作った飼料とこれを運搬した飼料供給車が原因となった可能性がある」としている。

この冬、世界でも韓国だけで激しい口蹄疫がはびこっている。昨年11月28日に慶尚北道安東(キョンサンブクド・アンドン)で初めて発生してから、全羅北道(チョンラブクド)、全羅南道(チョンラナムド)、慶尚南道(キョンサンナムド)、済州道(チェジュド)を除く全国が口蹄疫の勢力圏に入った。
埋却処分された牛と豚だけで100万頭を超え、埋却場所を確保するのも厳しい状況だ。被害額も雪だるま式に増えている。
時価補償額だけで6000億ウォンを超える。ワクチン接種費用だけで数十億ウォン、防疫装備とスタッフ動員にも数千億ウォンの費用がかかった。政府関係者は、「直接被害額は1兆ウォンで、景気低迷など間接被害まで合わせれば金額はさらに増えるだろう」と話す。

  隣接する台湾と中国、モンゴル、ロシアなどでも昨年に口蹄疫が発生しているが、韓国ほど激しくはなかった。日本も昨年4月に宮崎県で口蹄疫が確認されたが、他の地域には拡散しなかった。それならば韓国だけ“統制不能”が懸念されるほど口蹄疫が広がった理由は何だろうか。

  専門家らは全国的に移動する糞尿回収車と飼料供給車を挙げる。これらの車両が全国を回りながらウイルスを伝播しているということだ。実際、安東で初めて発生してから10日以上慶尚北道外に出なかった口蹄疫は、12月中旬から京畿道(キョンギド)北部を中心に急速に広まった理由は糞尿回収車のせいだというのが国立獣医科学検疫院の暫定疫学調査の結果だ。
  (韓国 中央日報 1月7日))

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■広がる口蹄疫、韓国だけで100万頭を埋却

口蹄疫のために埋却処分された家畜が100万頭を超えた。農林水産食品部は6日午前までに口蹄疫に感染したり、予防のために埋却された家畜が94万8364頭と集計されたと明らかにした。

またこの日追加で口蹄疫発生が確認された農場4カ所で飼育する家畜は牛550頭と豚5万5731頭に上ることがわかった。通常、口蹄疫が発生すると該当農場と半径500メートル以内で飼育する家畜をすべて埋却するため、この日までに埋却対象となった家畜は最低で100万4095頭以上となる。

これは統計庁が調査した全国の牛と豚の飼育頭数1233万頭の7.6%に相当する規模だ。統計庁によると、昨年12月1日基準で国内で飼育されている牛は韓牛、肉牛、乳牛を合わせ335万2000頭、豚は988万1000頭に上る。

  農林水産食品部は、豚が口蹄疫にかかるケースが急速に増えていることから、豚にも予防ワクチンを接種することを決めた。接種対象は忠清南道(チュンチョンナムド)・忠清北道(チュンチョンブクド)、京畿道(キョンギド)南部地方の種豚と母豚21万頭。

農林水産食品部のイ・サンギル食品産業政策室長は、「口蹄疫が発生した養豚農家を対象に疫学調査を行ったところ、人との接触が多い母豚から主に感染が現れたため、種豚と母豚に限定してワクチンを接種することにした」と説明している。
(中央日報 1月7日)

■李大統領「旧正月の大移動での口蹄疫拡散に備えを」

李明博(イ・ミョンバク)は6日、口蹄疫問題について、「検疫も検疫だが、抗体をはじめ根本対策を立てなくてはならない」と述べた。

青瓦台(チョンワデ、大統領府)で緊急関係閣僚会議を招集した席で、「(海外)旅行客1500万人が出国し、800万人が入ってくる。(根本対策がなければ口蹄疫が)年中行事になりかねない」と述べた。

その上で、「中国・ベトナムの場合、毎年口蹄疫が発生する地域であり根本的対策を求めていくのがよい」との考えを示した。青瓦台関係者は、「これらの国を訪れたすべての人を防疫することを検討しろという意味」と述べた。現在は入国者のうち畜産関係者だけが防疫を受けている。

  李大統領は国民的な帰郷・帰省シーズンとなる来月初めの旧正月連休に備えなくてはならないと注文した。「旧正月連休の際、国内だけでなく国外へも大規模移動が避けられない期間のため、どうすれば口蹄疫拡散を防ぐことができるか徹底して備えるように」と指示したものだ。
(中央日報 1月7日)

■写真 夜の底が白みはじめた時刻の大樹の枝。ちょっとコワイぞ。 

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コメント

韓国の詳細な情報をありがとうございます。感染拡大の要因はいろいろあると思いますが、リングカリングが届け出を遅らせるとともに感染を拡大させ、ワクチン接種をしない防疫方針が感染拡大を防止出来なかったと思います。ワクチンは疫学的調査で複数発生が確認されたら早期に接種すべきであり、遅らせる理由はなにもありません。OIEコードは貿易自由化の障害を排除することを名目としながら、防疫の障壁となっていることに早く気付くべきです。

投稿: 三谷克之輔 | 2011年1月 8日 (土) 11時13分

発生すると、その半径500mは、有無を言わせず、殺処分。畜産農家同士のコンセンサスが取れているとしても、やはり、疑わしい家畜がいても、届出には、二の足を踏むでしょうね。罰則もどこまで効果があるか。このあたりは、心理の分野ですね。
口蹄疫の似た症状の家畜発見→初発には、なりたくない→もう少し、様子を見よう
他の家畜にも同様の症状→やばいかも知れない
あれ、治ってる→出荷してしまえ(あるいは、埋却してしまえ)

投稿: Cowboy@ebino | 2011年1月 8日 (土) 14時20分

こんばんは、青空です。
韓国の状況はより悪化している印象です。あまりにも大きく広がっているため、今後圧倒的に人員・消毒資材・重機等が不足し、より感染拡大を見せる可能性があります。同時に発生している鳥インフルエンザも拡大の様相を見せていることから既に防疫体制の構築は困難を極めていると考えます。

宮崎県の場合や、昨年の韓国口蹄疫の発生に対しては防疫布陣は基本的に「封じ込め」です。外にウィルスが漏れないように前線を展開し包囲する形です。
しかし今の韓国の状況では既にウィルスを包囲する形の布陣は不可能です。汚染地域の方が未感染地域を上回ってしまいました。

私見ですが、現在の感染拡大を見ていると次の構図を想像しています。
①口蹄疫発生に伴い、一部の出荷が止まる
②食肉業者は、非感染地域からの入荷を増加させ需要に対応する。
③感染地域が広り、更に別地域の非感染農家からの入荷を増やし対応する。

つまり、感染が広まるほど、非感染農家からの物流が極端に増加するという悪循環の構図です。しかも家畜運搬車量は恐らく、感染地域の業者からも導入されるでしょう。そうしないと当該地区の運搬業者は干上がってしまいますし、そもそも非感染地域の各種業者のキャパでも対応不可能だと考えます。結果として非感染地域は従来以上に人・物の流れが増加し、コントロール不可能となり、いずれかの農家が感染し、多すぎる物流により非感染農家まで初期感染で相当レベル逡巡してしまうという仮説が立てられます。

また、口蹄疫は、車輛消毒ではウィルスを殲滅できないのではと感じています。これは是非動研等で科学的に立証して頂きたい事項です。以前何かの記事で読みましたが車輛消毒は物理的な洗浄程度の効果しかなく、安心できる水準の消毒は一車体当たり10分前後は必要だとありました。ということは、消毒度ポイントにある道路は、一時間に12台、12時間で144台しか通れないことになります。現実的に完全な消毒の履行は不可能です。
つまり、口蹄疫については一般道路の消毒が気休め程度の効果しかないのに、万全と考えてしまうためにかえって感染を拡大しているということになります。韓国の感染が止まらないのは上記のような、消毒の過信と物流・人の移動がかえって増大するという点によるのではないでしょうか。

しかし、韓国では今更な気がします。今行っている防疫で封じ込めることもできるかもしれませんが、それが困難である場合は以下のような方法しかないのではないでしょうか。
重要な畜産拠点をその他の地域から隔離する方法です。感染がある程度落ち着くまで、十重二十重の円陣防疫布陣を張り、その地域から出荷、飼料の搬入、家畜排泄物の搬出はもちろん、当該地域にある住民の移動も最大限に規制し、未感染の種豚牛を軍の重量級ヘリ等で防疫要塞に担ぎこみ、嵐が去るのをじっと待つという戦略です。

当然未感染の取り残された農家は「見捨てられ」ますし、重要種家畜の移動に伴い感染リスクにさらされる農家も増え、被害は拡大する可能性を否定できません。また閉じ込められた拠点の家畜も飼料不足による飢え死や経済価値の減少も発生し得るでしょう。
国内の見捨てられた畜産農家や隔離され生活に規制を受ける保護地域の住民、当然未感染の家畜の出荷も止まるわけですから、食肉卸業者や屠畜業者、小売も悲鳴を上げるでしょう。収入が断然されるので。特に来月は旧正月ですので被害は甚大です。国内では相当な混乱や暴動があるやも知れません。
しかし、ここまで感染が拡大し更に拡大するのであればそのような方法によるしかないのではないでしょうか。

今後恐らく国内への侵入は避け難いと考えます。あの感染力はありとあらゆる小さな穴から侵入すると考えます。
その場合、どう戦うべきか、韓国の事例・宮崎県の事例を今一度、有効な防疫方法という観点で見直すべきと考えます。

投稿: 青空 | 2011年1月 8日 (土) 23時42分

ここまできたら実際に症状の出たものを除き一切の殺処分を断念し、国内の偶蹄家畜の全数に予防ワクチンを実施したら良いと思います。 接種の実務は各農場に任せれば忽ちの内にワクチンは完了します。

南米を見ると人口350万のウルグアイは1200万頭の牛に全数ワクチンを実施していますし、人口600万の貧乏なパラグアイは1000万頭の牛に矢張り全数ワクチンを行い、それだけでなく、その総てのワクチンを自給した上で輸出余力迄あるワクチン製造業者を保有しています。 
そして長い間FMDは発生せずトランキーロ(涼しい顔)です。
それに比べれば韓国の家畜の数など大したものではありません。

200万頭の家畜を殺して(或いは殺さずに)埋め込むなんて狂気の沙汰です。

投稿: 利根 | 2011年1月12日 (水) 00時16分

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