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2011年1月 9日 (日)

韓国口蹄疫  口蹄疫を韓国食肉市場から考える

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「青空」様、非常に興味深いお話です。韓国の牛肉価格は現在非常につり上がっています。とうぜん非汚染地区へ需要が殺到したと思われます。

おまけに、年間を通して最も消費重要が強い年末と新年時期で当たっています。

この商機を流通業者が見逃すはずもありません。ある意味、「口蹄疫特需」とでもいうべきものが韓国国内に生じても不思議ではありません。

すると、牛肉が足りず、一方出荷不可能な地帯は急激に拡大していっている、いわばハサミ状になってしまったわけで、流通業者は今のうち「安全な」牛肉をストックして売りさばこうと考えるでしょう。

非汚染区の生産者も刻々と南下を続ける口蹄疫を前にして、感染するか、殺処分をかけられる前に少しでも売り急ぐ心理となるでしょう。

元々、韓国では牛肉は非常に高価です。韓国紙によれば世界で2番目だそうです。1位はわが国ですが、韓国牛の肉質からみればおかしな気がします。また最上級以外の牛肉では、韓国のほうが日本より高かったそうです。

「韓国の国産牛肉の価格は1キログラム当たり9万4278ウォン(約6781円)で、日本に続き世界で2番目に高かった。オーストラリア産輸入牛肉は1キログラム当たり4万2775ウォンで、中国、日本、台湾に次いで高かった。」(韓国「聯合ニュース」10年11月1日)

「東京は、牛肉最上級の価格はソウルより高かったが、一般の肉の市販価格はソウルより安かった。」(韓国「中央日報」5月16日)

この原因は、このように言われています。

「 韓国の牛肉の価格がこれだけ高い理由は、物量が不足している上、流通構造が複雑だからだと分析された。牛肉価格は特に最近2~3年の間で急激に上がった。狂牛病で2004年から米国産牛肉の輸入を禁止したのが直接的原因だ。輸入牛肉市場の60~70%を占めていた米国産牛肉の空席をオーストラリア、ニュージーランド産が十分に補うことができなかったからだ。」(同上)

このために、外国産牛肉価格の暴騰がおきました。しかし、事態は外国産でとどまらず、国内産牛肉までに波及していきました。

「2003年1キロ当たり6914ウォン(オーストラリア産冷凍肉基準)から昨年1万450ウォンまで上がった。外国産牛肉価格が上がるとそれに乗じて国産牛の価格まで急上昇した。2003年1キロ当たり5万8494ウォンだったソウル地域の国産牛ロースは昨年7万3148ウォンまで跳ね上がった。」 (同上)

つまり、逃げ道のない牛肉価格の高騰です。そしてこの牛肉価格の高騰が起きたのが、去年の口蹄疫事件以前であったことにご注目ください。

口蹄疫以前に韓国の牛肉市場は充分にホットな状態だったのです。ここに韓国牛肉生産を直撃する口蹄疫事件が降って湧いたわけです。どうなるかは火を見るより明らかでしょう。

外国産牛肉の品不足、輸入、国産を問わない価格高騰が起きていて、国産食肉のおおよそ過半が汚染地区に入るとなれば、後は想像する必要すらありません。

しかも、この市場動向に加えて、韓国には前近代的な食肉流通システムが頑固に生き残っていました。

「牛肉価格上昇には複雑な流通構造による流通マージンも影響している。供給物量が不足すると中間販売商が流通マージンを増やしたのだ。農水産物流通公社によると昨年中間輸入商、食肉処理場、加工工場、販売店などを経て上乗せされた流通マージンは牛肉価格の39.3%にのぼる。2002年22.9%にとどまった流通マージンが供給不足に比例して毎年増えている。またかなりの高級レストランでは最終販売価格の2、3倍で牛肉を販売している。」(同上)

決定的な品不足と、4割にも登る加工・流通マージンをもつ流通業者が、この決定的な品不足に際して何を考えるのか・・・それはひとつしかありえません。

投機です。彼らは金を借金してもかき集めて、非汚染地区の食肉をかき集めようとするでしょう。彼らに金を貸すホットマネーは、金余りのこの世界で掃いて捨てるほどいます。

食肉流通業者はこの「口蹄疫特需」を前にして、非汚染区のみならず、アンダーグランドで素性の怪しい食肉、つまり汚染区の肉にも手を伸ばした可能性もありえます。経済が口蹄疫という統制がかかった場合、経験則に照らせば、かならず「裏面経済」を生みだすからです。

このようなことは、形は違いますが、日本でも逮捕者を出したBSEの輸入牛肉偽装事件などでも多々ありました。

いずれにせよ、このことによってふたつのことが起きたでしょう。ひとつは、平時より盛んな畜産関係車両の交通量の増大です。

と場には、早い処理を望む業者が列をなし、と場自体が汚染区、非汚染区の境なくあるために、家畜運搬車、食肉運搬車などのひんぱんな非汚染区と汚染区の行き来がかえって増えてしまったことでしょう。

しかも、一般道路における「消毒」は宮崎大学・末吉先生が指摘されるように凍結によるスリップ事故を恐れておざなりになりがちです。ただでさえ気休めなのに、ましておやです。

こうしてウイルスは、この家畜運搬車と食肉運搬車に乗ってより広範に非汚染区にバラ撒かれていきました。

そしてもうひとつは、食肉の中に潜む汚染区の食肉です。これは統計数字には出てこないアンダーグランドの流通ですが、なしとは言えないでしょう。

口蹄疫を防疫の側面だけではなく、違った経済の側面からも見てみると、今回の韓国口蹄疫も別の顔が見てきます。

■写真 昨日の大木の枝を引いて撮ってみました。なにかアフリカのサバンナの夜明けみたいですが、うちの村です。

■追記 農水省は7日、韓国で大流行している口蹄疫の分析の結果、昨年宮崎県でひろがったものとほぼ同一の遺伝子配列が一致したと発表しした。
(略)韓国の口蹄疫ウイルスを韓国政府が分析した結果、宮崎のウイルスと99%以上一致した。
(「朝日新聞」1月8日)

       ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

以下、昨日の「青空」様コメントを掲載します。後半は略させて頂きました。畜産拠点化提案は面白いのですが、現実性と絡めて別の機会にコメントさせていただきます。

■こんばんは、青空です。
韓国の状況はより悪化している印象です。あまりにも大きく広がっているため、今後圧倒的に人員・消毒資材・重機等が不足し、より感染拡大を見せる可能性があります。同時に発生している鳥インフルエンザも拡大の様相を見せていることから既に防疫体制の構築は困難を極めていると考えます。

宮崎県の場合や、昨年の韓国口蹄疫の発生に対しては防疫布陣は基本的に「封じ込め」です。外にウィルスが漏れないように前線を展開し包囲する形です。
しかし今の韓国の状況では既にウィルスを包囲する形の布陣は不可能です。汚染地域の方が未感染地域を上回ってしまいました。

私見ですが、現在の感染拡大を見ていると次の構図を想像しています。
①口蹄疫発生に伴い、一部の出荷が止まる
②食肉業者は、非感染地域からの入荷を増加させ需要に対応する。
③感染地域が広り、更に別地域の非感染農家からの入荷を増やし対応する。

つまり、感染が広まるほど、非感染農家からの物流が極端に増加するという悪循環の構図です。

しかも家畜運搬車量は恐らく、感染地域の業者からも導入されるでしょう。そうしないと当該地区の運搬業者は干上がってしまいますし、そもそも非感染地域の各種業者のキャパでも対応不可能だと考えます。

結果として非感染地域は従来以上に人・物の流れが増加し、コントロール不可能となり、いずれかの農家が感染し、多すぎる物流により非感染農家まで初期感染で相当レベル逡巡してしまうという仮説が立てられます。

また、口蹄疫は、車輛消毒ではウィルスを殲滅できないのではと感じています。これは是非動研等で科学的に立証して頂きたい事項です。以前何かの記事で読みましたが車輛消毒は物理的な洗浄程度の効果しかなく、安心できる水準の消毒は一車体当たり10分前後は必要だとありました。ということは、消毒度ポイントにある道路は、一時間に12台、12時間で144台しか通れないことになります。現実的に完全な消毒の履行は不可能です。

つまり、口蹄疫については一般道路の消毒が気休め程度の効果しかないのに、万全と考えてしまうためにかえって感染を拡大しているということになります。韓国の感染が止まらないのは上記のような、消毒の過信と物流・人の移動がかえって増大するという点によるのではないでしょうか。

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コメント

昨年4月での韓国のFMDVの株と宮崎での同時期のFMDVの株は同じO型ながら、遺伝子の塩基配列は、異なるものであり、昨年11月から終息を見ない韓国のFMDVの株と昨年の宮崎のFMDVの株がほぼ同じものであると判明したということは、
▼今回の韓国の口蹄疫は、昨年の1月、4月時点でのウィルス殲滅に失敗した結果、再発したわけではない。つまり、本当に、一旦は清浄国になっていた。
▼新たに、大陸(中国・ロシア)から韓国へ侵入した可能性がある。(無論、未だ、世襲王朝が存在する北の国からも)
▼万に一つ、宮崎から、韓国へ侵入した可能性もある。ただ、少し時期が空いている(4ヶ月以上)。

嗚呼、恐ろしい、韓国は、年に3回も異なる株のFMDVが侵入したことになる。
いづれにしても、いつでも、あらゆる場所で、FMDVは、国境を越え、伝播し続けているというわけである。東アジアでは、いつ何時、どこで発生してもおかしくない状況であることを再認識しました。

朝日新聞の記事には書いてないですが、農水省の方のツイートによると、今回の韓国株はロシア株に最も近く、慶尚北道から京畿道へ飛び火した時点で1%弱変異していたそうです。
しかもロシア、日本との相同性について韓国政府が公表していないのだとか。

農水省のプレスリリース
韓国で分離された口蹄疫ウイルスについて
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/110107.html
>・ロシア(昨年7月)や日本(昨年4月)で分離されたウイルスと近縁であると考えられること


http://twitter.com/hideoharada/status/15324333597532160
【韓国口蹄疫情報】農林水産食品HP12/16情報。
京畿道ヨンチョン・ヤンジュのウイルスと慶尚北道安東のウイルスの
塩基配列を分析したところ、639個のうち5~6個の差異があることが分かった。
この差異がウイルス変異によるものか、別のウイルスが国外から侵入したものか
判断は困難とのこと。

http://twitter.com/YAMAOC/status/23348428712972289
@hideoharada 宮崎県口蹄疫での疫学調査チームの中間報告では、
宮崎株は同年に香港、ロシア、韓国で分離された株と非常に近縁とあります。
韓国の報告では4月の自国株と今回は違い、4月に日本で分離された株と今回のは近縁...
なんだか変?解析比較する部位の違いなのでしょうか?

http://twitter.com/hideoharada/status/23355758645084160
比較する部位は同じ。今回の韓国株は4月の同国株より
日本株やロシア株により近い、という相対的な問題。
RT @YAMAOC @hideoharada 宮崎県口蹄疫での疫学調査チームの中間報告では、
宮崎株は同年に香港、ロシア、韓国で…解析比較する部位の違いなのでしょうか?

http://twitter.com/hideoharada/status/23392086287982592
1/7朝鮮日本日本語版を観てたら、今だに政府は
「ベトナムを旅行した一部畜産農家を通じてウイルスが流入したと見られる」とか言ってる。
今回のウイルスはロシア株に最も近いが、中国との国境付近の発生で採れたウイルスで。
ベトナムのウイルスとは遠い。韓国国内での情報提供が不十分。

http://twitter.com/hideoharada/status/23537547820933120
聯合ニュースWeb版が「韓国口蹄疫が宮崎の口蹄疫と一致」として
「日本の新聞報道によると、日本の農林水産省が発表」とか書いてある。
自国政府が国内で公表しないことを憂うべきですよ~。

http://twitter.com/hideoharada/status/23534597564268544
韓国も日本もロシア株(中国国境付近で発生してるので、実質は中国株)とほぼ同じ、
両国とも海外からの侵入ということです。

SUN様。問題意識は共有しますが、私のブログに原田さんのツイートをまんま張り付けるのはご勘弁を。私も読んでますんで。

すみません、今後気をつけます。

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