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2011年1月25日 (火)

宮崎トリインフルエンザ事件    ウイルス侵入経路を早急に明らかにしてほしい!

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宮崎県トリインフルエンザ事件の概況は、下のスクラップをご覧ください。昨日の記事から詳細が判明したのはとりあえず以下です。

①殺処分数は41万羽。自衛隊員は170名。25日により作業開始。処分には地元の土建業者組合やJAも協力。
②鹿児島で検出された野鳥のウイルス・タイプと近縁。
③移動制限区域は、第2例より半径10㎞範囲。宮崎市、西都原市、新富町、高鍋町、国富町、川南町、木城市の2市5町。
④家禽農場120箇所、最大で400万羽の移動制限。
⑤国道、県道で35カ所の消毒ポイントを設置。
⑥第1例と第2例は死体を搬出する業者が一致。
⑦第2例、防鳥ネットに穴を発見。

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昨日、わが農場にも家保の緊急立ち入り調査がなされました。チェックポイントと、防疫状況と鶏舎内に立ち入っての目視調査、死亡鶏の確認などです。私の農場は県のモニタリング農場なので、月に一回の死亡鶏を報告し、家畜防疫員によるPCR検査と血清検査を受けています。025_edited1

私の農場の防疫の特色は防鳥ネットを二重にしていることです。写真でご覧になるとわかると思いますが、外側に赤い色の強靱な漁網製の防鳥ネットを張り、その下に1~2メートル開けて金属製のネットを張っています。

外側ネットの目は小型の野鳥が通れないように細かく、内側は通気性を考えてやや大きめのネットにしています。これでほぼ完璧に野鳥の鶏舎内侵入はブロックできるはずです。

と言いますのは、だいたいの養鶏農場の防鳥ネットは一重です。そのために、いったん大風などで破れ目ができるとそこから引き裂かれたような裂け目を作ってしまいます。

カモは私の農場に飛来しませんが、カラスはよく飛来します。かつて京都トリインフル事件では、カラスが感染して死亡した鶏をついばんで発症して死んでいます。

また、カモから感染を移されて死亡した野鳥をカラスがついばんでキャリヤーとなり、養鶏場の鶏となんらかの接触をすることで感染を移すこともありえます。

つまりカラスは、野鳥の死肉をついばむために感染を拡げる媒介者の第1に上げられる存在です。もちろんネズミ、ハエも有力な媒介者ですが、彼らの行動範囲は狭いために鳥類より脅威度は低いと言えます。

コメントにもありましたが、第2例のような場合すぐに疫学調査でネットの穴を指摘されて、それで事が済むような傾向があります。確かに私もおかしいとかねがね思っていました。

私の養鶏家としての実感から言って、野鳥がネットの小穴から飛び込むというケースは一万分の一あるかなしやだと思われます。はっきり言って、ありえません。

防鳥ネットは簡単に破けるしろものです。私など常に補修用の紐を作業中にもってシコシコ補修しているほどです。ましてや第2例規模の大型養鶏場で、日常的に小穴の点検をしろというのは無体な話です。

また、第2例では、鶏舎ごとの長靴の履き替えが励行されていなかったとあります。ネットの小穴と一緒にされていますが、こちらはやや意味が違います。

一棟ずつゴム長を履き替えるのは、棟ごとの農場内水平感染を防ぐ目的であって、ウイルス侵入とは次元が違うことです。マスコミはその辺をわからずに、ただ情報を垂れ流しています。

私の農場でもいちいち別の長靴に履き替えるというメンドーなことはせずに、棟の入り口の踏み込み消毒槽を置き、出入りにドプンと浸すことで代行しています。家保もそれでいいとの見解です。

このように、現場から見れば、事あれば一斉に発生農場のあら探しをしますが、私が見る限り第2例は相当に使用衛生レベルは高い農場です。あのていどまでやれば、立派なものです。

一般の人が、発生すると「県の恥」という言い方をするのは、厳に控えてほしいものです。誤解を恐れずに言えば、発生するかしないかは、ある種「時の運」なのです。万全な防疫をしていても出るときは出るし、まったくズボラを決め込んでも出ないときには出ないものです。

感染発生は、実に多くの要因と偶然に支配されており、私たち現場の農家はそれを最小限まで下げるしか出来ない非力な存在にすぎないのです。

感染が発生するたびに「わが県の恥」などと糾弾されてしまえば、畜産業者は必ず発生を秘匿するようになり、地下に潜り潜在化してしまいます。そのほうがよほど悪い。

第1例と結びつくくなにかがあるはずです。第1例は裏手の池の水鳥からの侵入かもしれません。

そこから第2例目までが9キロ弱あります。これは鳥類の行動半径としてはそうとうに大きいもので、中小型の野鳥ではありえません。となると・・・第2例にウイルス侵入したルートの可能性はこんなかんじです。

一つめは、行動半径10㎞を持つ鳥類のなにか。
二つめは、感染して死んだ野鳥の死骸を食べてのリレー。
三つめは、第1例、第2例に対しての同時侵入。
四つめは、人為的な媒介。

私はあくまでも憶測の域をでないとお断りしますが、ヒトによる伝播が大きいと思います。死体搬送業者、飼料関係、会合、訪問などのなにかしらの人的接触・・・。

そして第2例がほんとうに2番目とも限りません。既に別の団地内養鶏場で発生していた伝播の可能性も充分にあります。しかし、殺処分になってしまい焼却するとなると迷宮入りでしょう。

まだ情報が決定的に不足です。侵入経路という最も同業者が知りたいことの情報が少なすぎます。侵入経路が分からないと、防ぎようがないではありませんか。

それにしても、移動制限区域として上がった宮崎市、西都原市、新富町、高鍋町、国富町、川南町、木城市などの名を聞くだけで、なんともいえないやりきれなさに襲われます。なんということだ!なんて天は残酷なんだ!

がんばって下さい。今の段階でそれしか言えない自分が情けないです。

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■宮崎県プレスリリース

高病原性鳥インフルエンザのウイルス分析結果について(第1例目)
宮崎市佐土原町で発生した高病原性鳥インフルエンザ(H5 亜型)について、(独)農研機構
動物衛生研究所が、分離されたウイルスの接種試験及び遺伝子解析を実施したところ、当該ウ
イルスが強毒タイプであることが確認されました。
また、遺伝子解析の結果から、昨年11 月に発生が確認された島根県の家きんから分離され
たウイルスや昨年12 月に鹿児島県で野鳥から分離されたウイルス等と、極めて近縁であること
が明らかになりました。
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■警戒レベル最高に=宮崎の鳥インフル強毒性確認で―環境省

 環境省は24日、宮崎市の養鶏場の鶏が感染した高病原性鳥インフルエンザウイルスが強毒性と確認されたことを受け、発生地周辺10キロ圏内の野鳥の警戒レベルを現在の2から最高の3に引き上げ、宮崎県などと連携して、監視を強化すると発表した。

 25日から、発生地周辺で野鳥の感染状況を把握するための現地調査を行う。 

[時事通信社]

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■宮崎県で2例目の鳥インフル発生、約41万羽を殺処分

写真:鳥インフルが発生した養鶏場付近の道路には「立入禁止」の看板が立てられた。後方は養鶏団地=23日午後4時18分、宮崎県新富町、神澤和敬撮影鳥インフルが発生した養鶏場付近の道路には「立入禁止」の看板が立てられた。後方は養鶏団地=23日午後4時18分、宮崎県新富町、神澤和敬撮影

地図:  拡大  

 宮崎県は23日、同県新富町の養鶏場で採卵鶏20羽が死に、鳥インフルエンザの遺伝子検査をしたところ、6羽中5羽の検体から高病原性のウイルス(H5亜型)が確認された、と発表した。県は、この養鶏場(約6万6千羽)が入っている養鶏団地で飼育されている鶏全約41万羽を殺処分することを決め、同日夜、処分を始めた。河野俊嗣知事は自衛隊に災害派遣の出動要請をして支援を求める方針。

 同県での今季の発生は、宮崎市の養鶏場に続き2例目。新富町では2007年にも鳥インフルエンザが発生し、約9万3千羽が殺処分された。

 県によると、23日午前10時ごろ、採卵鶏を飼育する新富町の養鶏団地(全12棟)内にある鶏舎1棟の中央付近で20羽がまとまって死んでおり、所属する農協を通じて宮崎家畜保健衛生所に届け出た。この養鶏場は、宮崎市佐土原町で22日に高病原性ウイルスの感染が確認された養鶏場の北東約8・5キロにあり、鶏や卵の移動を禁ずる移動制限区域内(半径10キロ)だった。県が同日、立ち入り検査した際、目視で異常は確認されなかった。

 一方で、宮崎市と新富町の養鶏場は、日頃死んだ鶏を回収する業者が同じだったことが農林水産省などの調査でわかった。回収業者はこの二つ以外の養鶏場でも業務をしているといい、農水省はそれらの養鶏場でも異常がないか立ち入り検査を進める。

 県は23日夜、この養鶏場から半径10キロを新たに移動制限区域に設定。この区域内には新たに約90の養鶏場(約300万羽)が入り、今後、立ち入り検査を行う。これで、口蹄疫(こうていえき)被害が昨年集中した川南町など2町の一部が同区域内に入り、計2市5町に規制がかかることになった。(朝日新聞1月24日)

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コメント

私の町では養鶏がありませんし、これまでも養鶏に携わった事が無く、詳しい事は何も分かりません。
濱田様が仰る事を想像しながら拝見しています。
マスコミでも宮崎鶏インフルを夫々のニュースで取り上げており、ネットの穴や2農場共通した業者の出入りなども報じていました。
「何故最新式の鶏舎で発生?」を一様に不思議がっています。

ネットの穴から野鳥が侵入する事は偶然の産物としてもかなり低確率と思っています。
となると濱田様が仰る可能性の中で、
二つめの「感染して死んだ野鳥の死骸を食べてのリレー」と
四つめの「人為的な媒介」の可能性が高いのかな?と考えます。
いずれにしても想像ですが・・・・

関係者へのお見舞いとガンバレ!!としか今は言えません。

こんにちは

濱田様、読み違えていましたら申し訳ないのですが、2例目ではなく1例目では・・・。

コッコ様、え~第2例目の侵入ルートを考えたつもりでしたが・・。何かヘンかな。

防鳥ネットのメッシュも、いくらなんでも、鳥の糞は防げないでしょう。特に、粉体となったものは。
その可能性は、どうでしょうか。

濱田様、遅くなり申し訳ありません。河野知事のブログ記事を読んだ後でしたので思い込みがありました。
大変、失礼いたしました。

19時のNHKニュースで、鹿児島県での発生が報道されていました。
いよいよ感染拡大と言う最悪の状況になってきた感じです。

cowboy様。そうですよ。糞が粉体になったら・・・やめてほしい想像です。
ところで、私は今日の記事でヤバイこと書いていたことに気がつきましたか。

「出る時は出る」のです。口蹄疫ではシャワーイン・シャワーアウトしていようと、出た。空気感染です。
粉体感染と一緒のようなものです。

私は伝染病の「もらい」を、「穴が開いていた」とか、「長靴を取り替えてなかった」というような重箱の隅をつつくようなのが嫌いなのです。

冗談ではない。私たちは防疫活動をしているのはなく、農家として生きているんだぞ、と叫びたくなります。

私たち畜産農家が防疫水準を上げねばならないのは当然ですが、日常の生産活動の中で出来ないことは出来ないのです。

もっと大枠で伝染病対策を考えないとだめなんじゃないでしょうか。

鹿児島で発生とか。わが2ツの湖を持つのが自慢の茨城も、そろそろやばくなってきました。わが農場も本気で臨戦態勢です。

やはり(本来なら、残念なことにと言うべきだと思いますが、生来の偏屈者ゆえに、出るべくして出たと思います)、鹿児島でも鳥インフルエンザの疑いが発生しました。 出水市は先日来、ツルにインフルエンザが確認されていましたので、非常に警戒されていた中の発生疑いですので、関係各位の心労を考えると、ただただ、頑張ってくださいと言うしかないです。日本全国、どこでも発生する可能性が高い事が、奇しくもこれで証明されてしまいました。
そして、偏屈者の戯れ言と勘弁していただきたいのですが、島根や宮崎の例に比べて、死亡した鶏の数が多いのが気になります。もしかして既に蔓延状態?でない事を切に望みます。この例だけで終息することを願います。

鹿児島県までも。無念です。農家の方に心からお見舞い申し上げます。
しかし本州最大の畜産拠点であり、最大の専門家部隊を擁し、宮崎県での口蹄疫での闘いを間近で経験し、支援してきた実戦経験ある猛者揃い。
農家、行政、関係者、市民とも士気高く備蓄、戦闘準備とも十分と推察しています。
薩摩隼人の鬼神の闘いぶりでウィルスどもを凪ぎ払ってくれると信じてます。

南日本新聞には

同農家では20日に5羽、21日10羽、22日4羽、23、24日はそれぞれ30羽が死んでいた。

とあります。

http://www.373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=29768

他に広がっている可能性もあるかもですね。

南九州だけで済めば良いのですが・・・・
濱田様も大変でしょうが、何とかがんばって守り抜いて下さい。

 鹿児島出水はH5N1でした。
20日から鶏は死んでいたのに。報告が遅れています。
移動制限は162農場525万羽です。
心配ですね。

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