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トリインフルエンザ・ワクチンの質問にお答えして

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cowboy様からいっぱいご質問を頂きました。ありがとうございます。わかる範囲でお答えしていきましょう。

▼Q1 、人に感染する恐れのあるトリインフルの検体の検査が各家保で可能なのは何故なのでしょう。

■A それは今トリインフルにおいて、3点セット検査方式がとられたからです。血清検査、PCR遺伝子検査、ウイルス分離検査で確定できてしまうからです。
そして検査で陽性がでれば直ちに対処に入ります。

今までのように動物衛生研究所に検体送付した結果を待って「確定」判定する必要がないのです。もちろん、検体送付はするにはしますが、家保検査の追認ていどになりました。

▼Q2 トリインフル発生農場から半径10km圏内の移動制限が継続中にも係らず、卵の出荷(特例措置?)が可能なのは何故なのでしょう。

■A 原則、それはありえないはずです。移動制限には生体、生産物は必須です。養鶏でしたらヒヨコの搬入も認められません。逆に今、されているのでしょうか。

▼Q3 野鳥にトリインフルの発生があっても、移動制限がなされないのは、何故なのでしょう。

■A 口蹄疫と違ってトリインフルの難しさは、自然界に無数にいる野鳥経由なことです。そしてその感染した野鳥が養鶏場の鶏に感染を伝播したかはまったく不明なわけです。

実際、水鳥(渡り鳥)⇒内陸の野鳥⇒鶏という感染経路は完全に実体が証明されているわけでもなさそうです。たぶんそうだろう、それしか考えられないという消去法、蓋然性レベルなようです。

口蹄疫のような農場間、地域内でもさえも難しいのに、相手が自然界ですから迷宮というのが正直なところです。自然界だから渡り鳥に出ても、一回一回やっていたら、現実に成り立たないのではないでしょうか。

▼Q4 平成18年以降にワクチン製造が完了した旨の申請は、国内4社から実際にあったのでしょうか?つまり、AIワクチンは実際に存在、備蓄されているのでしょうか?

■A トリインフル・ワクチンは存在します。4社の結果はわかりません。そして間違いなく、輸入品であったとしても国家備蓄されています。

▼Q5 緊急ワクチンの摂取範囲を、発生農家10km以内にするという妥当性は、如何に?

■A これは移動制限区域の半径10㌔を参考にした私の私見にすぎません。しかし、現実に宮崎の飛び火状況からみれば、そのていどの接種範囲は必要ではないのでしょうか。

▼Q6 ワクチン接種は、範囲内全ての飼っている鶏などに行うのでしょうか?

■A 私は採卵鶏,ブロイラー、そして動物園の鳥類まで含めてそうすべきだと思っています。感染媒体として鳥類なら同一条件ですから。

▼Q7 AIワクチン接種による休薬期間があると思うのですが、このことは、ワクチン接種の障害になりませんか?

■A ワクチンは薬剤ではないので残留しません。ですからこれも私見ですが、ないと思われます。

▼Q8 緊急ワクチン接種をメディアが報じると、接種した鶏などに、風評被害が付き纏う懸念はありませんか?

■A 難しい問題ですが、危機管理の中には、危機的状況をいかにして伝えるのかのリスク・コミニケーションが大切です。なにが安全であるのか、なにと闘っているのかをしっかりと消費者に伝える必要があります。その意味で前知事は優秀でした。リスク・マネージメントはちょっとでしたが。

さて、ここからは質問回答形式から離れます。

率直に言って、宮崎県の畜産は最悪の状況にあります。かくも被災が重なれば、それが畜種は違ったとしてもひとつの地域として支えきれるのかという瀬戸際にあると思います。

そしてもうひとつ、今回のトリインフルの宮崎発生に対して国民の支援の声は少なくなりつつあります。私たち畜産農家からすれば自然由来の悪い偶然の累積と見ますが、残念ですが一般国民はそう見ないでしょう。

要するに、国民一般にとって「またか」なのです。このような時に宮崎畜産農家が風評被害をいまだに気にかけているとすれば、それは既に遅いのです。

宮崎ブランドは地に落ちたと思って下さい。いまだ宮崎のブランドがあるとすれは、それは地獄から立ち直った強さとその流された涙に感動しているからです。

いうまでもなく、それは宮崎畜産ブランドのほんとうの復興ではありません。ほんとうの復興は風評を恐れないことです。真正面からその風評と闘うことです。そしてその根拠を明らかにすることです。

そのような素朴で原則的な方法を積み重ねていくしかないと私は思います。

■写真 わが家の三バカ大将の一匹。モナカ君です。趣味は小犬レスリング、無意味に走ること。特技は早食い。

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コメント

幾つかの私見を述べさせて下さい。
野鳥からインフルエンザが確認されても移動制限がかからないのは、法的に野鳥は、その項目に入っていないからではないでしょうか?法律的には、家畜としての鶏しか想定していないために、野鳥や動物園の鳥類に感染しても、それに対す行動は規定していません。単純に、それが行政の行動として現れているのではないでしょうか?
宮崎ブランドに関してですが、正直、砂上の楼閣に、いつまでもしがみつくのは情けなくなります。
ぶっちゃけ、前知事の知名度とコマーシャリズムで有名になったのを、ブランドと錯覚するのは間違いではないではないでしょうか?
言えば、ファッションの今年の流行みたいなものです。
本当のブランドは、それに対する絶対的安心感が必須ではないでしょうか?どれだけ高い対価を払っても、それに見合うものがあるものこそがブランドとして認められると私は思います。それだけのものが宮崎に、本当にあったのでしょうか?生産額は日本有数でも、非常にブラックな行動した企業の生産物がブランドと言えるでしょうか?
ものすごく偏屈者の偏屈な思いは、宮崎でこれだけ鳥インフルエンザが発生するのは、ある意味、構造的な欠陥があるのは間違いないし、もう一つ、家保が口蹄疫の失敗を受けて、日本中で一番、その仕事に忠実になっている証だと思います

投稿: 一宮崎人 | 2011年2月 6日 (日) 23時11分

青空です。
濱田様の回答にて不明点であった、卵の流通ですが、県と農水省の協議の結果、様々な条件付きで許可されていたと記憶しています。河野知事、農水省の原田氏のツイートで見た記憶があります。但し、どのタイミングであったか、現在も続いているかはわかりません。また同様の動きは島根、愛知、鹿児島でもあったように思います。宮崎県だけの処置ではなかったように思いますが、自信はありません。
このことによる感染拡大の知見が見られないのが気になります。

遺伝子型は完全に一致している(人・物流)のでしょうか、それとも比較的ばらついているのでしょうか(野鳥等自然)。早急な検査結果と分析結果を望みます。

濱田様や一宮崎様がおっしゃるように現時点で宮崎県のブランド力に対しては懐疑的な見方があるというのは残念ながら事実でしょう。結果的な事実として現段階で発生件数がもっとも多い。全てが同系列畜産農家だというのなら別ですが。今回は国家、県ともほぼ理想的なスピード連携、埋設までのフォロー体制をかなりの現場負担や関係部署負担を覚悟して行っています。その結果発生原因を農家に向ける動きは見えなくない。無能な報道機関が生贄として農家を攻撃するようになるのではと心配です。
私としては今回は風評悪化やブランド力低下はそこまで悲観的ではありません。現時点でもリカバリーは十分可能でしょう。しかし、ダメージは受けているのは同意です。強い危機感を宮崎県の畜産関係者は持つ局面です。
むしろ心配なのは楽観的にとらえダメージはないと思い込み今後の販路維持開拓を行うことでしょうか。ものいわずバイヤーや消費者は去っていくことが予見されます。必要な信頼回復の戦略を行えば受け入れる素地があるので(世論の同情があるので)、最初の一手は極めて慎重に行えば。特に防疫体制の先進性の再構築の実施状況を頼まれなくともアピールするぐらいの姿勢が必要です。もちろん可能な限りの感染経路の調査により、それが自然由来なのか、防疫不十分なのかは真摯に結果を示すべきです。
従来のように行政や知事の官民挙げたトップセールスも必要ですが、今回は農家自身も強いアピールが必要でしょう。

ブランド力がなくとも生産シェアがあればと考えるかもしれませんが大都市の外殻にある各農業基地県と異なり、宮崎県は立地条件が不利です。ブランド力がなければ、流通コストが大きい点で宮崎に落ちる利益を削られる結果となるでしょう。
ちょうど10年程前の宮崎県がそうでしたので実例があります。

実際の所、ブランド力は味や安全性などはほとんど意味をなしません。真面目にいいものを作っていればブランド力が着くというのは幻想です。
ブランド力はすべからく戦略により生み出されたものです。
かつて世界一の縫製技術とセンスを誇った日本のアパレル企業はろくでもない素材と縫製技術のイタリアブランド等に最後まで勝てませんでした。
日本人がほぼ全国民が持っているだろう(私ももっていますが)有名ブランドのサイフやキーケースが秀逸なセンスだと感じる人は本当にいるのでしょうか。社名ロゴがいやらしくならんでいるだけなのですが。それをあほらしくも皆が数万掛ける。
一宮崎様に異論を唱えるわけではありませんが、一度手に入れたブランド力を放棄すれば、二度と戻りません。いかな手を尽くし、犠牲を払ってでも守るべきと考えます。

投稿: 青空 | 2011年2月 7日 (月) 00時31分

宮崎で11例目、全国で15例目は、宮崎市の高岡町です。延岡では、北川町のダムにオシドリがいままでに内ほど飛来しました。オシドリの死骸からH5型検出です。
 そこから100mのところに発生養鶏場があります。

投稿: katouhisasi | 2011年2月 7日 (月) 02時23分

おはようございます。
宮崎県の畜産におけるブランドについて、皆様それぞれコメしています。
私が携わっているのは、牛乳と肉牛なので、他の畜種や野菜・果物については一般消費者の方々と同じレベルの認識です。
牛肉に関しては、全国和牛能力共進会で最優秀賞も獲得していますので、宮崎県内の遺伝的能力や肥育技術は確かなものであり、その下地がある所に、前知事のコマーシャルが効を奏したと思っています。
いくら有名な知事でも、低品質のものをブランドとして認知させる事は出来ないと考えます。
これからも前知事は、陰に陽に応援はしてくれるとは思いますが、これまでとは違い発信力は格段に低下します。新知事や県庁職員そして宮崎県民のこれからの動きが大きく左右すると感じています。
青空様が仰る通り、一度落ちるとブランド(信頼)を元に戻すのは時間と努力をこれまでの数倍も掛けなければ難しいでしょう。

北海道においては、トリインフルや噴火災害について、口蹄疫のときの様な支援の動きは、まだ見られません。
濱田様が仰る「またか」に「何故また宮崎?」(勿論他県でも発生していますが)が加わり、動きが鈍い様に個人的には感じています。

先般の中国・山陰地方の大雪による立ち往生時に、道路沿いの方々が「食料や水・食べ物・トイレ」等を支援した事が報じられていました。「困っている人がいたら見て見ぬ事は出来ない。出来る範囲で何とか助ける」とインタビューに答えていました。
義理と人情いつまでも持ち続けたいです。
取り留めないコメになってしまいました。


投稿: 北海道 | 2011年2月 7日 (月) 09時39分

管理人さんへ
不躾な質問にご回答いただき、ありがとうございました。できれば、農水が何故、AIワクチンの接種に踏み切らないのかという疑問にも、私見で結構ですから、お答え願いたかったです。
それから、半径10kmの移動制限が、発生農家の周辺に異常が見られないとして、半径5kmに縮小され、小林市の食肉加工場が操業再開したとの記事も見ました。どうも、口蹄疫の時とは、違う気がします。
それから、検査についても、感染力が強いウィルスのPCR検査に、かなり厳重な設備が必要だから、わざわざ小平の動衛研まで送付していたはずですよね。もしかして、今回から、いかなるウィルスの検査も各県の家保でも行えるよう設備を改修したのでしょうか。それとも、AIウィルスなどの特別なものだけが家保で検査可能ということでしょうか。

青空さん、北海道さんへ
両氏のコメントからも、今回のことで、宮崎ブランドが地に落ちているという県外の現状も把握できました。悲しい現実です。
ブランドという実体の無いものに振り回されるのもどうかと思いますが、死守せねばならないと思います。

一宮崎人さんへ
野生動物が家畜伝染病予防法から除外されていることは、私も承知しております。ただ、トリインフルは野鳥由来であるとの見方が支配的である以上、野鳥でトリインフルの発生が確認されれば、近隣の養鶏農場は、単に、防鳥ネットの点検や消毒さえしておけば、よいものであろうかと思ったわけです。畜産物の移動制限も必要ではないかと。

投稿: Cowboy@ebino | 2011年2月 7日 (月) 10時51分

防鳥ネットの点検や消毒さえしておけば、よいものであろうかと>>>>>愛知の今回の場合、完全ウインドレス鶏舎で起こっていますので、飛来した水鳥が、即、鶏に移す確率は、低いと考えられます。
エアコンのパイプの穴くらいの穴があったそうですが、最近は、すずめのような鳥もほとんど居ないので、ねずみやごきぶりくらいしか、思い当たりません。

その辺の感染ルートを解明してほしいのですが、そういう意味での情報収集を、農水がどこまで、きちんとやっているのだか???

半径10kmの移動制限が、発生農家の周辺に異常が見られないとして、半径5kmに縮小され、>>>これは、個人的意見としては、不思議な対策ですよね。
現実に、10kmの制限区域に被るように、南から北へ伝染しているのだから、本来、一気に、制限区域を拡大してででも、拡散を防ぐべきではないのでしょうか?
思い切った判断をして、早く終息させるような政治判断があっても、良いと思えます。

投稿: りぼん。 | 2011年2月 7日 (月) 11時53分

個人的には宮崎ブランドはまだまだ健在だと感じていますが、先に書いた様に「また宮崎何故?」と言う印象はかなり多くの人達が思っていると、理解しています。
当然トリフルに関しては、これから北に向かって発生する事が懸念されます。
宮崎だけの問題ではありませんが、発生の件数等からそう言った感じを持たれると思います。
是非とも跳ね返して欲しいと願っています。

投稿: 北海道 | 2011年2月 7日 (月) 12時01分

鳥インフルエンザワクチンのことはあまり調べていないのですが、
 ・感染を十分に防げるワクチンではない。
 ・ワクチンを使っていると、鶏の感染が隠蔽され、
  人間への感染リスクが高くなる。
というのが、ワクチンを使用しない主な理由かと。

(参考)原田英男さんの私見>
http://togetter.com/li/94546

投稿: コンタン | 2011年2月 7日 (月) 12時53分

http://www.fsc.go.jp/hyouka/hy/hy-aivaccine-hyouka.pdf

ここに、既成の鳥インフルエンザワクチンと動物種ごとのレセプターについて、書いてありました。

投稿: りぼん。 | 2011年2月 7日 (月) 15時16分

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