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鳥インフルエンザ・ワクチン使用に関するワクチン会社の要請文

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いや~、「南の島」様、非常に面白い文献が出てきましたね。この日本パイオロジカルという会社は鳥インフルの政府備蓄I不活化ワクチン(16消安第7189号平成16年12月13日)を作っている会社です。

他の大手ワクチンメーカーが、畜産全般をやっているのに対して、この日本バイオロジカルさんは養鶏専門のワクチンメーカーです。私も名前は知っていましたが、私がワクチンを買っている動物薬品会社では取り扱っていないので、現実には使用したことはありませんでした。ご高名はかねがねというやつです。

この日本バイオロジカルHPも学的で興味をそそられました。以下の資料コーナーでとりあえず現在、私が現在テーマにしている「鳥インフルの制圧に殺処分のみを手段とすることが有効なのか?経済的コストとつりあわないではないか」というテーマの外国語文献(原文は合衆国)の翻訳を読むことができて収穫でした。この経済と防疫に関するリスク評価はできるだけ早く記事化します。

また同HPでリンクされていた篠原養鶏場さんのHPも興味深く拝見しました。私が文書の形で私とほぼ同じ意見の同業者にめぐり合ったのはこれが最初です。わが同業者は会えばだいだい私と同意見なのですが、シャイなので社会的発言をあまりしません。

篠原一郎氏のこの意見などまさに私が書いてきた内容とまったく同一文脈です。

「養鶏現場から見れば生きた心地がせず、鶏の病気の鶏対策を抜きにして人間様用のプレワクチンを云々するなど正気の沙汰ではないと感じても、行政当局などは既に防疫指針を定め、現場には周知徹底してあり備えは万全であると説明することだろう。

たとえ不完全なかたちにしても他の近隣諸国がワクチンを使って防御に努めている現状では、ウイルスはバリアのない残りの国にいずれは押し寄せるのは自明の理ともいえる」。

最新更新が2008年ですので、現在の鳥インフル大流行をどうご覧になっているのかを是非知りたいものです。http://www2u.biglobe.ne.jp/~tamago/ai.htm

あらためて「南の島」様、ありがとうございました。つくづくわがブログは皆様に支えられております。

一方、日本バイオロジカルのHPは、なんといいますか、隔靴掻痒。農水省にワクチン備蓄を提供している会社だけあって、現実の発生には無力だと言っているに等しいことを書いています。

私が強くそう思ったのは、養鶏場におけるAIの緊急対策の文書です。
要するに、危機管理チームを作れと、危機レベルを把握しろと、そして私も書いている防疫3原則、「感染経路の遮断」、「感染源対策」、「感染感受性対策」の実行です。

しかし、肝心のどのようにして現実に鳥インフルから鶏を守るのか、その武器はと言えばなんのことはない以下のようなことしか書いてないわけです。

たとえばこうです。
「5-2. AIワクチンの使用が認められていない現状では、その他の呼吸器系の疾病を徹底的に予防できる体力と免役力をつけておくことが重要である。
5-3. ND, IB(H-120)およびMg生ワクチン(NBI)を4週令までに点眼で確実に接種する」。

鳥インフルワクチンは備蓄しているが、絶対に使ちゃならねぇとお上が言うから、鳥インフルの類似のニューカッスル(ND)などの予防ワクチンを打っておけ、と。ただそれだけです。

どこの世界に「似たもんがあるからそれにしておけ」などとといった防疫指導がありますか。これは日本バイオロジカルに言っているのではなく、指導官庁たる農水省に言っています。

もちろん日本バイオロジカルもそのような無力な閉塞感は重々承知なわけで、以下のような要請文を農水省に提出しています。「農水省は鳥インフルを豚コレラと一緒の扱いをしている。しかし豚は空を飛べない」という一句には、不謹慎ながら大笑いしました。

冗談はさておき、この文書は国の鳥インフルワクチン拒否に対する真正面からの批判となっています。特に殺処分淘汰-埋却処分のみに無意味に固着した政策に対して、ワクチン使用による経済的コストをしっかりと打ち出していることには強く共感できます。

まさにこの要請文が言うように、ワクチンで防げるものを莫大な税金を投入して、地域産業を壊滅しながら進めている現在の防疫方針は愚策の極みです。

「年間僅か7000 億円という産業に対し、その10%にもなる一時的な対策費は、何という税金の無駄使いを前提としたものでしょうか」。

まさにこの部分こそが動衛研系の防疫官僚たちが一顧だにしない問題の核心であり、養鶏業界が切望することなのです。

また、畜産業界やワクチン業界からの強い要望に黙殺で答えている農水省に、「ワクチンが使えない科学的根拠を示せ」と言っている部分には膝を打ちました。

一読の価値がありますので、ぜひ目をお通しください。。

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トリインフルエンザ・ワクチンの使用及び許可の要請書

トリインフルエンザ(AI)は、日本の養鶏産業にとって最大の脅威です。鶏の突然の大量死という経済問題に留まらず、BSE と同様人畜共通感染症という厄介な問題を抱えています。

1997 年に香港で発生したAI は、ヒトに感染し6 名が死亡するという不幸な結果を招きました。AI は最近、1918年に発生したスペイン風邪(推定4 千万人が死亡)との関係でマスメディアにセンセーショナルに取り上げられています。

BSE は、感染の肉や骨の消費をしなければ済みますが、AI はトリの糞便による経口・経鼻の感染が主なルートです。よって、大きな環境問題となり、養鶏そのものを続けてい
くことができなくなる可能性があります。

AI は、幸い不活化ワクチンで有効に防ぐことができます。AI ワクチンをトリに与えることによって、AI の発生を防ぐこと、そしてAI ウイルスの排泄及び水平感染を著しく減少することが、科学的に証明されています。

また、AI の不活化ワクチンはアメリカや欧州(イタリア)そしてメキシコに於いて、AI 発生時の対策として有効に使用された実績があります。アメリカ、イタリア、香港、オーストラリア、最近では隣国の韓国におけるAI の発生は、厳格なバイオセキュリティの実施だけではAI を防ぐことができないことを物語っています。

日本は、AI の発生の地である中国、韓国から渡り鳥がやってきます。渡り鳥やダチョウのような鳥類の検疫が実施されていない現状では、ワクチンによる予防とバイオセキュリティの組み合わせによって、AI の発症と感染を最小限にする必要があります。

しかしながら、国が準備した AI マニュアルは:

① AI を豚コレラと同じであるという考えに立脚した対策を想定しています。これは明らかに間違いです。何故なら豚は空を飛べないからです。

② ワクチンに対する認識も間違っています。何故なら、AI ワクチンは、発症は防御するが感染を防御しないと言う考えに基づいているからです。

現在使用されているニワトリの多くのワクチン(例えばマレック病のワクチン)は、この分類に属しますが立派にその役割を果たしています。

問題はワクチンの使用と非使用の比較でいずれが有効かつ経済的かということです。少なくとも、国はAI ワクチンの積極的な開発を推進すべきです。

ワクチンの有効については最近のイタリアの例及びメキシコの例、でもその有効性及び安全性は明らかです。
③ 発生後のニワトリの淘汰は、日本に於いては明らかに不可能に近いものがあります。埋めるスペースも焼却する施設もありません。

コスト(外国では一羽当り、1000 円以上)も馬鹿になりません。最近の諸外国のコストをみても一発生で500 億円以上かかっています。

ワクチンで予防すれば、国の(国民)の負担はゼロですが、この防疫対策マニュアルに従えば何百億円という単位になります。年間僅か7000 億円という産業に対し、その10%にもなる一時的な対策費は、何という税金の無駄使いを前提としたものでしょうか

以上より、是非早期の AI ワクチンの許可及び使用を要望致します。また、ワクチン業界に対しては、より有効なAI ワクチンの研究開発を進めるよう国が指導することを要望いたします。少なくともワクチンではAI をコントロールできないというのであれば、国はその科学的な根拠を明確に国民に示す義務があります。

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■写真 またまた花です。このところ、ファインダー越しに(と言っても液晶画面ですが)覗く花の怪しい魅力に参っています。

           

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コメント

うーむ、相変わらず「悪しき」官僚主義が跳梁跋扈しつますねえ。
守るのが仕事でしょうに。

一刻も早く鳥インフルエンザワクチン接種を望みます。非清浄国とはなりますが、輸出はほとんどされてないようですし、ブロイラーなら輸入されても大した影響は無いのでは…と、これまた素人考えでのことですが。

投稿: 山形 | 2011年2月24日 (木) 10時32分

日本パイオロジカルさんの話。


現在、H5N1に対して、H5N2不活化ワクチンを打ち、打った首の部位を切断して、流通という方法以外に、メキシコでは、ニューカッスル生ワクチンに遺伝子操作した、鳥インフルの抗体だけをいれた、混合ワクチンも、開発済みとのこと。

ブロイラー業界の心配される。ワクチン接種=汚染国というのは、間違いで、OIEコードでは、12ヶ月、新発生がなければ、ワクチン接種清浄国で、防疫可能。また、残留アジュバンド出荷規制の32週とか37週というのは、鶏での実験データーはなく、机上論で、最大出荷規制をするなら、そこまで、長ければ、大丈夫ってことで、他国では、出荷していること。また、ボイルしたり、加工肉にすれば、もちろん、出荷可能で、現状規制は、生肉のみ。
生肉の規制根拠も、あいまいなデーターを根拠としていること。

日本製のAIワクチンは、メキシコ製、イタリア製?より、効果が高く、効果期間が長いとのこと。
接種も、幼鳥時のみとのことです。

農水は、ワクチンや製薬の専門家が不在で、そういう専門家をメンバーに入れることで、うずらや水鳥で、新たな亜種に、変化する可能性や人間の粘膜に接触して感染することについて、まじめに研究すべきと思われる。

投稿: りぼん。 | 2011年2月24日 (木) 10時56分

りぼん。さんの
爆速リサーチには脱帽です。

ホント、より良き現実的ワクチン防疫システムの構築が望まれますね。

投稿: 山形 | 2011年2月24日 (木) 12時10分

松木謙公農水政務官が辞任ですか。こんな鳥インフルエンザが大変な時に投げ出すなんてどこの選挙区でしょうかね?北海道ではないですか?北海道の議員がこのような危機意識のレベルならそれを当選させる北海道民の良識が問われます。

投稿: | 2011年2月24日 (木) 14時38分

鳥インフルエンザどうにか人→人に進化する前に終息してほしいです

しかし私が危惧するのはTPPと言う疫病です。
すでに首相や多くの知識人に浸透し日本が感染するのも時間の問題になりつつあります
この疫病に感染してしまえば私の住む地域のサトウキビを生産する多くの農家やサトウキビに携わって生活している人達はは淘汰されるしか道が無いです。
この疫病に効くワクチンやタミフルのような特効薬は無いものでしょうか


追記
名前も書かず他人の良識を疑う書き込みを行う方は自分の良識が疑われる書き込みをしている事に気がつかないのでしょうか

投稿: 種子 | 2011年2月24日 (木) 16時42分

ま、北海道と言っても12選挙区ありますから、人それぞれだと思います。
選挙時にその人間が当選後どんな思想や行動をとるかまで判断できる基準のようなものがあれば、どんなに便利な事だろうか・・・・・・教えて下さい。

JA組合長と農水官僚との意見交換会が3月初めに再度あるようなので、もう一度レクチャーし申し入れてもらうよう話をしておきました。
濱田様が仰る通り、TPPに関しての労働者の関係も詳しく話しておきました。
意見交換会がどのくらい時間が取れるのかまでは分かりませんが、声をあげてもらおうと思っています。

投稿: 北海道 | 2011年2月24日 (木) 16時42分

生き埋めにされた豚たちの絶叫
http://www.youtube.com/watch?v=dM9WJypj4fg

投稿: | 2011年2月24日 (木) 23時23分

韓国の口蹄疫殺処分の補償金に関して、
http://www.chosunonline.com/news/20110225000050

鹿児島出水、鳥インフルエンザ殺処分に対する被害額県試算、
http://mainichi.jp/area/kagoshima/news/20110225ddlk46040561000c.html

殺処分を問う上での参考になると思います。

投稿: 南の島の黒毛和牛繁殖農家 | 2011年2月25日 (金) 22時20分

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