トリインフルエンザ・ワクチンは使ったら最後、殺処分するしかないのか? 殺処分一本槍体制は変わるべきだ
トリインフルエンザ・ワクチンを接種した鶏の食肉や鶏卵の流通を厚労省は認めていません。要するに、トリインフル・ワクチンは一度たりとも使ったら、全部殺処分しろということになります。
その理由は以下にあります。まずは下段の資料1をご覧ください。これは農水省がトリインフル・ワクチンの輸入を承認した2006年11月10日の動物用医薬品等部会で配布された別添資料です。
これが原田英男氏がツイートで書かれているトリインフル・ワクチンが「使えない」、あるいはワクチン接種後に「殺処分するしかない」理由となっている元の農水省文書です。
この文書の5の食品健康影響評価の項には、トリインフルワクチンが休薬期間が設定されておらず、アジュバントが人体に接種されることがないように36週の間、食肉処理場に出荷されないように「休薬期間」を設けろと言っています。
アジュバントという聞き慣れない用語は、ワクチンに添加されている抗原性補強剤のことです。ワクチンと一緒に注射されて、抗原性を高める働きをします。通常のワクチンの多くに使われている添加物です。
これがワクチン経由で人体の局所に残留する危険があるため、トリインフル・ワクチンを使用した鶏肉は食べると危険であるかのように書いています。
ほ~ですな。アジュバントってそんなに危険なんですか、初めて知った、今知った。だって、アジュバントなんてヒト用のH1ワクチン、つまり「新型インフルエンザ(」A/H1N1)」ワクチンにも添加されているのですよ。
あれは一昨年、政府が音頭をとって子供までさんざん緊急接種したでしょう。そんなに鶏肉経由でさえ危ないものを一般国民に接種していたんでしょうか。これはびっくり。
この「新型インフルエンザ」の株記号(」A/H1N1・JAは日本株を表す)が表すように、今の宮崎のトリインフル(H1N1)とほぼ同じウイルスに対抗するワクチンです。片やヒト用、片やトリ用の違いだけです。
次に、資料2をご覧ください。これはある日本のワクチンメーカーのHPにあったものです。この会社は動物用ワクチンを製造しており、鶏の5種類の疾病を予防する混合オイル・アジュバント・ワクチンを日本で初めて製造した会社だと書いています。
このアジュバント・ワクチンに対応する鶏病は、サルモネラ、マイコプラズマ、大腸菌症、鶏伝染性気管支炎、ニュ-カッスル病などのようです。まぁ、私たちがよく使うワクチンですね。
これは農水省がこの文書で言うように36週間も休薬期間をおかねばならないようなヤバイもんだったんだ、初めて知った、今知った。( ̄◆ ̄;)。お~コワ
36週間、つまり252日間なんてバカげた休薬期間の設定は、すくなくとも鶏用にはありえません。だって牛や豚と違って、鶏は経済寿命がブロイラーならばせいぜい60日間、採卵鶏ならば、500日程度だからです。どこに経済寿命を上回ったり、その半分に達する休薬期間を設定するバカがいますか。
時々、この農水省に呼ばれる学者の脳味噌を開けてみたくなります。畜産現場を知らないにもほどがあります。
現実には、鶏用アジュパント・ワクチンは多く市販されており、現に薬剤と違い残留しないので、ブロイラーにも採卵鶏にも使用されています。なにを今更、休薬期間36週間だと寝言を言うのか、私にはまったく理解できません。
トリインフル・ワクチンは、ワクチンとしては特別なものではありません。世界各国で使用されており、製造されています。これが休薬期間251日間なら、世界中の誰も使わないでしょう。常識で考えてほしい。
事実、資料3の食品健康影響評価の項には、「製剤に使用されているアジュバント等の添加剤については、いずれも国内もしくは国外において医薬品や食品添加物としての使用実績があり、国際的な毒性評価も存在している」と書いているではありませんか。
そしてこうも言っています。「ワクチンの接種量を考慮すると、同様の組成を持つ既承認のワクチンと同様の管理が行われれば、含有成分の摂取による健康影響は実質的に無視できると考えられる」。
ワクチンによる接種量は微々たる無視するに足る量だから、含有成分による健康影響はないと、農水省自身が断言しているではありませんか。
頂きましたコメントにありました、「Aはだめ、Bはいいでは風評被害上からすべてダメとしたほうがいいのでは」というご意見ですが、私は納得がいきません。
なぜなら、農水省はトリインフルに関して一貫して感染した鶏肉さえ食べてももいかなる影響もないとキャンペーンし続けています。あれがなんだったのか、ということになります。
ただし、「家きん卵、家きん肉を食べることにより、鳥インフルエンザウイルスが人に感染することは世界的にも報告されていません」(農水省HP)という、未感染鶏肉なのか、それとも感染鶏肉のものなのかをあえて不明確にした言い方をしていますが。
いずれにせよ、この文脈では仮に感染した鶏肉であってもととるしかないわけであり、感染した鶏肉を食べても大丈夫だが、微量のワクチン含有のアジュバントが人体にキャリーオーバーすることのほうが怖いということになってしまいます。そんな馬鹿な!
アジュバント添加ウンヌンは苦し紛れのこじつけです。先に書きましたように、鶏用アジュバント・ワクチンは沢山存在し、市販もされています。既に多くのブロイラー用、レイヤー(採卵鶏)用ワクチンに使われています。
これをどう農水省と厚労省が説明するのか、私には皆目見当がつきません。私は今のような殺処分一本槍の防疫路線は、韓国で立証されたように近い将来必ず大きく破綻すると考えています。
その時に、「一回たりともトリインフル・ワクチンを使用したら殺せ」では、防疫によって受ける利益よりも経済的打撃のほうが上回ってしまいます。防疫は終わった、地域の家畜はいなくなった。農家は出稼ぎに行った、離農したではシャレにならないではないですか。
私はこのような防疫学界と農水省、動物衛生研究所の中に根強く残る、硬直した殺処分一本槍体制は変えていかねばならないと思います。
畜産農家にもっと多様な防疫手段を与えていかないと、必ずまたトリインフルや口蹄疫の大発生を見ることになるでしょう。
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*引用者注 農水省資料では資料1の後に資料3がつきます。展開上逆に並べました。
■資料1
鳥インフルエンザ不活化ワクチンを接種した鳥類に由来する食品の食品健康影響評価について
5.食品健康影響評価について
ただし、以下の点については留意すべきであろう。
・ノビリスインフルエンザ H5 には、休薬期間が設定されていないことから、局所に残留したアジュバントが摂取されることのないよう、少なくとも接種後36 週間は食鳥処理場に出荷されないよう休薬期間をもうける必要があること。
トリインフルエンザ・ワクチンの接種は、感染そのものを防ぐことはできないほか、ワクチンによって鳥インフルエンザに抵抗力を獲得した鶏は、臨床症状を示さずウイルスを保有する可能性があることから、早期摘発が困難になるという家畜防疫上及び公衆衛生上の問題がある。
したがって、鳥インフルエンザの防疫措置は早期の摘発及びとう汰を行うことが基本であ
り、ワクチンの使用は、早期摘発及びとう汰により根絶を図ることが困難となった場合に限定するとともに、その場合にも、国の家畜衛生当局の指導の下に、モニタリングの実施など十分な管理措置を講じた上で行うべきである。
(動物用医薬品等部会で配布された別添資料)
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■資料2 日本で初めて鶏の5種類の疾病を予防する混合オイルアジュバントワクチンを発売するなど、常に使用者のニーズに応え、特徴を持ったワクチンを提供しています。 (京都微生物化学研究所HP)
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■資料3
鳥インフルエンザ不活化ワクチンを接種した鳥類に由来する食品の食品健康影響評価について
5.食品健康影響評価について
上記のように、ノビリスインフルエンザ H5 の主剤は鳥インフルエンザウイルスH5N2亜型をホルムアルデヒドで不活化させたものである。このため主剤は感染力を有するウイルスを含んでいない。
また、製剤に使用されているアジュバント等の添加剤については、いずれも国内もしくは国外において医薬品や食品添加物としての使用実績があり、国際的な毒性評価も存在している。
ワクチンの接種量を考慮すると、同様の組成を持つ既承認のワクチンと同様の管理が行われれば、含有成分の摂取による健康影響は実質的に無視できると考えられる。
これらのことから、ノビリスインフルエンザH5 については、適切に使用される限りにおいて、食品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性は実質的に無視できると考えられる。(動物用医薬品等部会で配布された別添資料)
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■写真 水仙の季節が来るとなんとなく早春を感じます。今日は大雪警報が出ていたのですが、幸いただの雨でホッとしています。大雪の地方の皆さんにお見舞いを申し上げます。
■後記 な~んて書いたら、どどっと大雪です。(。>0<。)ひぇ~
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コメント
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食品に対する安全・安心神話、輸入(特に中国産)食品の残留農薬への不安から、残留農薬、薬物に対する規制が厳しくなりました。いわゆるポジティブリストです。そこで、薬品、農薬に対する残留期間の見直しが行われました。既に科学的にその期間が判明しているものには、その日数が適用されましたが、何の知見もない物質については、最大日数が科せられました。
随時見直しはなされているとは思いますが、恣意的にその期間を見直さないことも可能です。
国民の健康を守ると言う錦の御旗があるかぎり、だれも文句は言えません。
伝染病でいつも問題になるのは、科学と政治の関係ではないでしょうか?純粋に科学的な問題なら、何らかの解決法もあると思いますが、それに必ず政治がからんできて、物事を複雑にしてしまっている気がします。
投稿: 一宮崎人 | 2011年2月11日 (金) 09時50分
私たちが小さい時は、何の疑いも無く使いまわしの針で予防注射されていました。
高校生の時チョット入院した事があり、毎日注射されましたが、その時も使いまわしの針で、数回使われた針は切れが悪く、痛みもある事から「針を替えてくれ」と看護婦(今は看護師ですね)に言ったものです。結果として、運よく私は感染しませんでしたが、「肝炎患者」を作り、沢山の不幸を生みだしてしまいました。先般、札幌地裁での和解勧告に国も同意した事が報じられていましたが、患者の方々のこれまでの苦しみは筆舌につくせないものがあったと想像しています。
人間の安全の為に、ある意味「臆病」にならざるを得なく、最大限の期間や知見を要する縛りを行政は行っています。それは、人によって「過剰反応」と見るかも知れません。最終的な結果に伴う「行政責任回避」と一宮崎人様が仰る「政治的判断」が絡み合うと、余計にややこしくなると思います。
行政の得意な時間稼ぎや、第三者機関(専門家会議)経由と言う伝家の宝刀、を振りかざしながらの対応をしてくるものと思います。濱田様が仰る様に「科学的な知見」を持ち、正論で立ち向かうしか手はないのではないでしょうか。
色々な思惑や力が絡み、必ずしも正論が通るとは限りませんが・・・・・
内容がズレてしまい申し訳ありません。
投稿: 北海道 | 2011年2月11日 (金) 11時06分
基本は、農水事務方官僚に、科学的知見など、関係ありません。獣医技官より、事務方の方が、上司ですので、すでに、立法されている法律を守りながら、サボタージュするのが、1番楽なんでしょう。
それを、動かすのは、世論であり、政治なのですが、官僚サイドの技官が、果たして、真摯に、科学的判断が出来るか?
あやしいですね。
厚生労働省側は、食品担当の立場ですので、殺処分ありきが、国民世論に対して、説明が楽なのです。
アジュバンドが、毒として、残留して、云々は、実際、ワクチン接種国の鶏肉を食べている人間が、何年生活したら、どれだけ体内に残留するのか、長期的検証が無ければ、科学的判断はできないでしょう。
さて、誰が費用を掛けて、これらを検証するのか?
TPP問題の出てきたこの時期、しっかりと、非関税障壁も、国民に理解してもらわないと。。
個人的感想は、アジュバンドによる毒性は、ほとんど関係なく、言い訳でしょうが。。。
厚生労働省に、アジユバンドの毒性について、科学的説明を求めると言う方法もあるでしょう。
農林水産省だけで、鶏肉のアジュバンドを食べ続けたら、毒だという証明は、出来ませんし。。。
投稿: りぼん。 | 2011年2月11日 (金) 12時21分
北海道様
私も小さい頃にワクチン&注射器をケチって2人連続でインフルワクチン集団接種受けたクチです。ハッキリ覚えてます。
幸い近年の肝炎検査はネガティブでした。
鶏インフル注射に関しては、現場を無視した「理系馬鹿」な学者さんたちが36週の休薬期間と言ってるとしか思えません。
安全性を担保できるだけのワクチンを使用して、食肉と玉子を流通させるのが妥当だと考えます。
それがダメで全殺処分なら、農家損失分の100%補償をしながら輸入(より得体の知れない鶏肉)解禁となるでしょう。
渡り鳥由来のインフルエンザは完璧な防御は不可能なのは自明ですし、TPPなどの国際関係とも絡んできますので、難しい話です。
TPPがどうしたとか言う前に、内閣が持たない気がしますがねえ…。
投稿: 山形 | 2011年2月11日 (金) 13時38分
養鶏農家さんや養鶏団体さんは、殺処分した場合の全額補償を求めている?らしいので、農水大臣は、それが、出来るように、法律改正を考えているらしいですが、目の前の「お金」にだけ、目が行ってしまえば、農業が崩壊しても、輸出工業が、貿易高が、大きいので、関税なんかは、ゼロでもOK。と、軽く考えられてしまいますし、現政権は、補償すると言っても、口は、軽いが、実行が伴わないので、空手形の約束など、意味がないと思えますが。。
実際、こども手当でさえ、地方負担、民間負担(児童手当拠出金)が残っているのですから。。
管理人さんのおっしゃるように、ワクチン接種について、まず農家さん全員が、きちんと、意味を理解すべきと思います。
アジュバンドなどと言う、横文字に、翻弄されても、いけませんよね。
補償するのだから、殺処分は、構わないと言う考えは、本末転倒でしょう。あくまで、やむなく殺処分したときに限り、税金で補償すると言う姿勢で、考えていただきたいのです。
投稿: りぼん。 | 2011年2月11日 (金) 16時08分
りぼん様。まったく仰せの通りです。同業者として汗顔の至りです。私は5分の4補償というのは、それなりに意味があると思っています。
感染というのは、それなりに一定の防疫上の失敗に対する責任があるからです。
ただし、このような場合は多少違うでしょう。たとえば、発生点の外周5㌔~10㌔をワクチン接種・殺処分にしたいという国の方針を呑むか、呑まないかという場合には、条件として全額補償が交渉のテーブルに登るかもしれません。宮崎口蹄疫のケースです。
国の取る防疫方針に協力することによって生じた経済的打撃に対する補償給付的意味合いです。
そうでない場合にまで全額補償などをベタで要求すれば、国に足元を見られます。以後の家畜伝染病において、必ず殺処分は全額補償とするという悪しき前例につながります。
現地農家はしかたがないとしても、養鶏協会までそのようなことを言うならば、やはり養鶏協会は養鶏業界総体の利害を代表していない団体だと思ってしまいますね。
投稿: 管理人 | 2011年2月11日 (金) 16時42分
社団法人日本養鶏協会には、鶏卵、ブロイラーなどの防疫、衛生問題を、直接、生産者サイドで、研究する部署は、ないのでしょうか?
いわゆる顧問等として、獣医さんや大学教授、研究者が居て、生産者の立場からの防疫問題を、提案する部署があっても良いと思えるのですが。。
ネットで、組織図を見ただけなので、実際のところは、解りませんが、生卵が、安全に食べられる日本の生産を、守ってほしいと思って居ますし、殻は、穴が開いているので、膜に負担がかかる、殻の薬品洗浄に、基準を置いてほしくはないです。
投稿: りぼん。 | 2011年2月11日 (金) 19時01分
青空です。
濱田様の考えに強く同意します。
口蹄疫初め、年々増加の一途をたどる鶏インフルエンザの猛威を見るにつけ、農家や生産法人サイドの防疫体制の強化は生産活動維持が困難な領域になっています。そもそも生体を扱う生業で防疫活動を完璧に行うのは難易度が高すぎます。宮崎や韓国の件ではからずも証明しました。もはや現状生産者は根性で乗り切っていますが、限界水準に突破しつつあります。
改正家畜伝染予防法は、農家の防疫体制に対しても罰則を強化しました。当初より私としてもっとも危惧していた結果です。
防疫強化を強制をするばかりで防疫への資金支援、補償、ワクチン接種や経済価値の高い種牛や種豚、地鶏の原種に対しての規定もない。今回問題になった埋設地についても結局は農家の責任を強化したのみです。また殺処分後の経営再建に必要な補助等についてのフォローもなしです。
こんな状況下で新たに意欲を持ち畜産を志す若者や獣医があらわれるでしょうか。また行政が振興のための予算を検討するでしょうか。
結果的には消費者は国産畜産の衰退による安定供給源の消失という、国家として「死に至る病」という大きなしっぺ返しに長年苦しむことが想像されます。
防疫の強化を図り発生は抑制することが家畜伝染予防法の趣旨であるなら、当該の防疫活動で発生を高確率で防げることを科学的に証明する義務が国家にはあるはずです。それができないのであれば現時点でもっとも効果が見込めるワクチン接種による防疫体制の検証をすることは絶対不可欠です。
ろくな検証もせず採用自体を国家規制する以上、それだけの責任を負う覚悟が必要でしょうが、そういった覚悟は見られません。
口蹄疫についても、鶏インフルにしても感染しても被害を最小化するためワクチンの研究は世界中で続いています。日本でも独自かどうかはともかく10年近く研究されてきた経緯は記録により明らかです。海外の知見も合わせれば導入可否を再検討する資料やエビデンスは確保はできているのではないのでしょうか。
養鶏は国際競争力を維持のためできるだけ短期間(3ヶ月)、且つ低コストでの生産が必須です(濱田様はこの真逆ですが)。ほぼ無菌状態で育ち、自然淘汰を経由しないため必然的にひ弱となります。これらがワクチンの力も借りず一匹たりとも感染をしない環境をワクチンなしで作ることはそもそも困難だと感じます。
このまま毎年殺処分数が上昇すればその費用に対し国民の同意を確保困難になることは韓国の事例を見ても明らかです。
ワクチンは本来予防を目的に導入するものです。ワクチン接種から抗体獲得に数週間を要すのに、瞬く間に拡大をするウィルスに県内発生から摂取するのでは。徒らに稼働獣医を減少させ、物人の移動により感染リスクを高めた挙句抗体確保は間に合わない。まったく意味がないでしょう。愚策といわれてしまいます。
その上接種家畜の全部殺処分が前提であれば、発生前に全農家に接種し感染に備え、強力な面防疫体制を確保するという戦略により取り得ません。
そのためにも、ワクチンの多面的検証及び接種個体の食用による人間の健康への影響、摂取による感染患畜の見分け(マーカーワクチン)等多種について早急に結論つけるべきです。時間がかかるという専門家もいますが、日本に知見はないだけで実例国は大量にあり既存の海外研究は豊富です。そもそも他の国で問題がでていないのであれば、使っても懸念ないのではないでしょうか。厚生労働省は血道をあげ検証すべき時期であり、早急な結論が必要だと感じています。
投稿: 青空 | 2011年2月12日 (土) 01時08分
トリインフルエンザワクチン打って淘汰するのは、アジュバンドのせいだけじゃなくて、HPAI→LPAI化するのを防ぐって意味もあるんじゃないかな? つまり発症せずに保菌・排菌してしまう鳥がでてくるのを防ぐっていう。まあ全部の鳥にワクチン打てるのならいいかもしれないけど・・・。
それにトリインフルエンザはH5N1以外にも無数に変異するから、そいつらに対するワクチンを、個々に開発して、かつ全部の鳥に撃つっていうのは、理論上できてもお金かかって、無理だとおもうな。
投稿: トリプル | 2014年11月 4日 (火) 21時41分
畜産現場をご存知ありませんね。ウイルス変化はしていますが、近似の株を接種しておくだけで、そうとうな「抑止力」になります。
現実に家保がトリインフルがワクチンが接種できないためになんと言って農家を啓蒙しているかといえば、「NDを打つことでかなり防げます」という指導をしています。
日本に来襲する可能性はH5N1の可能性が高いわけですから、毒性を薄めたN2を接種しておくことが防御効果が高いのです。
全部のトリに打つことは無理とおっしゃいますが、いったいどれだけの種類を接種しているとお思いですか。一羽につき5、6種類はザラですよ。もし実施できるのなら、混合生ワクチンで数回入れて、仕上げにこれも混合不活化ワクチンで仕上げることになるでしょう。
今日本で接種できないのは、記事でもどこかで書きましたが(大分前なので)、日本をワクチン非接種清浄国というランクにしたいという防疫ならぬ貿易上の都合です。
ですから、現に肉用種生産団体と、採卵生産団体は常に真逆の要求を政府にしています。
投稿: 管理人 | 2014年11月 5日 (水) 00時41分
なるほど。
たしかに日本は清浄国をめざしていますね。そのほうが他国にうけがいいし。現在の淘汰方法は、仕方ないっちゃ仕方ないかもですが……根絶目指して淘汰しつづけるか、実地にそってワクチンをうっていくか、もうちょっと世の中、広く議論してもいいのになー。
投稿: トリプル | 2014年11月 5日 (水) 09時09分