ワクチン戦略を明確にしろ! 韓国 口蹄疫禍で豚肉を緊急輸入 無関税枠設置
私が口蹄疫や今回のトリインフル事件で感じるのは、「理由が明かされていない」というもどかしさです。なぜ、今このような防疫手段を取るのか、あるいは逆に取らないのかの「理由」が明確に当局から説明されたことがない気がします。
たとえば、口蹄疫においては2003年のOIEの規約改正がありながら、なぜ清浄国ステータスへの3カ月復帰にこだわったのか、6カ月復帰ではまずかったのか、なぜワクチン接種して全殺処分にせねばならなかったのかの理由は、私たちが関係者の話を総合して憶測するしかありませんでした。
宮崎県口蹄疫事件においては、感染初期にの制圧に失敗しています。確かにこの極初期においては殺処分・埋却は有効な手段でした。しかし、それが破綻をしたのならば、一気に感染は防疫網をすり抜けて拡大していきます。これが5月18日の県緊急事態宣言時の状況でした。
ここでかろうじて発生拡大が減速したのは、ひとえにワクチン接種による効果です。5月22日から行われたワクチン接種がなければ九州全域に、いや全国に飛び火していたかもしれません。
しかし、これについて事前の当局のアナウンスはなんと言っていたのでしょうか。「備蓄ワクチンが今流行しているウイルスに効果があるかどうかはわからないから、過度な期待をするな」と言っていました。ならば、なぜ70万ドースもO型ワクチンを国家備蓄していたのでしょうか。
このうよな消極的な及び腰から一気にワクチン接種と口蹄疫特措法へと突き進んだのは、養豚協会と山田前大臣のいわば個人的なイニシャチブによります。
しかしこれでも遅すぎました。本来ワクチンを使用するならば、豚の感染が確認された第10例発生時にすべきでした。この時点で、移動制限区域の周辺から感染地帯に向けてワクチン接種をするべきだったのです。
これが通常のリングワクチンの手法です。感染地帯では徹底した発生動向調査でPCR検査を行い、プラスが出ればその畜房から殺処分しつつ、一方周辺部からワクチン接種して抗体値を高めて守っていくという二段仕立てで臨むべきでした。
ところが、現実には県との交渉でほぼ一カ月(!)をロストし、ワクチン接種と殺処分を併用したことにより、 どちらが効いたのか皆目わからないという始末になってしまいました。
これは国がワクチンによる感染コントロールの原則を持っていなかったためです。戦略なきその場しのぎ的なワクチンの投与が、結果として感染拡大を止めたのです。
当然のことながら、ワクチンは本来このように使用されるべきものではありません。ワクチンは確立された一定のワクネーション・プログラムに基づいて飼育期間中から予防的に行われるべきもので、例外的な緊急的使用に際しては、発生当初の初動破綻直後に始められるべき性格のものなのです。
今回の宮崎県でとにもかくにも局部的な地域で封じ込められたのは、ぎりぎりの切所にワクチンが間に合ったこと、そして殺処分により無家畜地帯がリング状に出来てしまったからです。
この教訓をなぜ、トリインフルで活かせないのでしょうか。なぜ、ワクチン戦略を明確に立てられないのでしょうか。
今回のトリインフルでも旧態依然たる殺処分一本槍路線が踏襲されています。宮崎第1例で初動殺処分が破綻し、第2例に飛び火してもなお殺処分にのみ拘泥しています。
私は殺処分は初動時のみに有効でしかない限定的戦術だと理解しています。いったんこの初期制圧に失敗してしまえば、殺処分に使用する膨大な数の車両、要員、重機の移動による二次的なウイルス拡散の危険が生じます。
また埋却地が前回の宮崎県でも、今回の愛知県も決定的に不足してしまい、そのための殺処分の遅延と大量の待機患畜を作り出してしまっています。
そして、宮崎口蹄疫事件ではワクチン接種後の全殺処分により実に7万7千頭の家畜が処分されました。内訳は、牛が約3万頭、豚が約4万5千頭です。あくまでも私の試算ですが、牛18億円、豚19億2千万円、計37億2千万円にものぼる経済損失でした。
そして口蹄疫による宮崎県全体の被害額は2350億円、畜産関連で約1400億円に登ると見られています。(下段の読売新聞記事を参照)
宮崎県はワクチンが、首の皮一枚で間に合ったからこの程度で済んだのです。しかし、全殺処分を回避していれば、清浄国申請が3カ月間遅れただけであり、そのことによる経済損失は、果たしてワクチン接種・殺処分による被害額約37億円(推定)を上回ったたのでしょうか。
防疫はあくまで畜産という経済部門を守るためのものであり、そのバランスシートも考えないような防疫方針は自己矛盾でしかありません。
下段の資料に韓国が殺処分にこだわったあげく、国内畜産を壊滅状態にしてしまい、豚の需要高騰のために関税率を引き下げて緊急輸入をしたことが報じられています。
日本農業新聞(2月12日)によれば、韓国は2月から冷凍豚肉6万tを無関税枠として6月まで継続するようです。これは韓国の豚肉の内需が高騰した結果ですが、養豚農家は口蹄疫で壊滅的な打撃を受けただけでなく、出荷価格が抑えられ、今回の無関税枠設定でもはや立ち直るチャンスを失いつつあります。
もし、宮崎口蹄疫が拡大して全国化していればこのような韓国と同様の事態になったことでしょう。日本も他山の石とすべきです。
まして、清浄国ステータスを牛や豚と違って関税外障壁として利用する必要のない養鶏においておやです。ワクチンをためらう理由などなにひとつないはずです。もしあるとすればそれは、頑迷固陋な農水の獣医官僚と防疫学界の壁だけです。
ワクチン戦略を明確に持ち、それに基づいた防疫体制を再構築する時期に突入していることを私たちは強く自覚すべきです。
養鶏協会は補償金のみにかかずり合わずに、養豚協会のようにもっと広い目で養鶏のトリインフル防疫対策を国に提案すべきです。
.。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.
■口蹄疫経済損失2350億円、宮崎県が試算
宮崎県は10日、口蹄疫による県内の経済的な損失が約2350億円に上るとする試算を発表した。県が損失額を公表するのは初めて。国に復興支援を要望する際の根拠とする。
口蹄疫は4月20日~7月4日、川南町など県東部を中心に発生。感染(疑い含む)、ワクチン接種した牛や豚などの家畜28万8643頭を殺処分した。
畜産関連は、約1400億円と試算した。口蹄疫発生から回復までに5年間かかると見込み、その間に殺処分した家畜など出荷できない牛や豚の損失分を計825億円と算出。さらに、家畜に飼料や飼育器材を提供する業者らの損失を5年間で478億円、最長4か月間工場が稼働停止した食肉加工業の損失を89億円とした。
一方、イベントの中止や観光客の減少に伴う卸・小売業や飲食業、宿泊業などの損失については、発生から非常事態宣言解除までの約3か月間で、計950億円になるとした。
. 。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.
■口蹄疫発生で豚肉の関税を引き下げ 韓国
(韓国韓国企画財政部は2011年1月25日付けプレスリリースにおいて冷凍豚肉6万トンの関税を25%から0%に引き下げると発表した。これは口蹄疫の発生による国内豚肉価格の上昇に対応するための措置であり、2011年2月1日~6月30日まで時限的に適用されるが、状況によっては延長される可能性がある。
米国農務省(USDA)のGAINレポートによると、6万トンのうち、5万トンはソーセージなどの加工原料用冷凍豚肉(HS0203.29.1000)、残りの1万トンは小売用冷凍バラ肉(0203.29.9000)となっている。
USDAはこのうちかなりの数量が米国からの輸入で占められると予想している。
韓国企画財政部はこの措置によって、輸入される豚肉について関税相当部分安く販売されるだけでなく、輸入数量が増加することによって、豚肉および同加工品の価格抑制につながることを期待している。
輸入される加工原料用冷凍豚肉は、国内食肉加工業者の8割が加盟する韓国食肉産業協会(KMIA)が、会員・非会員を問わず配分を行う。配分は国産豚肉使用状況、豚肉使用実績(2010年)、年間製造計画などを基準として行われる。
一方、輸入される小売用バラ肉は、韓国食肉貿易協会(KMTA)が各小売企業の豚肉販売実績や、小売予定価格などを勘案して配分する。
(畜産産業振興機構 2月9日)
. 。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.
■北朝鮮、全国に口蹄疫非常防疫宣言
北朝鮮が口蹄疫の拡散を受け、全国に非常防疫を宣言し、死んだ牛・豚を埋却処理していると、朝鮮中央通信が10日報じた。
中央通信は「牛・豚およそ1万頭が感染した」とし「金洛姫(キム・ラクヒ)内閣副総理を委員長とする国家獣医非常防疫委員会を組織し、全国に‘非常防疫’が宣言された」と伝えた。
通信は「昨年末、平壌市(ピョンヤンシ)寺洞区域イヒョン里で口蹄疫が発生し、現在まで平安道(ピョンアンド)、黄海北道(ホァンヘブクド)、慈江道(ジャガンド)、江原道(カンウォンド)など8道に広がっている」とし「最も被害が大きいのは平壌市と黄海北道、江原道」と紹介した。
ソウル11日聯合ニュース】米政府系放送局のラジオ自由アジア(RFA)は10日、国連食糧農業機関(FAO)が北朝鮮の口蹄疫(こうていえき)発生による緊急救護要請を受け、獣医師らの専門家チームを来週にも派遣すると報じた。
RFAによると、北朝鮮からの救護要請を受けた直後に開催された緊急会議で、専門家チームを派遣を決定した。獣医師や伝染病専門家、対北朝鮮事業関係者ら3~5人が訪朝し、必要な支援や規模を迅速に把握するという。
また、FAOは北朝鮮が口蹄疫発生を報告し、公式に支援を要請したことについて歓迎の意を示したと伝えた。FAOは北朝鮮が直接、口蹄疫支援を求めて来ただけに、同国の積極的な協力のもと、速やかに防疫作業が行われると期待しているという。
RFAによると、北朝鮮では2007年に口蹄疫が発生し、牛や豚3000頭余りが殺処分された。2008年も100件以上の口蹄疫感染が確認された。
これを受け、FAOは2007~2009年に口蹄疫緊急支援として43万ドル(約3584万円)を提供した。<br /> 一方、朝鮮中央通信は10日、北朝鮮全域で昨年末から口蹄疫が発生し、牛と豚1万頭の感染が確認され、国家獣医非常防疫委員会を設置し、全国に緊急態勢を敷いたと報じた。.
。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.
■口蹄疫拡散の勢いが止まらず、釜山でも初の感染が確認
釜山市は7日、沙下区の養豚農家から前日の午後に感染疑いの届けがあり、国立獣医科学検疫院で検査を行った結果、陽性判定を受けたと明らかにした。
これに伴い、同農家で飼育されていたブタ555頭とヤギ7頭など計652頭を今日中に殺処分することにした。また、同農家周辺や半径1キロメートル以内の養豚農家2戸に対しても防疫を強化する。
一方、同農家には予防ワクチン接種を受けたウシ3頭が飼育されているが、まだこれといった症状はないという。【釜山7日聯合ニュース】
■写真 大雪が降りました。わが村はまたまたノーマルタイヤでとってもこわーい。
■追記 石川県で口蹄疫の疑い=12日、遺伝子検査を実施-農水省
農林水産省は11日夜、石川県から同県志賀町の放牧場で口蹄(こうてい)疫の疑いを否定できない症状のある牛が見つかったとの報告を受けたと発表した。
同省によると、口蹄疫特有のひづめ部分の水ぶくれなどはないものの、一部によだれや舌にいぼのようなものが見られたという。
12日に独立行政法人の動物衛生研究所で遺伝子検査を実施する。発生が確認されれば、宮崎県で相次いでいた昨年7月以来となる。
石川県によると、放牧場では約240頭の乳用牛が飼育されており、うち15頭から口蹄疫を否定できない症状が見られた。同県は、放牧場に牛の移動の自粛を要請した。
同省では「現在のところ、症状を見る限り口蹄疫の可能性は低い」としているものの、隣国・韓国で口蹄疫がまん延していることなどを踏まえ、遺伝子検査を行うことにした。
時事 2011/02/12
■追記2 石川の口蹄疫疑い牛は「陰性」…農水省発表
読売新聞 2月12日(土)16時0分配信
最終更新:2月12日(土)16時0分
« トリインフルエンザ・ワクチンは使ったら最後、殺処分するしかないのか? 殺処分一本槍体制は変わるべきだ | トップページ | 韓国埋却地の汚染問題の真偽 »
「トリインフルエンザ」カテゴリの記事
- 熊本県でトリインフル発生 疑われる韓国からの「もらい」感染(2014.04.15)
- ワクチンなき悲劇 2005年茨城鳥インフル事件(2011.03.10)
- 平成14年養鶏協会鳥インフル・ワクチン専門家会議の要旨 宮崎県で第10例発生 声も出ず・・・(2011.03.06)
- 日本の公衆衛生における伝染病対策の第一はワクチン 家畜衛生ではワクチン否定(2011.03.02)
- 大挙して飛来した渡り鳥を考える(2011.03.05)
コメント
« トリインフルエンザ・ワクチンは使ったら最後、殺処分するしかないのか? 殺処分一本槍体制は変わるべきだ | トップページ | 韓国埋却地の汚染問題の真偽 »
過去は、事実上、ワクチン接種後、殺処分という行為が無かったのでしょうが、今回、口蹄疫で、使った以上、明快なワクチン接種要領というか、戦略マニュアル(官僚の好きそうな。。)が、公表されていないのは、たしかに、不思議ですね。
仮定を前提としたマニュアル作りは、民間と違い、官僚は、嫌うから?
ならば、指針にすればよいのでは?
投稿: りぼん。 | 2011年2月12日 (土) 11時19分
確かに農水省は「このワクチンでもう安心ですよ」とは明言できなかったことでしょうが、とにかく場当たり的な対応で戦略がハッキリしていない感じは否めません。農水省内部でも侃々諤々あったんでしょうが…。
宮崎の畜産・観光の打撃は大きいとは思ってましたが、2350億って多すぎないか?…と思いきや、再建を含めた中長期的な試算でしたか。
デカイですねぇ。
古い話であまり聞いて無かったのですが、両親の新婚旅行は当時ブームの宮崎だったそうです。
またそんな素敵で魅力的な宮崎に戻ることを願ってやみません。
今回の鳥インフルエンザと大手ブロイラー会社の不穏な動きとか見てると、消費者は何を信じていいのか分からなくなり、風評被害はさらに拡大し続けます。
鶏は数が多くて単価は安く、備蓄ワクチンが足りないのかもしれませんが、だからこそ真っ先に投入すべきだったのではないかと考えます。
あれほど「感染鳥肉を万一食べても安心です」と、連日テレビで宣伝してたのですから(内容に若干疑問がありますが)なおのことです。
いずれにせよ、昨年の初動遅れであれほどのパニックを起こし、牛と豚の大量殺処分を出した口蹄疫禍の教訓は活かされていないのが残念です。
可能性は低いとのことながら、石川県で口蹄疫発生の疑いが出てます。
現在、動衛研で検体を調べてるそうですが(連休なのにお疲れ様です)、何も無いことを祈ります。
投稿: 山形 | 2011年2月12日 (土) 11時24分
まだ確定ではありませんが、農水省のHPでは「口蹄疫」の疑いで動衛研で検査中・・・とあります。
今夕には判明するようですが、「陰性」である事を祈っています。
TPP推進中の民主党ですが、人間が生きて行く上で最も基本となる「食料」の、国民への供給の為の農業を軽視する事が、経済発展は成し遂げても結果として何らかの不安定要素(伝染病や気候、需給不均衡、為替等)によって、安心して生活できない状況が生み出されているとしたら、愚策の何ものでもありません。
平時には韓国の方向性は、模範となる事もあるかも知れませんが、非常時には危うい基盤の上に立っている事を認識しなければならないと思います。
農業と商工業のどちらかに「軸足」を置く・・・ではなく、国民生活に絶対必要な食料基盤(100%ではなくても最低限の)の上に立った、経済発展を目指して欲しいものです。
それにしても、絶対「陰性」であって欲しいです!!
投稿: 北海道 | 2011年2月12日 (土) 11時49分
スイスなど、ヨーロッパの小国は、EUに加盟していないせいか、国産の値段の高いものを、国民が、好んで購入するそうです。
国民が農畜産業の大変なことを知っていて、自国の農業は、値段には、変えられないほど、大事なものと認識しているようです。
石川の件、発表前から、農水は、陰性らしいと言っているが、なぜ、陰性って、思えるのか、各県の家畜保健衛生所に、情報を出さないのが、意味不明。
国は、地方を信じていない現われか?
投稿: りぼん。 | 2011年2月12日 (土) 12時14分
濱田様が先日公開した、トリインフルワクチン備蓄を審査した議事録と同様なものが、口蹄疫ワクチン備蓄に際しても存在するはずです。
何とかして見てみたいものです。
以前の私のコメントで、ブラジルへの認識があまかったようです。
http://lin.alic.go.jp/alic/month/domefore/2011/jan/gravure01.htm
http://40anos.nikkeybrasil.com.br/jp/biografia.php?cod=1235
http://lin.alic.go.jp/alic/month/fore/2002/feb/rep-sa.htm#2
日本がブラジルに対して牛豚肉の輸入を許可した場合、国内生産への影響は考える必要はあるでしょう。
しかし、口蹄疫やトリインフルの脅威は、それ以上だと思います。
私も予防的なワクチン接種以外、韓国の二の前を阻止する方法は無いと考えます。
石川県の口蹄疫、陰性であってほしいです。
投稿: 南の島の黒毛和牛繁殖農家 | 2011年2月12日 (土) 12時22分
南の島様。ブラジルの記事を読んでおります。非常に面白い。どこかで記事にしたいと思います。情報をありがとうございました。
投稿: ありんくりん | 2011年2月12日 (土) 16時26分
韓国口蹄疫について
http://blog.livedoor.jp/hangyoreh/archives/1398958.html
この記事によれば、韓国の口蹄疫防疫対策は、おそまつな感じがします。やはり、農家の方々の防疫意識レベルまでしか、対応できないのでしょうか。。
投稿: りぼん。 | 2011年2月12日 (土) 19時42分
りぼんさんの紹介しているハンギョレ
(ラディカルな報道媒体)の記事の事例は、
「口蹄疫の埋却地とは無関係」と政府が反論していて、
他の媒体も無関係とする後追い記事を出しています。
では一体何故こんな光景が?というのは謎ですが。
投稿: コンタン | 2011年2月13日 (日) 01時24分
「南の島の黒毛和牛繁殖農家」様の書かれた
>しかし、口蹄疫やトリインフルの脅威は、それ以上だと思います。
私も予防的なワクチン接種以外、韓国の二の前を阻止する方法は無いと考えます。
とのご意見が、愈々日本もワクチン非接種清浄国への固執を捨てワクチン接種清浄国へ飛び降りるべきだとの意味であれば私も諸手を上げて賛成します。
数十万等の家畜の殺処分なんて話はもう聞き飽きましたし、人倫に悖ると考えます。 経済家畜なら何をしても良いというのは極めて傲慢です。
それも事もあろうにワクチンを打って免疫のついた健康な家畜を大量に殺したり、そしてそれが何の為かと言えばスズメの涙ほどの輸出を促進する為だと答える。
農水は人を馬鹿にしています。
大体、非関税障壁としての口蹄疫の話は30年も前から聞いていますがその間事情は随分変わっています。 例えば南米の牛肉を阻止すると言いますが、ウルグアイはかなり長い間、日本と同じステータスだった筈です。 ウルグアイの牛肉が日本を荒らしたことがあったでしょうか。 又最近のように各国の経済力のランキングが入れ替わるような情勢では、南米は先進国の清浄国需要をひたすらに狙わなくともそこそこにやっていけるように需給状況が変わっているかもしれない。
つまり言いたいのは日本が自発的にステータス・チェンジを実施しても日本市場は南米牛肉にやられるとは限らないのではないかと言う事です。
手付かずの処女のような無抵抗な家畜を維持しながら、息を潜めて防疫に励むのは止め、全家畜に予防ワクチンをを実施することにし、充分な量のワクチンを準備して、後は畜産業者の自己責任とすれば忽ちの内に100%の家畜に免疫がつくでしょう。 そして日本は立派なワクチン接種清浄国になります。
投稿: 利根 | 2011年2月14日 (月) 09時15分
私の意見は利根様と同様です。
でもなんだかこの問題は、南米の肉が入ってくることに対する、米豪への日本農水省の配慮じゃないかなんて勘繰ってしまいます。つまり、アメリカが日本のワクチン接種清浄国化を望まないということです。TPPには、ブラジルはずしを目論むアメリカの戦略があるかもしれませんしね。
話を戻しますが、
韓国のこのニュースで危惧しなければならない点があります。
韓国はワクチネーションでの口蹄疫制圧を目指しています。その一方でこの様なずさんな事により、ウイルスが撒きちらされたりでもしたら、ワクチネーションの失敗につながりかねません。この様なことで、ワクチンの信頼性に疑念をもたれたら、たまりません。
それからもう一点、水質汚染に関してです。
単純におそまつで済ませていいものでしょうか?
私の地区では、サトウキビに適さない旧水田地帯で草を植えています。山の谷間の田んぼです。1mも掘れば水が湧いてきます。
そんな所でしか、私の地区は営農していませんから、果たして万が一のときに埋める場所が確保できるのかなと危惧しています。
また、南西諸島の喜界、沖永良部、与論、伊江、宮古、多良間等の隆起石灰岩の島々では、貴重な地下水が、埋却処分によって汚染されるでしょう。
日本でも、私のように埋却処分に向かない所で牛を飼っている農家は沢山いるのではないでしょうか?
投稿: 南の島の黒毛和牛繁殖農家 | 2011年2月14日 (月) 12時04分